この記事の目次
上咽頭とはどこのことなのか
上咽頭炎の種類とはどのようなものがあるの?
風邪と共に併発する急性上咽頭炎
上咽頭炎の症状の1つとしてのどが腫れ上がるので風邪と誤診しやすいのですが、実は急性上咽頭炎の場合、風邪をひいた際に同時に発症する場合があるといわれています。風邪をひいたときにはのどにも痛みやはれなどを感じますが、実は私たちが思うのどだけではなく、同時に上咽頭でも炎症が起こっています。
上咽頭のリンパ組織を咽頭扁桃またはアデノイドと呼んでいます。これは大人になるにつれてどんどん小さくなっていくのですが、人によってはそこまで変わりなく成長していってしまう方もいるようです。この咽頭扁桃が風邪に伴って炎症を起こすのですが、気道に直接接しているためこの部分の腫れやそれに伴う膿は非常に危険です。
ひどく腫れる場合には気道閉塞の原因になるため、風邪の症状でも苦しく感じる場合にはすぐに病院の受診をお勧めします。また、この急性上咽頭炎は風邪の治癒に応じて自然に治癒していくといわれています。
急性上咽頭炎が治らず炎症が続く慢性上咽頭炎
風邪が完治してものどに違和感や痛みを感じる場合、上咽頭の炎症が治っておらず慢性的に炎症を起こすようになってしまったと考えられます。実はこの症状は不思議なことではなく上咽頭は外気に触れやすいためほかの部位よりも乾燥がおきやすく余計に炎症がおきやすいのです。又、ほかの中咽頭など状態の影響も反映しやすいといわれています。
注意が必要なのは、慢性上咽頭炎は医師でも発見しにくい病気であるということです。その為、受診する際には急性上咽頭炎だった方はきちんとその旨を伝えたり、具体的に症状を説明することで早期発見・適切な治療を受けられるように医師とよく相談できる環境づくりを心がけることが重要です。
上咽頭炎の特徴とは?
上咽頭炎の発見はほかの疾病と比べてもなかなか難しいといわれています。これは上咽頭自体は口を開けて目につくことがないため、視診しづらく、問診や精密検査のみで診断をしなくてはならないという理由があるからです。それでは上咽頭炎の特徴とはどのようなものなのでしょうか?
医者であっても発見しづらい
上咽頭は視診で目に見える部分ではありません。特に風邪と併発している場合には扁桃腺が腫れているとそちらの腫れのみがのどの痛みに直結していると考えがちなのでたとえ専門の医師であっても正しく上咽頭炎を診断し発見できる人はなかなか多くないのが現状です。
しかし、のどの痛みの9割以上は実は上咽頭炎であるといわれています。問診などだけではなく内視鏡などを使用して視診を行ってもなかなか発見することは難しいため、適切な治療を行うまでに時間がかかってしまう場合もあるといわれています。しかし、適切な治療をした際には着実に症状は改善していくため医師とよく相談し、治療を行っていくことが大切です。
慢性化しやすい
上咽頭が炎症を起こしやすいのは先述しましたが、慢性化しやすいのも大きな特徴です。慢性化しやすい理由としては2つあります。1つは治療が適切に行われないためです。これは、上咽頭炎が発見しづらい病気であるために中咽頭などほかの部位に対する薬などを服薬してしまい、適切な治療が行われない場合には病状が進行し、慢性化しやすいためです。
また、2つ目は外気に常に触れているため乾燥しやすいからです。乾燥しやすいものの水分補給などでの保湿がしづらく、特に風邪なので鼻炎などの場合は口呼吸になりがちなので普段よりもよけいに乾燥しやすくなっています。根本原因である上咽頭の炎症の改善はもちろんですが、ほかの器官も確実に治療を行っていくことが重要です。
耳や腎臓の病気の原因になる
上咽頭炎は風邪から起こりやすいといわれていますが、上咽頭炎がさらにほかの病気を併発する場合があります。これは、上咽頭は耳とも耳管を通してつながっているため、炎症が広がり、中耳炎などの耳の中で炎症を引き起こす場合があります。同様の感染方法で頭痛を引き起こす症例もあるといわれています。
ほかにも意外に感じるかもしれませんが、腎臓の疾患につながる場合もあります。IgA腎症と言ってIgAといったたんぱく質が腎臓に蓄積してしまう病気です。すぐに進行するものではなく進行速度は非常に遅いのですが治療は困難であり、国の難病指定されている疾病です。その為、上咽頭炎のうちに適切な治療を行うことはかなり大切です。
上咽頭炎の症状とはどのようなものがあるの?
