copdとは!症状や原因、進行具合を知ろう!治療法はあるの?

COPDは「Chronic Obstructive Pulmonary Disease」の略で、日本語では「慢性閉塞性肺疾患」と表記されます。

以前は肺気腫や慢性気管支炎などと呼ばれていた各種肺疾患を総称して、「慢性閉塞性肺疾患」と呼ぶようになりました。

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なぜ今COPDが注目されているの?

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WHOによると、典型的なCOPDの症状(肺気腫や慢性気管支炎など)がある患者は世界中に6,400万人以上も存在します。そしてそれ以外に、タバコが原因でこれからCOPDになる患者は、1億人以上もいると推測されています。

WHO集計の2012年販死因統計資料では、死亡原因の1位は「循環器疾患(心疾患)」、2位は「脳卒中(脳疾患)」、3位は「COPD(肺疾患)」となっています。そしてこの上位3つの病気は、患者数が増加し続けると予想されています。糖尿病、脂質代謝異常、高血圧など、死因上位の病気の要因となる「生活習慣病」が世界中で増加し続けているからです。

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COPDにはどんな症状があるの?

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典型的な自覚症状としては2つ、「慢性の咳と痰」と「労作時の呼吸困難(体を動かした際に起こる息切れ)」です。ただし、日本国内のCOPD患者の1/3は何かしらの合併症があり、正しく診断されていない可能性が高いとされています。COPDと合併しやすい病気として、心疾患、糖尿病、肺がん、抑うつ症状などがあります。既にこれらの病気と診断されている方でも、上記2つの主症状がある場合にはCOPDも合併している可能性があります。

また、COPDは非常にゆっくりと病状が進行するため、早期では自覚症状が少なく、発見することが非常に難しい疾患です。そして増悪のスピードによって悪性度が変わります。2週間前に比べて明らかに、「息切れの増加」「咳や痰の増加」「胸部の不快感や違和感の増加」を感じた場合には、たとえ軽度の症状でもCOPDが疑われます。増悪のスピードが早ければ、それだけ悪性度が高いため、放置すると生命に関わります。自覚症状があるのなら、早急に専門医の診察を受けてください。

COPDの症状の進行

上述のとおり、COPDはゆっくりと症状が進行していきますが、何かしらの病気と合併すると急激に増悪します。増悪の原因として多いのはは、インフルエンザウイルスや肺炎球菌などによる上気道感染症です。それでは通常、COPDの病状はどのように進行していくのでしょう?

慢性の咳と痰

通常の痰は粘液性ですが、肺や気道などの感染症と合併することで量が増えて、膿性へとなっていきます。

さらに肺機能が悪化してくると、肺でのガス交換(酸素⇔二酸化炭素)に支障が出るようになり、血中の二酸化炭素濃度が上昇してきます。血液中の二酸化炭素濃度が上がると「高二酸化炭素血症」となり、頭痛、高血圧、ぼーっとする、などの症状が現れるようになります。

症状がさらに悪化してくると、二酸化炭素によって中枢神経や呼吸中枢が抑制される「CO2ナルコーシス」の状態となります。「CO2ナルコーシス」になると、呼吸中枢が抑制されるため、痙攣、昏睡などの症状を経て死に至ります。

労作時の呼吸困難

激しい運動時や疲労時だけだった息苦しさが、少しの運動(階段や坂道の上り)でも息が切れるようになります。さらに症状が進むと、歯磨きや着衣、排泄行為などでも息が切れるようになります。安静時には息苦しくないことが、他の疾患との違いです。

最終的には、激しい息切れによって歩行が困難となり、車イスでの生活となります。ここまで症状が悪化すると、酸素マスクを着用しても常に息苦しくなり、死への恐怖から精神的にも追い込まれてきます。

壮絶な苦しみとの闘い

通常、「がん」などの末期症状では痛みを緩和するためにオピオイド(モルヒネやオキシコドンなど)を使用して痛みを緩和します。

しかし、呼吸困難は痛みではないので、オピオイドの投与で苦しさが緩和されることはありません。何年もかけてじわじわと息苦しくなり、最終的に呼吸困難によって死亡します。

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COPDの原因は?

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最大の原因は「タバコ」です。COPD患者の90%以上は、喫煙者か過去に喫煙習慣がありました。喫煙者が全てCOPDを発症する訳ではありませんが、喫煙者の約20%が発症するとされています。

タバコ以外の原因として考えられるのは、大気汚染、化学物質、粉塵などの長期曝露があります。原因物質に長期間曝露することで発症するため、COPDの好発年齢は40代以降となっています。

若年性のCOPDでは、「α1アンチトリプシン欠損症」が疑われます。遺伝性の疾患で、小児肝硬変と若年性肺気腫において高い確率で相関が認められます。アンチトリプシンは生体防御に関係していて、プロテアーゼ性の肺胞破壊による結果として発生する肺疾患に関連していると考えられています。

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COPDの発症機序

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COPDが、有害な物質に長期間曝露されることで発症することはわかりました。それでは、どのようにして発症に至るのでしょう?

