酸化防止剤は危険?ビタミンCやビタミンEの記載があるのはなぜ?

皆さんは酸化防止剤というのをご存じですか?何か商品を買う時にどんな物が入っているのかという確認をする人もいれば、そんなの気にしないという人もいますよね。確認をするという人は何度か見た事があるでしょう。

でも、いったい何の為に含まれているのか知らないという人も多いのではないでしょうか。酸化防止剤の種類や体への影響について、今回は酸化防止剤を詳しく見ていきましょう!

酸化防止剤とは?

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製品の酸化は腐敗と同じ事で、酸素と結合する事によってその食品の「味」「栄養素」「見た目」「カロリー」などが変化してしまう事を言います。

そこで食品が酸化しないように抑制する為に添加される抗酸化物質です。食品・化粧品・合成樹脂・ボディーソープなどに使用されています。酸化防止剤は製品に含ませる事で、その身代りになり酸化する事で製品そのものは酸化をさせないという仕組みです。

酸化によって起こる変化は体に有害な為、それを避ける為に多くの製品には酸化防止剤が添加物として使用されています。添加物というと健康に悪いというイメージが強いですよね。しかし、保存という面を考えると添加物が無いと難しい問題になってしまうのです。

酸化防止剤の種類

酸化防止剤にも色々な種類の物質があります。皆さんが良く目にするのは「ビタミンC(アスコルビン酸)」や「ビタミンE(トリフェロール)」といった酸化防止剤でしょう。ビタミンCと効くと体に良い物で美肌効果があるというイメージを持っていますよね。

酸化防止剤として使用されているビタミンCは化学合成物質である「合成ビタミンC」が使用されています。天然のビタミンCであれば体に良いとされていますが、化学合成物質となると名前からして体に悪そうと思いますよね。よく目にするビタミンCについては、後程詳しく説明します。

この他にも

「BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)」「BHA(ブチルヒドロキシアニソール)」「エリソルビン酸ナトリウム」「亜硫酸ナトリウム」「二酸化硫黄」「コーヒー豆抽出物(クロロゲン酸)」「食茶抽出物(カテキン)」「ローズマリー抽出物」

などの抗酸化物質があり、酸化防止剤に使用されています。

水溶性と脂溶性

酸化防止剤には「水溶性」と「脂溶性」があります。水に溶けやすい物か油に溶けやすい物かで製品に使い分けされます。

●脂溶性

脂溶性の酸化防止剤で一番使用されているのは「ビタミンE(トリフェロール)」になります。次に「BHA」「BHT」などの物質です。油を使った加工食品に使用され、インスタントラーメンやスナック菓子に含まれています。

●水溶性

水溶性の酸化防止剤で一番使用されているのは「ビタミンC(アスコルビン酸)」になります。果物の加工食品や清涼飲料水に使用されています。水溶性の酸化防止剤は油に溶けないので、油を使った加工食品には使用できません。

これらの加工食品を販売するうえでメーカーさんが一番気に掛ける事は、味が落ちるというところです。酸化して味が落ちるという事は商品として販売出来なくなってしまうので、長期間味を落とさない為に必ず酸化防止剤が使用されます。

表示方法

酸化防止剤を含む食品添加物の表示は、容器包装に入れられた加工食品は原則として使用したすべての添加物名を、容器包装の見やすい場所に記載する必要があります。ですが、化学名では逆に解りにくくなってしまうので一般的に解りやすい表記で示されます。

ビタミンCは物質名で言うとL-アスコルビン酸ですが、何だろう?と思ってしまいますよね。

保存料や甘味料や酸化防止剤など8種類の用途がありますが、それに使用する際はその用途名を併せて表示しなければなりません。例えば「酸化防止剤(ビタミンc)」「甘味料(ステビア)」など。

合成ビタミンCと天然ビタミンC

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酸化防止剤の中でもビタミンCがよく見かける物質なのでそれについて詳しく見ていきましょう。

違いは何?

