ピルの副作用で太ることがある?その仕組みと対処方法を紹介!

ピルはいわゆる経口避妊薬といういもので性交渉時の妊娠を予防したり、生理周期を調整したり、生理不順を改善するといった効果がみられることで知られてます。

ピルは医薬品なので、効果もあれば副作用もあります。特に太るという副作用はピルについてあまり詳しく知らない人でも聞いたことがあるくらい有名な副作用です。もちろん太るなどの副作用はすべての人がなるわけではありません。

どのような副作用があり、どのような対処法を取ればいいのか知ることで、いざ副作用が起きたときもしっかりと対応することができるようになります。

ピルの副作用ってどのようなものがあるの?

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太る以外にどのような副作用があるのか気になります。ピルの副作用はさまざまですが、それのすべてが起こるというわけではありません。

ピルがを服用することで起こる副作用として

  • 乳の張り
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 頭痛、片頭痛
  • 不正出血
  • 食欲増進
  • むくみ、体重増加

(まれに起こる副作用)

  • 血栓症
  • 肝障害

などが挙げられます。

ピルの副作用の特徴として妊娠したときの状態に近いということが挙げられます。ピルを服用することで、妊娠した状態に近づくため、吐き気を催したり、むくんだりしやすくなります。
まれに起こる副作用ですが、怖いのが血栓症です。

血栓症とは

血栓症とは、「血管の中で血液が固まり、循環障害を起こす病気」の総称です。静脈、動脈どちらの血管でも起こる可能性があります。代表的な病気は、脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓、静脈血栓症などが挙げられます。

時々ニュースなどで耳にすることがある『エコノミークラス症候群』も血栓症の一種です。血栓が発生した部位によっては生命に関わるくらい重症なときや自覚症状がないくらい軽症なこともあります。

ただし、血栓症はピルを飲んだから発生するというものではなく、血液がドロドロとしている人や遺伝や先天的に血栓ができやすい体質の人がピルを飲むと発症する可能性が高くなるのです。

例えば、

  • タバコを1日15本以上吸うヘビースモーカー
  • 手術の前後など寝たきりの生活をしている方
  • 高血圧や糖尿病などの持病を持っている方
  • 遺伝などで体質的に問題がある人

などが挙げられますが、リスクの高い方は問診で見つけられるので、ピルを処方されることはほとんどありません。

風邪薬など他の薬と併用しても平気?

ピルは医薬品なので、風邪を引いた時に風邪薬と一緒に飲んでもいいのか気になるところです。ピルと併用してもっと症状が悪化しないか心配するという人もいます。

ドラッグストアなどで売っている市販の風邪薬や痛み止めなどはピルと一緒に飲んでも影響はないようです。ただし、サプリメントとして販売しているチェストベリーやセントジョーンズワットはピルの効果が下がるので服用しないほうが良いようです。

また、歯医者さんなどで「化膿留め」として出させる抗生物質で「ペニシリン系」と「テトラサイクリン系」ピルの効果が下がるので他の種類に変えてもらいましょう。どうしても飲み合わせが不安な場合はかかりつけのお医者さんに行って、ピルを飲んでいる旨を伝えて薬を処方してもらえば安心です。

ピルでよくある副作用①太る

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ピルを飲み始めると食欲が増えたり身体がむくみやすくなると言われています。実際ピルを飲み始めて「食欲が増えて体重が5キロも太った。」という人もいます。

女性は特にスタイルに敏感でダイエットをしているという人もいるので、せっかくダイエットをしたのにピルの副作用で太ったらショックだと思います。ではなぜピルを飲むと太るのでしょうか?

ピルを飲んで太る原因

ピルを飲んで体重が増える原因は主に3つあります。それは水分量が増える、食欲に負ける、脂肪がつくことです。

原因を詳しく説明していきます。

水分量が増える

ピルを服用中は身体がむくみやすくなります。ピルは大きく分けてエストロゲン(卵胞ホルモン)のピルとプロゲステロン(黄体ホルモン)のピルがありますが、特にエストロゲンのピルの方は、エストロゲンに腎臓から体内の塩分が排出されるのを抑制する作用があります。

そのため、体内に塩分が溜まって、その溜まった塩分が水分を吸収し、体内に水分がたまりやすくなります。むくみはピルを飲んでいなくても、生理前や妊娠しているときは起こりやすいです。「生理前は痩せにくい」とよく言われますがこれはむくみが原因です。

ピルによる体重増加はこのむくみが原因であることも多いので、ピルを飲むのをやめればすぐに体重はもとに戻ります。ピルを継続して服用している人に良くあるのが薬を飲むのを休む休薬期間(7日間程度)に体重が減るという現象です。これも増えていた水分量が減ることで起きているのです。

ピルのエストロゲンに加えて、食事でも塩分の多いものを食べれば食べるほど水分は体内に蓄積されてしまいます。高血圧も予防できるため、塩分の多い食事はできるだけ控えるようにしましょう。

