あなたの周囲には、自分の主張を押し通してしまう我が強い人はいませんか?おそらく、学校や職場など今まで所属した組織の中に、1人や2人は我が強い人が存在したと思います。そして、我が強い人は、得てして周りからワガママだと敬遠されたり、協調性がなく孤立しがちだったのではないでしょうか?
我の強さは、時として長所となる場合もありますが、どちらかという短所やネガティブなニュアンスとして捉えられる傾向があります。そして、日本人は協調性を重んじるところがありますから、どうしても我が強い人に対して苦手意識を持ちがちです。
そこで今回は、我が強い人の特徴や我が強くなる原因、我が強い人への対処方法などについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
「我が強い」の意味
そもそも「我が強い」とは、どのような意味を有する言葉なのでしょうか?
我が強い人の特徴や我が強くなる原因、我が強い人への対処方法などについて触れる前に、「我が強い」という言葉の意味を再確認しておく必要があると言えます。
そこで、まずは「我が強い」という言葉の意味について、ご紹介したいと思います。
「我が強い」という言葉の意味
「我が強い」という言葉の意味について、いくつかの国語辞書にあたってみると、概ね次のような意味を持っているようです。
- 自分の考えや意見を押し通す気持ちが強い
- 周囲の他人と協調する気持ちが欠けている
- 強情で意地っ張り
ですから、我が強い人というのは、自分の主張を押し通そうとする気持ちが強くて、周囲との協調性に欠けた人であり、また自分の考え方や意見を簡単には曲げない強情で意地っ張りな人だと言えるでしょう。
「我が強い」の類義語
このような「我が強い」という言葉の類義語を見てみると、「我が強い」という言葉の意味やニュアンスがより鮮明に伝わってきます。「我が強い」という言葉の類義語は、次の通りです。
- 自分勝手
- ワガママ(我がまま)
- 身勝手
- エゴイスティック
このように「我が強い」という言葉の類義語を見てみると、いずれも自己中心的な意味・ニュアンスを有しています。つまり、「我が強い」という言葉はネガティブなニュアンスを含んでおり、良いイメージやニュアンスを含む日本語ではないのです。
我が強い人の特徴
このような我が強いという言葉の意味やニュアンスを踏まえた上で、それでは我が強い人には、どのような特徴が見られるのでしょうか?我が強い人への原因や対処法を知る上で、我が強い人の一般的な人となりを知っておく必要性があるでしょう。そこで、我が強い人に共通して見られる特徴について、ご紹介したいと思います。
ただし、後述の特徴が見られるからと言って、必ず我が強い人であるとは限りません。あくまでも我が強い人には、後述の特徴が多く見られる傾向があるにすぎない点には留意ください。
自分の考え方や意見を押し通す
我が強い人に見られる最大の特徴は、自分の考え方や意見を強引にでも押し通そうとする姿勢や気持ちだと言えるでしょう。
たしかに、日本ではなく世界を見たときには、我が強い人の強い自己主張は非常に重要なストロングポイントになるでしょう。というのも、世界の主要な国々では自己主張をしなければ、意見が無く何も考えていないと相手に受け取られる可能性すらあるからです。
しかしながら、世界の中で日本社会が協調性を重視する特異な国であっても、そうであるがゆえに世界の中で最も安定し安心できる社会を構築してこれたのだとも言えます。ですから、日本社会に生きる以上は、やはり最低限の協調性が要求されます。
この点、我が強い人は、その協調性に欠けがちで、自分の考え方や意見を押し通そうとします。そのため、相手の話を途中で遮ってみたり、自分の意見や自慢話などを勝手に話し始めるといった行動をとってしまう傾向があります。
ですから、我が強い人は、周囲の人間の立場からすると、時には煙たい存在となってしまうことがあるのです。
相手の考え方や意見を聞き入れない
我が強い人は、上記のように自分の考え方や意見を押し通そうとするあまり、相手の考え方や意見を聞き入れようとしない傾向もあります。
我が強い人は、自分の考え方や意見に絶対的な自信を持ちがちなので、周囲の人の意見などを聞き入れようとする姿勢に乏しいのです。また、我が強い人は自分の思い通りに物事を進めたいがために、周囲の人たちに相談することは滅多になく、むしろ仕事上の会議やミーティングなど意見調整の場を嫌う傾向があるのです。そして、自分の意に反して会議やミーティングが開催されると、あからさまに不機嫌となり、「時間の無駄」と言わんばかりの大人げない態度をとることすらあるのです。
たしかに、時として天動説とコペルニクスによる地動説の対立のように少数派の考え方が正しい時がありますので、自らの考えに自信があり、それを曲げない姿勢が大切な場合もあるでしょう。しかしながら、そのような事例は稀であって、人々の集合知のほうが正しい場合がほとんどです。