有害物質を呼吸によって吸い込むことで、肺では炎症が起きます。炎症は、まず抹消気道や肺胞などで起きます。抹消気道や肺胞では、炎症によって損傷した細胞を修復するために、上皮細胞が形成されます。長期間有害物質に暴露されることで、この炎症➡上皮細胞形成➡炎症の負のサイクルが繰り返されることになります。そして気道は肥厚していき「気道狭窄」の状態となります。

肺胞では、肺胞壁が破壊され、弾力性や収縮力の低下を起こすことで呼吸が十分にできなくなる「気腫化」の状態となります。肺胞は再生しないので、一度損傷すると取り返しがつかないのです。

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COPDの診断と管理

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COPDの臨床所見

慢性の咳、慢性の痰、労作時の呼吸困難、長期に渡る喫煙または職業性の粉塵曝露の4つの臨床症状のいずれかが該当する場合には「スパイロメトリー(肺機能検査)」を実施します。

COPDの診断基準

他に考えられる気流が制限される肺疾患を除外した上で、COPDの特徴である”単位時間(1秒)当たりの空気の流速減少”を診断します。「スパイロメトリー」で「FEV1/FVC<70%」であれば、気流制限(閉塞性障害)ありと判断します。ただし、中等度以上のCOPD患者ではFVCも低下します。そこで、患者のFEV1を健常者と比較するためには「%FEV1」を利用します。また、「スパイロメトリー」は気管支拡張薬を投与した状態で測定することが原則です。

FEV1(Forced Expiratory Volume in 1 second)

1秒間努力肺活量と訳されます。1秒間でどれだけの量の息を吐けるかを示します。

FVC(Forced Vital Capacity)

努力肺活量と略されます。最大吸気の後でどれだけの量の息を吐けるのかを示します。

%FEV1

年齢・性別・身長を基に予め算出された健常者の予測1秒量(FEV1予測値)に対する患者の1秒量(FEV1実測値)を比率で示したものです。予測FEV1とも呼ばれ、病期分類においても利用されます。

COPD病期分類

 0期 COPDリスク群

症状:スパイロメトリーは正常だが、慢性の咳と痰あり

管理:この時期に禁煙・ワクチン(肺炎双球菌、インフルエンザ)接種をすることで、急性増悪を予防することができます

Ⅰ期 軽症COPD

症状:「FEV1/FVCが70% 未満」かつ「%FEV1が80%以上」、慢性症状の有無は問わない

管理:0期に加えて、必要時に短期作用型の気管支拡張薬を使用

Ⅱ期 中等症COPD

症状:「FEV1/FVCが70% 未満」かつ「%FEV1が50%以上80%以下」、慢性症状の有無は問わない

管理:0期・1期に加えて、長期作用型の気管支拡張薬もしくは多剤併用使用、呼吸リハビリテーションの開始(後述)

Ⅲ期 重症COPD

症状:「FEV1/FVCが70% 未満」かつ「%FEV1が30%以上50%以下」、慢性症状の有無は問わない

管理:必要に応じて吸入ステロイドの考慮(増悪を繰り返す場合)

Ⅳ期 最重症COPD

症状:「FEV1/FVCが70% 未満」かつ「%FEV1が30%以下」又は、「FEV1/FVCが70% 未満」かつ「%FEV1が50%以下」かつ慢性呼吸不全もしくは右心不全症状あり

管理:呼吸不全時には酸素療法の開始、外科的治療の考慮

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COPDの治療

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上述のとおり、COPDが治癒することはありません。しかし、その病状に応じた適切な管理が必要になります。この管理は病気によって上乗せされていくことが特徴です。ここでは治療と位置付けられるものについてのみ解説します。

呼吸リハビリテーション

症状に合わせて、食事、運動、日常生活など生活全般に渡って実施されます。COPD患者は息切れがするため、安静にしていることが多くなってしまいます。そうすると、筋力や持久力が衰えてしまい、次に同じ動作をするときにより多くの酸素が必要となります。そうなると、更に安静にする悪循環に陥ってしまいます。そうなることを防ぐことが目的です。

肺を滑らかに動かすためのストレッチ、体力を維持するための筋肉トレーニングと有酸素運動、息苦しさを軽減させる呼吸法、息切れを起こしやすい動作の改善(息を止めがちな、排便や歯磨きなど)などが症状に合わせて訓練プログラムとして提供されます。

外科的治療

肺容量減少手術

肺気腫によって上手く働けなくなっている部分を切除することによって、残存肺の機能を向上させます。肺機能を補うために、最大吸気位で固定されてしまっている横隔膜やその他の呼吸筋群の能力を回復させる効果があります。

呼吸状態の極めて悪い患者に適用される手術のため、全ての患者に適用になる訳ではありませんが、著明な呼吸困難の改善が見込めます。

肺移植

肺移植ができるのは、東京大学・京都大学をはじめとする大学病院だけで、国内に9施設しかありません。さらに日本では「脳死」問題もあったため、先進国の中でも移植治療は遅れています。

世界で年間4,000例以上の肺移植が行われていますが、日本国内では年間100例程度となっています。COPD以外の肺疾患で移植を待っている患者も多く存在するため、移植は最後の希望となっています。

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COPDの予防

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COPDを予防する方法は2つしかありません。

禁煙

なるべく早期に喫煙習慣を止めることに尽きます。本来の意味での予防は禁煙以外にはありません。

定期的な健康診断

COPDは、推定されている患者数に対して、診断・治療率が低い疾患です。早期に発見・治療開始することで悪化を防いで、病状の進行を抑えることが可能です。40代以上で喫煙習慣のある方は、身体の不調があった場合には常に「COPD」を疑うことが重要です。

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まとめ

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COPDは、発症したら治療法はなく、悪化を防ぐための対処療法を行って延命することしかできない恐ろしい病気ですが、予防できる疾患です。

以前は問題となっていた粉塵や有害物質のある危険な場所での作業は、防護マスクやロボットの採用などで大きく改善されています。残る解決策は、「タバコ」を止めるだけです。「タバコ」による他の疾患の予防にもなるので、医療費は大きく削減することが可能です。新興国では不可能でも、先進国ではそろそろ実施してもよいのではないでしょうか?

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