足の裏は普段、人目に触れることはあまりありませんよね。そのため、なかなかケアが行き届かなかったり、ついつい後回しになってしまったりしますよね。足の裏がカチカチ・・・なんていう方も多いかと思いますが、具体的にどうしたらよいのか、考えあぐねている方も多いのではないでしょうか?
どうしても固くなってしまいがちな足の裏…ではなぜ、足裏の皮は固くなるのでしょうか?その原因と解決法についてご紹介します!
古い角質によるもの
人間の皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層から成り立っています。そして、一番外側にある表皮が、真皮や皮下組織を守っているのです。
さらに、表皮の中でも一番外側にあたる部分には皮脂膜があり、内部に角質層があります。この角質層は一定の周期で生まれ変わるため、皮膚が新しくなるのです。その時、古い角質層は垢となって体から剥がれ落ちます。
これがいわゆる、ターンオーバーと言われるものです。
しかし、角質層が乾燥状態にあると、このターンオーバーがうまく行われず、古い角質層が残ったままになってしまうのです。こうして残ったまま角質層が重なり、固い皮となってしまうのです。
角質層が硬くなってしまう原因
角質層が固くなる原因は主に4つあります。
- 血行不良
- 加齢によるもの
- 乾燥
- ホルモンの働きの乱れ
この原因はターンオーバーが乱れてしまうことにも該当しています。この4つの原因が重なってしまうとどうしても肌の代謝力が低下してしまい、固くなりますし色も変色して見えてしまいます。
弾力のある皮膚はしっかり潤っていて硬くなっている皮膚は表面が乾燥している事が確認できるでしょう。これは角質肥満と言って角質層が肥厚して表面にまで水分が行き届いていない状態になります。
これらの原因がどんどん蓄積していくとどうしても皮膚は硬くなっていくでしょう。
解消法
では、固くなってしまった足の裏の皮膚は、どうしたら元の様になるのでしょうか?簡単に出来る方法がいくつかあります。
固くなった角質層を取り除く
古い角質層が堆積している場合には、それを取り除いてあげましょう。とは言え、固くなった角質層を剥がすのはなかなか大変なものです。ですので、まずはお湯に浸けるなどして角質層を柔らかくしましょう。
角質層がふやけて柔らかくなったら、ヤスリなどでこすって、古い角質層を削り落とします。ヤスリには荒い目と細かい目がありますから、まずは荒い目で大まかに硬い角質を削ぎ落とし、仕上げを細かい目で行うようにしましょう。
ヤスリのかけかたは、足の端っこから始めて中心に向かうようにします。一気に削ろうとすると新しい角質層も削ってしまいますから、ていねいに行いましょうね。
しっかりと保湿する
せっかく古い角質層を取り除いても、ケアしなければ再び固くなってしまいます。足裏の乾燥はターンオーバーがうまくいかなくなる原因になりますから、しっかりと保湿して、ターンオーバーを促しましょう。
お風呂上がりにクリームなどの保湿剤を使ってマッサージを行うと、血行がよくなって効果的です。
魚の目やタコによるもの
足には常に大きな負担がかかるため、固くなった角質で痛みを感じることがあります。しかしこれ以外に、足に痛みを感じる原因があるのです。この場合は、古い角質層を削るだけでは解決しません。まったく別の原因があるのです。
魚の目
古い角質層が残るためにできるものですが、通常と異なり痛みを伴います。
なぜ痛むのかと言うと、通常は外側に重なっていく角質層が、内側にどんどん蓄積されていくためです。魚の目はひどくなると歩くのも辛いほど痛みが強くなりますから、ヤスリで削っても改善しない場合には、速やかに皮膚科を受診してください。処置をしてもらったあとは、再発防止のために十分な保湿やマッサージ、足裏のケアを欠かさないでくださいね。
また、魚の目は自分で処置をするとかえって悪化させることもあるので注意が必要です。魚の目の芯は奥深くまで入り込んでいますから、完全に取り除くのは非常に困難です。さらに、無理に削って傷ができると、そのから細菌感染する危険もあります。
芯を残しておくと再発にもつながりますから、削るのは皮膚科の先生にお任せした方がよいでしょう。
詳しくは、魚の目の原因について!ケアや治療方法も紹介!を読んでおきましょう。
モートン病
聞きなれない名前ですが、こちらも足裏の症状です。足の中指と薬指の間に痛みやしびれを感じるのが特徴で、まだ原因はわかっていません。ただ、ハイヒールや革靴など、足浦に大きな負担のかかる靴を長時間履いている方に多く見られる病気です。
ハイヒールなどは仕事柄どうしても必要、という方もいらっしゃると思いますが、あまり負担をかけすぎると足の皮が固く厚くなったり、モートン病の発症にもつながります。適度に足を休ませることが大切ですね。
モートン病の場合、古い角質層を取り除いても症状は改善しません。まずは足に負担のかかるつ靴をやめ、楽な靴に履き替えましょう。そして安静にした上で、きちんと専門医を受診してくださいね。
症状に合わせ、矯正用インソールで足の負担を軽くする方法や、ステロイド注射による痛みの緩和などがあります。ステロイドは痛みの緩和に効果的ですが、使いすぎると免疫不全や糖尿病などの副作用も起こるため、使用の際には医師とよく相談されるとよいでしょう。
何科を受診すればいいの?
