帝王切開の麻酔の種類と副作用について!対処方法は?

帝王切開での出産には、たくさんの不安がつきまとうと思います。初めての人も、二回目以降の人も、おそらく不安はあるのではないでしょうか?麻酔はいつまで続くのかや、麻酔が切れた後はどれくらい痛いのかなど、分からないことは多くあります。

今や、五人にひとりは帝王切開になると言われていますが、一人目と二人目で麻酔の症状や、使用する種類が違うこともあります。不安な気持ちをひとりで抱え込まないようにすることが大切です。今回は、帝王切開の麻酔と、それに伴う副作用などをご紹介します。

麻酔の種類について

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帝王切開での麻酔の種類を説明します。

硬膜外麻酔

脊椎の間から針を入れます。この麻酔は、手術中に追加ができます。そのため、時間が長引いたとしても、麻酔が切れるといった心配はありません。また、術後の痛み止めにもなります。この麻酔は、神経や血管に直接注入するものではありません。脊椎の隙間に細い管を通し、必要な量だけ麻酔を入れていきます。

この硬膜外麻酔こは、帝王切開では一番ポピュラーな麻酔です。副作用が少ないのが、その理由となっています。また、部分麻酔なので、手術中の意識ははっきりしています。赤ちゃんの産声を聞くことも可能です。

脊髄麻酔

こちらも部分麻酔で、下半身の感覚はなくなりますが意識はしっかりしています。脊髄腔に麻酔を注入する方法です。この脊髄腔とは、脊髄の一番外側にあり、そこへ麻酔を入れるやり方で行われます。

この脊髄麻酔は、硬膜外麻酔がうまくいかなかったときなどに使われます。硬膜外麻酔は、高度なスキルが必要とされ、患者の動きが多かったりすると、使用継続が難しくなります。

そのような場合に、脊椎麻酔に切り替えられるというパターンが多いです。この麻酔も効き方は硬膜外麻酔と変わりません。ただ、副作用が硬膜外麻酔より出やすいというデメリットがあります。

全身麻酔

これは、緊急帝王切開時などに使われることが多い麻酔です。緊急帝王切開は、最初は自然分娩だったのに、赤ちゃんやお母さんになにかしらのトラブルが起きた場合など、不測の事態に行われます。
他二つの麻酔は、麻酔をするまでの準備も長く、緊急時にはそぐいません。でも、全身麻酔の場合は、麻酔を妊婦さんの血液に入れるため、全身にすぐ回るのです。
赤ちゃんには、麻酔の影響が強くなる前に取り出されるので、それほど心配はいりません。ただ全身麻酔は妊婦さんへの負担は大きいので、ごくまれではありますが重度の心臓や脳に副作用を引き起こすこともあります。全身麻酔の場合は、意識がはっきりしないので、赤ちゃんの産声を聞くことはできません。

麻酔の副作用の症状

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副作用の説明です。

術後二、三日で頭痛が出る

帝王切開を経験したお母さんのなかには術後、頭痛に悩まされた人も多いのではないでしょうか?二、三日経ってから、頭痛を感じる人がいます。
症状も様々で、我慢できる程度の人もいれば、起き上がることや赤ちゃんのお世話ができないくらいに辛い人もいます。これは、使用した麻酔の種類や、麻酔の量にもよるので個人差があり、まったく感じない人もいます。

頭痛は麻酔の副作用

全身麻酔を除く二つの麻酔は、腰に注射を打ち、髄液に入れます。このときの針には穴が開いており、そこから髄液が体内に漏れてしまうのです。
髄液が血流を変えたり、脳の働きに作用することがあるため、頭痛が起きるのです。だから、髄液が漏れた量だけ頭痛の程度が違ってきます。この場合、硬膜外麻酔よりは脊髄麻酔の方が、ひどくでるとも言われています。

