バーター症候群ってどんな病気なの?症状や原因、治療方法は?

一般の方ならほとんど知識がないであろうこのバーター症候群について今回は触れていきたいと思います。バーター症候群を発症するとどうなるのかということをから具体的な治療法についてまで、具体的に説明したいと思います。

知っているか知らないかで対処法や気持ちの持ち具合など変わってきますので、是非知っておいて頂けたらと思います。

バーター症候群ってどんな病気なの?

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本症候群の主な症状と発病の経緯についてご説明します。

腎臓の排出機能に異常が起きる腎機能障害

腎機能の排出異常が原因であるこのバーター症候群ですが、ナトリウムやカリウムなどの塩化物を適正に排出できなくなることによって、体内の塩化物が不足してしまい、結果、軽度の脱水などの症状や、乳児期では重度になると低カリウム血症を発症し、成人になるまでに三分の一の方が末期腎不全に至る怖い病気です。

その他にも、幼児期の場合、カルシウムやマグネシウムの異常排出での発育不全や、慢性的な水分不足による喉の渇き、軽度の脱水になるほどの多尿などの症状もみられます。

通常の腎臓はナトリウムやカリウムなどを含む塩化物を適正に排出するのですが、バーター症候群を発症するとこれか適正に保てなくなります。カリウムやカルシウムなどの過剰排出ということになります。その結果、過剰に排出される塩化物で脱水症状となり、血中のレニンやアルドステロンなどの濃度が上昇します。

なので、血液検査などでこの値が異常に上がるので発見されることが多いのです。尿の電解質検査などでも発見は可能となっています。

発症の経緯とは?

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幼児、小児、胎児などの発症率が高いことから、遺伝性の発症が最も有力です。劣性遺伝子を継承していることが一番の原因であり、遠位尿細管上皮細胞膜という部分の遺伝子に異常があることによって発症することがわかっています。

発見は胎児から小児までが一番多いですが、稀に大人でも発症の例はあります。誰でも発症する可能性はあるということです。

遺伝子の異常部分によって一型から五型、ギッテルマン症候群などに分類され、四型などは蝸牛血管条辺緑細胞にも障害を来すものであり、感音性難聴を生じることが特徴で、危険度はかなり高い病気といえるでしょう。

ちなみにギッテルマン症候群とは、低カルシウム尿症でバーター症候群は高カルシウム尿症として現れる違いがあります。

腎機能の一部の異常によってこれだけ危険な症状が現れるのです。軽視してはいけない病気といえるでしょう。

バーター症候群により併発する病気がある?

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バーター症候群の原因である塩化物異常排出により併発する病気があります。それをご説明します。

代謝性アルカローシス

塩化物の異常排出によって代謝の異常を同じく来します。その影響で血中のレニンとアルドステロン値が上昇して代謝性アルカローシスを併発するのです。

代謝性アルカローシスの主な症状は脱力症状やせん妄、痙攣発作などを伴います。先天性疾患であるバーター症候群と併発する主な病気である代謝性アルカローシスは、幼児期に多くみられる病気です。

やはりここで原因となってくるのは塩基の障害です。全ては腎機能の異常によるものが大きいのでしょう。低カリウム血症や高カルシウム血症など様々な病状が起こる非常に子供には危険な病気といえます。

代謝性アルカローシスは血清電解質などの治療法が必須とされています。

腎石灰化や慢性腎不全

上記で述べた代謝性アルカローシス意外にも、一型から五型まであるバーター症候群では併発があり得るという病気があります。

一型から三型は腎石灰化になる恐れが非常に高いことが挙げられます。四型から五型に至っては難聴など、重度の障害を引き起こす可能性が非常に高いです。

低カリウム血症の発症による腎不全の危惧も忘れてはいけません。腎不全になれば、人工透析などの治療が必要になり、重度と言わざる得ない病気といえるでしょう。

バーター症候群の治療法はあるの?

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では具体的な治療法についてご説明しましょう。

薬やサプリメントの治療法

バーター症候群の治療法についてまず挙げられるのが、薬やサプリメントの服用治療法です。通常の病気と同じく薬による治療です。

具体的なお薬名は「カリウム保持性利尿薬(スピロノクラトンやアミロライド)です。その名の通り利尿薬で、抗アルドステロン性です。遠位尿細管、集合管でのNa(ナトリウム)再吸収を抑制し、カリウムの排泄を抑制して利尿効果を示すお薬です。

その他、マグネシウムやカルシウムを補うサプリメントを併用して服用します。これにより、喪失を抑える治療法になります。

ただカリウムを抑える治療薬がないため、カリウムを直接摂取しなければなりません。バーター症候群の進行を抑え、補いつつ治していく治療スタイルと言えます。

重度の場合は人工透析を余儀なくされる

薬では血液や尿の電解質をコントロールすることが困難な胎児、新生児ですが、難聴などの重度な事例では末期腎不全になる可能性もあります。その際には人工透析を余儀なくされる場合もあります。

