息が詰まるのは病気?原因や解消方法を知っておこう!

なんだか息が詰まる、というのを経験した人は多いのではないでしょうか。例えば、

  • 呼吸が浅くなって、息が深く吸えない、
  • 呼吸が早くなって、息苦しく感じる、
  • 喉がしめつけられるような感覚がある

という症状です。

仕事や公の場などで、極度の緊張や、すごく驚いてしまった時など、一時的に息が詰まるのを感じることはあると思います。ただし、継続的に息が詰まるなどのケースがある場合は、自律神経のバランスが崩れている可能性が高まります。動悸や頭痛なども一緒に引き起こるケースも多くあります。

息が詰まるとは?

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息が詰まる感じはなかなか他人では理解しにくいものです。そもそも、人の体には酸素が必要です。呼吸をしながら、活動をしているのですが、息が詰まるということは、呼吸がうまくできなくなってしまっていることになります。

呼吸がうまくできなくなるというのはどういう状態なのでしょうか。

原因が肺にある場合

息が詰まる原因のひとつとして、肺を膨らます機能を持つ、横隔膜に問題がある場合があります。

人は肺で息を吸い込み、酸素を取り入れます。この時、肺の下にある横隔膜が上下することで、息を吸って、吐き出すという一連の作業で呼吸が成り立ちます。もし、横隔膜の動きが硬くなっている場合は、呼吸がスムーズに流れずに息が詰まるという状態を引き起こします。

さらに詳しく説明しますと、緊張をすると体が固く感覚があると思います。それと同じような状態が体の内部でも起こります。緊張をすると、息を吸った状態で横隔膜も固まってしまうのです。このため、息がうまく吸えず、息が詰まる・息苦しいなどの症状が起こります。

そもそも、横隔膜は横隔神経でという首の頸椎にある神経でコントロールされています。首の筋肉が凝っていたり、緊張すると、横隔神経を圧迫し、横隔膜へ指令が届かなくなってしまいます。その結果、呼吸がスムーズにいかなくなります。例えば、怒りでカッとなった場合も体にぐっと力が入り、呼吸は浅くなりますし、緊張した時無理矢理深呼吸で落ち着かせようとしているのも、同じような原理です。

何かしらの圧力が横隔膜にかかることで、息の詰まりを産んでいます。横隔膜と感情は密接につながっています。

原因が細胞レベルにある場合

呼吸には肺呼吸の他に、細胞呼吸と呼ばれる呼吸があります。

細胞呼吸でのバランスが崩れるによって起こる、息が詰まるケースとは、どのようなものが説明します。

まず、私たちの体にある細胞ひとつひとつも呼吸しています。細胞に酸素を取り込んで、二酸化炭素を排出しています。もし、細胞呼吸がうまくいかない場合は、息の詰まりよりも先に、めまいや耳鳴り、やる気がでない、しびれ、頭痛などの症状が目立ってきます。

これらは細胞に酸素が届かないことで血液の巡りが滞ります。血液の巡りは、細胞から酸素をたくさん取り込み、血液中にあるヘモグロビンを流しことで循環します。ですが、酸素が不足すると血液が流れなくなるという原理です。

この血液の流れ不足が、先ほど挙げためまいや耳鳴り、頭痛などを引き起こし、なんとなく息が詰まるような息苦しさをも感じてしますのです。

睡眠中に起こる場合

中には睡眠中に起こっている場合もあります。「睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれています。睡眠中に呼吸が乱れ、呼吸が一時的に止まってしまう症状です。寝ている間に息が詰まっているかどうかは、本人ではわからないケースもあるため、そのまま放っておかれるケースもあります。

なぜ呼吸が止まってしまうかの原因は二通り考えられます。

<喉や気道が塞がってしまう>

睡眠時無呼吸症候群の9割の方の原因になっています。気道が狭くなり、呼吸を塞いでしまいます。これは、首や喉周りの脂肪の沈着や、舌の付け根、のどちんこ、などによる喉と気道の圧迫などによるものです。

例えば、元々大きい骨格の人は、上記のような状態になっても、気道や喉を塞ぐことはありません。骨格の小さい人が、骨格を上回る状態になってしまった場合、気道や喉を塞ぎやすくなります。

<脳からの呼吸指令の異常>

睡眠時無呼吸症候群の中でも数パーセントしかあてはまる人がいません。肺や神経には異常はないにもかかわらず、脳からの呼吸指令が出ないことによって、呼吸をしなくなります。

息が詰まる時に実践したい日々の解消法

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息が詰まる時に解消法として、実践してみてほしい3つの方法について紹介します。人は呼吸をするときに横隔膜という筋肉の上下運動によって、呼吸をスムーズにします。

立ち姿勢を見直す

人は呼吸をするときに横隔膜という筋肉の上下運動によって、呼吸をスムーズにします。

横隔膜を支えている腰の筋肉は、猫背や前屈みの姿勢でゆがんでしまうことがあります。そうなると呼吸の際の上下運動がうまくいかなくなり、息が詰まります。特に背中が丸まっていると、横隔膜に筋肉の圧力がかかり、呼吸の邪魔をします。

