舌の裏がなんだか痛い! 食べるのも飲むのも違和感があり、ツラい経験をした人は意外と多いのではないでしょうか。
その殆どは口内炎が原因と言われていますが、中には「舌癌」の可能性もあると言われています。ここでは、舌にできた口内炎の傷みを和らげる方法や、早く改善する方法をお伝えします。さらに、舌癌の症状からその他にも考えられる痛みの原因についてもお伝えします。
舌の痛みを発生させてしまう病気や症状を知って、どの様な症状が危険で、その症状であれば自己治療出来るのか、またどのくらいの期間で治るのかなどについて知っていきましょう。
舌の痛みは食事が億劫になりますし、食事がきちんとと得ずに栄養不足に繋がり、他の病気や体調不良に繋がりかねません。
しっかり治療法や予防法を知って、対策していきましょう。
舌の裏が痛い原因は?
舌の裏が痛いと感じる原因について紹介します。舌に痛みを発生させる病気や症状について知って自分に発生している症状を明らかにしていきましょう。
口内炎
口の中の細菌が増えたり、免疫力の低下によって口内炎ができます。口内炎は主に舌の横や口周りにできることが多いですが、舌の裏側にもできます。舌の裏側に出来ると、喋るのも食事をする時も必ずあたるため、痛みも感じますよね。食欲もなくなり、しゃべるのもおっくうになる人もいます。
口内炎の種類は、
- アフタ性口内炎
- カルタ性口内炎
- ヘルペス性口内炎
- カンジタ性口内炎
など様々な種類があります。一般的に多いのがアフタ性口内炎で、舌の表面から横、裏へといろんな場所にできるため、舌の裏が痛い場合は、アフタ性口内炎の可能性が多いです。
口内炎の特徴は、
- 形が丸い、または楕円形
- 塩辛いもの、酸っぱいものを食べると特に痛みを感じたり、しみる
のが主に挙げられます。口内炎が出来てから、1〜2週間ほどの間に大きさを変えながら治っていきます。この後紹介する「早く改善する方法」をまず実践することで、治りが早くなっていきます。
それぞれの口内炎の発生原因と特徴について
口内炎の種類ごとに発生してしまう原因が違いますので、それぞれの口内炎の発生原因について見ていきましょう。合わせて口内炎の特徴を紹介しますので、どのタイプの口内炎が発生しているのか確認してみましょう。
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎の原因はストレスや疲労、免疫力の低下、口内に発生した傷などが原因となって発生する口内炎です。
楕円形か丸型の形状をしていて周囲は赤く円の内側については白っぽかったり、黄色に変色しています。口腔内どこにでも発生する可能性があり、舌にも頻繁に発生する人も居ます。
アフタ性口内炎の治癒期間は基本的に1週間〜2週間で早ければ3日ほどで治ってしまうこともあります。
カタル性口内炎
特に物理的な刺激によって発生しやすい口内炎で犬歯や歯の当たりやすいところややけど、傷などから発生しやすい口内炎になります。
特に頬を噛んでしまった場合に口内炎が出来てしまったと言う場合にはこの口内炎の可能性があるでしょう。アフタ性口内炎同様の症状に加え、水疱や粘膜の乾燥とひび割れ、斑点などの症状が合わせて発生する場合があり、非常に痛みが強く出やすい症状です。
粘膜の潰瘍よりも腫れや赤くただれている症状が目立つ場合も多く、口内炎であると認識しづらいケースもあります。
ヘルペス性口内炎
乳幼児などの押さない子供に特に発生しやすい口内炎になります。
この口内炎はヘルペスウイルスにより発生する口内炎で口内だけでなく、唇の外側にも発生してしまうこともあるのがこの口内炎です。
ヘルペスウイルスの潜伏期間は3日〜7日間で、感染後時間を置いてから症状を発症します。ヘルペスウイルスは非常に感染力が強く、感染者からの飛沫やキスや接触感染などにより感染を広げていきます。
大人になってからは疲れているときや免疫力が落ちている時期を除いては感染しても症状を発症することは少ないですが、生後6ヶ月〜3歳までのお子さんには特に症状が発生しやすい感染症になります。
子供の場合には口内炎だけでなく、強い痛みに加え高熱やリンパ節の腫れを引き起こてしまうこともあります。
大人からの飛沫感染や接触感染が原因となるので、タオルの共有やキス、食べかけの物を食べさせるなどの行為を避けた方が良いでしょう。
カンジダ性口内炎
口内に既に存在している常在菌であるカンジダ菌が異常に増殖してしまうことで発生する口内炎です。カンジダ菌はカビの一種で、口内炎としては珍しく痛みを感じずに白い苔の様なものを発生させます。
この症状により炎症が発生した場合は痛みを感じる場合もあります。
免疫力の低下している妊婦や元々免疫力が高くない幼児や高齢者、また免疫疾患(糖尿病、HIV)を抱えている人や、血液疾患や癌などの病気を持っている人にも発生しやすい症状になります。
もしこれらの病気が未だ発見されていないのに、この口内炎の症状が確認された場合には、既に何かしらの病気に侵されていて、口の中に症状が発生しているという可能性もあります。
一度検査をしてみたほうが良いでしょう。
舌癌
舌癌のよくできる部位として挙げられるのが、舌の裏側と横です。口内炎と同じようなできものができるため、症状が長引く場合は舌癌の可能性が考えられます。
舌癌は、痛みを感じるものの、口内炎よりは軽いことが多いです。明らかな原因は、解明されていませんが、飲酒や喫煙、入れ歯や差し歯などから生じる歯の刺激によるものと考えられます。
明らかに違うのは、口内炎の場合は1〜2週間で治りますが、舌癌はそうはいきません。これから紹介する改善方法を試しても3週間以上治らない場合は、口膣外科や歯医者で症状を確認してもらいましょう。
とはいえ、舌癌は発症率がかなり低いとされています。
それ以外に考えられることは?