食欲に負ける

ピルに含まれているプロゲステロンの作用で食欲が増えることがあります。プロゲステロンは男性ホルモン(アンドロゲン)という作用を持っていて、これが食欲増進の原因です。

食欲が増えること以外にニキビができやすくなります。特にピルを飲み始めた最初の3ヶ月に多く見られる症状で、カロリーコントロールをすることで、食欲増進による体重増加を回避することができます。

脂肪がつく

エストロゲンの作用として、脂肪を増やすというとても厄介な働きがあります。エストロゲンは「美人ホルモン」という別名がある女性ホルモンで、女性の胸や腰回り、太ももなどに皮下脂肪を増やして女性らしいボディラインにする働きがあります。

そのため、脂肪がつきやすくなって太ってしまったという人が多いのです。

ピルの副作用の「脂肪がつく」ですが、胸が大きくなったという嬉しい声も良く聞かれます。これもエストロゲンの働きによるものです。脂肪がお腹などではなく胸についた結果といえます。

どんな種類のピルでも太るの?

ピルを飲んで太るのは嫌だからなるべく太る副作用がないピルを選びたいですよね。しかし残念ながら、基本的にピルの種類問わず、どの世代のピルでも、飲み始めに副作用で太るという症状がみられています。

ただし、この症状は身体がピルに慣れていくとおさまっていくため、一時的なものと思っていいです。

もし、3ヶ月以上経っても、むくみや体重の増加などの症状が改善されないときは、ピルの種類を変えてみるなど、かかりつけのお医者さんに相談してみることをおすすめします。ピルのプロゲステロンの種類によってアンドロゲン作用は異なるので、アンドロゲン作用が弱いものを選ぶといいです。

種類は以下の通りで、作用が弱いものから並べています。

  1. ドロスピレノン:第4世代、ヤーズなど
  2. デソゲストレル:第3世代、マーベロンなど
  3. ノルエチステロン:第1世代、シンフェーズなど
  4. レボノルゲストレル:第2世代、トリキュラーなど

ドロスピレノンが配合されているヤーズはエストロゲンの量が少ないので、むくみや体重増加、胸の張りが少ないので、副作用も軽減できます。

ピルを飲んでいる期間、体重が増減するのはどのタイミング?

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先述した通り、ピルを飲むと、体内の水分量が増えて、むくみやすくなります。ピルを服用して体内のエストロゲンが増えたことが原因であるため、基本的にピルを飲んでいる間は体重が増えやすい傾向です。

ピルは服用期間と服用をお休みする7日間の休薬期間を繰り返して継続して服用していきます。そのため、ピル服用期間中は体重が増えやすくなり、ピルを中断する休薬期間は自然と体重が減っていきやすくなります。

そうはいってもピルを飲んでいるからといって、必ずすべての人が太るというわけではありません。食欲やカロリーを上手にコントロールしたり、適度に運動を行うことで、体重増加を防ぐことができます。

ピルを飲んで太ったらどうすればいい?

「ピルを飲んで太ったら痩せづらい」という話を良く聞きます。実際、「痩せ型だったのに、ピルを飲み始めたら太って、しかも痩せられなくなった」という人も多いです。

ピルを飲んで体重が増えたら、まずは飲んでいるピルの種類を変えましょう。ピルも医薬品のため、人によって相性が違います。体重がそれほど変化しなかったり、胸の張りや吐き気などの副作用が見られないなどを目安に自分に合ったピルを見つけていきましょう。

また、ピルで体重が増加してしまっても、食事制限や運動でダイエットできたという女性も多数います。ピルを飲んでいるからからといって、太ったことをピルだけのせいにしないで健康的な生活をしていくことが大切です。

ピルで体重が増えるのは予防できる?

先述した通り、ピルを飲むことで体重が増えるのは、ピルに含まれたホルモンで食欲が増えてしまうということにあります。

この食欲をコントロールしていくことが体重増加を予防するうえでポイントになります。ただでさえピルを飲むと身体がむくんで、太りやすくなっているため、食欲が増えたからといって、暴飲暴食をすることは自殺行為です。暴飲暴食をしないように自己管理を行うのはとても大切です。

この点に気を付ければ、ピルを飲んでいるからといって、以前よりも大幅に体重が増えるという極端なことは起こりません。また、ピルの副作用によるむくみもマッサージを行うことである程度軽減されます。

このように、ピルによる体重増加の原因を正しく理解し、しっかりと対処を行えば、体重増加を予防することができると言えます。

ピルのよくある副作用②吐き気

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ピルを飲んでよく副作用として吐き気も挙げられます。ピルによる吐き気は軽い悪阻に似ています。ほとんどの場合は吐き気だけでおさまり、嘔吐をしてしまう人はごく少数です。中には吐き気と合わせて胃のむかつきや下痢といった症状が出ることもあります。