インドメタシンなどの薬の効果が十分に行き渡らない場合は、人工透析だけでなく、腎臓を摘出することもあるそうです。一部ではなく全摘出もあり得るということで、かなり重度な場合と見るべきでしょう。

薬の投与で改善が見られない場合に限りますが、腎臓の摘出など高度な手術を余儀なくされる場合もあるということなので、軽視しては絶対にいけません。血液検査などで早期発見が重要となってくるでしょう。

血液検査など検査の詳細について

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検査方法などの詳細について述べようと思います。

血液検査

採血による検査で血中のレニンやアルドステロンなどの物質上昇、これらのものを調べられます。もしバーター症候群を発症しているのであれば、この数値が異常に高いものを示すことになります。これも早期発見が一番重要なことなので、できるだけ早めの検査をお勧めいたします。

尿検査

尿の電解質検査でもバーター症候群を発見することが可能です。カリウムやナトリウムの値がレニンやアルドステロンと同じく異常に高い数値を示すことによって発見が可能となっています。

血液検査や尿検査などは通常の病院でもできるのでなるべく早期の検査をお勧めします。

遺伝子検査

上記の検査でバーター症候群の可能性が高いと判断された場合、遺伝子検査を行います。遺伝子検査を行う理由として、バーター症候群の一型から五型まで存在するバーター症候群の段階をチェックするための検査として最も重要な検査方法になります。

これによって一型から五型のどれに属するのかが判明します。

ただし、遺伝子検査は現段階では最も有力な方法ということで、確実性はありません。つまり100%とは言い切れないということです。異常に変異した遺伝子を検知することは今の医学では限界があります。確実性はありませんが、現段階でも最も有力な検知方法には間違いありません。ただ注意が必要ということになります。

その他にも、普段から利尿薬を服用している方、アルコール中毒者や慢性の嘔吐症の場合も同じ症状が現れますので注意が必要です。

一型から五型までの詳細

一型から五型まで存在する症状の具体的なものを述べようと思います。

一型

ナトリウム、カリウムの共輸送体の機能異常のことです。それにより、TALに障害を来します。

二型

TALの上皮細胞内から尿細管へカリウムを戻すチャンネルの機能異常のことです。これによりTALや皮質集合管に障害を来します。

三型

TALの上皮細胞内から血管側へ戻すチャンネルの機能異常のことです。これにより、TALや遠位曲尿細管に障害を来します。

四型

上皮細胞内から血管側へ戻すチャンネルにも機能異常が生じ、さらには蝸牛血管条辺緑細胞にも障害を来たすもことです。蝸牛血管条辺緑細胞の障害により感音性難聴を生じます。

五型

カリウム2+感知受容体の活性型異変に伴い腎機能の活性が抑制されることにより、TALに障害を来たすものです。

バーター症候群の詳細データ

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バーター症候群についてもっと掘り下げてみます。

名前の由来は?

フレデリック・バーターらによって提唱された疾患概念です。最初の発症報告は1960年、2年後の1962年にはより多くの症例に基づく報告がありました。

もっと前からあるものだと思っていましたが、実は近年に発見された疾患らしいです。遺伝的な要素が最も多い病気であるバーター症候群ですが、これより以前はなかったのでしょうか?

実際のところはわかりませんが、1960年に初の報告がなされたということなので、そこで初めて発症したのでしょう。

胎児が発症した際

幼児期や小児期の発症は血液検査ですが、胎児が発症した場合は発育不全、羊水過多などの症状が見られるそうです。ただ必ずということではないそうです。そうでない場合もあります。

幼児期、小児期の発症

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生後発症の患者は成長速度が著しく遅く、栄養失調を呈す場合もあるそうです。バーター症候群発症者のほとんどが低値、または正常値以下の血圧であり、体液量減少の徴候がみられます。カリウム、カルシウム、マグネシウムの保持能力が欠落し、筋力が低下が見られ、痙攣や脱力症、激しい動悸、テタニーを伴う場合もあります。

その他にも心因性多飲症や多尿、嘔吐も存在します。精神の遅滞や腎石灰化が引き起こされる四型や五型は最も注意すべきでしょう。

治療法に患者の低身長を治療するために外因性の成長ホルモンが用いられることもあります。

専門用語的に説明すると?

バーター症候群を噛み砕かず、専門的に説明するのであれば、水分、電解質、ホルモンに関する異常の組み合わせを言います。腎臓におけるカルシウム、カリウム、の喪失、低カリウム血症や高アルドステロン症、高レニン血症などが挙げられます。主に電解質と「発育」の異常を来します。

ベレン係蹄の厚い上行脚と遠位尿細管における塩化ナトリウム輸送(NaCI)の異常に起因します。他にもカリウム、ナトリウム、カルシウムの喪失はレニンとアルドステロン放出の上昇や代謝アルカローシス、高尿酸血症、低マグネシム血症、高カルシウム尿症、プロスタグランジン分泌の上昇を齎します。ナトリウム喪失が齎す慢性的な不足はレニンとアンジオテンシンの高値にも関わらず正常な血圧として反映されることもあります。

バーター症候群は小児期や幼児期に多く現れることがわかります。

合併症について

バーター症候群では低身長や成長障害を合併するとが多いです。もちろんその他にもありますが、成長期において最も重要な部分が成長しないという病気は恐ろしいと言わざるを得ないでしょう。

腎機能の異常によりこれだけ大きな影響が出てくる病気も稀だと思います。主に電解質異常が挙げられますが、正しく総括するとカルシウムが異常に排出されることが挙げられます。それによって関係がなさそうな成長に関する部分にまで影響が及ぶというのは非常に危険な病気でしょう。

専門用語についての解説

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上記で出てきた専門用語について具に解説します。

電解質とは?

