ジフテリアとはどんな菌?症状や感染経路を知ろう!治療法と予防接種についてを紹介!

ジフテリアは皆さんもご存知かもしれません。ジフテリアはジフテリア菌による、鼻や口や喉の上気道粘膜による疾患です。また日本では国からジフテリア予防接種を行う様、自治体から四種混合(DPT-IPV)の無料券(接種券)が届きます。

ジフテリアにかかれば自分だけでなく、他の人ににも移すことになるので、予防接種において少し危険な面もあるようですが、ジフテリアを日本に蔓延させないためにも、詳しい知識を得て、色々な面に役立たせてほしいと思います。

ジフテリアについて詳しく調べましたので一緒に見ていきましょう!

ジフテリアとは?

日本脳炎 予防接種

さてジフテリアとはどの様な病気なのでしょうか?昔は多く発症していました、現在でもジフテリアの患者はいるのでしょうか?

ジフテリアの患者数

ジフテリアの患者数について見てみたいと思います。1945年にジフテリアの病気を発症した人は、8万6千人です。そのうち10%が死亡しています。しかし1991~2000年にかけて、21人死亡から2人と激減しています。致命率は5~10%となっています。このジフテリアの患者が少なくなった理由は、ワクチン接種が大きな理由です。

日本ではトキソイドワクチンの接種をする様になって、患者数は激減しました。年間散発的に数例報告されていますが、以前のような発症率はありません。トキソイドワクチンはジフテリアの、毒素をホルマリンで処理することで、毒素をなくして免疫を作るだけのものにしたワクチンです。

ジフテリアに掛かった場合、5歳未満と45歳以上の人が、重くなる傾向で最大で20%の人がなくなっています。

ジフテリアは先進国ではほとんど見られなくなりました。それはトキソドワクチンを接種するようになったからです。しかし後進国はまだまだ多くの患者が出ていて、旧ソ連では1990~1995年に125,000人の患者が発生し、4,000人以上の人が死亡したそうです。

ジフテリアの発症

ジフテリアはどの様にして発症するのでしょうか?ジフテリアは細菌感染によって発症します。先進国においては稀な病気になっています。なぜならワクチンによる、予防接種が行われているからです。しかし後進国においては、まだジフテリアの発症は後を絶ちません。

ジフテリアとはジフテリア菌によって、上気道粘膜すなわち鼻の粘膜から、咽頭の粘膜にかけて感染することによって発症します。

鼻にはいくつかの細菌やウイルスを、排除する仕組みが備わっていますが、その粘膜で感染して、鼻水や、くしゃみ、鼻詰まりや喉の痛みなどが出てきます。そして眼瞼結膜炎や中耳炎、陰部、皮膚などが侵されることもあります。

ジフテリアには毒素を出す菌がありますので、感染増殖した菌から毒素によって昏睡や、心筋炎等の全身の症状が起こって、最悪死亡する場合もあります。

ジフテリアワクチンについて

ジフテリアワクチンについて、見てみたいと思います。ジフテリアワクチンは、ジフテリアを含む、ジフテリア、破傷風、百日咳の三つのDPT(三種混合)ワクチンが世界的に実施されています。

しかし2015年日本ではこのDPTワクチンは廃止されて、DPTPワクチンが使われるようになりました。DPTPワクチンはDPT三種混合ワクチンにIPV(不活化ポリホ)の急性灰白隨縁を加えた四種混合ワクチンです。

副作用

ワクチンをうって副作用はどの様なものが出るのでしょうか?

局所の副作用の反応では、一過性の症状がでて2~3日中に消滅します。その症状は注射をした場所が赤くなったり、腫れたり硬くなったりします。接種して7日以内に3割程度の人に、そのような症状が見られるようになります。2回目以降接種者では、激しい局所症状がみられたりします。しこりなどは縮小しながら数か月消えない事があります。

全身の症状としては、これも一過性で2~3日中に消滅しますが、発熱、めまい、頭痛、寒気、関節痛、稀に下痢、だるさなどの症状が見られることがあります。重い副作用としては、ショック・アナフィラキシー様症状の、じんましんや呼吸困難に陥ることもあります。

1948年昭和23年に、京都と島根県でワクチンによる死亡者が85名出ています。この時代は現在とは事情が違いますので、これは参考に出来るかどうかは、人それぞれの考え方だと思います。

しかし副作用ではありませんが、現在世界でワクチンを接種しているにもかかわらず、6人目の死者がジフテリアで出てきています。新菌株の可能性があるとして、今研究がされています。

ジフテリアの感染場所

鼻ジフテリア

鼻ジフテリアとはジフテリアの細菌が、鼻で感染して炎症を起こすとです。鼻水に血液の混じった鼻水が出てきます。上唇が赤く腫れあがったり、ただれたりしてきます。鼻孔や上唇のびらんが起こります。

