自家感作性皮膚炎とは?原因となる病気や症状を知ろう!治療方法は?

皮膚の一部に炎症が起きた後で、その周囲に別の炎症が広がってしまった経験はありませんか? それは、「自家感作性皮膚炎」かもしれません。

放っておくと慢性化して、治療が難しくなることがあります。知っておいて損のない知識ですので、この機会にぜひ覚えておいてください。

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「自家感作性皮膚炎」とは?

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もともと皮膚に何かしらの原疾患(何かしらの皮膚の炎症)があり、その炎症が他の部位の皮膚にまで感作(免疫系が反応してしまうこと、詳細は後述)することによって発症します。

直径1mm程度の丘疹(きゅうしん、1cm以下の皮膚の盛り上がり)が、原疾患を中心として全身の皮膚に多発します。この丘疹を散布疹(さんぷしん)と呼びます。かゆみが強く、丘疹が合併して大きな皮疹(ひしん)となるケースもあります。

通常は原疾患が治れば自然に治癒しますが、重症の場合には治療が必要になります。

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自家感作性皮膚炎の原因となる疾患は?

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前述のとおり、もともとの皮膚疾患が原因となり発症します。

ここでは「自家感作性皮膚炎」の原因となる可能性の高い、罹患しやすい皮膚炎について見ていきましょう。

接触性皮膚炎(かぶれ)

接触性皮膚炎とは、外的な刺激によって皮膚に丘疹、紅斑(こうはん、赤いブツブツした皮膚の盛り上がり)、水庖(すいほう、体液を含んだ盛り上がりで通常は「水ぶくれ」と呼ばれます)などが生じる症状です。一般的には「かぶれ」と呼ばれることが多いです。接触した部分と、そうでない部分の境界がくっきりと現れることが特徴です。かゆみや痛みを伴う場合もあります。

接触性皮膚炎は、一時的に原因物質(アレルゲン)に触れることによって起こる「一時刺激性接触性皮膚炎」と、アレルゲンに繰り返し触れることによって免疫反応を起こしてしまうことから起こる「アレルギー性接触性皮膚炎」があります。

「一時刺激性接触性皮膚炎」の原因物質は、毒性や刺激の強い物質(植物毒、虫毒、化学物質など)がほとんどです。それに対して「アレルギー性接触性皮膚炎」の原因物質は、人それぞれです。多いものとしては、装飾品に含まれる金属(銀、銅、クロムなど)、化粧品に含まれる自然由来成分(アロエエキス、パパイヤエキスなど)、ゴム製品(ラテックス)、ハウスダスト(ダニ・ほこりなど)などがあります。

どちらの接触性皮膚炎も、接触直後から数時間以内に症状が現れます。症状が重篤な場合には、専門病院での受診をお勧めしますが、原因物質をしっかりと皮膚から洗い流して、外用薬を塗れば症状は1週間程度でおさまります。それよりも重要なのは、原因物質を特定して接触を避けることです。数時間以内の行動を確認して、「いつ?」「どんな物質に触れたときに?」「どこに?」炎症が現れたのかをしっかりと覚えておきましょう。そうすることで、アレルゲンとの接触を避けることができます。アレルゲンと接触しなければ、症状が出ることはありません。

患部を掻いた指で他の皮膚を触ることでアレルゲンが広がったり、炎症が重症化することなどで「自家感作性皮膚炎」を引き起こすことがあります。

貨幣状皮膚炎(貨幣状湿疹)

貨幣状皮膚炎は、10円硬貨くらいの大きさの湿疹がいくつもでき、強いかゆみを伴います。皮膚の乾燥による肌のバリア機能低下が原因となることが多く、乾燥する秋から冬にかけて症状が悪化することが大きな特徴です。細菌感染や、他の皮膚炎からの合併などの原因で発症すると考えられています。好発部位は、すねなどの下肢に集中しています。

まず、肌が赤みを帯びる紅斑や、ブツブツとした小さな湿疹、水ぶくれなどができます。次に患部の皮膚組織が剥がれていき、体液(リンパ液)が浸出してジュクジュクとした湿潤状態になります。そして患部の周囲がカサブタで覆われ、10円硬貨大の丸い紅斑となります。患部が乾燥して治り始めても、体液の浸出によってカサブタが剥がれてしまいジュクジュクした状態が長期間継続してしまうケースもあります。

かゆみを止めて、細菌感染を抑える抗生物質による治療を行います。再発する可能性の極めて高い病気なので、専門医による適切な治療と肌の保湿が重要です。皮膚が乾燥状態にあり、バリア機能が低下しているために(自家感作性皮膚炎を含む)様々な皮膚炎を合併する危険性があります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、原因不明のアレルギー性慢性皮膚炎です。何十年にもわたり様々な研究が行われていますが、未だに明確な原因はわかっていません。アトピーとはギリシャ語が由来で、「奇妙な」とか「不思議な」という意味です。実は確定診断することはとても難しく、様々な病気を除外していって最終的にたどりつく病気です。ですから、簡単にアトピー性皮膚炎と診断する医師を信用してはいけません。