ですから、我が強い人が相手の考え方や意見を聞き入れずに物事を進める姿勢や態度について、周囲の人たちは傲慢な印象を持ってしまうのですね。
仕切りたがり屋
我が強い人は、自分の考え方や意見を押し通すために、何かと物事を仕切りたがる傾向があることも特徴の一つと言えるでしょう。
たしかに、このような仕切りたがりの性格は、リーダーシップや行動力の現れとも言えるため、プラスに評価すべき部分なのかもしれません。しかしながら、我が強い人が物事を仕切ると、リーダーシップや行動力と言うよりも、むしろ強引さが前面に強く現れてしまう傾向があります。優れたリーダーシップには少数派にも目配りをするバランス感覚が欠かせませんが、我が強い人による物事の仕切りには自己中心的な意図しか見られないのですね。
ですから、我が強い人による物事の仕切り方は、周囲から不満が噴出する状況を招きやすく、時として感情的な対立を招いて人間関係を悪化させる危険性があると言えるでしょう。
自分の非を認めない
我が強い人の特徴の一つとして、自分の非を認めない傾向があることも挙げられるでしょう。
我が強い人は、自分の意見を押し通し、相手の意見を聞き入れることもありませんから、自らの考え方や意見が客観的に間違っていて他人にそれを指摘されたとしても、その指摘を聞き入れることをしないのです。つまり、我が強い人は、自分の意見が客観的に間違っていても、自分の非を認めることをしないのです。
このように我が強い人が自分の非を中々認めないということは、間違いやミスについて素直に謝らないということでもあります。それゆえ我が強い人は、自分の意見の間違いや矛盾点、あるいは自分の明らかなミスを指摘されても、素直に謝罪をすることはせずに、何かと理由をつけて言い逃れをしたり、見苦しい言い訳を展開する傾向があるのです。
このような我が強い人の言い逃れや見苦しい言い訳は、自分の意見を押し通そうとする一方で、自らの責任を回避しようとする言動ですから、いわゆる言行不一致と周囲に受け取られて人間性を疑われることにつながりかねません。
自分が我が強いことの認識が無い
我が強い人に見られる特徴的な傾向として、自分自身が我が強い人だという認識や自覚に欠けることも挙げられます。
周囲の人が明らかに我が強い人だと認識して煙たく感じていても、そのように見られている我が強い当の本人は自分自身をそのように思っていないという、周囲と本人の認識の不一致はしばしば見られます。というのも、我が強い人は自己主張をすることが自然で当たり前のことであって、無意識的に我の強さが発言・態度・行動に現れているからです。
そのため、周囲の人が遠回しに我の強さを指摘しても、我が強い人はその指摘に気付かないばかりか、ハッキリと指摘された場合でも明確に我の強さを否定しようとします。
このように我が強い人は、自らの我の強さに対する認識や自覚に欠けるので、それを指摘した周囲の人を余計にイライラとさせることがあるのです。
我が強くなる原因・深層心理
このように我の強さは、時として長所となる場合もありますが、その特徴の多くはネガティブに捉えられる傾向があります。それでは、我が強い人は、どうして我が強くなってしまうのでしょうか?そこで、我が強い人が、我が強くなる原因や深層心理について、ご紹介したいと思います。
自分の考え方を否定される恐怖
我が強くなってしまう原因の一つとして、自分を否定されることに対する潜在的な恐怖や不安が挙げられます。
大人であれば、考え方や意見をぶつけ合って、より良い結果につなげようとするものですが、我が強い人は自分の考え方や意見が否定されると自分自身が否定されると短絡的に受け取ってしまうきらいがあります。もしかすると、子供の時に精神的に抑圧された体験などがあり、そのような体験がトラウマとなって、自分を否定されることに恐怖や不安を抱いているのかもしれません。
それゆえ、我が強い人は、自分自身を否定される恐怖や不安から、無意識的に自己主張を強めてしまっている可能性が考えられます。
目立ちたがりな性格
単純に他人よりも目立って注目を浴びたいという目立ちたがりな性格も、我が強くなる一つの原因として考えられます。
自己顕示欲が強くて目立ちたがりな人は、自分の自慢話や自身の武勇伝を勝手に話し始めたり、集団の中でリーダー役を買って出たりしますが、自己顕示欲が強すぎると言動が行き過ぎて、いわゆる我が強い人になってしまいます。
ですから、あまりにも強すぎる自己顕示欲のせいで、我が強い人になってしまっている可能性もあるでしょう。
コミュニケーション・スキルの欠如
周囲の人に我が強い人と思われてしまう理由の一つに、コミュニケーション・スキルの欠如を挙げることもできます。
人と人のコミュニケーションにおいては、場合によって適度な距離感が変わりますので、その距離感を適切に把握する必要があります。この適度な距離感は、パーソナルスペースとも呼ばれ、例えば、親子間の距離と会社の同僚との距離では、接近できる距離が明らかに異なります。また、単なる友達同士の男性と女性との距離は、恋愛関係にある男女の距離よりも広いはずです。