舌の裏をみてみると、口内炎のような症状は発見されないが痛いというケースもあります。この場合は、口内炎の初期症状の可能性が考えられます。または、熱い飲み物や食事によるやけどや歯との接触により、知らないうちに舌の裏を傷つけている可能性もあります。
また、黒くうっ血したような状態や水泡などがある場合もあります。これらは口内の細菌による感染も考えられます。
上記のようなケースは、1〜2週間で治ってきますが、なかなか改善がみられない場合は、歯科や口膣外科で診察を受けましょう。
痛みをすぐ解消!口内炎を治す5大テク
舌の裏が痛い時に一番多いのが口内炎や舌の炎症によるものです。炎症を早くおさめるための5つの方法をご紹介します。
口内炎を早く直して、楽しく食事が出来るようにしていきましょう。
菌を増やさない
口の中に菌が繁殖することで口内炎が出来ます。例えば、
- 食べた後に歯を磨かない
- タバコを吸う、または口で息をすることで口の中が乾燥している
という状況が続くと、口の中に細菌が繁殖し、口内炎が発生します。歯磨きはもちろんマウスウォッシュを使用し、口の中をできるだけ清潔な状態に保ちましょう。
もし歯磨き粉が染みる場合は、何もつけずに磨く、口をこまめにゆすぐだけでも十分細菌予防になります。デンタルフロスを使うのもおすすめです。また、口の中の乾燥予防にガムを噛むのもひとつの方法です。
口内炎がしょっちゅうできる方は、デンタルケアを念入りにして、口の中の環境をよくしてあげることが大切です。
ビタミンをいつも以上に摂取
ビタミン不足だと、口内炎が治りにくく長引くケースがあります。もともとビタミン不足によって口内炎ができやすくなってしまうため、痛い時期こそ積極的に摂りましょう。
ビタミンCまたはB2が入ったサプリメントや栄養ドリンクがおすすめです。レモンやオレンジ、トマトなどにも豊富に含まれてるため、食べ物でも積極的に摂りたいところです。
<ビタミンCが含まれるおすすめ食材&ドリンク>
- アセロラジュース
- レモン
- キウイ
- 赤・黄ピーマン
- 芽きゃべつ
<ビタミンB2が含まれるおすすめ食材&ドリンク>
- ウナギ
- いわし・サバ
- 牛または豚レバー
- 牛乳
- 魚肉ソーセージ
染みる場合は無理をせず、サプリメントに頼ってください。また、染みにくいにくい食べ物として、クリームシチュー、コーンポタージュ、茶碗蒸し、りんごのすりおろしなどがおすすめです。塩分や油分を控えめにして、良質なビタミンを摂るように心がけましょう。刺激のある辛いものや熱いものはできる限り控え、暴飲暴食にも注意しましょう。
また、クエン酸を多く含む食事を取り入れることもおすすめです。
クエン酸は疲労回復にいいとされていますが、さらに、体質を根本から改善してくれる成分です。クエン酸を摂取し続けることで、病気になりにくい弱アルカリ性の体質へと改善してくれます。これは口内炎はもちろん、病気に侵されない体作りと言えます。
クエン酸は柑橘類に多く含まれ、特に「みかん」「グレープフルーツ」「いちご」「レモン」に多く含まれます。梅干しもよいとされています。
軟膏パック
舌にはなかなか薬が塗りにくく、自然に治るのを待つしかないと思っている人も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、軟膏パックです。ケナログなどの市販の軟膏と口内炎が隠れるぐらいのサイズに切ったガーゼを用意します。
<軟膏パックの方法>
- 口の中を清潔な状態にする(歯磨きまたはマウスウォッシュ、うがいなど)
- 清潔な手でケナログなどの軟膏を取り、口内炎に厚めに塗る
- その部分にガーゼで蓋をするように覆う
これが軟膏パックの方法です。舌はよく動くため、5〜10分ほどそのままの状態にしておきましょう。
ポイントは、必ず口の中を清潔な状態(歯磨きやマウスウォッシュ後)にしてから行うことです。軟膏をつけたままだと口を動かしたり、会話をしにくいため、夜寝る前やるのがおすすめです。
生活環境を見直す
最近疲れがたまっている、睡眠不足が続いている、ストレスがいっぱい…、このような状況は、口膣粘膜の免疫力を低下させます。免疫力が低下すると炎症を起こします。この炎症が口内炎です。
これまでの自分の生活を振り返り、心当たりのある人は十分な睡眠と休息を意識して取ることが大切です。体力、心のバランスを整えることも、口内炎を早く改善する近道です。
