肝嚢胞とは?原因・症状・治療方法を知っておこう!

みなさんは、「肝嚢胞」という病気を聞いたことがありますか?は、あまり聞いたことのない疾患ですが、実は、発症頻度は決して低くありません。

どのような疾患なのか、肝嚢胞の症状や治療方法、肝嚢胞が関連する疾患について紹介していきます。

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◆肝臓とは

肝臓

肝臓は、おなかの右上、横隔膜の下にある大きな臓器で、重さは成人で約1キロから~1.5キログラムあります。

肝臓には様々な働きがあり、体内のエネルギー代謝に関わったり、消化液の胆汁を作ったり、アルコールなどの毒を分解したりする働きがあります。

肝臓は、高い再生能力を持っていて、機能が正常なら、全体の7、8割を切り取られても、およそ半年後には、元の大きさに回復する臓器です。

少々の不調では症状が現れないため、沈黙の臓器と言われています。

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◆肝嚢胞とは

考える女性
肝嚢胞は肝臓の中に液体の入った袋ができる病気です。

嚢胞とは、袋がたくさんできる病気のことで、良性のことが多いです。

肝嚢胞には、先天的なものと後天的なものがあり、後天的なものには炎症が発生したり、腫瘍ができたり、寄生虫が原因で発症したものなどがあります。

まずは、一般的に良性のことが多い、先天性の肝嚢胞について、どのような病気なのか解説していきます。後天性のものについては、後ほど触れたいと思います。

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◆先天性の肝嚢胞

超音波

先天的な肝嚢胞は症状のないことがほとんどで、健康診断で超音波検査などを行った時に、偶然見つかった、という人が多いようです。

嚢胞が小さい状態であれば、問題ないようですが、大きくなってくる場合もあります。肥大化して8~10cmほどになり、腹部を圧迫するようになると、お腹が張っているように感じたり、胃が圧迫されているように感じ、食欲が減退する場合もあります。

頻繁にある症状ではないのですが、この肥大化した肝嚢胞が破裂することもあり、出血で肝機能障害などが引き起こる場合もあります。この場合には、早急に手術となります。肝嚢胞の中には液体が溜まっており、その部分が感染症を起こして発熱することもあるようです。

液体は、孤立性といって一つの袋に溜まる場合もあれば、多発性といって複数の袋ができる場合もあります。

また肝臓の中を通っている、肝内胆管と呼ばれる管にできる嚢胞もあります。この場合も、孤立性と多発性の2つに分かれ、その中でも多発性の肝内胆管嚢胞は、カロリー病という先天性の病気です。

このカロリー病は、小児の慢性特定疾患の一つであり、生まれつき胆管の形に異常がある状態です。治療は、できるだけ症状が出ないようにする治療法が主体ですが、場合によっては、肝臓の腫瘍や、治すのが難しい胆管炎などの合併症が発生するとされています。

○中高年の女性に見つかることが多い

肝嚢胞が発見されるのは、理由はハッキリしていませんが、40代以降の女性が多く、全体の8割を占めると言われています。

先ほど述べたように、症状がなく、肝機能も問題ないために自覚がないまま年令を重ね、超音波検査を受けたので見つかったという例が少なくありません。

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◆後天性の肝嚢胞

臓器

後天的な肝嚢胞は、肝臓や胆管に発生した炎症や傷などがきっかけとなって水が溜まる肝嚢胞や、腫瘍などが原因で水が溜まって袋が作られる肝嚢胞性腫瘍、寄生虫が感染して水が溜まる、感染性肝嚢胞などがあり、いずれも注意が必要です。それぞれ紹介していきましょう。

○炎症などがきっかけでできる肝嚢胞

肝臓や胆管などで炎症が発生すると、分泌された液体がが溜まり、嚢胞という袋を作ることがあります。

炎症がきっかけで発熱していたり、感染や出血が見られる場合、嚢胞が肥大化して他の臓器に影響を及ぼすことが考えられるため、治療を行います。

○腫瘍性の肝嚢胞

腫瘍性の肝嚢胞には、ポリープのような症状である腺腫や、悪性腫瘍の癌などがあります。

腺腫というのは一般的に良性のものを指しますが、大腸などでは、ポリープが癌になることもあるため、注意が必要です。

○寄生虫などへの感染が原因の肝嚢胞

エキノコックスと言われる寄生虫が原因で、肝嚢胞を発症する場合があります。エキノコックス症、または包虫症と呼ばれ、幼児に感染する場合が多いようです。

ただし、大人でも発症することがあり、腹痛や黄疸、発熱などを生じる場合があります。さらに、肺にも嚢胞が発生して破裂することがあり、そうなると、咳が出たり、胸の痛みや喀血などの症状が生じます。

MRIなどで、寄生虫や嚢胞を確認した上で、包虫症の薬であるアルベンダゾールや抗生物質が投与されたり、手術で包虫を取り除きます。

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◆肝嚢胞の治療方法は?