このようにパーソナルスペースは、相手との関係によって距離感が異なり、通常の人は相手との関係に応じて適切な距離を把握しています。しかしながら、中には適切な距離感を把握することができずに、誰彼構わずに相手との距離感を無視して近づいてしまう人がいます。このような適切な距離感を把握できない人は、周囲の人に対して無用に警戒感や違和感を生じさせてしまい、自己主張が激しく我が強い人と思われてしまう可能性があるのです。
ですから、自己顕示欲やトラウマがなくとも、コミュニケーションの能力不足により相手との適切な距離感を把握できない場合にも、我が強い人と思われてしまうかもしれません。
我が強い人への対処方法
このように我が強くなる原因にも、いくつかの原因があって、何かハッキリとした一つの原因があるわけではありません。
それでは、実際に周囲に我が強い人が存在し、その存在を煙たく感じている場合は、どのように対処をすればよいのでしょうか?そこで、我が強い人への対処法について、ご紹介したいと思います。
別タイプの人であると割り切る
我が強い人は、前述のように基本的には自己中心的な人であって、周囲の人からすると非常に面倒に感じられるタイプの人です。それゆえ、我が強い人に対して真面目に向き合うと、周囲の人は振り回されてしまい、失望やイライラなど負の感情が刺激されてしまいます。我の強い人との付き合いにおいて、周囲の人にとっては、このように心を乱されてしまうことが大きな悩みの種と言えるでしょう。
この悩みを解決するには、我が強い人は基本的に自分と別タイプの人であると認識し、お互いに分かり合うことはできないだろうと割り切ってしまうと良いでしょう。このような心の割り切りをしてしまえば、多少の我の強さについては心を乱すことなく、受け流すことができるのではないでしょうか。
関わりを避ける
状況が許すならば、最初から我が強い人とは関わりを避けることも、有効な対処法の一つと言えるでしょう。
会社の同僚関係やご近所関係など避けることが難しい関係性でなく、我が強い人の発言や行動について面倒で不快にしか感じない場合で、かつ将来的にも知人や友人として関係を保つ意思が無いのであれば、無理して会話をしたりする必要もないのではないでしょうか。
前述のように我が強い人は、基本的に自己中心的で周囲の人を振り回してしまいますから、敢えて自分から我が強い人に近寄る必要はないのです。また、ある程度の付き合いをしてから、相手の我の強さに気付いた場合は、上記のような心の割り切りをした上で、我が強い人に適当に付き合いながら、段々と距離をとっていくようにしましょう。
関わりが避けられない場合
我が強い人との関わりが避けられない場合は、上記のように心の割り切りをした上で、適当な距離を保って付かず離れずの関係を維持するより他ありません。
我が強い人を刺激すると、余計に我が強くなって面倒なことになりかねませんから、表向きには我が強い人を無理のない範囲で褒めておだてたり、笑顔で対応しましょう。その上で、我が強い人の考え方や意見について内容や周辺情報を検討して問題がなければ、おだてつつ上手く物事を進行できるようにサポートしても良いかもしれませんね。
一方で、我が強い人の考え方や意見の内容を検討して問題がある場合は、対処法もより複雑になり手間がかかります。1人で我が強い人の考え方や意見を修正しようと試みるのは大変ですので、物事に関与する周囲の人間に根回しをして、大勢の意見を集約する形で我が強い人に対して当たると、さすがの我が強い人でも多勢に無勢となり旗色が悪くなるでしょう。会社組織などの場合は、同僚への根回しの他に鍵となる専門家や上司を味方につけておくと、よりスムーズに我が強い人の考え方や意見を修正できるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?我が強い人の特徴や我が強くなる原因、我が強い人への対処方法などについて、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、我の強さは、時として長所となる場合もあります。しかしながら、基本的に我の強さは、短所やネガティブなニュアンスとして捉えられます。そして、我が強い人は、得てして周りからワガママだと敬遠されたり、協調性がなく孤立しがちになるので、周囲では対応に苦慮する人も多いでしょう。
我が強い人への対処法を大きく分ければ、関わりを避けるか、あるいは関わり続けるかの二者択一です。ですから、本記事を参考にしながら、自分と我が強い人との関係性を良く吟味して、自分なりの結論を見つけるようにしましょう。
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