天然ビタミンCはローズヒップなど豊富に含まれている植物から抽出して精製した物、合成ビタミンCはトウモロコシ・イモなどのデンプンを微生物に反応させて精製した物になります。合成ビタミンCはコストがあまりかからないので、天然ビタミンCよりも多く出回っています。

サプリメントや加工食品に添加物として使用され表記されている「ビタミンC」は合成ビタミンCを使用している物っが多い傾向にあります。「合成」「天然」という表記は必ずしも記載しなければいけないというわけでは無いので、どちらか判断するというのは難しいところがあります。

しかし、どちらも化学構造式が同じですので効果や吸収率などは同じになります。

合成ビタミンCで注意したい点

どちらも効果や吸収率が同じなのでその点については気にする事はありませんが、原料が違ってくるのでその部分で注意しなければいけません。特に合成ビタミンCの原料は大量生産しやすいように遺伝子組み換えが行われている事が多い「トウモロコシ」や「イモ」です。

つまり精製された合成ビタミンCも遺伝子組み換えの作用がある可能性が高いのです。遺伝子組み換えの害についてはまだまだ解明されていない部分がありますが、発がん性やアレルギーなどといった物に関連してくると言われています。

ビタミンCには鉄分の吸収を高める効果があるのでシュウ酸塩値が高い人や、腎臓・尿路に結石ができやすいという人は大量に摂取してしまうと危険なので注意して下さい。

理想の摂取量は以下の通りになります。

  • 1~3歳=400mg
  • 4~8歳=650mg
  • 9~13歳=1200mg
  • 14~18歳=1800mg
  • 19歳~=2000mg

また、これは合成ビタミンCだけでなく天然のビタミンCにも言える事ですが、酸化防止剤として使用されているビタミンCは、あくまで製品の酸化を防ぐ効果として使用されているので、栄養を補う目的はありません。

よくビタミンCと表記されているから肌に良いんだ!と間違えている人がいますが、ごく少量のビタミンCであれば酸化防止剤として含まれているだけになります。

酸化防止剤として使用されているビタミンCではなく、自然に摂取するように心がけましょう。

酸化防止剤は体に悪いのか?

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今や多くの製品に使用されている酸化防止剤です。となると体への影響というのも気になってきますね。

摂り過ぎなければ悪影響はありません

酸化防止剤(食品添加物)が体に悪いと言われ始めたのは食品添加物の乱用が起きてからです。高度経済成長期にたくさん安く売りたいという企業が食品添加物を違法に大量使用した事があり、その影響で事件や事故が起こりました。こういう事があってから「食品添加物=体に毒だ」と強く言われるようになりました。

少量の摂取量であれば特に体に害が無いと言われています。薬と同じように用法・容量を間違えて体に摂取してしまえば毒になります。毎日大量の食品添加物が含まれている製品を口にしていれば体調もすぐれなくなる場合もありますが、普通に生活しているうえでは特に問題ないとされています。

ビタミンCを過剰に摂取してしまうと「嘔吐」や「下痢」といった症状がみられる場合もあります。

亜硫酸ナトリウムを過剰に摂取してしまうと、健康な人には無害ですが器官が弱い人の場合喘息を引き起こす可能性があります。

このように過剰摂取していまうと症状が出てしまう物質もありますが、ほとんどは無害です。とはいえ、摂り過ぎには気を付けて下さい。

「BHT」と「BHA」

危険性が懸念されているのが「BHT(ブチルヒドロキシトルエン)」と「BHA(ブチルヒドロキシアニソール)」という物質です。

BHAは主に油脂・バター・魚介乾製品・魚介冷凍品などに使用されている酸化防止剤です。このBHAは発がん性が確認されたので厚生省が使用を禁止しようとしましたが、欧米からの希望で現在も食品添加物として使用されています。

というのも、アメリカやイギリスなどではBHAが多量に使用されていて、日本で使用が禁止になってしまうと国の不安や混乱を招くうえに、BHAを含む製品が日本に輸出出来なくなってしまうからです。

BHTは主に油脂・魚介冷凍品・魚介乾製品・魚介塩蔵品・チューインガムなどに使用されている酸化防止剤です。食品の他にポリプロピレンなどのプラスチック製品のカップ麺カップなどに使用されていて、BHTが製品から食品に移るのではないかという問題が指摘されています。

BHTとBHAはブチル基をもったアルキル化剤ですので、化学構造が体内にある物質ととても似ています。すると体が代謝作用をする時に間違ってこの化学物質を取り込んでしまう可能性が出てきます。体に取り込まれると「ガン」になる可能性が高まります。口にするだけでは病気になるわけでなく、体内で摂取され蓄積する事で危険性が高くなるという事になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。酸化防止剤(食品添加物)は生活していく上で必ずと言って良いほど私達に関わってきます。ですのでそこまで過剰に反応する事はありませんが、酸化防止剤はどういう物なのかというのを頭に入れておくのも大事な事なのです。

近年ではオーガニック(無農薬・無添加)の食品が注目されていて、健康や美容を意識する生活を送るのも良いかもしれませんね。自分の食べる物や使用する物は自分で見定めて、快適な生活を送りましょう!

  
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