「かゆみ」と「湿疹」が主症状で、良くなったり悪くなったりを繰り返し、治癒しないことが特徴です。もともとアレルギー体質であったり、肌のバリア機能の弱い人が多く発症します。目や口の周り、手足の関節の内側、首周りなどが好発部位です。原因不明のため、大人になってから突然発症することもあります。

もともと肌のバリア機能が弱いため、少しの刺激で湿疹ができます。湿疹はかゆみを伴うことが多いため、どうしても掻き毟ってしまいます。すると、その部分はさらにバリア機能が低下して、細菌が侵入したり炎症を悪化させることになり、自家感作性皮膚炎などの皮膚炎を引き起こす原因となります。

うっ滞性皮膚炎(慢性静脈不全による湿疹)

うっ滞性皮膚炎は、下肢(特にふくらはぎ)の血行障害によって発症する皮膚炎です。下肢静脈瘤を原因とした血行障害によって発症することが多いと言われています。うっ滞とは「むくみ」のことで、長時間の立ち仕事や肥満、加齢による筋力低下でなりやすいと言われています。妊娠や出産などをきっかけに発症することもあるため、女性に多く発症します。

ふくらはぎのむくみが慢性化すると、慢性静脈不全となり様々な症状がでます。その皮膚症状として現れるのが「うっ滞性皮膚炎」です。皮膚が光沢を持ち始め褐色の色素沈着が起き始めます。症状が進んでくると、かさぶたのある紅斑が多数できてきます。かゆみや、まだらな出血などを伴うことがあります。

慢性静脈不全が解消されないと皮膚症状も改善しないため、長期にわたって皮膚が炎症を起こした状態となります。患部に細菌が侵入することなどで、他の皮膚炎と合併し症状が悪化していきます。その合併しやすい皮膚炎の一つに、自家感作性皮膚炎があると考えられています。

熱傷(やけど)

やけどは身近な疾患ですが、皮膚のバリア機能を大きく損なうために、様々な皮膚炎を合併します。患部から細菌が入り込んだり、貨幣状皮膚炎や自家感作性皮膚炎を引き起こすことがあります。

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皮膚炎の治療法

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皮膚炎を治療する際の選択肢はあまり多くありません。炎症やかゆみが激しい場合には外用ステロイドを用いて炎症を抑えます。

ただし、細菌感染を起こしている場合には症状を悪化させてしまう可能性があるため、ステロイド単剤では使用することができません。その際には抗生物質が配合された外用ステロイド薬を用いるか、先に細菌感染を治療してからステロイドを使用します。

アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン剤を併用することもよくあります。最近では、神経系に影響が少なく、眠くなりにくい第二世代がでてきて以前よりも使いやすくなりました。

皮膚のセルフケア

皮膚の病気はセルフケアが重要です。なぜなら、皮膚の治療で最も重要になるのは「清潔」を保つことと「保湿」だからです。

清潔

皮膚に付着した刺激物や異物を除去することで、肌が余計な刺激を受けないようにします。皮膚の清潔が保てないと、細菌が繁殖して炎症を起こしやすくなります。

保湿

皮膚のバリア機能を正常に保つためには、皮膚の細胞に水分が十分に含まれていることが重要です。皮膚が乾燥したり損傷すると、そのバリア機能が低下してしまいます。患部に保湿用のクリームなどを塗ることで皮膚の乾燥を軽減することができます。でも最も有効なのは、体内の水分量をしっかりと維持することです。体内の水分量を維持できれば、皮膚細胞にも十分水分が行きわたるだけでなく、血行の改善にもなり患部の回復を早めることにも繋がります。

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「感作」とアレルギーの関係

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これまで見てきた通り、もともとアレルギー体質の場合に皮膚炎になる可能性が高くなります。アレルギー反応は、本来は無害な物質に対して免疫系が過剰に反応してしまう現象です。ウイルスや病原菌を免疫系が攻撃することは当たり前ですが、卵・牛乳・ピーナッツなどの食品、ダニ・カビ・ペットの毛などのハウスダスト、などを免疫系が攻撃し始めるとアレルギー反応が起こります。

免疫反応は、アレルゲンに触れる機会が多いほど大きくなっていきます。つまり、スギ花粉症であれば、スギ花粉に触れる回数が多いほど反応は大きくなります。そして、閾値(いきち、反応が起きる最小値)を超えた時に花粉症を発症します。この仕組みは全てのアレルギーで共通です。

そして、アレルゲンに触れて免疫応答が起きることを「感作」すると呼びます。花粉症の場合では、スギ花粉に何度も「感作」することで少しづつ反応が大きくなっていき、最終的にはアレルギー反応を引き起こします。

最新のアレルギー治療では、この「感作」を減らすことによって免疫反応を軽減させる「減感作療法」も行われています。

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まとめ

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「自家感作性皮膚炎」とは、自分自身の皮膚炎がアレルゲンとなってアレルギー反応を起こしている状態のことです。もともと皮膚炎になりやすい、肌のバリア機能の弱い人がかかりやすいため、こじらせると治療が難しくなることもあります。

治りが遅かったり、かゆみが強い場合には我慢せずに専門施設で診察を受けましょう。

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