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簡単に説明しますとイオンです。

身体の水分(体液)には電解質が含まれています。電解質とは水に溶けると電気を通すもののことを指しています。

電解質は細胞の浸透圧を調節、筋肉細胞や神経細胞の働きに携わる重要な役割を果たしています。

主な電解質は、ナトリウムやクロール、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどが挙げられます。俗にこれを五大栄養素として挙げられるミネラルに分類され、ミネラルは水に溶けると陽イオンと陰イオンに分離されます。

電解質は身体にとってとても重要な役割を果たしてくれているということですね。

低カリウム血症とは?

結論から述べますと、体内のカリウム濃度が3.5mEq/Iよりも低くなった状態のことを言います。

カリウムは、体液の浸透圧調整、筋肉の収縮、神経伝達を補助する役割があります。低カリウム血症とは十分なカリウムが体液内に足りず起こる血症のことを言います。

体内のカリウムの98%は細胞内に、残り2%は血液中などの細胞外にあります。この血液中のカリウムは細胞の働きを助けており、減少すると重大な障害が発生するとうことです。

つまり、バーター症候群とここで繋がるということです。

詳しくは、低カリウム血症について!症状や原因、関連する病気を紹介!を参考にしてください!

高カルシウム尿症とは?

高カルシウム尿症というのは、尿路結石や腎障害の原因となる代謝以上のことを言います。つまり代謝に関わる重大な病気です。

高カルシウム尿症は特発性と二次性に分類されます。甲状腺機能にも関わってきており、カルシウム喪失が大きな要因となっています。

尿中のカルシウム排泄量が200mg/日以上となった状態を表し、尿細管のカルシウムの再吸収機能が低下することによって引き起こされます。高カルシウム尿症の主な症状は尿路結石と言いましたが、腎機能にも大きく関わってきます。

ここでバーター症候群と繋がります。

高アルドステロン症とは?

高アルドステロン症と言いますと、アルドステロンの過剰生産が原因となり、水分貯留による血圧の上昇、「脱力感」、周期的な麻痺や「痙攣」が起きる病気です。

高アルドステロン症は副腎の腫瘍が原因で発症することが多いですが、稀に他の病気と併発します。バーター症候群もその一つに挙げられます。

アルドステロン値が高いと高血圧と「カリウム濃度の低下」が起こり、カリウム濃度が低いと「脱力感」「筋肉の痙攣」などが起こります。

つまりここでバーター症候群と繋がりますね。

レニンとアルドステロンについて

レニンとアルドステロンは血液量、電解質、血圧のバランスを保つ上でとても重要な要素の一つです。ナトリウム、カリウム代謝異常、代謝性アシドーシス、アルカローシスの診断とともに血圧診断に際して重要なものとなっています。

レニンは酸素の一種です。血液中に分泌されるアンジオテンシノーゲンというたんぱく質に働き、血圧を上昇させるアンジオテンシンという物質を作る役割をしてくれます。

アルドステロンは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンで、尿細管に作用し、体内にナトリウムの再吸収とカリウム排泄を促す働きがあるのです。

つまり腎機能においてレニンとアルドステロンはとても重要な役割を果たしてくれているということです。通常の血圧を検査する際にもこの二つはとても重要な項目で、どちらも腎機能をよくするためには欠かせない要素と言えるでしょう。

完治はするのか?

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治療をすれば治るのか、それを述べようと思います。

完全に治すことはできない?

治療法でも述べたと思いますが、マグネシウムやカルシウムを補うことは可能で、カリウム保持性利尿薬を服用する治療法を挙げたと思いますが、カリウムに関して言えば、喪失を抑えるための治療薬が現在ありません。

しかし、治せないことということではありません。カリウムを経口薬などで摂取していけば回復します。

よほど重度でない限り回復は可能でしょう。

まとめ

まとめに入ります。

何よりもまず優先すべきは早期発見でしょう。早く見つければそれだけ早く治る可能性があるということです。大抵は幼児、小児の時期に見つかるので血液検査や尿検査などで早期に見つけることを意識しましょう。

遺伝的なものが多いのでそう多い病気とは言えませんが、少なからず発症している患者さんはいます。大人になっても発症する可能性もありますので、定期的な健康診断で早期に見つけて治療を心がけましょう。

  
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