「引き寄せの法則」をご存知でしょうか?引き寄せの法則を簡潔に要約すると、良いことを頭に思い浮かべれば良い結果を引き寄せ、悪いことを頭に思い浮かべれば悪い結果を引き寄せる、という法則のことです。もし良いことを考えるだけで成功が約束されるのならば、これ以上ない成功法則と言えるでしょうから、興味を持つ人も少なくないでしょう。
この点、引き寄せの法則を支持する人たちは、世の中で成功者と呼ばれる人の多くが、この引き寄せの法則を意識的に実践していたり、あるいは引き寄せの法則の存在を知らなくても無意識的に引き寄せの法則と同じようなことを実行しているのだ、と主張します。
しかしながら、このような引き寄せの法則に対して、当然ながら批判する人たちも存在します。というのも、引き寄せの法則は科学的に裏付けがあるわけでもなく、科学的証明もされていないからです。
そこで今回は、引き寄せの法則の概要を解説した上で、引き寄せの法則の実践方法や実践における注意点などについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
引き寄せの法則の概要
そもそも引き寄せの法則とは、どのような法則のことなのでしょうか?引き寄せの法則そのものを知らなくては、引き寄せの法則の実践方法や注意点を理解し実践することはできません。
そこで、まずは引き寄せの法則に関する基礎的な知識について、ご紹介したいと思います。
引き寄せの法則
引き寄せの法則とは、似た者同士がお互いに引き寄せ合う、という法則のことです。いわゆる「類は友を呼ぶ」という諺(ことわざ)をイメージすると、非常に理解しやすいかもしれません。
似た者同士がお互いに引き寄せ合って仲間となる理由は、考え方や気が合うからです。つまり、思考内容や感情が似ていると、自然と寄り集まって同じ仲間となるわけです。それゆえ、引き寄せの法則では、前向きで良いことを考えるポジティブな人の周りには似たような人たちが集まり、結果としてポジティブで良い結果を引き寄せるのだ、と主張するわけです。
例えば、引き寄せの法則によると、お金持ちになりたいと考え行動すれば、周りにお金持ちの知り合いができ、お金を儲ける方法の情報交換を通じて、結果としてお金持ちになれるのです。
一方で、マイナス思考でネガティブな人の周りには似たような人たちが集まり、その結果として不幸なことばかりが生じるのも、引き寄せの法則が働いているからであると理解します。
ですから、引き寄せの法則とは、自分で良いことを頭に思い浮かべれば良い結果を引き寄せ、自分で悪いことを頭に思い浮かべれば悪い結果を引き寄せる、という法則のことなのです。
引き寄せの法則の普及
このような引き寄せの法則が日本で広く普及したのは、ロンダ・バーン著作の「ザ・シークレット」という自己啓発書と、ヒックス夫妻による共著作「引き寄せの法則 エイブラハムとの対話」というスピリチュアルガイドの本という2冊がきっかけになっているとされています。
いずれの書籍も西暦2007年に日本語訳が刊行されたことに加えて、当時の日本がスピリチュアルブームに沸いていたこととも相まって、引き寄せの法則が一気に流行することになりました。
引き寄せの法則の原理
引き寄せの法則は、宇宙の全てのものに作用する「宇宙の法則」の一つとされます。引き寄せの法則の前提となる宇宙とは、目に見える物質世界だけでなく、目に見えない精神世界も含むとされます。
そして、この宇宙においては、存在している全てのものに特定の波動があると考えます。波動とは、いわば特定の周波数のようなもので、この周波数のような波動が合致すると共鳴して、お互いが引き寄せられると考えるわけです。
たとえば、人間や動物といったものにも波動が存在し、石ころや植物といったありとあらゆる物質にも波動があります。また、目に見えない思考・願望・想念といったものにも波動が存在すると考えます。
このように引き寄せの法則は、宇宙のあらゆるものが波動を出していて、その波長が合うと共鳴して引き寄せあうというものです。ですから、思考や願望などが出す波動の波長が合うと、同じような思考や願望などを持つ人が集まるというわけです。
これらの波動や波長に関する説明原理として、「ザ・シークレット」では物理学の一分野である量子力学(量子物理学)を援用しており、量子物理学者のフレッド・アラン・ウルフ博士の言葉が引用されたりしています。
引き寄せの法則に対する批判
このように物理学や量子力学が説明原理だとすると、引き寄せの法則は科学的な法則と思われるかもしれません。しかしながら、フレッド・アラン・ウルフ博士は自分の発言のうち都合の良いところだけを引用され、それ以外の発言は削られていると語っており、引き寄せの法則と物理学の関係性を否定しています。