耳が詰まる
のどは耳や鼻ともつながっています。その為、耳のつまりを感じる場合があります。実は、上咽頭には直接耳とつながっている耳管咽頭口があります。その為、上咽頭の炎症がそこから広がって耳の炎症をおこしたり、耳管咽頭口自体が狭くなることで、音が聞こえづらくなり、耳が詰まったように感じるといわれています。
のどが痛む
上咽頭自体の炎症により、のどの痛みを感じますが、実は慢性的に炎症が起こるとこれを感じることもなくなるといわれています。慢性的な炎症は腫れることもないため、内視鏡を使用しても疾病を確認しづらく、診断はむずかしいとされています。
また、鼻の炎症からおこった上咽頭炎の場合、鼻からの鼻水によってのどの痛みが生じます。鼻水が通ることによって逆に乾燥しやすくなり、乾燥しやすくなった上咽頭の粘膜は通常よりも炎症を起こしやすくなっています。その為、のどの痛みを感じるのです。
頭が痛む
上咽頭の炎症から派生した鼻や耳の炎症は頭の痛みにつながることがあるようです。これは、頭にも炎症が広がるということであるということではなく、気圧の変化で耳が詰まり頭が痛くなるように耳管の調子が悪くなることで頭にも痛みを感じるという原理であるといわれています。また、頭だけではなく顔の痛みを感じる場合もあるため上咽頭炎の症状をきちんと理解し、疾病箇所以外で痛みを感じたとしても冷静に対処することが重要です。
発熱・全身倦怠感
上咽頭炎は急性の場合、風邪とともに併発することが多いのですが風邪と違い上咽頭炎が原因で発熱をした場合、微熱が出る場合が多いといわれています。とくに花粉症や副鼻腔炎が原因だとその傾向が強いといわれています。
上咽頭自体に炎症が起こることによって気道が狭くなったり、派生した鼻の疾病が鼻呼吸の邪魔をして、酸素のとりこみがうまくいかなくなると体中に酸素が行き渡らなくなり、結果的に全身倦怠感を感じることがあるといわれています。
鼻水やたんの塊がのどにへばりつく
花粉症などの影響で鼻水がながれ、上咽頭炎が起こる場合には鼻水やたんの塊がのどにへばりつく場合があります。本来流れていく鼻水はさらさらとして粘性のないものなのですが、炎症が起こっている場合は乾燥しやすく、へばりつきやすくなっているからです。
また、のどにへばりついたことが原因でそれを体外に排出するために咳やたんが出る場合があります。しかし、この場合にも単純に咳止めをつかうことなく根本的な原因を取り除くため感想を改善したり、鼻の炎症を改善することで自然に収まってくるため適切な治療を心がけてくださいね。
上咽頭炎の原因
疲労やストレス、寝不足
咽喉、鼻の乾燥
副鼻腔炎
後鼻漏
上咽頭炎の治療方法とは?
内服薬を飲用する
上咽頭炎の原因はウイルスや細菌なので、薬物療法が一般的です。風邪によって発症した場合、ウイルスによるものなので抗生物質は使わず消炎鎮痛剤や粘液調整剤などを処方し、炎症の鎮火をうながします。
反対に鼻の炎症など細菌が原因で発症した場合には抗生物質を使用します。これは、抗生物質が最近の増殖を抑える働きがあるためですが病状により使用が向かない場合があるので医師の指示を元に服用して行くのが重要です。
ネブライザー吸引治療
あまり聞き覚えがない治療法だとおもいますが、吸入に近いものです。薬剤を霧状にして患部に直接つけることで炎症を抑えていきます。一度で効果が出るものではないため、継続した治療が必要ですが、炎症を起こしている部分に霧状とはいえ薬を塗るため、患部がひどく腫れあがっている場合には痛みを感じることtもあるといわれています。
Bスポット療法
こちらも霧状にした薬剤を直接塗っていく治療法の意図つです。特に、塩化亜鉛を使用するときにBスポット治療と呼んでいます。塩化亜鉛はたんぱく質を変化させ、組織や血管を縮めるため、炎症を起こしてはれ上がっている部分に塗るとその部分が伸縮し、本来の大きさに戻る効果があります。
霧状にして塗るか、綿棒で直接患部に着ける場合もあり、かなり原始的な治療法に感じますが8割ほどの患者はこの治療法によって改善するといわれているので、効果が高いということができます。
上咽頭炎の予防方法
睡眠、食事を正しく取る
うがいはしっかりとする
マスクをする
口呼吸をやめる
鼻うがい
鼻うがいは慣れてしまえば鼻の奥がすっきりしてとても気持ちよさを感じることができます。日常的に取り入れられると健康を維持できるでしょう。