このページに来るのに「インフルエンザで陰性がでたのに熱がある。いったい何の病気だろう」とお困りで検索された方も多いと思います。
検査で陰性がでたからと言ってインフルエンザではないとは限りません。インフルエンザで陰性がでるのに発熱しているときは理由が二つあります。
ひとつは検査で上手く結果がとれなかったとき、もう一つは他の病気である場合です。
検査でうまく反応がでない原因は多くは検査ができる段階まで病状が進んでいなかった場合です。この場合も医師にちゃんと症状と時期を伝えればインフルエンザの診断所をもらえる場合があります。また陰性がでるのが嫌だからと言って病院にいくのを遅れ過ぎると今度は抗インフルエンザ薬が効かなくなってしまいます。適切な時期を確認しましょう。
もう一つは他の病気にかかっている可能性があります。高熱が出る病気には特徴があります。可能性のある病状を確認して対策し、医師に相談しましょう。
インフルエンザなのに陰性がでてしまう?
陽性がでたら確実にインフルエンザですが、陰性がでたからと言ってインフルエンザではないとは限らない、というのがインフルエンザ検査キットの仕様です。
まともなお医者さんであればそれがわかっていますので、明らかにインフルエンザだとわかる場合は診断書や抗インフルエンザ薬を出してくれることもあります。インフルエンザでも時期によっては陰性がでることもあります。インフルエンザの検査方法について確認しましょう。
陰性がでてもインフルエンザの可能性がある?
発熱から12時間以内であれば検査しても陰性になる場合があります。発熱してすぐだと結果が出ない場合もあります。そのため熱が出てから慌てて病院へいくと「明日検査しましょう」といわれる場合もあります。
しかしインフルエンザの流行時期や症状から、検査で陰性がでてもインフルエンザだと診断され、抗インフルエンザウイルスを処方されることもあります。
陰性でインフルエンザを見落とされることはある?
症状が軽いと風邪やそのほかの病気と判断されることが多いです。しかしインフルエンザにも熱がでないものや症状が軽い種類の病気も存在します。
お医者さんでも見逃すことがあるので、陰性がでてしばらくたっても症状が長引くときは再検査をしたほうがいいかも知れません。
迅速診断法:インフルエンザ検査キットを使った検査とは?
鼻腔を綿棒で拭き、菌があるかどうか調べます。お子さんがどうしても嫌がる場合はティッシュで鼻水をとる要領で検査できるキットもあるようです。
インフルエンザウイルスを着色し、通常目視しますが、より精密な分析装置がある病院もあります。
なんでインフルエンザでも陰性がでるような検査するの?!
それまでの検査では1週間の日にちが必要で、結果がわかったときにはもう治っている、という皮肉な検査でした。抗インフルエンザウイルス薬は発症後48時間内に投与しなければ効果がないのでなるべく早く結果がわかる検査が求められたためこのような検査が実施されるようになりました。
いつ頃診察を受ければ良い?
陰性反応が出るのが嫌だからと言って48時間後には抗インフルエンザウイルス薬が効かなくなってしまいます。発熱から12時間以上48時間以内が理想的な時間帯です。
なお抗インフルエンザウイルス薬がなくてもインフルエンザは自然治癒します。
抗インフルエンザ薬は最近できた新しい薬です。それ以前は安静にして自然治癒されていました。免疫力が著しく低いお年寄りや子どもでなければ重症化することは稀です。
どうしても早く治したい人は48時間以内に診察を受けましょう。
インフルエンザ検査料金
3割負担で2000円程です。初診料と検査費用のみの場合で、お薬を処方された場合は4000円程度です。
インフルエンザ検査は月に2回しかできない?
インフルエンザ検査は厚生労働省の方針により2回までしか保険が効きません。実費で払えば検査自体は可能です。
その為、熱が出て12時間以内であれば「まだ検査してもウイルスが見られないので明日検査しましょう」とお医者さんからおすすめされることがあります。
再検査がしずらくなるのでお医者さんの中には伝染病という関係上、また抗インフルエンザウイルス薬が48時間以内に効果を出すことから、「早期に検査をしたいのにこの厚生労働省の検査方針をよくない」と思っている人もいるようですね。
インフルエンザで陰性がでても診断書はもらえる?