基本的には皮膚科を受診します。より美容面などの見た目について重視して治療を行いたいのであれば形成外科を受診すると良いでしょう。
皮膚科と形成外科の二つの看板を掲げている治療科も存在しますので、そのような診療科を選択することが最良でしょう。もし普段からの行きつけのいい先生がいる病院があればそこでも構いません。
水虫によるもの
あなたの足の裏、ただ固いだけでなく、白く粉が吹いたようになっていませんか?そんな状態になっていたら要注意です。
肌が乾燥しやすい冬場以外でこのような症状がある場合には、水虫を疑いましょう。見た目は肌が荒れているように見えるためクリームを塗る方もいらっしゃると思いますが、効果はありません。
足の水虫として、「かかと水虫」というものがあります。角膜が厚くなり、白くなるだけでなく、症状が進むとひび割れてしまうこともあるのです。ただかかとが荒れているだけなのか水虫なのかは素人目には判断できませんから、気になった方は皮膚科を受診してみましょう。
原因
水虫が発生する原因は靴の中に発生した雑菌が原因であったり、家族や公共の施設などでの間接的な感染が一般的です。
湿気の多い場所を好む白癬菌という菌が原因で感染する症状ですので、雨で濡れている靴を次の日も履いたり、バスマットから感染すると言うことが多いです。
特に足に傷などが発生しているときは、この傷口から菌が入ってきて感染しやすくなりますので注意しましょう。
解消法:足裏ピーリング
足裏専用のパック溶剤に30分間足を浸け込むだけで、簡単にピーリングできてしまうスグレモノです。しかし、角質があまりにも厚い場合には一度に取り切れませんから、複数回使用することが必要です。
特に、親指のように力を入れることの多い指ほど角質が厚いため、何度も繰り返し行うことが大切です。ピーリングの後、尿素クリームなど保湿性の高いクリームを使用するとより効果的です。
その他の方法は、水虫の治し方を紹介!症状や感染しやすい環境とは?を参考にしてください。
その他の体の不調
足の裏は第二の心臓とも呼ばれ、足の裏を見ることで様々な体の変化がわかります。足つぼマッサージを受けた時、痛みのあった場所によって肝臓が悪かったり腰が悪かったりと、体の不調がわかってしまうのは不思議ですよね。
しかし、足の裏には約60箇所のツボがあり、体に異変が起こると、その部位に呼応するツボに体の異常が現れるのです。そのため、足裏を見れば体の健康状態がわかるわけですね。
足裏の皮膚が固い訳では無いのに、ゴリゴリのした固い感触がある場合には、老廃物(尿酸や乳酸)が溜まっている証拠です。特に乳酸は、肩こりの原因としても耳にしたことがあるかと思います。体に溜まった老廃物をほぐすことで、代謝がよくなり、症状が改善していくわけですね。
足裏の色からわかる健康状態
一言に足の裏と言っても、その色は人それぞれ違います。実はこの足裏の色で、体の健康状態がわかってしまうのです。
ピンク色
健康状態の心配はなく、心身ともによい状態にあると言えます。
白っぽい色
エネルギーが不足しがちです。やや疲れが溜まっているかも知れません。
黄色味を帯びている
だいぶ疲れがたまっているようです。過労気味なので、意識して体を休ませるようにしてください
紫色
血行不良です。マッサージしたりお風呂で体を温めたりして、血液の循環を良くするよう意識しましょう
赤色
緊張状態や興奮状態にある、もしくは、臓器の調子が乱れている可能性があります
このように、肉眼で判断できる足裏の色だけでも、体からのサインを受け取ることは十分にできます。小さな変化を見逃さず、こまめにチェックすることが、健康への第一歩です。
足ツボからわかる健康状態
足ツボはからの状態を映す鏡です。足裏を押してみて、どこか痛い所ところ、固くなっているところがないか、セルフチェックしてみるのもよいでしょう。
親指が固い場合
親指は頭のツボですから、ここが固いということは、ストレスにより頭に疲れを感じている可能性があります。気分が沈み、ひどい場合にはうつ状態や不眠に陥ることもあるのです。しっかりと親指のコリをほぐしておきましょう。
湧泉が固い場合
足裏の土踏まずあたりにある湧泉というツボが固い時は、疲れやイライラが溜まっている証拠です。知らず知らずの内に抱え込んでしまうストレスや疲れもありますから、足ツボをチェックして、早めの対処ができるとよいですね。
