腎結石とは?原因や症状、治療法を紹介!予防方法や検査方法を知ろう!

腎結石という病気を知っていますか。腎結石は、尿路結石の内の1つであり、結石が出来る病気です。結石がある場所が腎臓付近に確認されると、腎結石という診断を受けます。

結石は出来る場所によっては激痛が走ります。一度結石が出来たあることがある方は、二度とあの痛みを経験したくないと思うでしょう。ここでは、腎結石を含めた尿路結石の出来る原因、症状、予防方法、治療方法について詳しくご紹介します。

腎結石について

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ここでは、腎結石の概要と、尿路結石の概要についてご紹介します。

腎結石とは?

腎結石とは、腎臓内に結石が出来る疾患のことです。結石とは、腎臓でシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの固まりから出来上がるもので、結石が存在する場所によって診断名が異なります。

腎臓で発見された場合、腎結石と呼び、尿管で発見された場合は、尿管結石、膀胱で発見された場合は、膀胱結石、尿道で発見された場合は、尿道結石といった、診断名が付きます。

しかし、どれも尿の通り道に出来ることから、総称して尿路結石と呼ばれます。また、結石が胆道に出来たものは、胆石と呼びます。

尿路結石とは?

尿路結石とは、結石が尿の通り道に詰まることで起こります。腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石を総称して、尿路結石と呼びます。尿路結石は、腎臓で出来た結石が動いて、詰まった箇所により名前が異なるだけですが、詰まる場所によっては激痛が走るなど、症状が異なります。

結石は、重篤な病気ではありませんが、出来る場所によっては激痛が走ったり、排尿障害、血尿などの不快な症状が起こるため、私生活に支障をきたします。尿路結石は、一生涯で100人に5人の割合で、発症すると言われ、尿路結石と診断された患者の中で、腎臓と尿管部分に結石が見つかる確率が、95%を占めていると言われています。

また、尿路結石患者の約60%は明確な原因が不明ですが、生活習慣病が原因だと言われています。他の1~2%が遺伝性と言われ、20%~40%が他の病気が原因となって出来ると言われています。他の疾患内容は、尿に関係する、尿路感染などの病気である場合や、原発性副甲状腺機能亢進症といった病気でホルモンが影響して結石が出来るとも考えられています。

尿路結石の症状とは?

痛みを伴う疾患は色々挙げられますが、世界三大激痛というのは、「群発頭痛」「心筋梗塞」「尿路結石」だと言われています。尿路結石は、想像出来ないほどの痛みと呼ばれ、我慢できない痛みに、救急車を呼ばれる方もいます。

腎臓に結石がある、腎結石の状態であれば、ほとんど痛みがありませんが、腎臓の場所から細い尿管に移り、尿管結石になると、激痛が走ります。痛みは突然起こり、わき腹や下腹部、大腿部部分あたりが刺すような痛みに襲われます。お腹が痛すぎて正しく立って歩くことが出来ずに、お腹を抱えるように、体を曲げて病院に行く方が多いと言われています。この痛みを疝痛(せんつう)と呼びます。痛みは、結石が細い管に詰まると、尿の圧力が上がり、尿管が痙攣状態になり神経を刺激して、引き起こすと考えられています。

結石が詰まり、痛みが出ると、排尿障害も起きます。結石により、尿の流れが悪くなる為、残尿管が残ったり、トイレに行っても、なかなか排尿されないなどの症状が現れます。その他の症状として、嘔吐を伴う場合もあります。また、結石が尿管を傷つけた場合は、血尿が見られます。血尿は目で見ても確認できないほどの場合もあり、検査結果で確認される場合もあります。

尿路結石に痛みがない場合は?