咽頭ジフテリア

咽頭ジフテリアはジフテリアの細菌が、咽頭に付着して炎症を起こす、咽頭ジフテリアから発展することが多く、ケンケンといった犬の鳴き声のような咳がでます。

また急性の喉頭狭窄により、喉頭がすぼまって細くなるため、吸気性喘鳴や、犬の鳴き声のような咳の犬吠様咳嗽(けんぼうようがいそう)、嗄声、呼吸困難等を呈する真性グループと呼ばれる病気が、引き起こされることがあります。

のどの粘膜から分泌されて、膿などがでて乾いた膜ができてそれが剥がれたりして、呼吸困難を招くことがあります。ジフテリア菌には毒素を発生させる種類があり、毒素が影響して神経麻痺の症状や、心筋炎等の症状が現れ命にかかわる、合併症を起こすことがあります。

また気道にも偽膜を形成するため、呼吸困難となり、膜が作られることが声門、気管支まで発展すると、気道閉塞を起こして、死亡する場合もあります。

扁桃・咽頭ジフテリアは、扁桃・咽頭の周りに灰白色の偽膜が作り出されます。

ジフテリアの原因

B型肝炎 予防接種

さてジフテリアについて、大まかな事は解りました。それではジフテリアの原因はどの様なものがあるでしょうか?

ジフテリアはジフテリア菌が原因で発症しますが、ジフテリアは3種類に分類されます。ジフテリア菌は3種類のバイオタイプgravis型、mitis型、intermedius型に分類されます。

飛沫感染による原因

飛沫感染による原因とはどの様な事でしょうか?

患者や無症候性保菌者の咳などによって、1mの範囲で飛沫感染により発症しますが、毒素産生菌、非産生菌ともに重症化する可能性を秘めています。

咳などで飛沫感染した口や喉の粘膜表面に付着し、その近くで増殖して炎症を起こして、強力な毒素を出します。心臓や腎臓それに神経系などを障害する、ジフテリア菌もいます。ホームレスなど、不衛生な状態で暮らす中で見られる、皮膚症状だけ現れる、軽症型のジフテリア菌もいます。

主に肺に通じる空気の通り道の気道に、細胞がだす特殊な液にうつって、喉などに感染して炎症を起こし毒素を出します。この毒素が心臓の筋肉や、あるいは神経に作用して、眼球や呼吸に必要な、筋肉の横隔膜などを麻痺させます。そして心不全などを引き起こして、重篤な症状になり死亡する場合もあります。

コリネバクテリウム・ウルセランス

コリネバクテリウム・ウルセランスは一体どのような菌なのでしょうか?

またコリネバクテリウム・ウルセランスが付着した場合、ジフテリアの症状に似た症状がでます。この菌は人間にも、動物にも感染する菌です。牛や羊などの接触や生の乳製品を摂取することで感染することがあります。

コリネバクテリウム・ウルセランスは牛の常在菌ですが、ジフテリア毒素遺伝子を持った細菌に、感染するウイルスが溶原化して、ジフテリア毒素生能をもつ菌となることがあるそうです。ジフテリアのよく似た疾患を起こす病原体として、注意をしています。

ジフテリアとほぼ同じ毒素を持つ菌が生産されるので、牛や羊の生の乳製品を摂取することは注意が必要となりますね。また牛や羊と接触するのも同じです。これは牛や羊だけでなく、家畜などの動物に常在している菌ですので、動物の接触には注意を要します。

感染者が利用したもの

感染者が使ったものなどからは感染しないの?

感染者が利用した、コップやタオルからも感染します。ジフテリアは感染しても、発症しないケースがあるので、感染者と気が付かずに、一緒に過ごしてうつることがあります。

ジフテリアの症状

予防接種

ジフテリアについてと、ジフテリアの原因について見てきましたが、さてそれではどの様な症状が現れるのでしょうか?

ジフテリア細菌が付着することで、1~5日後の潜伏期間をへて、発熱、咽頭痛や嚥下痛から始まります。のどの痛みから全身のだるさ、倦怠感などが出てきます。また発熱が39.5℃と数日のうちに現れ、動機や吐き気、嘔吐、寒気、頭痛などの症状を伴います。

首のリンパ種が腫れたりもします。炎症のため喉が腫れて、気道が狭くなり、呼吸が非常に困難となって苦しくなります。

偽膜

偽膜をジフテリアは作るといいますが、偽膜とは一体どの様なものでしょうか?

偽膜は喉にできる灰色の粘り気のある、死んだ白血球や、細菌、その他の物質からなる膜の偽膜を扁桃腺の近くや、喉の他の部分で作って、偽膜が気道を狭くするだけでなく、突然剥がれて、小児が呼吸できなくなることがあります。

ジフテリア菌が作る毒素は、特に顔や喉、腕や脚が動かしにくくなる症状を起こす、特定の神経を麻痺させます。

ジフテリアの細菌の偽膜は厚くて、その境界線は鋭利で非常に剥がれにくくなっています。無理に剥がすと出血しやすくて、頸部リンパ節炎が特徴で、高度に腫脹すると牛頚(bull neck)ほどに大きく腫れあがります。

心筋炎

先にも書きましたがジフテリア菌には、強力な毒素をだして、心臓の筋肉を炎症させて、心筋炎を起こさせることがあります。こうなることで不整脈や、心不全を招いたりして、死亡する場合があります。

詳しくは、心筋炎とは?原因や症状、治療方法を詳しく知ろう!を参考にしてください!