CT

健康診断などで肝嚢胞が発見されても、それが明らかに良性と診断されれば、治療の必要はないようです。

ただし、1~2年に一度は定期診察を受け、肥大化していないか経過観察することがすすめられています。

治療が必要なのは肥大化している場合や、腫瘍性・感染性などの肝嚢胞の場合です。では、具体的にはどのように治療していくのか、紹介していきましょう。

○CT検査などで嚢胞の原因を明らかにする

腹部の超音波検査などで肝嚢胞があると明らかになった場合、その嚢胞の原因をはっきりさせる必要があります。

生まれつきの良性のものなのか、炎症などでできたものなのか、腫瘍性か、感染によるものか、の判断は、超音波検査だけでは難しいようです。

そこで、造影剤を用いたCT検査や、血液検査、MRIなどを行って、判断していきます。

○肥大化した肝嚢胞は、針を刺して溜まった液を出す

肥大化した肝嚢胞や、腫瘍の場合、外科手術で対処するだけでなく、それ以外の方法で処置することがあるようです。

癌などの悪性腫瘍には、外科手術が優先されます。水が溜まっている状態ですと、50cmほどまで大きくなることもあると言われています。

または、超音波で観察しながら、皮膚の外側から嚢胞に針を刺して、中に溜まっている液を外に出します。針を刺した部分からの感染を起こさないよう、きちんと処置を受けることが大事ですが、外科手術よりも回復が早いと言われています。

さらに、再発を防ぐために、液を外側に出した時に、嚢胞にエタノールやミノマイシンという薬品を代わりに入れて、袋の内側の細胞を死滅させる処置を行います。

○腫瘍性のものや判別が難しい場合には手術する

腫瘍性の肝嚢胞は、手術で対処します。以前は、手術でおなかを切り開いて嚢胞を手術していましたが、今では内視鏡を使っての手術が一般的です。

外科手術の場合には、開窓術といわれる、袋状になった嚢胞の天井部分を取り除き、再発を予防します。腫瘍がある場合には、できるだけ取り除いて、組織の一部を検査します。内視鏡で手術を行うので、開腹手術よりも体への負担が少なく、早めに退院できるようです。

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◆難病に指定されている多発性肝嚢胞

不安な子供

多発性肝嚢胞は、肝臓に嚢胞がたくさんできる病気です。

多くは良性のもので、生まれつきの病気であり、オランダやノルウェーでは、研究によって、病気の原因になっている遺伝子が明らかになりつつあります。

この病気は、肝臓のみに嚢胞がたくさんできる場合と、腎臓などにもたくさん嚢胞ができる場合があるとされています。肝臓のみの場合の多発性肝嚢胞が発症する人の割合は、2000から4000人に1人、腎臓などにもできる人の割合は、おおよそ10万人に1人のようです。

○日本では遺伝子との関連が明らかになっていない

多発性肝嚢胞は、生まれつきの病気の一つと紹介しましたが、日本では、まだ、原因と考えられている遺伝子との関連ははっきりしていません。

症状のない人が多いことから、治療を行っている人の数も少なく、まだ原因は不明といってもいいでしょう。

女性の発症率が高いことから、女性ホルモンと関連しているのではないか、とも考えられています。

○症状のない人も多いが、合併症の危険性あり

肝嚢胞が肥大化すると、他の臓器を圧迫することがあると紹介しましたが、そうなると、呼吸困難を引き起こしたり、運動障害が出たり、腹痛やヘルニアなどの症状が現れてくる場合があります。

血液検査だけでは、肝機能に障害があるとは分からないことが多く、感染が認められたり、嚢胞からの出血があって、肝機能に影響が現れ、危険性が認識されます。

腎臓や膵臓、肺にも同時に多発性の嚢胞が現れることがあるようです。

○診療基準はいまだ手探りの状態

多発性肝嚢胞は、厚生労働省による診療基準が示されていますが、先ほど述べたように、原因がはっきりしておらず、治療を受けている人の数が少ないため、治療方法の基準などは、参考程度とされています。

○多発性肝嚢胞の治療方法は?

多発性肝嚢胞の場合も、他の肝嚢胞と治療方法は変わりません。

症状がなければ治療を施す必要はなく、肥大化している場合には、嚢胞が小さくなるように処置をしたり、肝臓を部分的に切り取って、できるだけ再発を予防するようにします。

また、嚢胞に栄養を送っている血管を塞いだり、根本治療として肝移植を行ったりします。ただ、嚢胞があっても肝機能が正常な場合もあり、よほど重症だったり、他の合併症がある場合に取られる選択肢のようです。

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◆まとめ

いかがでしたか?

ここでは、肝嚢胞の種類や、病気の症状、治療方法などを紹介いたしました。

健康診断などで、突然、「肝嚢胞が見つかりました」などと聞くと、何か恐ろしい病気にかかったように感じますが、一概にそうとも言えず、良性のものであれば、症状のないあいだは、経過観察を怠らないようにしておけばまず大丈夫のようです。

もし、肝嚢胞と判明していて、なおかつ症状のあるときには、主治医によく相談しながら治療を受けていきましょう。

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