脳がからんだ病気は非常に怖いのですが、この脳浮腫も例外ではありません。主に、他の脳の病気と一緒に併発することがほとんどなのですが、場所が場所だけに、注意を要します。
この脳の病気の方は進行しますと、寝たきりになったり、半身不随、神経や感覚が麻痺してしまうなど、重症化することがほとんどです。
そういう意味では、浮腫だけでもろもろの症状を引き起こすわけではありません。ですが、浮腫だけでも先に完治させて、その後に脳の重いほうの病気を治すことが重要です。
この脳浮腫に関しては、薬の処方でよくなります。ただ問題なのは、その併発した際の元の病気が、厄介な場合が多いというのが特徴的です。
さて、今回は脳浮腫について、お伝えします。
脳浮腫の症状
まずは、脳浮腫の症状について紹介します。
頭痛
血液中の水分が溜まることにより、脳内が圧迫されます。様々の脳の病気で浮腫が起きた場合でも、必ずといっていいほど頭痛は起きます。また、この頭痛は浮腫のみの影響ではなく、元の病気である脳梗塞や脳出血などの痛みもあります。
腫れ
脳浮腫を起こすと、顔がむくんできます。脳内に水が増えてくる影響で、その一部が顔面へと流れ込み、むくみを引き起こさせるのです。これは、取り立てて痛みは生じませんが、下手をすると、人相も変わってしまうほどになり、パンパンに腫れることもあります。
吐き気
これも、浮腫のみの吐き気だけではありませんが、他の脳の病気と一緒に付随して吐き気をもよおします。特に脳梗塞の時には吐き気が起こることが多いようです。
意識障害
浮腫が起きますと、意識がもうろうとして意識障害を起こすことも多いようです。水が増えてくると脳内の圧力が高まり、脳の機能を果たしている部分を圧迫することによる影響です。
血圧上昇
脳浮腫を起こしますと、血圧が高くなります。速やかに血圧を下げる薬を投与します。
これは脳出血などを併発している場合は特に危険な状態で、脳内の血液が広まり脳の機能を止めてしまうからです。出血を抑えるために、血圧を下げる処置をいたします。
痙攣
これも浮腫が起きている場所によるのですが、周期的な痙攣を引き起こすケースが見られます。あわせて、目眩や手足のしびれも起きることも多く、速やかな対応が求められます。
脳浮腫の種類
脳浮腫には原因から分ける浮腫があり、それぞれ血管性脳浮腫、間質性脳浮腫、細胞毒性脳浮腫と呼ばれています。それぞれ、原因によって分けられています。
血管性脳浮腫
主に脳梗塞や脳出血、脳挫傷の時の起こる症状です。この脳内に出血することにより、その血液が脳内に広がることで、浮腫が起きるのです。
脳梗塞
脳の毛細血管に血栓が流れ込み、血管が塞がってしまう症状で、頭痛、半身不随などを引き起こします。この際、脳内の容積が増大し、浮腫が起きます。
詳しくは、脳梗塞の前兆をチェック!しびれやめまいに要注意?を参考にしてください。
脳出血
脳内に血管が動脈硬化や高血圧で破れてしまうことで、脳梗塞同様、容積が増大し合わせて血漿も溜まり浮腫を起こします。これも脳梗塞と同じような症状を引き起こします。
詳しくは、脳出血の前兆とは?頭痛やしびれなどの症状に注意!を読んでおきましょう。
脳虚血
血の塊である脳血栓や脂肪分が、血管壁からはがれて脳の毛細血管に飛んでしまい、詰まらせてしまうことです。半身不随、視界が悪くなったり、感覚の麻痺等が起きます。さらに頭痛、吐き気など人によって様々な症状を引き起こす、非常に怖い病気です。
血管原性脳浮腫
脳腫瘍、脳挫傷の際に血管壁が破れ、血漿が脳内に溢れる状態です。
脳腫瘍
脳腫瘍は脳内に何らかの理由で腫瘍が出来ることです。時間を追って成長していくものがほとんどです。それが徐々に大きくなるため、気づいたときには手術でも取れない状態になっていることもあります。このように頭部に脳腫瘍ができると、腫瘍が成長してしまうことにより、容積が増えて脳浮腫となります。