また、引き寄せの法則を否定する立場からは、台風や地震などの天災、交通事故、様々な病気なども自分で引き寄せていることになり、説明が矛盾あるいは破綻しているといった批判がなされています。
引き寄せの法則の本質
このように引き寄せの法則の説明原理では、現実として全てのことを上手く説明しきれません。しかしながら、類は友を呼ぶように、似たような考えの人が集まり仲間となっている現実も、多くの人が自分自身の経験として知っているでしょう。例えば、学校のクラスの中で、イケイケの人同士が集まり、オタク気質の人同士で集まるといった状況は良く目にする光景でしょう。
そこで、改めて引き寄せの法則について考えてみると、要するに「類は友を呼ぶ」や「笑う門には福来る」といった昔からの諺が示すように、引き寄せの法則とは人間の世界における普遍的な法則を言い直しているにすぎないのです。
そして、敢えて学術的に説明するならば、心理学におけるカラーバス効果で説明が可能です。カラーバス効果とは、意識しているものほど情報として目に飛び込んでくる作用のことです。例えば、車を購入しようと車種を決定したら、町中で購入車種の車ばかりが目についてしまいます。つまり、人が強く意識すればするほど、それが潜在意識となって脳が無意識のうちに関連情報を集めようとして、今まで見逃していた情報が目に入ってくるわけです。
ただし、心理学は人文科学に属する学問であり、物理学などのような自然科学ではありませんので、心理学で説明できたからといって引き寄せの法則が科学的(自然科学的)とは言えないのです。
引き寄せの法則の実践方法
このように引き寄せの法則の説明原理には問題や批判が存在することは事実ですが、一方で似た者同士がお互いに引き寄せ合い、自分で良いことを頭に思い浮かべれば良い結果を引き寄せる傾向があることも事実でしょう。それゆえ、引き寄せの法則を信じるか、胡散臭いと考えるかは、人それぞれの自由です。
ここからは、引き寄せの法則を信じる立場に立った上で、恋愛や結婚あるいは仕事やビジネスなど人生における夢や望みといった願望実現をするために、引き寄せの法則を実践していく方法について、ご紹介したいと思います。
願うだけでなく、思い込むことが必要
前述したように引き寄せの法則は、自分で良いことを頭に思い浮かべれば良い結果を引き寄せる、という法則です。
このように記述すると、頭の中で願い事を思い浮かべるだけで願いが叶う、と誤解されがちです。しかしながら、それでは神社に行って願掛けするのと変わりありません。
引き寄せの法則で良い結果を引き寄せるためには、頭の中で願い事を思い描くだけでなく、理想の姿や状態を想像して心の底から感情も含めて思い込むことが必要なのです。というのも、引き寄せの法則では思考や願望にも波動は存在するものの、感情が有する波動のほうが大きな影響を持つからです。
つまり、引き寄せの法則で良い結果を導くためには、願い事を思い描くことに加えて、理想が実現することによる喜びや感動といった良い気分や感情をも想像して、その実現を思い込むのです。
例えば、プロ野球選手になりたいと思うならば、そのように頭の中で思い描き、自分がプロ野球選手として活躍することによる嬉しさや喜び、あるいは両親や恩師への感謝などの感情も想像し、その実現を思い込むことによって実現が引き寄せられるというわけです。
漠然とした思いでは足りず、具体性が必要
このように引き寄せの法則で良い結果を導くためには、願い事を思い描くことに加えて、理想が実現することによる喜びや感動といった良い気分や感情も想像して、その実現を思い込まなければなりません。とすると、自分に嘘をつかず正直な気持ちからくる願い事でなければならず、心の底からワクワクしたりウキウキできるものでなければなりません。そして、それには漠然とした思いや願いだけでは足りませんので、より具体的に願い事を思い描く必要があるのです。
例えば、漠然と「自動車を買いたい」という思いでは足りず、具体的にメーカー・車種・型式・オプション装備・価格・支払方法・販売店などをリアルに思い描くほか、購入資金の準備方法や購入後のドライブの行き先、そして手に入れた喜びの感情なども詳細に想像するのです。
逆に言えば、漠然とではなく具体的で詳細な願い事を思い描くことで、はじめて心の底から自分の感情を揺り動かすことができるのかもしれません。そして、具体的でリアルな想像をし続けることによって、常に良い感情・良い気持ちを持ち続けることで、感情の波動がより良い結果を引き寄せるのです。
行動をすることも必要
引き寄せの法則によって良い結果を引き寄せるにあたっては、具体的な願い事を感情も含めて思い込むことが必要になるわけですが、それだけでは不十分です。具体的な願い事を感情も含めて思い込むことに加えて、それを実現するために向けた行動をすることも必要になってきます。
