腰椎圧迫骨折とは?症状・原因・治療法・注意点を紹介!

腰椎圧迫骨折はその名の通り、腰の骨を外力によって骨折してしまう状態です。外力にも様々なものがあり、本当に些細なちからで折れてしまうこともあります。

通常の骨折はポッキリと折れるというイメージですが、腰椎圧迫骨折は外力によって骨がつぶれてしまうというイメージが近いのかもしれません。

では、この骨折の症状や特徴。そして、どういう原因でどういう人がなりやすいのか。これらのことについて詳しくみていきましょう。

腰椎圧迫骨折の症状とは?

腰痛

この骨折の最大の特徴は腰部の激しい痛みです。厄介なのは寝ているときなど体が安静にしているときでも痛みを感じます。重度になると寝返りすらうてなくなるので、日常生活にも支障をきたすことがあります。

通常の骨折、例えば腕の骨を折ったとしても、基本的に包帯を巻き安静にしていれば痛みを感じることは少ないですよね。腰椎圧迫骨折は些細な動きで痛みを感じるのでとても厄介な状態といえるでしょう。

症状が悪化すると…

痺れ

腰椎圧迫骨折を起こしてしまうと、周辺の神経に影響が及ぶこともあります。それは下半身の痺れや麻痺といった症状です。足、お尻に持続的な症状が出たら要注意でしょう。

また骨が脆い人ですと、尻もちやくしゃみ、咳き込みだけで骨を骨折することがあります。このような状態までなると、精神的にもかなり大きなストレスを感じます。

一方で骨折をしてしまったとしても、症状が軽いこともあります。それは骨折の程度が軽度である場合です。この時は、腰に痛みが走るものの、動けないほどではありません。

骨折の判断は?

骨折

腰痛か圧迫骨折かの判断は症状の持続性と症状にあります。例えば腰痛であれば、それほど長い間持続することは少なく、症状も比較的軽度です。

一方で腰椎圧迫骨折であれば、長い期間の腰の痛み。そして徐々に痛みが大きくなるといった特徴があります。進行するにつれて、些細な日常動作にも痛みを感じるようになります。

腰痛が長く続いているけど、一向に痛みが引かない。そんなことに悩んでいる人は一度検査を受けることをおすすめします。

腰椎圧迫骨折はどんな人に起こる?

おばあさん

骨折を起こす人の特徴として高齢女性であるということがあげられます。その理由として以下の2つがあげられます。

高齢になるほど骨が脆くなる

加齢と共に骨の密度は減少し、強度が低下します。それは運動不足や食事の偏りなどが原因としてあげられます。長い年月をかけて、骨は弱くなっていくのです。

女性は骨が細い

女性の骨は男性と比べて細いですよね。それが腰椎圧迫骨折を招く一因といわれています。それに加齢が加わると、より骨折のリスクが高まるのです。

腰椎圧迫骨折はどうして起こる?

腰

この骨折の原因は骨が脆くなる「骨粗鬆症」が関係しています。骨粗鬆症は加齢やカルシウム不足によって、骨の内部に空洞ができ、強度が著しく下がる病気です。

骨の強度が下がっているのですから、外部の衝撃に骨が耐えることは難しいでしょう。腰椎圧迫骨折を防ぐためには、まず骨の強度を上げることが最大のポイントといえるでしょう。

どうやって骨の強度を上げる?

強度

腰椎圧迫骨折の原因となる骨粗鬆症。これらを予防するためには骨の強度を上げる必要があります。では、どうやって骨の強度をあげればいいのでしょうか?ポイントは3つあります。

きちんとした運動習慣

鉄は打つことで強度が増します。それと同じように日々、骨に負荷を与えることは、骨の強度を上げることにつながります。習慣的な運動は腰椎圧迫骨折を予防してくれます。

反対に病気をきっかけに家に閉じこもってしまった。そんな高齢者ほど腰椎圧迫骨折を発症しやすいといえるでしょう。散歩程度の運動で十分効果があるので、きちんと体を動かすようにしましょう。

骨の栄養を食事から摂取する

骨の成分はカルシウムを主としていますが、それ以外にもミネラルやビタミンからもできています。カルシウムだけとってもきちんと骨が生成されないので、これらバランスを考える必要があります。

栄養の偏り、不足はあらゆる病気を招く原因といえるでしょう。毎日、栄養のある食事を体に合った量だけ食べる。これは骨折だけでなく、病気を予防することにつながるのです。

日光に当たる

私たちの体の皮膚は日光が当たるとビタミンDを産生するようになっています。このビタミンDは骨の合成を助ける性質があります。

運動は室内でやるのではなく、なるべく屋外でやるほうが骨の強度を上げることにつながるでしょう。運動をするのが面倒という日でも日光に当たることを心がけてみてください。

腰椎圧迫骨折をどう治療していく?

車椅子

腰椎圧迫骨折を起こしてしまった時、基本的には骨の形成を待つことがポイントです。時間はかかりますが、骨は治っていきます。

しかし、他の骨折と症状が違ったり、骨の形成が遅いといったこともあります。では、どのような治療をし、どんなことに注意すればいいのでしょうか?

