血糖値が下がると眠気を感じるのはなぜ?対策方法も紹介!

お腹がいっぱいになると眠くなる。集中力が続かない。ボーっとしてしまう。

その症状は「低血糖」によるものかもしれません。血糖値と眠気にどんな関係があるの?低血糖ってなに?血糖値と眠気のメカニズムを知って、いざというときのために対策を考えておきましょう。

血糖値とは

血液検査

まずは血糖値について簡単に説明します。

食事をして食べたごはんが体の中で消化されてブドウ糖になります。ブドウ糖は血液と一緒に全身に送られ、活動のエネルギー源となります。このブドウ糖を血糖といい、血液中のブドウ糖の濃度を血糖値といいます。

ブドウ糖がエネルギーとして使われるには、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが必要になります。

血糖値が変化するとき

血液検査

食事だけでなく間食、飲み物などを摂取すると血糖値が上昇します。そうするとインスリンが分泌され、血糖値を下げようと働きます。このとき血糖値が下がりすぎてしまうことがあり、その状態を低血糖といいます。

逆に血糖値が下がらないまま、常に高い状態になってしまうのが糖尿病です。血糖値が高いままだと、膵臓はインスリンを出し続けます。すると膵臓は疲れて機能が低下し、インスリン自体の働きも悪くなってしまいます。これが糖尿病の問題点です。

糖尿病の影響は多岐にわたり、神経障害、網膜症(失明、網膜剥離)、腎不全(人工透析)、血管障害(動脈硬化症)、脳(認知症)、骨(骨粗しょう症)など全身に合併症があらわれます。

血糖値が下がる原因

女性 ハテナ

このように糖尿病は命に関わる危険がとても大きいので、そうならないようにインスリンは血糖値をコントロールしています。しかし、ンスリンと血糖値のバランスが崩れて、インスリンが多すぎる時や余ってしまっている時、血糖値が急に減ったり少なすぎる時などに、血糖値を下げすぎてしまうことがあります。具体的には次の通りです。

・食事の量、糖質の量が少なすぎる
・飲酒
・いつもより多めに活動した後
・空腹時の激しい運動
・いつもの時間に食事ができなかった時
・糖尿病の薬の量や時間を間違えてしまった時

寝坊して朝ご飯が食べれなかった時に、「おなかがすきすぎて気持ち悪い」なんてことになった経験はありませんか? 食べたら治った、というような時は低血糖の症状があらわれているのかもしれません。

血糖値が下がりすぎた時の症状

症状

低血糖の症状は血糖値のレベルで症状が変わってきます。下に行けばいくほど深刻な状態です。

  • 血糖値70mg/dl以上 正常
  • 70mg/dl以下 あくび、強烈な空腹感、ぼーっとする
  • 50mg/dl以下 眠気、だるさ、無気力
  • 40mg/dl以下 動悸、吐き気、冷や汗、ふるえ
  • 30mg/dl以下 眠気、めまい、ろれつが回らない、意識消失、異常行動
  • 20mg/dl以下 けいれん、意識障害
  • 10mg/dl以下 こん睡

こん睡状態などは自力で対処ができないため、万が一運転中の場合は大きな大事故につながるケースもあります。最悪の場合は死に至ってしまうこともあります。

血糖値と眠気の関係

睡眠する女性 2017.1.28

ではなぜ血糖値が下がると眠気などの症状が出るのでしょうか。

脳が活動するためのエネルギー源はブドウ糖です。脳は大量のエネルギーを必要としますが、それが足りなくなると、眠気やあくび、集中力が欠ける、などの症状が現れます。つまり眠気は血糖値が下がっているサインなのです。

こういった眠気などの症状は脳が生命維持システムが発動した証拠であり、血糖値を上げないと危険だという合図です。生命維持システムの発動、つまり発作的な症状は突然やってくるので怖い思いをしたことがあるという人は少なくありません。

