ストレス社会の現代、さまざまな不安や、悩み、ノルマを抱えて心が疲れているのは、今や大人だけではありません。
近年では、子どもたちでも学校のほかに、習い事で忙しかったり、また外で元気に遊べる場所の減少やネット社会による、大人から見えにくい場所での他者との交流などにより、これまで以上にストレスにさらされたり、大人が気づけないところで悩みを抱えていたりします。
大人でも子どもでも、常に、心を解き放ち、悩みや不安を話せる人がいればいいのですが、そういう人が周りにいなかったり、また、悩みの程度や質により、なかなか打ち明けられなかったりすることもあるでしょう。
時間の経過とともに、そのような心のモヤモヤが軽減・解消していけば良いのですが、なかにはそれが引き金となり、引きこもりや不登校、対人恐怖症、摂食障害など日常生活に影響を及ぼすこともあります。
最近では、いろんなシーンでカウンセリングについてピックアップされていますが、さて、カウンセリングとはなんなのか?どうすれば受けられるのか?効果はすぐに得られるのか?などをご紹介します。
忙しい毎日ではありますが、自分と向き合う時間を大切にしながら心の声に耳を傾けてみましょう。
この記事の目次
カウンセリングとはどのようなものですか?
カウンセリングとは、不安や悩みを抱えた方(クライアントや相談者などと呼ぶ)の心に寄り添い、その方の考えや想い、悩み、不安に耳を傾け、その方自身がどうすれば良いか、自分が求めているものは何なのか、そのためにはどのようなことができるのか、自身で気付き、受け入れ、心を軽く出来ることです。
そのため、相談をうけるカウンセラーはクライアントが胸のうちを打ち明けられるように傾聴し、専門的な知識を持って、その方の立場に立って気持ちを理解し、心が軽くなるように導いていきます。
つまり、カウンセリングとは対話やコミニュケーションにより、自分自身の心の声を聴き、自分自身に向き合い、自らを受け入れ、解決策や改善策を自分で見出し、納得することにあります。
カウンセリングにはどのようなものがあるの?
カウンセリングの主流はクライアントとの対話により、時間をかけて心の成長を見守るスタイルです。この他にも、臨床心理士など、心理学を専門的に学んだカウンセラーにより、認知療法、行動療法、認知行動療法、倫理療法、内観療法など、相談者の悩みや不安などの心の状態や程度によって、さまざなカウンセリングの種類があります。
自己の悩みや不安や心配がかなかな軽減・解消できず、辛い時は一度専門家に相談してみるのもようでしょう。
カウンセリングを受けるためにはどこに行けばいいの?
カウンセリングは臨床心理士など、心理学について専門的に学んだカウンセラーが相談者と対等な立場に立って行うもので、医学を学んだドクターとは少し違います。
病院によっては、患者の状態に応じて、行動療法など保険適応にてカウンセリングを行うこともありますが、カウンセリングの多くが保険適応外です。
もちろん、心療内科などの病院でもカウンセリングは受けられますが、カウンセリングはそれを専門とした民間の会社も存在します。病院へ行くことに抵抗がある方や、気軽に相談したい、ただ話を聞いて欲しいという方は、最寄りのカウンセリングが受けられる会社をネットなどで探すのもいいですね。
民間の会社は、値段設定や1回の時間、またカウンセラーの質も様々です。お金を払って、お話しを聴いてもらうのですから、相談者と相性が合うカウンセラーを見つけたいものです。
電話での対応や、身だしなみ、話しを聴く姿勢などに違和感や不信感を感じる時には、ほかのカウンセラーを探してみましょう。
カウンセリングは長い期間をかけて行うものです。まずは、相談者が信頼できるカウンセラーであることが大切です。そうすることが、より良いカウンセリングの効果を得られます。
また、民間のカウンセリング会社だと、場合によってはきちんとした心理学のスペシャリストが在籍していない場合もあります。コストパフォーマンスだけで、決めずにきちんと、信頼のできるカウンセラーを見つけましょう。
すでに、心療内科にかかっている場合はドクターにカウンセラーに紹介してもらってもいいですね。担当医の指示以外でカウンセリングを受ける場合は、病院での治療に支障をきたさず、また、より効果的に治療やカウンセリングが受けられるように、カウンセリングを受ける際は、必ず主治医に相談しましょう。
カウンセリングにかかる費用・期間は?
病院での保険適応のカウンセリングだと、1回の診療代が2,000円前後と比較的リーズナブルです。
しかし、民間のカウンセリング会社だと、1回の時間も30~90分、料金も5,000円から10,000円以上と様々です。
また、カウンセリングは1,2回受けたからといって、すぐ効果がでるものでなく、相談者自身が自ら、気付き、答えを導き出すものなので、数回にわたり、カウンセラーとの対話を続けて行きます。
カウンセリング終了となるタイミングは人それぞれですし、なかにはカウンセリングに手応えを感じず、いつの間にか通うのをやめてしまう相談者もいます。
5,000円から10,000円以上のカウンセリングが数回続くことを考えると、ある程度の費用と期間は必要になりそうです。
どんな時にカウンセリングを受けたらいいの?