ピルを飲んで吐き気を気持ち悪く理由

ではなぜピルを飲んで吐き気が起こるのでしょうか?主な原因はピルに含まれている女性ホルモン、エストロゲンとプロゲステロンです。

他にもピルに対して苦手意識をもっていると吐き気を催すことがあります。具体的に説明していきます。

エストロゲンが原因

エストロゲン含有のピルを服用すると、体内にあるエストロゲンの分泌量が一時的に高まります。エストロゲンには嘔吐中枢を刺激する働きがあるため、エストロゲンの分泌量が増えると吐き気を催します。

またエストロゲンが増えると臭覚も敏感になるため、普段は気にも留めない匂いに敏感になり、吐き気を起こします。

妊娠中にご飯の臭いを嗅いだだけで嘔吐してしまうという人が多いですが、これもエストロゲンによるものです。この症状のようなことがピルを飲むことで起きてしまうのです。

プロゲステロンが原因

プロゲステロン含有のピルを服用すると、体内のプロゲステロンの分泌量が一時的に高まります。プロゲステロンは血糖値を下げるインスリンの働きを抑える作用があります。

インスリンの働きが抑えられると、血糖値が下がりにくくなります。

血糖値は食事を摂るだけで上がります。普通ならインスリンが血糖値を下げてくれるのですが、ピルによりインスリンの働きが悪くなると、身体は大量にインスリンを分泌するようになり、急激に血糖値が下がり、低血糖に一時的にですがなってしまいます。

低血糖になると、中枢神経が刺激されるため、吐き気を催します。

苦手意識が強い

副作用を怖がってしまうあまり、軽い吐き気にも敏感に反応します。例えば、海外旅行に行った際、その国の珍しい食べ物を食べたときに身体が拒否反応を起こして気持ちわるくなるようなものです。

リラックスして安心して服用することで、吐き気は抑えられます。

吐いた時の対処法は?

ピルを吐いてしまった場合、飲んでからの経過時間により対処法が違います。

ピルを飲んで3時間以内

ピルを追加で飲む必要があります。12時間以内に次の日の分のピルを飲みましょう。1日に2錠飲んでも体に悪い影響はなく、避妊効果も弱まらないので安心してください。

また、ピルを吐いた前後に性交渉をしてもピルをやめて2週間経っていなければ排卵はされませんので、妊娠する心配はありません。

ピルを飲んで3時間以上

ピルを飲んでから3時間以上経っていれば、成分は体内に吸収されているので、追加で飲まなくて大丈夫です。吐いてしまっても避妊効果に問題はないので安心してください。

吐き気に対処する4つのポイント

吐き気が続くととても辛いです。日常生活や仕事に支障をきたしてしまうこともあります。そのためになんとか吐き気を止めたいです。

吐き気に対処するには4つのポイントがあります。

酔い止め薬を飲む

軽度の吐き気なら市販の酔い止め薬で改善されます。薬局で市販されている乗り物酔いの薬を使用しましょう。

夕食後や寝る前に飲む

早朝や空腹時にピルを飲むと吐き気を起こしやすいので、飲む時間帯が早朝や空腹時なら時間帯を変更してみましょう。

夕食後や寝る前に飲むと吐き気が起きないことが多いです。

1錠をわけて飲む

ピルを半分に割って、半分ずつ時間を分けて飲みます。半分であれば、成分もその分半分に減るため、体内のホルモンバランスの変化も小さくなります。そのため、吐き気も弱まります。

ただし、避妊効果も薄まってしまうため、性交渉をする場合はコンドームを併用したほうがいいでしょう。

ピルの種類を変える

ピルによる吐き気があまりにひどかったり、おさまらない場合はピルの種類を変更してみましょう。変更する際は相性、世代でピルの種類を変えてみることをおすすめします。

例えば第2世代を使っていた人は第4世代を使ったり、第1世代を使っていた人は第3世代というように変更することで吐き気を抑えられる場合があります。

また、エストロゲンのピルを使っている方はエストロゲンの量が多いことで吐き気が起こっている可能性があります。その場合はエストロゲンの量が少ないピルに変更することで、改善されることがあります。

ただし、自分で判断してピルを変えるのは非常に危険です。医師に相談してピルを変更するようにしましょう。

まとめ

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ピルの副作用は様々でまれに血栓が起こる場合もありますが、血栓が起こる恐れがある人はピルを処方してもらえないので、あまり心配する人はいないでしょう。ピルの副作用として特に多く見られるのは体重増加や吐き気です。

体重増加も吐き気もそれぞれエストロゲンやプロゲステロンが影響しているため、一定期間過ぎれば改善されることがほとんどです。

ただし、食欲増加により太ってしまった場合は以前よりも痩せることが難しいので、ピルを飲んでいるときはカロリーコントロールを心がけましょう。

一定期間が過ぎても体重増加や吐き気がおさまらない場合はピルを変えてみると相性の良いピルが発見することができるでしょう。

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