例えば、プロ野球選手になりたいと思うならば、願いを思い描くだけでなく、野球チームに入り、上手い人の技術を盗み、練習するといった行動が必要になるのは、当然と言えば当然です。
ですから、願いを思い描くことによって良い事柄を引き寄せることができても、それを受け取る行動ができていないと、最終的な良い結果は得られません。つまり、受け取る行動がなければ、引き寄せの法則も意味がなくなってしまうのです。
結果は気長に待つ必要
引き寄せの法則によって良い結果を引き寄せることができるとしても、願いを思い描いて行動すれば、すぐに結果がもたらされるわけではありません。良い結果を引き寄せるには、ある程度の時間がかかる可能性は認識しておく必要があるでしょう。
この点、ほとんどの人が引き寄せの法則に従って願いを思い描き行動してみても、1~2週間程度で変化が見られないことにより、願いの実現を諦めてしまいます。しかしながら、引き寄せの法則で良い結果を引き寄せるには、常に願いを思い描き、前向きな気持ちを維持して、結果を得るための行動や努力をし続けた上で、良い結果を得ることに焦らず気長に待つことが重要なポイントであり鍵となるのです。
引き寄せの法則の実践における注意点
前項において引き寄せの法則の実践方法の概要を説明した通り、良い結果を引き寄せるには、常に願いを具体的に思い描き、前向きな気持ちを維持しつつ、結果を得るための行動や努力を続けて、気長に待つことが求められます。
そして、良い結果を引き寄せるには、引き寄せの法則の実践にあたって、いくつかの注意点が存在します。そこで、引き寄せの法則の実践における注意点について、ご紹介したいと思います。
実現したい願望を自分が誤解している
引き寄せの法則の実践にあたって、失敗の原因となることの一つに、実現したい願望を自分が誤解していることが挙げられます。
どういうことかと言うと、例えば「お金持ちになりたい」という願望があると本人が思っていても、突き詰めて考えていくと単にお金が欲しいのではなく、「気兼ねせずに趣味に関する物を買いたい、そして物を購入した満足感を得たい」というのが本当の望みだった、というようなケースです。
また、別の例えを挙げると、「彼氏・彼女が欲しい」と本人が思っていても、良く紐解いてみると「彼女を相手にしてセックスがしたい」あるいは「彼氏との恋愛のドキドキ感を味わいたい」というのが本来の望みなのかもしれません。
このように実現したい願望が間違っていたり、自分が誤解していると、当然ですが本来の自分が満足できる良い結果を引き寄せることはできません。ですから、引き寄せの法則の実践にあたっては、その願望が本心から出ているものかノートに書き出すなどして十分に検討する必要があるのです。
心理的な抵抗の存在
引き寄せの法則の実践にあたって、もう一つ失敗の原因となりやすいこととして、心理的な抵抗の存在を挙げることができます。
心理的な抵抗とは、メンタルブロックとも呼ばれ、願望の実現を邪魔する価値観・思い込み・潜在意識などのことです。例えば、「お金持ちになりたい」という願望を思い描いても、それまでの成長過程で身についた「お金は汚いもの」というような価値観や潜在意識があったり、「お金持ちの多くは悪どいことをしている」という思い込みがあるケースです。このような心理的抵抗があると、表面上はお金が欲しいと望んでも、本心は真逆であることになります。そして、汚いことや悪どいことはしたくないという本心から、表面上の願望に対する引き寄せの効果や結果が得られないのです。
また、別の恋愛の例えでも同様で、「彼氏・彼女が欲しい」と思っていても、一方で「私では相手に釣り合わない」と思ったり、「そもそも人間関係や人付き合いが苦手」と思っていれば、彼氏や彼女ができるどころか相手を自分の周りから遠ざける流れが加速してしまいます。
まとめ
いかがでしたか?引き寄せの法則の概要を解説した上で、引き寄せの法則の実践方法や実践における注意点などについて説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、引き寄せの法則については賛否両論が存在しているのが事実です。しかしながら、引き寄せの法則の本質を見れば、人間の世界における普遍的な法則を言い直しているにすぎず、話の大枠としては納得できる点も多々あります
実際に、著名な会社経営者や成功した元スポーツ選手などが、引き寄せの法則に関連する書籍や経験をブログやSNSなどで紹介しているケースも、しばしば見受けられます。
本記事をご覧になって、引き寄せの法則に興味や関心を抱かれた方は、インターネットで検索してみると良いかもしれませんよ。関連書籍や成功体験などが記載されていたり、セミナーなども開催されています。
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