詳しくは、脳腫瘍の初期症状について!吐き気や頭痛に要注意!を読んでおきましょう。
脳挫傷
脳を強打することで、脳内の血管が破れた後、脳内に水が溜まることです。主に事故やスポーツでの打撲などが原因となるケースがほとんどです。
詳しくは、脳挫傷とは?症状や原因、治療方法を詳しく知っておこう!を参考にしてください。
細胞毒性脳浮腫
低酸素結晶や鉛などの中毒、尿毒症などが原因になって脳細胞が障害を引き起こし、水が溜まることです。
吐き気、頭痛、意識障害などが上げられます。また、場合によっては異常行動を起こすこともあります。特に子供の場合は、気をつけないと危ない行動などの可能性がありますので、終始観察が必要となります。
脳浮腫の原因
次に、脳浮腫の原因について紹介します。
喫煙
喫煙の習慣はやはり、脳梗塞など脳への影響は大きいと思います。これは何も今に始まったことではないのでよくお分かりになっているかと思いますが、タバコを吸うことにより、血管が収縮し高血圧を引き起こします。
その影響で、血管で脆くなっている部分が切れて脳梗塞や脳出血を引き起こすのです。また、血中に有害物質が溜まり、血管に亀裂が入ってしまったり、血栓が出来やすくなるのです。
この脳梗塞、脳出血を引き起こすことで脳浮腫になる可能性が高まりますので、これを防ぐことが重要です。
喫煙はストレスを解消するという名目で、禁煙しない方も多いようですが、ストレス解消などは何も喫煙しなくてもできます。よって、一刻も早くやめることをお勧めします。
アルコール
アルコールは、少量であれば、血流をよくするということで、逆に健康的であるといわれています。要は、多量に飲むことにより、高血圧を引き起こし、やはり脳梗塞や脳出血の原因となります。
また、アルコールには利尿作用があり、体内の水分を外に出してしまいます。その結果、血液がどろどろとなり、血流が悪くなり、詰まりやすくなることが原因です。
アルコールを摂取する時は、水などを途中で飲みながらにすることで、脱水状態をある程度は防ぐことができます。
高血圧
高血圧は、脳出血や脳梗塞に引き金になります。その高血圧は、アルコールや喫煙も影響しますが、他には食べ物も上げられます。これは、塩分が多いと高血圧になると言われています。食事では、塩分を取り過ぎないように、調整することをお勧めします。
ただ、運動をよくする人にとっては、逆に塩分を控えますと、体力が持たなくなります。よって、普段から運動をする人は、塩分は抑えなくても高血圧にはつながりません。
ただ、よく言う、毒は薬にもなるというように、塩分を控えすぎると、身体の動きが鈍くなります。それは、体内の塩分濃度が程度の基準が必要です。さらに低すぎますと、夏の暑い時期は、ばてやすくなります。
この辺が非常に難しいところですが、特に医者から血圧が高いと言われていない人は、塩分を控えなくてもいいかと思われます。普段から抑え目にして、通常の血圧なら問題なくそのままの食生活を維持していただければいいかと思います。それ以外の方は、意識して塩分を控えずとも問題ないと思います。
高血圧については、高血圧の症状とは?めまいやしびれに注意!治療法も紹介!を読んでおきましょう。
びまん性脳腫脹
主に子供などが、頭部を強打することにより、脳がうっ血状態となり、脳組織が膨張することです。脳内の血流が増えて膨張することで、脳が腫れる状態です。
その直後は、症状が出ることは少なく、むしろ時間がたつことにより、吐き気をもよおしたり、頭痛を伴いようで、症状が出るケースが多いのが特徴です。
インフルエンザ脳症
インフルエンザにかかることにより、急性の脳症が起き、併発して脳浮腫が起きることがあります。これも主に子供に多い症状です。
脳浮腫の治療法
頭蓋骨の内部の圧を下げるため、投薬で様子をみるのが、一般的です。ただ、基本的には元となる脳の病気の治療が優先です。
過換気療法