まずはコルセットを

腰部をコルセットで固定することで、骨の形成を助けます。また、外部から力が加わっても衝撃を吸収するという効果も期待できます。

とにかく安静にすること

この骨折を起こしてしまう人はとにかく骨が脆いということが特徴です。そのため、コルセットを巻き、極力安静にしているというのが基本的な治療法です。

どんなことに注意すればいい?

長い期間、体を動かさないと高齢者の場合、筋肉の衰えが顕著に現れます。起き上がりに苦労したり、身の回りのことができなくなるなんてこともあるでしょう。

このような動作をするときは、とにかく無理をしないことが大切です。少しでも痛みを感じたら、休むようにしましょう。無理をして他の場所も骨折してしまうなんてこともあるので十分注意が必要です。

その他の治療法

腰椎圧迫骨折の治療は基本的に安静でいる、ということですが、それ以外にも治療法があります。それは経皮的椎体形成術と呼ばれます。

この治療法は折れてしまった骨に医療用のセメントを注入し、骨を再形成させます。症状の改善が早く、術後数日で歩行が可能です。

また、圧迫骨折に伴って下肢の痛みが起きているなどの、神経障害にも効果的です。症状が改善し、生活の質が向上するでしょう。

体を生活に徐々に慣らしていく

リハビリ

ある程度、体が動かせるようになってくると、医師の指導の元、リハビリをしていくようにしましょう。筋力が低下したままだと寝たきりになってしまうこともあるからです。

筋トレといったものではなく、自分の身の回りのことを少しずつやってみるといったことから始めてみてもいいでしょう。

家族に家事を任せる、というのも一つのサポートかもしれませんが、体を動かすことも十分リハビリである、という認識が大切だと思います。

腰椎圧迫骨折の注意点

注意

腰椎圧迫骨折は腰部に痛みを発症します。それは冒頭に述べたように激しい痛みを伴う場合があります。しかし、症状が軽度のときもあり、この時に最も注意が必要です。

というのも、圧迫骨折を起こしているにも関わらず、腰痛と勘違いしてしまうことがあります。すると骨折が放置され、骨の再形成に深刻な問題を起こすことがあるのです。

より骨折が進行してしまう。骨が変形して形成されてします。これらのことが起こると、姿勢の変形、筋肉や体力の低下などが併発されるでしょう。

もちろん、痛みといった具体的な症状も悪化しますし、下肢の痺れ・麻痺を発症することもあります。小さな勘違いが将来に渡って大きな後遺症を招くことがあるのです。

このため、以下の違和感・症状が続くときは検査を受けるようにしましょう。

持続的な腰の痛み

圧迫骨折の場合、いつまでも腰の痛みが治らないという特徴があります。数週間〜数ヶ月と腰の痛みが取れない場合は要注意です。

小さな動作でも腰が痛む

腰痛はふとした時に痛みを感じます。しかし、圧迫骨折の場合、立ち上がりや寝返りといった些細な動作にも痛みを感じます。

きちんとした検査を受ける

ただの腰痛か圧迫骨折かどうかはレントゲンを撮ればすぐにわかります。

腰椎圧迫骨折の後遺症

腰椎は体の中心を走る背骨の一部です。この骨が骨折してしまうことは、その後の生活において後遺症を残すことがあります。具体的には過度な腰からの歪みです。

街を歩いていると腰から曲がった方を見かけることがあります。まさにこれが腰椎圧迫骨折の後遺症で、腰から体が曲がってしまうのです。

また、後遺症は背骨の曲がりだけではなく、腰の痛みを発症します。そして、これがきっかけとなり、寝たきりや引きこもりなどを招きます。

このような生活はさらなる病気を招くことがあります。家に閉じこもってばかりいれば、運動不足になり、筋力や免疫力の低下を招きます。病気にかかりやすくなり、生活の質を低下させてしまうでしょう。

腰椎圧迫骨折とどう向き合う?

入院

体を支える骨を折ってしまうことは、大きな悪影響を及ぼします。しかし、早期に治療を開始し、きちんとリハビリを続けていけば、以前の生活となんら変わらないところまで回復することができるでしょう。

反対に、自己判断で腰痛と間違えたり、病院に行かないとなると症状は悪化し、治療も難しいものになるでしょう。その後の後遺症も残りやすいです。

腰椎圧迫骨折の付き合い方として大切なのは早期治療、きちんとしたリハビリ。そして、その後の生活の改善がポイントです。

◯まとめ

歩く

骨折がきっかけで家に引きこもってしまった。それは、さらなる病気を招く原因になってしまうでしょう。これは非常に注意しなければならないことです。

また、食欲がなくなり、十分な栄養が取れなくなった。このようなことも体の健康を損なうので、十分な注意が必要でしょう。

もちろん、無理はいけません。ですが、過度に心配しすぎて体を労わりすぎるのも良くないでしょう。ぜひ、体のことを考えた行動をとるようにしてくださいね。

  
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