結石が腎臓にある場合は痛みを感じることはありません。結石は動くので、腎結石として診断されたとしても、他に移動して突然痛みに襲われる場合もあります。また、結石が小さい場合は、痛みを感じることは少ないです。

結石が小さい場合は、そのまま膀胱や尿道の近くまで少しずつ降りてきます。膀胱や尿道付近まで来ると、残尿感や尿が出にくいと感じます。通常、小さい結石が膀胱まで降りてきたら、自力で外に排出されます。

しかし、結石が膀胱や尿道付近で、結石が大きくなると、途中で詰まってしまうこともあります。この場合は、痛みががしばらく続いた後に、痛みがなくなり始めます。その後尿が出なくなり、腎臓の機能自体に障害を起したり、腎不全になる可能性もあります。その為、尿路結石で痛みがない場合や、症状が突然なくなった場合でも、自己判断せずに、泌尿器科を受診されることをオススメします。

結石の成分と原因

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尿路結石と診断された方の80%の方は、カルシウム結石であると言われています。

結石の成分から、結石が出来る原因のほとんどは確認できますが、全ての原因は解明できていないと言われています。主な原因として欧米型の食生活、ストレス、体質、年齢などが複雑に絡み合った、生活要因が原因なって結石が出来ると考えられています。また、その他には、遺伝、細菌感染なども原因になる場合もあります。

ここでは、結石ごとの成分や特徴、結石が出来る原因についてご紹介します。

カルシウム結石

カルシウム結石と一言でいっても、シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムの2つあります。結石成分で最も多い原因が、シュウ酸カルシウム結石です。この結石が出来る原因は、動物性脂肪の過剰摂取が大きく関わっていると言われています。

肉類などの動物性タンパク質を摂取すると、体の中ではシュウ酸が発生します。通常、このシュウ酸とカルシウムは腸の中で結合することで、シュウ酸カルシウムになり、便と一緒に排出されます。しかし、シュウ酸の量が多くなると、結びつくことが出来ずに、尿の中に残ります。尿の中で、シュウ酸とカルシウムが結合すると、固まりが菅に詰まりやすく外に排出されなくなります。

この事が原因の場合は、カルシウムを積極的に摂取することが重要だと言われています。結合するカルシウムを増やすことで、便と一緒に外に排出されやすくなります。日本人の食生活は、動物性たんぱく質の量が増えているのにも関わらず、それに対して摂取するカウシウムの量が少ないと言われています。

また、リン酸カルシウムは、シュウ酸カルシウムと混ざり合っていることが多く、リン酸カルシウム成分だけで構成されているものは、ほとんどありません。

尿酸結石

高尿酸血症(痛風)の男性に多く見られる結石です。プリン体を多く含む食品を多く取りすぎることが原因だと言われています。プリン体はほとんどの食材に含まれているので、摂取をしないということは不可能です。

しかし、バランスの悪い食生活をしている方や、プリン体が多く含まれていると言われている食材、煮干し、鰹節、干し椎茸、鶏レバー、マイワシの干物、イサキ白子、豚レバー、牛レバー、大正エビ、マアジの干物、カツオなどを多く摂取している方は、尿酸結石が出来る原因になります。

尿酸は体内でエネルギーを作った後に出来る廃棄物の為、体には不必要のものです。尿がアルカリ性の場合は、体外へ排出されますが、尿酸が増えすぎて酸性になった場合は、固まって尿酸結石が出来ます。

シスチン結石

遺伝により、尿細管の機能異常がある場合は、シスチン結石が出来ます。遺伝によりシスチン結石が出来ることを、シスチン尿症と呼びます。この結石は尿路結石の患者の中でも1%の割合と低い確率で出来ます。

この結石の色は、淡い黄色です。遺伝が原因の為、原因となる遺伝子を持っている方は、発症しやすく、再発もしやすいです。原因の遺伝子が特定出来ているため、現在研究が進められているところです。

リン酸マグネシウムアンモニウム

リン酸マグネシウムアンモニウム結石は、細菌が感染する事で、発生します。細菌は、プロテウス菌などに感染することで、起き易いと言われています。結石の色は茶褐色、黄褐色です。比較的に尿道の短い女性に見られやすい結石です。