時期早々だった故に陰性がでたのだと医師が判断した場合、医師は「この患者はインフルエンザです」という証明に診断書をだしてくれることがあります。
会社や学校に公欠のための手続きをする場合、インフルエンザなので休まなければならないと早期に伝えなくてはいけない場合は、医師に相談しましょう。
インフルエンザと症状が似ている病気
全身倦怠感、熱が下がらない原因はインフルエンザ以外にも考えられます。
発熱はウイルスや細菌による感染症が多いのが特徴です。
学校で流行りやすい病気、アデノウイルス感染症
アデノウイルス感染症は型番や感染した部分で名称が変わります。
上気道炎・気管支炎 、肺炎 、扁桃炎 、咽頭結膜熱(プール熱)、胃腸炎 、流行性角結膜炎 、出血性膀胱炎 などはアデノウイルスが原因で引き起こされるケースがあります。9~40℃の発熱、のどの痛み、扁桃腺の腫れ、下痢や腹痛、目やに、頻尿、血尿など、感染した部分に炎症の症状が現れ全身倦怠感もあります。
もし十分な期間があるのにインフルエンザ検査で陰性がでた場合はアデノウイルスが原因かもしれません。この場合同じような綿棒で鼻腔の組織をとる検査キットで判断できますが感度は低めです。
感染経路
アデノウイルスは空気中を漂います。くしゃみなどの飛沫感染をするほか、糞口感染、キスなど接触感染をします。
赤ちゃんのおむつを取り替えるときは使い捨てのゴム手袋などを使用すると大人が二次感染を起こすリスクを減らすことができます。気にする方はトイレの便座は飛沫が飛ばないようにふたを閉めてから流す方もいるようです。
プール熱は子供が学校で感染しやすいウイルスです。子ども、もしくは学校に通うお子さんがいる方が子供から二次感染を起こして発病することが一般的です。
アデノウイルスは症状がでなくなってからも2週間から場合によっては1ヶ月程度ウイルスを排出します。プール熱を出したお子さんは1ヶ月程度プールへの参加はできないので注意しましょう。
見分け方に注意したい風邪
風邪とインフルエンザは個々の症状は似ていますが、インフルエンザは全身に症状が現れやすい事、全身倦怠感がでてだるくなり、全身の関節が痛むことが特徴です。
よくインフルエンザの特徴と風邪の特徴の違いは高熱が出ることだといわれますが、これは誤りです。
インフルエンザには熱がでないタイプの病気もあるのでこの限りではありません。
お年寄りは要注意すべき肺炎
細菌やウイルスによる肺に起こる炎症です。インフルエンザ自体で肺炎が起こる場合もありますが肺炎球菌で起こる肺炎のほうが報告数が多いです。どっちにしろ重症化しやすい病気です。
インフルエンザにかかると気管支やのどが弱るので合併症を起こしやすくなります。またインフルエンザにかかった後は肺や気管支が弱って他の菌に侵されやすい状態です。特にお年寄りは肺炎で亡くなることが多く、インフルエンザによる死因では肺炎がトップです。
動物から感染するズーノーシス
ズーノーシスとは動物から感染する病気の総称です。
ウイルスと細菌のほかには寄生虫があります。インフルエンザ自体も動物から感染する場合があります。明らかに病気の動物から感染するとは限りません。動物自身は無症状という病気もあります。
密接に野生動物に密接に接しないとめったにかからない病気ですが、身に覚えがあるときは医師に可能性があることを相談しましょう。
高病原性鳥インフルエンザ
鳥に感染するインフルエンザです。鳥によっては感染によって死亡しますが、アヒルなどは無症状の場合があります。
鳥のフンに含まれ、確率は低いもののこれを吸い込んだ場合に感染する場合があります。症状はインフルエンザと同じです。
しかし普通のインフルエンザウイルス
エボラ出血熱、マールブルグ病
日本ではなじみのない病気です。サルが病原体です。非常に感染力が高く、痰や血液などに触れると感染します。
突然の高熱と頭痛と筋肉痛に襲われるほか、特徴的なのは消化管や鼻や口からの出血をします。ウイルス自体を殺す薬はなく、対症療法するほかありません。
ウエストナイル熱・脳炎
