冷や汗の原因とは?めまいや吐き気を感じるのは病気?

人は暑いときに汗をかきますが、汗をかくのは暑いときだけではありません。極度に緊張していたり恐怖を感じた時、体調が優れない時などに汗は出たりもします。

このような冷や汗は誰にでも経験があると思いますが、何もないときに出る冷や汗は何かの病気が原因で出ている可能性があるのです。なぜ暑くもないのに汗が出るのか?冷や汗が出る原因となっている病気とは何かを書いていきたいと思います。

汗が出る仕組み

女性 汗

まずは汗はどのようにして出るのか、その仕組みについて知っていきましょう。汗というのは血液をもとにつくられており皮膚にある汗腺という場所から出ています。

汗のほとんどが水分であとは塩分、カルシウムや乳酸などのミネラルです。人は平均で36度前後の一定の体温が保たれていますがその体温が上がることでカラダの働きが悪くなってしまいます。カラダの働きを正常に保つためにもカラダの熱を発散させて汗をかくことで体温調節をしているのです。

汗をかく量は人それぞれですが、1日に1リットル程の汗をかき、暑い日や運動をした時には3リットル程の汗をかくこともあるのです。

汗の種類

汗は3種類に分けられます。

「温熱性発汗」

温熱性発汗は運動をした後や気温の暑さによって体温が上昇することで全身にかく汗のことです。体温調節のためにかく汗のことをいいます。

「精神性発汗」

精神性発汗は緊張状態や興奮状態、痛みを感じた時にかく汗のことです。主に冷や汗と言われるものであぶら汗といわれたりもします。顔、手のひら、脇、足の裏などに多く汗をかきます。

「味覚性発汗」

味覚性発汗は辛い食べ物など刺激の強いものを食べた時に出る汗のことです。顔を中心に汗をかきますが全身から汗は出ています。

汗のニオイの原因

汗をかくと気になるのがニオイだと思います。なぜ汗をかくと臭いのか原因について書いていきたいと思います。まず汗というのは皮膚にある汗腺から出ると書きましたが、実は汗が出る汗腺は2つあるのです。

1つめはエクリン腺という汗腺です。エクリン腺は顔や背中に多くあり全身の皮膚に存在しています。汗が出る場合ほとんどがこのエクリン腺から出ており成分の99%が水分です。2つめはアポクリン腺という汗腺です。アポクリン腺は脇や耳、乳輪や陰部などにあり、その量は人それぞれ異なります。汗のニオイの原因はこのアポクリン腺にあります。水分の他に尿素、アンモニア、脂肪などが成分として含まれておりネバっとしてニオイがあるのが特徴で、ニオイ物質を作ることが役割となっています。

アポクリン腺がニオイを発している原因ではありますが、汗のニオイを増やしてしまっている原因は他にもあります。汗をかいた時拭いたりせずにそのまま放置をしていたりすると、皮脂や垢と混ざり合ってしまい時間が経つにつれて雑菌が増え、ニオイを発してしまうのです。

汗のニオイ対策

汗の嫌なニオイをどうにかしたいと悩んでる人はとても多いです。ニオイの対策方法はたくさんありますが第一に、かいた汗をそのままにしておかないことが重要です。汗をかいたらすぐに拭き取るということが大切です。拭き取る際に汗拭きシートなどをこまめに使用すると汗のニオイを軽減することができます。汗をかく部分につける制汗スプレーやクリームの使用も効果があります。

運動不足など汗をかくことが少ないと汗腺が弱まってしまいます。その汗腺から出る汗はニオイが強くベタベタしていることがあります。運動などでたくさん汗をかくことで汗腺を鍛えることができ、出てくる汗もサラサラとしたものに変わるでしょう。そして汗がついた服などは放置することで雑菌が繁殖し、よりニオイを増してしまいます。可能であればすぐに洗濯をするか洗剤につけることで服にニオイが染み付くことを防ぐことができます。

偏った食事をしていたり運動不足になっていると体臭が強くなる傾向があるため、それらを改善することで気になるニオイを減らすことができます。

冷や汗について

おじさん 絶望

冷や汗は暑い時や体温調節のためにかく汗と違い、暑くない時に出たり精神的なものが関係している場合にかく汗のことです。これは精神性発汗ともいわれます。

交感神経が過剰に働くことで冷や汗が出るようになりますが、冷や汗をかくことは問題ではなく誰にでも起こります。ただ理由もなく冷や汗が出ている場合は病気が原因で汗が出ている可能性があるため注意が必要なのです。

冷や汗が出る状況

主に冷や汗をかく状況として、人前に出て話をしたりなど緊張する時、怖いものを見たりなどの恐怖を感じた時、お腹が痛いなど体調が悪い時や痛みを感じた時に冷や汗が出ますが、これらの状況で汗をかくことは正常な働きといえます。

冷や汗の対処法

冷や汗を少しでも解消する方法がいくつかあります。緊張をして冷や汗をかいてしまう場合などはまず緊張を和らげるためにリラックスすることが大切です。人前に出る前など緊張してしまった時には何度も深呼吸をしてみましょう。深呼吸をすることで気持ちを落ち着かせることができます。