呼吸を早くすることで脳内の血管を収縮させ、血流の流れをスムーズに行う対処法です。流れがスムーズになることで、脳内の水を体外に出す方法です。
ステロイド剤の投与
ステロイド剤を使い、初期の軽い脳浮腫を抑えることができます。一般的の処方される方法で、効果も高いとのことです。
手術
程度の重いものになりますと、開頭手術をすることになります。浮腫があり、腫れた部分を切除することにより再発を防げます。
また、脳室穿刺という方法で水を排出する方法、頭の中の圧が上がった場合に、圧を逃す方法がこの手術においてとられます。
脳浮腫の予防法
食生活の見直し
食生活がかなり重要となります。脳梗塞や脳血栓など、その原因のほとんどが、食事が8割9割を占めています。
食生活に関しては、すでに何例か書いていますが、血管を若返らせる、血栓が出来にくい食べ物を摂取してください。主に、発酵物の漬物、納豆、味噌類です。それと、野菜類はなるべく生で食することをお奨めします。
喫煙、アルコールの摂取
アルコールは程ほどに、週に2日は休む日を作ります。また、喫煙は辞めるに越したことはないです。
頭部の保護
頭部を打撲した場合の浮腫は、特に事故等などが原因となりますが、自転車などに乗る際は、ヘルメットなどで保護することにより、回避できます。これは事故だけでなく、転倒などの際にも起こりうることなので注意をしたほうがいいかと思います。
打撲してすぐに医師の診断を受けることが可能ならば、大事に至らないと思いますが、それ以後、しばらくしてから症状が出るのが怖いかと思われます。
ウィルス性感染の予防
インフルエンザなどかからないようにするのが理想ですが、ワクチンでの防御がよろしいかと思います。また、やはり食事の影響も否めず、かかりやすい人は、免疫力が普通の人より劣っている場合が多いようです。
冬場の時期にインフルエンザにかからないようにある特定のヨーグルトを食べたりすることが、予防になるということがいわれていますが、これを利用しない手はないかと思います。また、免疫力を上げる食事を普段から意識して取るようにしてください。
免疫力を上げる食事は、昔から言われる伝統的な日本食が理想です。特に先にも述べた、納豆などの発酵物はお勧めです。これら発酵物は、脳の血栓を溶かす働きもあり、免疫力もつけるという、二倍の働きをします。
それと、子供が好きないわゆるハンバーグ、カレー、スパゲティなる類は、避けたほうがいいかと思います。また、小さなお子供がいる家庭では、母親が子の残した食べ物を処理する意味で母親が過剰に食してしまうことがあります。
意外にこれは、落とし穴で、ある芸能人は、それが理由で頚動脈瘤を起こしかけていたという報告もあります。
その他では、生野菜、刺身など生のものも摂取してください。野菜などは火を通さなくてもいいものは、生で食すると酵素をたくさん吸収することができ、非常に効果的であり、免疫力アップにつながります。
まとめ
いかがでしたか。脳浮腫というのが、どういうものかお分かりになったかと思います。脳というのは非常に精密に出来ているのは、誰もが知っていることではありますが、今回の浮腫は他の脳の病気と併発して起こるというのが非常に特徴的かと思います。
その脳浮腫自体は手術や薬の投与でよくなりますが、その大本の病気は非常に厄介なものばかりです。ですがこれも普段の生活習慣に気をつけていれば、本来はなんら心配することはないと思われます。
現代の人はあらゆる面で、楽をし、ゆるい生活をしてきたがために昔では考えられない病にかかる人が増加しています。
気づいた時が改善のチャンスです。たとえ年齢がかなり行ってしまっている人でも大丈夫です。今から生活を改善し、身体にいいことを今後もずっと継続していけば、必ず悪い部分は改善できます。
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