ジフテリアを発症したら?また合併症は?

ジフテリアを発症したらどうしたらよいのでしょうか?また合併症にはどの様なものがあるのでしょうか?

ジフテリアに感染したら、まず病院の診察を受けてください。ジフテリアに感染して発症した小児は、まず入院させて抗生物質を与え、感染を抑えます。また周りへの感染もしない様に、注意が必要となり隔離します。

合併症には早期で1~2病週、および回復期4~6病週頃に、症状が現れることが多いです。心筋炎の症状が起こると、予後がとても悪くなり、この間は突然死することもあるので、厳重な警戒が必要となります。症状が改善した後も、慎重に注意深く見守ることが必要となります。

また末梢神経炎による、神経麻痺の合併症が多く見られますが、これは予後は比較的良くて、ほとんどの方が症状が良くなっています。

ジフテリアの治療

nurse-527621_960_720

さて今まで、ジフテリアについての細かい事柄を見てきましたが、ジフテリアの治療にはどの様なものがあるのでしょうか?

ジフテリアは感染が早いので、感染が疑われた場合は、一刻も早く治療を開始することが大切となります。ジフテリアの症状であれば集中治療室に入院させて、ジフテリア毒素を中和するために、抗体(抗毒素)を投与しなければなりません。

治療の遅れは予後に著しく影響が伴いますので、臨床的に疑わしいと判断された場合は、確定を待たずに治療を行います。また治療には動物を使った、血清療法がおこなわれるので、アレルギーに対して、注意が必要となります。アナフィラキシーショックに対して、十分に注意することが必要ですが、予測不能なショック症状や、ショックで死ぬこともあります。

抗菌薬としてペニシリン・エリスロマイシンなどは、色々なマイナス面もありますが、しかし予防に勝る治療はありません。抗生物質は14日間続けます。抗菌薬を投与終了後に細菌培養を2回実施して、細胞が実際に死亡しているのか確認します。確認が終わるまで小児を隔離続けないといけません。これは他の人にジフテリア菌を、感染させないためです。

ジフテリアの予防

injection-519388_960_720

ジフテリアについて色々の詳細な事が解ってきましたが、はたしてジフテリアを予防することは出来るのでしょうか?

DTPワクチン

DTPワクチンとはどの様なワクチンでしょうか?

ジフテリアを予防するには、DTPワクチンの予防が必要不可欠となります。世界各国ともEPI(拡大予防接種事業)ワクチンの一つとして、DTP三種混合ワクチンが世界的に実施されていますが、2015年には日本ではDPTワクチンは廃止され、DPTPワクチンの四種混合ワクチンが使用されるようになりました。

日本では1948年にジフテリアだけの単独ワクチンが始められましたが、1958年にはジフテリア・破傷風の混合ワクチンが義務付けられる様になりました。1968年以降にDPTワクチンにかわり、1981年にDPTワクチンのジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチンとなりました。そして2015年にはこの、ジフテリア・破傷風・百日咳・急性灰白隨縁が加わって四種混合ワクチンとなったのです。

日本の今までのDPT三種混合ワクチンは、1期に初回生後3~90ヶ月(標準3~12ヶ月)に3回接種します。そして12ヶ月から18ヶ月の間に追加接種を行います。そして11~12歳児には二種混合ワクチンによって、第2期接種が行われます。

第一種の接種率は良好に接種が行われていますが、第2期の接種率は70%と低くなりつつあります。ジフテリア・破傷風・百日咳・急性灰白隨縁ともに感染すれば、生命の危険が及びます。このことを踏まえて、予防接種を日本の国民の新しく生まれてくる子供が、全員接種する日が来ることが、これらの病気を克服することになります。

ワクチン接種のジフテリアを95%ほど減らすことが出来ますので、皆さん必ず予防接種をうけてジフテリアに掛からない身体になりましょう。13歳からの接種は任意接種となりますので、有料となります。

培養細胞法で抗毒素価の中和抗体が0.1u/ml以下の場合は、ジフテリアトキソイドワクチンによる予防接種が必要であります。

まとめ

adorable-20374_960_720

皆さんジフテリアについて、少しはお分かり頂けましたでしょうか?ジフテリアに掛かるとそのリスクはとても大きいです。そうならないためにも、DPTPワクチン四種混合ワクチンを受けるようにされるのが宜しいのではないでしょうか?

ただしアレルギー体質の人は、アナフィラキシーショックを起こして、死亡するケースがありますので、専門の先生と良く相談して、行うことが大切です。

ジフテリアの様に感染する病気は、自分の身体を守るだけでなく、人にもうつさせないことがとても大切です。そのためにもジフテリアの予防接種は、無料で受けられますし、身体を守るため、ジフテリアを蔓延させないためにも、必要だと思います。

  
/* */
  
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする