熱っぽいと感じる原因は?病気の可能性や対処法を紹介!

夏も近くなり気温が高くなる日も増えています。そんな日はしっかりと水分補給して熱中症や脱水症状を防ぎましょう。特に高齢者や小さなお子さんは、自己管理が上手く出来ないので要注意です。

今日はそんな原因が明らかな熱中症などの「熱っぽい」ではなく、日常でもよくある原因が不明な「何だか熱っぽい」についてです。

疲れが溜まっていたり、風邪の引き始め、女性は生理中など理由があればよいのですが、「熱っぽい」症状って厄介ですよね。もし「微熱が続く」になったら病気のサインです。すぐに診察を受けてください。

そもそも体温とは?

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人間の体温は早朝4時頃に最も低くなり、次第に上がっていき夕方16時頃に最も高くなります。その後、夜にかけて次第に下がっていきます。これを概日リズムといいます。

また、運動・入浴・感情の変化・気温・女性の性周期・食事などによっても変動しますが、その幅は±1℃程度と言われています。平均体温が37℃の方が1℃高くなって38℃になっても、明らかな身体の不調がない限り異常であるとは言えません。

通常、人間の体温は37℃が正常です。ちょっと高いと感じる方もいるかもしれませんが、日本人の平均は36.89℃(腋下測定)とされています。(かなり古いデータなので、最近では異なっているかもしれません)人間の生命活動は主に酵素の働きによって成り立っています。この酵素の働く至適温度と人間活動のバランスが取れているのが37℃と言われています。

体温と血圧

よく低血圧の人は朝起きられないといいますが、血圧と目覚めには何の因果関係もありません。現在は交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいっていないのが原因だと考えられています。交感神経は活動・緊張・ストレスを感じるときに優位になり、休息・睡眠・リラックスしている時には副交感神経が優位になります。この2つを合わせて自律神経と呼びます。

この切り替えがうまくいかないと、身体を上手くコントロールできなくなり、朝ぼーっとしがちになります。体温を上げることで交感神経優位になるので、ストレッチをする、熱いシャワーを浴びる、熱い飲み物を飲むなどすれば一時的に改善します。しかし根本的に解決するためには、熱を生産する肝臓を活性化することと筋肉量を増やして体温を上げることが重要と考えられています。

ではなぜ低血圧が朝起きられない原因と考えられているのでしょう?

それは低血圧で血流が悪くなることによる症状が、翌日まで疲れが残る、体温が低くなりがち、めまいや立ちくらみ、朝ぼーっとするなど、朝起きられない原因とぴったり合うからです。

微熱って何度から?

微熱と呼ばれる症状は体温が何度からのことなのか正確な温度を紹介します。

微熱と定められる温度はその人の平均体温によって変化します。平均的な体温が35度の人は37度を超える場合に微熱と判断されます。平均体温が36度以上の人も37度後半になると微熱と判断できます。

38度を超えると基本的には高熱の部類に入り、熱の症状の他に関節痛や、筋肉痛や全身の倦怠感など様々な症状を発症します。

また微熱の症状が出続ける期間についても、一定の基準があるわけではないですが、微熱は基本的には一時的な症状で、その後風邪になり高熱が出るか、短い期間で自然治癒していきます。

もし微熱の症状が1週間以上長期間に渡って発症する場合は何かしらの病気の可能性があります。その時は念のため、病院での検査を行いましょう。

発熱が起こる原因

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人間は摂取した総エネルギーの約70%を体温の維持に使用していると言われています。主に熱を発生させているのは肝臓と筋肉です。発生した熱は血液循環によって身体の隅々まで栄養と同様に届けられます。

この体温や血液循環や呼吸などの期間の運動や働きをコントロールしているのが自律神経系です。自律神経は、血管の収縮や拡張を制御して体温を一定に保っています。この自律神経に何かしらの影響があると、体温が一定にコントロール、維持できなくなります。それではどのような原因で異常が発生するのでしょうか?

感染症

体温の維持が困難になると感染症になりやすくなります。その結果外部の細菌やウィルスに対する抗力が下がり、感染症になります。

細菌やウイルスに感染すると、その部位が損傷することによって細胞から様々な物質が放出されます。その物質に反応し血液供給量が増え、体液や白血球が患部に届きやすくなります。白血球は侵入した病原微生物を攻撃し、炎症を継続させる物質を放出します。

感染部位で複雑な反応が起きることによって発熱します。全身性の発熱は、身体の防御機能を高める作用があります。人間の白血球などは温度42度近くまでは、生き延びることが出来ます。しかし細菌やウィルスはほとんどが38度以上の環境では生きていけません。この原理を利用して全身の体温を高めることで、体内に侵入した菌やウィルスを温度で殺菌、消滅させるのです。

更年期障害

女性は閉経時期になると、卵巣から分泌されるエストロゲン(女性ホルモン)が減少してきます。エストロゲンが減少してくると脳は盛んにエストロゲンを作るようにFSH(卵胞刺激ホルモン)を分泌して作るように指示を出しますが、更年期になった卵巣は必要な量のエストロゲンを作れないため、エストロゲンとFSHのバランスが崩れてしまいます。

このホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を与え、「身体のほてり(ホットフラッシュ)」「大量の汗(スウェッティング)」などの症状がでます。

また、女性ホルモンを始めとして副腎皮質ホルモンはステロイド骨格を持っているのですが、原料はコレステロールです。閉経時期に前後して血管・心臓系の疾患が増加したり、太りやすくなるのは、体内でホルモン生産量が低下することによる血中コレステロールの増加がひとつの要因です。

これが更年期障害の典型的な症状ですが、最近では若年性更年期障害が増えているため、若くても「熱っぽい」という症状が見られるケースがあります。

ストレス

自律神経失調症の原因とされています。慢性的にストレスがかかり続けることによって微熱が続いてしまいます。いろいろな検査を行っても異常がみつからない、解熱剤を服用しても熱が下がらない、ストレスが軽減すると症状が改善するといった特徴的な症状が見られます。

ストレスには正のストレスと負のストレスがあります。マイナスイメージばかりのストレスですが、嬉しいイベントでも身体にはストレスがかかるのです。なぜならストレスとは外界からの刺激に対する反応のことだからです。

進学、結婚、子どもの誕生、昇進などでも大きなストレスが身体にはかかっていると言われています。ストレスとの接触を避けることよりも正しいストレスの発散方法を知っておく、身につけておくことが重要でしょう。

特に自律神経失調症になってしまうと交感神経と副交感神経が正常に働かなくなり体温の血管が収縮してしまい血圧が上がり、体温の調節などができなくなります。自律神経失調処になりやすい人が存在します。子供の頃から体が弱かったり、乗り物酔いなどしやすかったり血圧が低い、アレルギー持ち、生理が乱れやすい人は特に注意しましょう。

アレルギー

原因物質(アレルゲン)に対して、免疫力が過剰反応する状態のことです。本来は病原性のない、スギ花粉・ハウスダスト・ダニ・卵などに過剰反応してしまいます。

このアレルギーを原因とする疾患は、喘息・頭痛・アトピー性皮膚炎・花粉症・蕁麻疹・アレルギー性鼻炎/結膜炎などがあり、症状の重症度によって発熱反応を伴うケースがあります。慢性的な鼻詰まりが起こっているせいで口呼吸になり、感染症に掛かりやすくもなりますし、なんだか熱っぽい、頭がボーっとすると言う症状はよく起こります。

この様なアレルギー反応は日常生活中に突然なんの前触れもなく訪れるもので、自分の強要範囲を超える量のアレルギー物質を摂取することで免疫作用が暴走し発症します。

いままで花粉などのアレルギー反応を持っていなかった人でも、突然に発症する可能性があります。もし気になる症状が発生した場合はアレルギー検査を行って確認した方がいいでしょう。

また花粉症など季節性アレルギーなどの疾患を持っている人は、症状を軽くするためには症状が発症する前の初期対策を取っておく必要があるでしょう。

微熱の症状が発生する病気

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発熱が、それほど異常な身体反応でないことが分かっていただけたと思います。それではどこからが異常で、どこまでが異常ではないのでしょうか?

微熱が何かの病気の初期症状の可能性もあります。初期対策方法などをしっかり押さえ、病気のリスクを軽減していきましょう。初期症状として熱の症状がある病気で危険度の高いものを紹介します。

ここからは、特に注意すべきケースについてみていきましょう。

微熱(平均体温+1℃程度)が続くケース

原因不明のケースもありますが、初期症状で微熱が1週間以上継続する場合には何かしらの病気のサインであると考えて受診してください。下記の病気は症状によって高熱を出す場合もありますが、微熱が継続する場合も多くありますので参考にしてください。

膠原病

皮膚・骨・軟骨・靭帯などを構成する繊維性タンパク質(コラーゲン)に障害・炎症を起こす自己免疫疾患の総称です。リウマチ(関節リウマチ)が代表的な病気ですが、患者数が他の膠原病に比べて圧倒的に多いことから、リウマチと膠原病は区別されることもあります。ベーチェット病、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症などまれな病気ばかりです。

疲れやすい、だるい、関節や手首足首、手足の指などが腫れて痛む、食欲不振、目の炎症などの症状があります。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺機能が異常に亢進することによって、身体活動が異常に活発化してしまいます。典型的な症状は、暑がる、動悸がする、不整脈、疲れやすい、ぐっすり眠れない、下痢などです。

中高年の女性に多く見られる症状として広く知られています。逆に甲状腺からのホルモンの分泌量が低下する甲状腺機能低下症という病気もあります。この場合は逆に寒気がしたり、体温が低くなります。

若い世代では女性に多い病気ですが、世代が高くなると比率は逆転し、男性に患者の数が多くなります。女性の場合は顔の腫れなどの症状が多く見られますが、男性の場合では腫れの症状は出ないことが多いです。

バセドウ病については、バセドウ病の初期症状とは?チェックする方法を紹介!を参考にしてください!