背筋を伸ばして、胸をひらいた状態を意識することで、圧力が減り、横隔膜が動きやすく、呼吸も楽になり、息の詰まりが軽減されるでしょう。

肩を下げる

肩が上がった状態は、緊張姿勢とも呼ばれます。いつも力が入っている、緊張状態にあると、肩に力が入り、肩が上がった姿勢が普通になっています。肩が上がると、ろっ骨も上がる状態になります。ろっ骨は肺と連動して、息を吸う時に上に上がり、吐くときに下がります。ですが、緊張によって肩と一緒に上がったままだと、息を吐ききれなくなり、息を吸ったまま止めているのと同じ状態です。結果、息苦しさを招きます。

普段から、「肩が上がっているな」と感じたら、下げるように心がけましょう。または、肩を思いっきり上げて、すとんと一気に下げるエクササイズも効果的です。

体をゆるめる

体全体の緊張をほぐしてあげることです。

これは肺呼吸、細胞呼吸、どちらからも生じる息の詰まりに効果的です。それは、全身マッサージ、湯船につかるなど、が効果的です。マッサージによる人の手による癒しの効果や、あたたかな湯船でほぐすことで、呼吸の圧迫を取り除きます。また、ストレッチやヨガなどで体をほぐすのもおすすめです。

どんな病気が考えられる?

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自律神経失調症の可能性

息が詰まる症状は自律神経失調所の代表的な症状です。それと同時に、頭痛やめまい、しびれ、汗、だるさなどの症状も現れてきます。なぜこのような症状がでるかというと、ストレスが起因しています。

ストレスが多いと、交感神経が優位に働き、体の筋肉を硬直させます。常に緊張した状態になると、「筋肉を動かす指令を出す」自律神経の働きが届きにくくなります。それによって、呼吸をするために使う筋肉の働きが鈍り、うまく呼吸ができなくなり、息を詰まらせます。

ストレスを感じてから、体にどのように影響するかは以下のようになります。

①ストレスを感じる

②交感神経が優位に働く

③筋肉が固くなる

④神経伝達がうまくいかなくなる

⑤息が詰まるなどの不調を抱える

これが、自律神経が乱れる、自律神経失調症の方の状態です。

また、ストレス以外には、急な気圧の変化(晴れから雨に変わる)、昼夜逆転の生活、脳の疲労なども考えられます。

自律神経失調症とうつ病の違い

もうひとつの症状として、心の病い・うつ病の可能性です。うつ病の症状は人によって大きく違い、様々な症状が見られますが、息が詰まることもあります。

自律神経失調症は、ストレスが原因で体に不調が表れますが、精神面にも症状として表れることがあるため、うつ病と間違われやすいともいわれています。

どちらもストレスが引き金となりますが、根本的に大きな違いがあります。

<自律神経失調症>

自律神経のバランスが乱れて症状が現れる

<うつ病>

脳内の神経伝達物質の分泌異常によって症状が現れる

自律神経失調症の症状が持続することで、息が詰まるだけでなく、あらゆるところに不調がいきわたり、脳内のバランスも乱し、うつ病へと移行してしまいます。

つまり、自律神経失調症はうつ病になりやすい、なる手前の症状といえます。自律神経失調症が悪化するとうつ病になる可能性が高まるのです。

詳しくは、自律神経失調症とうつ病の違いって?症状や対処についてを読んでおきましょう。

パニック障害

息が詰まり、動悸が激しくなる場合は、パニック障害です。それは唐突に訪れるため、パニックに陥ります。症状は30分ほど続いてから収まります。

この時は、死んでしまうかもしれないと感じてしまうほど、パニックになり、息苦しさを強く感じます。「また突然になったらどうしよう…」と恐怖を感じている人も少なくありません。特に、人が多く密集する場所、電車や街中などに出かけることに恐怖感を感じる人もいます。

パニック障害は日頃から不安やストレスを強く感じている人に発症しやすい病気です。脳内で、興奮や不安を感じる物質が大量に分泌されることで起こります。パニック障害は放っておくと、うつ病を引き起こします。早めに受診されることをおすすめします。

その他に考えられること

<COPD(慢性閉塞性肺疾患)>

タバコの煙などの有害物質を長期的に吸入することによって生じる肺の病気です。以前は肺気腫と呼ばれていましたが、最近では、国際的にCOPDという名称に変わったようです。息が詰まる、息切れ、慢性的な咳やタンなどが主な症状です。

<過換気症候群>

主に女性に多くみられる病気です。突然、呼吸をしすぎて酸素を吸い過ぎたのち、呼吸困難になります。息苦しさと同時に、興奮状態や意識がもうろうとするなどの症状が現れます。

まとめ

どんなに健康な人でも、いつも、自律神経のバランスが整っているわけではありません。ストレスを感じない人はいないのと同じように、微妙にバランスを崩している人はたくさんいます。一時的なため、病院の受診はせず、自覚も薄い、隠れ自立神経失調症の人は多いといわれています。

息が詰まるような症状が続く場合は、まずは体内を調べてもらうには内科などが代表的です。そこで原因が見つからなかった場合は、ストレスが大きく関わっています。不安を抱え込まず、心療内科などに相談に行くことも考えてみましょう。

  
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