カウンセリングは、疾患を見つける診断や治療とは違います。
うつ病などの診断やお薬を必要とするときは必ず心療内科を受診しましょう。
カウンセリングは、あくまでも悩みや、不安、心配ごとを聞いてもらい、心を軽くするものです。
そのような悩みは人それぞれでしょう。会社や学校などに通う人なら、友達関係や、勉強、進学、営業成績、昇進など。
恋愛関係や夫婦間のことなら、浮気、不倫、セックスレス、DV、嫁姑問題、離婚など。
その他に、他人のことではなく、自分自身のことで、わけもなく落ち込んだり、イライラしたり、自己嫌悪間に襲われたり、自信が持てなかったり、他者にどう思われているのか気になってしょうがないなど。
相談者が、心のモヤモヤが晴れない、気になって仕方がない、誰かに話を聞いてもらいたいなど、心がS.O.Sを出しているときは、それらを軽減、解消するひとつの手段として、カウンセリングをつけてみるのもいいですね。
カウンセリングと聞くと、精神的な病気かと繋がるイメージがあり、人に言えない悩みがあったとしても、なかなかカウンセリングを受けてみようと思わかったり、人に隠してカウンセリングを受けたいと思う方もいるかもしれません。
しかし、カウンセリングを受けるということは、決して恥ずかしいことでも、病気と隣り合わせということでもなく、相談をして、悩みや心のモヤモヤを晴らすだけでなく、自分確認などのセルフケアとしても有効なのです。
あくまでも、自分自身で心と向き合うことが基本なので、具体的にこのようにしなさいとか、こうすることがいいですよなどの具体的な答えや指示、また疾患の診断や治療が必要な時にはカウンセリングは不向きです。
家庭でできるストレスコントロール
心療内科やカウンセリングセンターなどに通える方は、何かしら、心の拠り所もあり、すぐに答えは見つからなくとも、前向きに考えられる希望を感じることができると思います。
しかし、なかなか時間がとれない、十分な費用・時間を確保できない、第三者からのカウンセリングを受けることに抵抗があるなど、なにかしら、カウンセリングを受けられない理由がある方もいらっしゃるかもしれません。
また、すでにカウンセリングを受けている方でも、より効果的に問題を軽減・解消できるように普段からリラックスできる時間を作ることは大切です。
先に述べたように、カウンセリングの基本は、問題を抱えていらっしゃる方が心の声と向き合い、受け入れていくことです。
抱えている問題に耐える力よりも、肩の力を抜いて問題視していることを、受け入れたり、受け流したりできるラフな心の状態を作ることがポイントなのです。
そのために気軽に取り組める方法をご紹介します。
脳の状態をα波にしてリラックスできる時間を作りましょう
日常のなかにはたくさんの、癒しがあります。音楽、アロマ、森林浴、キャンドル、入浴、睡眠、ヨガ、ピラティス、気功など、その種類は様々です。
リラックス効果を得るには脳の状態をα波にすると良いことが知られています。
α波の状態にするには、モーツアルトの音楽、小鳥のさえずり、木々の隙間から射す木漏れ日、川のせせらぎなどが良いと言われています。日本人アーティストでは宇多田ヒカルさんや、徳永英明さんの声からα波が出ているそうです。
脳をこのような状態にする音楽や状況を「1/fのゆらぎ」といいます。
また、キャンドルなどの炎からも「1/fのゆらぎ」を感じることができ、炎をじいっと見つめることも、脳をα波へと導きます。キャンプの際にキャンプファイヤーをするのは、動物よけや、暖を取るためだけでなく、一日の疲れを癒し、心地いい睡眠へ導くための本能から生まれた知恵とも言えます。
一日の中で、そのような時間を作ってみませんか?ガチガチの心を少しだけほぐしてあげられるかもしれません。
様々な方法がありますが、癒しとは、その方が心地いいと感じるものが一番です。あなたにぴったりの癒しを探すことも、自分と向き合う大切な時間になります。
いろんな人と対話をする時間を作ってみましょう。
人には皆、多かれ少なかれ悩みや、不安、心配ごとがあるものです。なにごと順風満帆に行っているように見える人でも、他者には言えない何かを抱えていることがあります。
普段から、色々な人と話しをしたりすることで、悩んでいるのは自分だけではないことに気付いたり、自分が悩んでいることがちっぽけなことであると気付いたり、またはいろんな意見が聞けたりするものです。
心の声を打ち明けるには、信頼関係が必要になるので、悩みをさらけ出すことはできないかもしれませんが、人と対話をすることで、自分自身に向き合い、気付けるきっかけが生まれることもあります。
家族やお友達が悩んでいるのを助けてあげたい時は、初めから向き合って話しをしようとすると、相手も構えてしまいます。些細な日常会話や食事時間などに対話の緒口を自然と作るよう心がけましょう。
ま と め
心がS.O.Sを出している時には、すぐにでもその不安や悩み、苦しみ、心配ごとを取り去り、気持ちを楽にしたと感じるものです。
しかし、ここで注目している「カウンセリング」とは即効性のあるお薬や、医療行為とは違います。十分に時間をかけ、相談者が自ら心の声に向き合い、打ち明け、納得、対処していく、心の成長過程です。
からだの成長は目に見えていて、それを実感しやすいものです。しかし、1日、2日で急激に背が伸びたりするものではなく、じっくりじっくり大きくなります。
赤ちゃんの成長も同じです。時間と段階を経て、言葉を覚えたり、歩くようになったりします。
心の成長もそれに同じで、じっくりと時間をかけてカウンセリング効果を感じるものです。心の状態は目に見えるものでもなく、人には理解されにくいこともあると思います。
だからこそ、焦りは禁物です。ゆっくりと時間をかけ、心の凝りをほぐしていきましょう。
そして、同時に、自分が心地いいと感じるものを見つけ、ストレスから解放される自分時間も大切にしましょうね。
関連記事として、
これらの記事も合わせてお読みください!