麻酔中に体の苦しさを感じる

帝王切開経験者の中には、麻酔の最中に息苦しさを感じた人もいるでしょう。この息苦しさが嫌で、二回目以降の帝王切開に不安を抱く人も多いと思います。
実は、麻酔の最中の息苦しさも、副作用のひとつなのです。薬によって血圧が低下して、息苦しさや吐き気をもよおすのです。この場合、全身麻酔ではなく部分麻酔で起こります。

麻酔の種類でも差がある

一般的に、硬膜外麻酔の方が脊椎麻酔に比べて、血圧低下の副作用は少ないと言われています。それはゆっくりと薬が入って、じわじわ脊髄に浸透するからてす。
一方、脊椎麻酔は血圧低下の副作用が起きやすいと言われています。麻酔の方法によったり、量、体質など個人差はあります。帝王切開中に息苦しさなどを感じたら、血圧低下によるものが多いのです。

全身麻酔にも副作用はある

これまでは、部分麻酔の副作用を述べましたが、全身麻酔にも当然副作用はあります。麻酔が全身に、それも急速にまわるため、母体への負担は部分麻酔よりも大きいです。まるで風邪をひいたような喉の痛みや倦怠感、血圧低下や重度になると心停止といったリスクも伴います。

ですが、必ずしも副作用が起きるわけではないので、必要以上に不安を抱えないことも大事です。全身麻酔で帝王切開をする場合は、その副作用のリスクを考えるよりも、全身麻酔での出産が優先であることが多いのです。

お母さんと赤ちゃんを守るために行われるということを覚えておきましょう。どうしても不安な場合は、あらかじめ緊急時も想定して、医師に相談・説明をしてもらい、安心して出産に臨めるようにしたいものです。

麻酔の副作用の対処法

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副作用を感じた際の対処法の説明です。

頭痛がひどいときは我慢しない

麻酔の副作用である頭痛は、まったく防ぐことはなかなか難しいものです。頭痛がひどくても、体を動かそうとする人がいますが、それは逆に状態が悪化することもあります。麻酔の副作用であり、お母さんにはどうすることもできません。無理をしないことが一番です。
入院中は、赤ちゃんを別室で預かってもらったり、助産師さんたちに連れてきてもらいましょう。できるなら、授乳も添い乳にできるとなお良いです。

ためらわず薬を処方してもらう

お母さんのなかには、薬をもらわず頭痛を緩和する方法を探す人もいます。しかし、お母さんや赤ちゃんに良くないことも、あるかもしれません。
頭痛がひどいときは、産科の先生に相談しましょう。授乳に影響のない薬を処方してくれるので、安心して服用できます。ひどい人では、頭痛が四、五日続く人もいます。無理をせず早めに体を楽にして、帝王切開後の体を休ませてあげましょう。 

時間の経過も薬になる

麻酔による副作用も、時間により薄まることで症状も和らいでいきます。はじめから、頑張りすぎず、そのうち体も楽になるというくらいの気持ちで、辛いときは休みましょう。赤ちゃんのお世話も、周りの助けをもらいながらやっていきます。

体が楽になってくれば、リハビリのつもりで少しづつ動かしていけば、大きな負担になることもないでしょう。焦らないことが大切です。

まとめ

帝王切開の麻酔にも種類があり、緊急性に応じて使い分けられます。帝王切開の出産は、陣痛を伴いながらではないからか、『楽な出産』などと思われたりします。ですが、麻酔ひとつでも、とても体に負担がかかるものなのです。
手術中、術後にも副作用に悩まされ、全身麻酔だと、赤ちゃんの産声を聞くことができません。そのようなリスクを背負いながらも、出産をする帝王切開は、けっして「楽な出産』ではないのです。
出産時の麻酔には、医師が量を見ながら調整していくので、安心して臨みましょう。術中も、息苦しさなどを覚えたら、その都度伝えていきましょう。そして、赤ちゃん誕生瞬間を、少しでも安らぐ気持ちで迎えられたらいいですね。
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