野鳥など哺乳類が病原体になりえます。野鳥を刺した蚊がヒトを刺すことによって感染することもあり得ます。哺乳類の場合は噛み傷から感染する可能性があります。
発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感など、インフルエンザに症状が似ています。ほとんどの場合一週間で治る病気です。
馬に感染すると致死的な脳炎を起こすので馬牧場では恐れられる病気です。その他の動物では軽い症状だけで治癒し、鳥の場合は無症状です。野鳥には注意しましょう。
パスツレラ症
犬や猫や家畜などに噛まれたり引っかかれたりして感染します。犬や猫の口内に存在する細菌の感染です。傷口の腫れてしまい、気管支炎や肺炎など、気管支に問題がでる病気です。
ペスト
ネズミによる感染が有名です。現在はネズミの徹底駆除による予防や抗生物質による治療が可能ですが、発展途上国では流行する可能性もなくはありません。
ネズミなどのげっ歯類だけではなく、ネズミの血を吸ったノミがヒトを刺すことで感染する可能性があります。
急激な発熱が起こり、リンパ節が腫れます。肺炎、敗血症などを起こしちゃんと治療しなければ死亡します。
Q熱
ペットの出産時に感染することもあるので、ペットを飼っている人は注意しましょう。感染しても無症状の場合があります。約半数の人が発症する可能性があります。
羊水のほかには糞尿から感染します。ペットのトイレの処理は気を付けましょう。ペット自身が感染しても症状が特にないことがほとんどです。元気なペットでも油断は禁物です。
発症した場合は、インフルエンザに似た症状が現れます。他には肝炎症状がでたり、酷い場合は心内膜炎をおこすこともあります。
オウム病
病名の通りオウムやインコ、鳩など、人の傍に良く居る鳥類から感染します。
乾燥した糞便の飛沫を吸い込むと感染してしまうので、鳥糞の多い場所や掃除の際はマスクの着用をしましょう。
症状はインフルエンザに似ています。成鳥では無症状ですが、幼い鳥だと病気になって稀に死んでしまうこともあります。
トキソプラズマ症
犬猫に巣くう寄生虫です。糞尿から感染します。殆どの場合無症状ですが脳炎などを起こすこともあります。ただし妊婦の場合は注意が必要です。胎児に障害がでる場合があります。
狂犬病
犬だけではなく、猫や蝙蝠などだいたいの哺乳類は感染しえます。
1ヶ月前後の潜伏期間がありますが、発症したら治療法はありません。死亡します。神経を侵され、最終的に呼吸困難になります。狂犬病というくらいですから犬の場合は症状がでますが、中には無症状の動物も存在します。事前にワクチンを打つと予防できます。
その他性病
熱が出て全身倦怠感がでる病気の多くはウイルス性のものです。
HIVなどの初期症状で風邪やインフルエンザに似ている症状がでることもあります。身に覚えがある場合は医師に相談しましょう。
まとめ
インフルエンザでも検査キットの仕様により陰性がでる場合があります。
発熱から12時間以内の場合はインフルエンザでもインフルエンザウイルスが検出されないことがあるためです。
しかしインフルエンザの陽性反応をだそうとしてあまりにも遅れて診断を受けると、今度は抗インフルエンザウイルスが有効な時期を逃してしまいます。
発熱から12時間以上48時間以内がインフルエンザの陽性反応が確認でき、抗インフルエンザの投薬が間に合う時間帯ですが、お医者さんも検査キッドの特徴は知っているのでインフルエンザで陰性がでても症状があってインフルエンザの流行時期であれば診断書を書いてもらえる可能性があります。
もし十分な期間があっても陽性反応がでない場合は、他の病気の可能性もあります。
インフルエンザに似た症状がでる病気の多くはウイルス性の病気です。子供のころはウイルス性の病気にかかる機会が多いです。アデノウイルスによるプール熱なドに注意しましょう。
日常かかるウイルスの代表例は風邪やインフルエンザやアデノウイルスですが、もしそれ以外のウイルスに感染しているとしたら、海外に旅行したり、動物に極度に接触したり、性病に感染するリスクを負ったことなどがあれば可能性があります。もし心当たりがあれば医師に相談しましょう。