結核

結核菌が肺に感染することによって発症します。結核特有の(黄色~緑色の粘性の強い)痰がでる、身体がだるい、寝ている時に大量の汗をかくなどの症状がでます。

結核菌は感染者から放出された飛沫などの中に含まれて、空気中に漂い感染者の居なくなった空間でも一定時間留まり感染が行われます。37度の温度の環境でも増殖が行えるので、長期間の微熱が続く場合は結核の可能性があります。2週間以上続いての微熱や、咳などの症状が発生している場合は病院での検査を行いましょう。

結核の病気は病状が悪化すると最悪死に至る可能性がある病気です。2010年以降も年間で150万人の人が結核によって死亡しています。日本では医療の発達により、年々死亡者数は減少傾向にあります。日本で結核により死亡する年齢層としては80代以上での感染者が最も多く4割以上を占めています。

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

鼻の奥にある副鼻腔が細菌やウイルスによって炎症を起こしている状態です。炎症部位に膿が発生して、腐敗したような悪臭がするためすぐにわかります。

鼻腔の炎症により微熱や頭痛や集中力の低下などの症状が起こります。蓄膿症の場合は、原因となる鼻詰まりなどの症状を治療しないと、解熱剤を飲んでも微熱は回復しません。また、微熱の症状が長期間続く人もいれば、高熱を出してしまう人も居ます。

咳や鼻水の症状が出た上での微熱であればただの風邪だと思う人もいるでしょうが、これに加えて黄色い鼻水や、緑色の粘り気が強い鼻水が出るようなら蓄膿症を疑ったほうが良いでしょう。

蓄膿症は慢性症状になりやすいので、早めに抗生物質や炎症止の薬を処方してもらい、完全に治してしまいましょう。もし治ったと思っても医師の指示した期間は薬の服用を行わないと、症状が繰り返す可能性があります。注意しましょう。

頭・歯・目などが痛む、鼻が詰まる、鼻が腫れるなどの症状がでます。詳しくは、蓄膿症が臭い!症状や予防方法を知っておこう!を読んでおきましょう。

習慣性性扁桃腺炎

主に小学生以下の子どもがかかる病気ですが、大人でもかかることがあります。

扁桃に細菌やウイルスが感染することによって発症する病気で、のどの腫れや痛み、のどの違和感、食べ物を食べると喉がしみるなどの症状がでます。年に3~5回感染すると習慣性扁桃炎と呼び、悪化すると病巣感染といって関節や腎臓など他の臓器へ感染することもあります。

風邪だと思って放置しておいて重症化してしまうケースがありますので、6歳以下の子供では注意が必要です。

慢性膀胱炎

膀胱に細菌が入り込んで炎症を起こします。習慣化しやすい病気のため、自覚症状が乏しいのも特徴です。頻尿、排尿痛、残尿感、血尿などの症状がでます。詳しくは、膀胱炎の治し方を紹介!自力で治すことは可能なの?を読んでおきましょう。

尿路結石

尿路(腎臓・膀胱・尿管・尿道)に結石ができる病気です。40代男性が好発年齢で、女性は閉経後に発症率が高くなります。

激しい痛みを伴うことが多いので見逃す事はほとんどありませんが、血尿、吐き気、腰痛などが特徴です。詳しくは、尿路結石の痛みについて!和らげる方法と予防方法は?を参考にしてください!

慢性胆嚢炎

胆嚢や胆管内に結石(胆石)ができる病気です。ほとんどの胆石が胆嚢にできてから胆管へ流れていきます。この胆石によって胆管が塞がれることにより、黄疸や腹痛などが発生します。特徴的なのは、食事後に右あばら骨の裏側辺りが痛むことです。

慢性腎盂腎炎

尿管結石や膀胱炎、前立腺肥大などと合併して発症することが多く、腎盂内で細菌が繁殖し、腎臓にまで炎症が及びます。慢性化する場合には先天的に尿路異常がある場合が多く、子どものうちに判明することがほとんどです。

大人が発症する場合には、原疾患があることが多く、単独でかかることはあまりない病気です。

まとめ

読んでいただければ分かると思いますが、微熱が継続する病気の多くは「習慣性」「慢性」と頭に付くものです。これらの病気は、複数回感染・発症することによって慢性化していきます。

本来は慢性化する前に治療を受けた方がよいのですが、日常に追われてしまって、体調不良が当たり前のようになってしまうこともあります。

この記事を読んで「あれ?」と思った方は、直ぐに専門機関で受診することをお勧めします。

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