腹痛が原因の場合は腹痛を引き起こしている根本を突き止め改善しましょう。便秘が原因となっている場合は、食事面から改善するのが良いです。食物繊維を多く含んだ食材の摂取を心がけバランスよく食事をします。また水分が足りていないことも多いため水分の摂取も忘れずに行いましょう。便秘は冷えが大敵のためカラダを冷やさないようにすることも改善に繋がります。

冷や汗の原因となる病気

女の子 遠くをみる

上記であげたような状況でもないのに冷や汗をかく場合、どんな病気が隠れている可能性があるのか書いていきたいと思います。

心筋梗塞

心筋梗塞はがんや脳卒中と同様に三大疾病といわれている怖い病気です。心筋梗塞になると心臓の血管に異常が起こり血液がきちんと運ばれずに心臓がうまく働かなくなってしまいます。それにより、心臓の筋肉が壊死してしまい正常に動かなくなってしまうものです。壊死してしまった範囲が広がってしまうと命に関わることがありとても危険な病気なのです。

激しい胸の痛み、吐き気、冷や汗、呼吸困難といった症状が起こり、発症してから数時間以内には死に至ることもあります。心筋梗塞は動脈硬化が進んでしまうことで起こると言われており、動脈硬化は運動、食生活、睡眠、喫煙、飲酒などが関わっています。また痛みなどの症状を感じない無痛性心筋梗塞といわれるものもあり、心筋梗塞、無痛性心筋梗塞ともに全身に大量の冷や汗をかくことが特徴です。

心筋梗塞については、心筋梗塞の前兆は?症状を知って適切な処置を!を参考にしてください。

自律神経失調症

自律神経失調症とは自律神経が乱れることで全身に不調が起こるものです。自律神経は人が活動するためには欠かせない神経であり、自分の意志ではなく神経によってコントロールされています。体調が悪く病院へ行っても異常がないといわれてしまう場合は自律神経失調症が疑われます。カラダに出る症状として、頭痛、耳鳴り、動悸、めまい、手足の痺れ、冷や汗、鬱など他にもあり全身に不快な症状を起こします。

自律神経の乱れの原因は様々で生活リズムの乱れ、ストレス、ホルモンバランスなど人によって違います。生活環境を変えたりすることで改善することもあります。

メニエール病

メニエール病はめまいや耳鳴りなど内耳に異常が起こる病気です。主な症状はめまい、耳鳴りの他に難聴、耳閉感があり、これらの症状が同時に起きます。そして治まっても何度も繰り返すことが特徴です。主な症状以外にも吐き気、動悸、冷や汗、顔面蒼白などの症状が起こることもあり、これらの症状が出た場合、視界がグルグルと回ってしまい立つことが困難になったり、頭を動かすことができなくなってしまうといったことが起きます。めまいが出ると個人差はありますが数十分~半日以上続いてしまいます。

原因は内耳にあるリンパが過剰に増えることで水ぶくれのようになってしまうためでこれを内リンパ水腫といいます。内リンパ水腫は睡眠不足、疲労、ストレスなどが関係しているといわれています。

メニエール病については、メニエール病の完治の期間は?原因や治療方法についてを読んでおきましょう。

低血糖

低血糖は血液の中にある糖が正常な量よりも低くなりすぎてしまうことをいいます。血糖値が60mg/dlを下回った場合に症状が現れ始め、何かしらが原因で血糖がうまく調整できなくなってしまうことで起こります。症状は眠くなる、集中力がなくなる、イライラするといったものが出始め次第に頭痛、震えなどの症状が続きます。低血糖が進行するとカラダが危険な状態であると判断し、動悸や冷や汗などの症状でサインを出します。

糖尿病の治療でインスリンを使用をしていたり、食生活が乱れていたり、喫煙やアルコールを過剰摂取することが原因としてあげられます。食生活が原因となっている場合、炭水化物のみの食事を変えたり、食べないといった状況をなくすことで改善に繋がります。

脳貧血

脳貧血は脳への血液が不足することでめまいや立ちくらみが起こることをいいます。鉄分不足が原因の貧血とは違うものです。脳貧血の場合は血液に問題はなく、血圧に異常が起こることで起き低血圧の人が多くなりやすいとされています。脳貧血は座っていた状態から急に立ち上がったり長い時間立っていることで、脳に血液が足りなくなってしまいます。

症状が悪化すると全身に冷や汗が出たり、手足が痺れたり、気を失ってしまったりといった症状が現れます。対処法としてすぐ横になり足を少し高くすることで脳に血液を送るようにします。カラダを温めることも症状が緩和されます。

まとめ

女性 草原

緊張などで冷や汗をかくことは誰にでも起こる症状のため特に心配する必要はありません。症状がないのに冷や汗をかいたり、痛みを伴っている場合には一度病院を受診した方が良いと思います。

心筋梗塞などの病気の場合一刻を争うため、少しでも異変を感じた場合はすぐに救急車を呼びましょう。汗はとても不快に思いますが汗をかくことは意味があり大切なことなので対策をしながらうまく付き合っていきましょう。

  
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