でも本当に怖いのは、このような発作を繰り返すことで脳が麻痺し、システムを発動しないままに意識がなくなり死に至るケースもあるということです。

血糖値と眠気の対策

病院へ行く

血糖値が気になるようでしたら一度病院で検査を受けておいた方がいいでしょう。いつもの眠気が本当に血糖値の異常によるものなのか、他に原因があるのか、そしてもし万が一という時のためにもお医者さんと相談しておくことはとても大切です。

しかし、いつもの眠気が血糖値の異常によるものだとしても、今のところ現代医療には血糖値を上げるような低血糖を治療する薬がありません。発作を繰り返したり、悪化をさせないように普段の生活習慣を見直すことができるのは、あなた自身だけなのです。

低血糖や眠気の対策として有効と言われている方法を集めてみました。全部をやることは難しいかもしれませんが、知っておくだけでもいざという時に役に立つのではないでしょうか。

・ブドウ糖やジュースなどを常備する

意識がもうろうとしている時などは緊急事態なので、体の吸収が早いブドウ糖そのものを摂取します。ブドウ糖やジュースであればコンビニで手に入るので是非携帯しましょう。

軽い症状でも早く対応することで重症化を防げます。違和感を感じたらすぐに口にできるようにしておき、症状が収まったら食事を摂るといいでしょう。

・食事は生野菜から

血糖値を急激に上げない、下げないようにすることが大切です。食事の初めにサラダなどを食べておくと血糖値の上昇を緩やかにするといわれています。持病がない人も健康管理の為に食べる順番を意識している人が増えていますね。
大量のチョコレートを一気に食べたり、炭水化物+炭水化物の組み合わせは絶対にやめましょう。

(例:うどん+いなり寿司、ラーメン+チャーハン、お蕎麦+カツ丼、お好み焼き+ごはん、焼きそば+パン)

・極端なダイエット、食事制限、絶食はしない

体のエネルギー源となるブドウ糖が、炭水化物から作られることは初めにお知らせしました。ですから炭水化物が少なすぎてもいけないのです。ごはんや小麦粉を食べないことのデメリットも理解しておきましょう。

最近は糖質制限がブームですが、脳やうつ病に影響があるといったことも言われ始めていますので、持病がある人は医師の指導に従う方がいいでしょう。

・アルコールは適量なら大丈夫

ウイスキー、焼酎は糖質ゼロです。赤ワインならハーフ〜1本程度までなら許容範囲のようです。糖質ゼロのビールも最近は種類がたくさんありますね。ガマンしすぎてストレスをためてしまったり、反動で泥酔するまで飲んでしまうよりは、休肝日をもうけて上手に付き合っていくほうがいいですね。

・よく寝て睡眠不足を解消する

仕事から帰って、ごはんを食べてお風呂に入って少しビールを飲んで、それからインターネットをしたり本を読んだりして、もう寝る時間だとベッドに入る。そしてそれからしばらくベッドの中でスマホをいじってるなんてことはありませんか?休日の前の日は寝たらもったいないからとここぞとばかりに遅くまで起きていて気づいたら朝なんてことありませんか?

そもそも日頃から寝不足・睡眠不足という人は本当に多いです。血糖値や炭水化物や砂糖だけが問題なのではありません。良く睡眠をとって体と心の疲れを癒してあげましょう。

おわりに

血糖値と眠気について調べてみましたが、思い当たるような症状はありましたか?

血糖値と眠気に関するまとめ

  • 血液中のブドウ糖の濃度のことを血糖値という。
  • 眠気は血糖値が下がったことを知らせる脳からのサイン。
  • 低血糖を治す薬はない。
  • 野菜から食べ始め、炭水化物は1品まで。
  • ブドウ糖を常備して緊急時に備える。

対策を知っていればいざとなったときに冷静に対処できますし、周りにいる方に協力してもらうこともできます。日常生活も見直して、暴飲暴食や睡眠不足はもう終わりにしましょう。どうかお大事になさって、仕事にプライベートに充実した毎日を送ってください!

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