一時的に口内炎が治ったとしても、日々のストレスで再び慢性的にできてしまうこともあります。ストレスや疲れをためないために、ストレス発散方法や規則正しい生活習慣を身につけるよい機会と捉えてみましょう。
歯医で診てもらう
もしかしたらあなたの口内炎は、歯が原因になっている可能性もあります。例えば、歯が尖っていて舌を傷つけていたり、食いしばりなどで歯の痕が舌につくなどによっても口内炎はできてしまいます。
また、歯の詰め物に金属を使用している場合、金属アレルギーが反応して、口内炎が治りにくい状況を作っていることも考えられます。歯に違和感がある、痛みが続く場合は歯科医に診てもらうと、対処方法がより明確になります。
状況によってはマウスピースなどを使って歯を保護し、粘膜や舌が傷つかないようにする方法もあります。また、歯の治療をすることによって、劇的に改善されるケースもあります。歯そのものに違和感を感じる場合は、診察をしてもらいましょう。
口内炎によく効く薬の紹介
最後に口内炎によく効くとB’zの稲葉さんが使用していることで話題になった薬も紹介したいと思います。
- ペラックT錠
第一三共から販売されている市販薬になります。7歳から使用できる薬で、口内炎だけでなく喉や扁桃腺などにも効果的に働きかけて炎症を抑えてくれます。
その他、成分が同じで効果についても同様の効果を得られるものにトラフル錠という商品もあります。これも第一三共から販売されている商品ですので、このどちらかを購入して使用してみてはいかがでしょうか?
口内炎の出来始めにすぐに服用するとそれ以上炎症が拡大せずに痛みのピークを迎える前に症状が止まり、早期回復に繋がります。
口内炎がなかなか治らない!もしかして舌癌?
口内炎だと思っていたら舌癌だった・・・なんてことにならない様に具体的な症状や見分け方について知っておきましょう。
どんな症状になる?
口内炎と舌癌の初期症状は非常によく似ているため、進行するまで気づかずに放置されてしまうこともあります。
もともと、口膣癌には、「舌癌」のほかに「歯肉癌」、「口膣底癌」、「頬粘膜癌」などの種類があります。その中でも、最も患者数が多いのが舌癌です。ただの口内炎がなかなか治らないと放置していて、癌が進行してから病院へ行くというケースが多いとされています。
では実際にどんな症状があるのでしょうか。
- 口内炎が2週間以上たっても治らない
- 痛みは軽いものの続いている
- 舌が白く変色してくる
- 舌が硬くなってくる
などが挙げられます。
中には非常に口内炎に似ている見た目のものもありますので、長期間治らない場合には一度検査をしてみたほうが良いでしょう。
舌の横面や裏側にかけての部分に発生しやすく、初期症状では痛みが軽い特徴があります。
他の口腔がんに比べて、他の臓器に転移しやすく、5年後の生存率が平均50%程度の病気になります。早期発見では70%〜100%の確率での生存率がありますので、早期発見早期治療が出来るようにしっかり用心していきましょう。
舌癌になりやすいのは?
特に男性の方が当てはまります。発症率は女性に比べて男性が高く、年齢は50〜60代の方が多く、全体の1/4程度と言われています。まれに20〜30代の方もいますので、違和感を感じたら、歯科医または口膣外科の診察を受けましょう。
どんな治療法がある?
放っておいて治ることはありません。手術や放射線治療を行い、抗がん剤を使用します。早期発見が大事になってきます。舌癌ができやすいのは、舌の裏側に次いで舌の横にできやすいです。また、見た目には、舌との境目がわかりにくいのも特徴のひとつです。
症状が2cm未満など、初期に発見した舌癌の90%以上は、発声や味覚などの障害なく治すことができると言われています。
まとめ
食事や会話をするのはもちろん、唾液を飲み込むのも重要な役割をする舌。寝ている時や無意識に舌を動かしていることがあるため、口内炎などのできものができると、口のどこにできるよりもやっかいですね。
特に舌の裏にできる口内炎は、口内炎の中でも特に痛みを感じて、ツラいのが特徴です。
口内炎の場合、ほとんどが1〜2週間で自然に治ります。
なかなか治りにくい等心配になったら、抱え込まず、医師に相談をすることが大事です。また、口内炎は免疫・体力・ストレスを強く感じた時に出ます。日頃から気をつけるのはもちろん、口内炎が出来たときは、生活習慣と食生活を見直し、ゆっくり体を休めてあげるようにしましょう。
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