足のツボはそれぞれ体の部位と呼応しているため、足が痛いということは、体の不調の証拠なのです。一口に足の裏が固いと言っても原因は様々ありますから、気になる場合には、早めに病院で診てもらうようにしましょう。
自分でできる解消法
魚の目や水虫、モートン病など、足裏の病気は個人の力だけではなかなか解決しにくいものです。しかし、角質層が厚くなっているだけならば、自宅で十分に処置することができます。
マッサージ方法
自分で自分の足をマッサージするのは気持ちいいですが、結構大変ですよね。こそで、1人でも簡単に出来る方法をご紹介します。
青竹を踏む
青竹の丸みが、踏んでいるだけでツボ刺激になり、非常に効きます。思いきり体重をかけて乗ってしまうと痛すぎる場合もありますので、体重を少しずつかけながら様子を見ましょう。青竹以外にも、突起物の付いた足ツボ刺激用の板を踏んだり、健康サンダルを履いたりするのも効果的です。
マッサージ
足ツボに効くマッサージ方法がありますのでご紹介いたしましょう。家にある簡単なものでできますから、手軽に行えるのもオススメポイントです。
まず、保湿クリームやグリセリンのような、足の滑りを良くするものを用意します。ツボ押しようには、何か棒状のものを準備してください。ツボ押しのポイントは以下のものです。
水分補給
マッサージ前には、しっかりと水分補給をしておきましょう。体が温まっている方が効果的なので、入浴後だと最適です。
やり過ぎない
足全体をツボ押しする場合でも、15分から20分を目安に行いましょう。痛みが強かったり気分が悪くなったりした時には、直ちに中止してください。無理なく行うことが何より大切です。
マッサージのやり方
用意した棒状のもので、足先からかかとへ向かってマッサージしていきます。彫刻刀で削るようなイメージで行うとよいでしょう。
①指先から土踏まずの前半分
②土踏まずの前あたりから中ほどにかけて
③土踏まずの後ろ半分からかかと
このように、3回に分けてしっかりとマッサージを行うことが大切です。
こんな時はマッサージしない
熱が高い時や空腹、満腹時、疲れが溜まっている時は避けた方がよいでしょう。また、体調以外にも、足にけがをしている場合や、心臓病、脳血栓、悪性腫瘍などの疾患、妊娠など体調に変化のある方はマッサージを行わない方が安全です。
マッサージはあくまでも健康のために行うものですから、無理をして体調を崩さないよう、自分の体と相談して行ってくださいね。
ストレッチ
かかとには足の指先から繋がる筋肉が存在しています。ここの柔軟性を取り戻すことで血行が良くなりますので、かかとが硬くなっている状態を改善する足がかりになります。
角質だけでなくかかとの筋肉の柔軟性も取り戻してみてください。ストレッチ方法について見ていきましょう。
かかとの筋肉の柔軟性を取り戻すストレッチ法
一つ目は、
足首のアキレス腱からハムストリング(もも裏)までの筋肉を伸ばすストレッチ。片方の足を後ろに引いて片足の裏の筋肉を伸ばすあれですね。
あの方法から膝を曲げて足首の関節が痛くならないところまで曲げてふくらはぎの筋肉を伸ばしていく方法です。
もう一つは、
しゃがんで行うストレッチ法です。足を抱える形で胸と太腿の上面をくっつけて前に徐々に体重をかけていきます。このとき片足ずつ行うとストレッチしやすいでしょう。
最後に膝などへの負担が辛い人の場合は、
椅子に座った状態でつま先を手で持ってかかとの筋肉を伸ばしていきます。
いずれのストレッチ法でも30秒〜1分の間隔で長時間負荷をかけて筋肉を伸ばしていきましょう。1日2回程度行うと効果が高いでしょう。
まとめ
このように、足の裏にはその人の全体重がかかるため、非常に負荷のかかりやすい部分です。ケアを怠ると、歩行にも痛みを伴うようになりますから、ケアは早めに、こまめに行い、足を労わってあげましょう。
顔や手などのケアはこまめにするのに、足の裏はついついおろそかにされがちですよね。しかし、足の裏には多くのツボがあり、体からのSOSをいち早く知らせてくれる大切な場所なのです。少しでも異常を感じたら、後回しにせず、一度医療機関を訪ねてみてください。
あなたに合った治療法を見付けて、一日も早く、健康で美しい足裏を取り戻しましょう!
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