この菌は尿素をアンモニアと二酸化炭素に分けることが出来、その際に生じたアンモニアが尿のアルカリ度を増やします。リン酸マグネシウムアンモニウムはアルカリ性の水に溶けにくい為、結石となります。この結石が出来ると、細菌が増えて、結石が増えるという悪い連鎖が起こる可能性があります。

検査方法とオススメの病院

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ここでは、検査方法とオススメの泌尿器科についてご紹介します。

検査方法

健康診断結果や本人の自覚症状を基に検査を行います。検査方法は主に尿検査と画像検査です。結石が見つかった場合は、大きさや出来ている場所も確認します。

尿検査

尿検査は、尿を採取して成分を調べる検査方法です。尿内の成分に血尿が見られるか、細菌がいないか、結晶が現れていないかなどを確認します。また、健康診断などで行った際の尿検査で、尿酸値が高いと言われた場合は、結石が出来る可能性が高くなります。

画像検査

結石が確認できる、画像検査の種類は、レントゲン検査、CT、超音波検査、静脈性腎盂尿管撮影(IVP・DIP)などがあり、患者の状況や医療現場の設備によって異なります。

おすすめの泌尿器科

ここでは、オススメの泌尿器科のある病院をご紹介します。

東京女子医科大学病院泌尿器科

住所:162-8666 東京都新宿区 河田町8−1
代表電話:03-3353-8111 予約:03-3353-8138

帝京大学医学部付属病院泌尿器

住所:〒173-8606 東京都板橋区加賀2-11-1
代表電話:03-3964-1211

金沢医科大学泌尿器科

住所:〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1-1
代表電話: 076-218-8145 FAX :076-286-5516

京都府立医科大学泌尿器科学教室

住所:〒602-8566 京都市上京区河原町通広 小路上ル梶井町465
泌尿器科外来 TEL:075-251-5033

結石の予防方法

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結石は一度できると、再発することが多いです。再発率は5年間で20%、20年間で80%と報告されています。その為、一度治療を終えた方も予防対策をしっかりと行わなければいけません。ここでは、結石の予防方法についてご紹介します。

シュウ酸の摂取を控える

結石がある患者の中の80%が、カルシウム結石が出来ています。このカルシウム結石は、欧米化の食生活になり、肉類などの動物性タンパク質の量が増えているにも関わらず、結合するカルシウム濃度が足りない為に発生します。

その為、動物性たんぱく質の量を減らして、野菜や和食を中心にした食生活に切り替えたり、カルシウムを積極的に摂取する必要があります。肉類以外にも、ビタミンCは体内でシュウ酸を作ります。ビタミンCは必要な栄養素なので、摂取するべきですが、結石が既に出来ている方や、予防したいと思っている方は、摂取のし過ぎに注意が必要です。特にサプリメントなどで積極的に取り入れている場合は、サプリメントを控えて、1日の適切な摂取量を超えないように調整しましょう。

カルシウムの積極的な摂取

カルシウムは、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品や小魚、豆類、緑黄色野菜などに豊富に含まれています。

乳製品を食べるとお腹を壊してしまうという方は、豆類や緑黄色野菜などから積極的に摂取しましょう。ほうれん草やタケノコにはシュウ酸が含まれているので、食べる際にはお湯で茹でて召し上がるのがオススメです。シュウ酸が水に溶けて摂取量を控えることが可能です。

プリン体の摂取を控える

尿酸結石は、プリン体の量が体内で増えるために発生する結石です。その為、プリン体を多く含んだ食材を控えることが予防に繋がります。プリン体はほとんどの食材に含まれているので、摂取をしないということは不可能です。

しかし、プリン体が多く含まれていると言われている食材、煮干し、鰹節、干し椎茸、鶏レバー、マイワシの干物、イサキ白子、豚レバー、牛レバー、大正エビ、マアジの干物、カツオなどを多く摂取している方は、控えましょう。

1日2リットルの水分補給

水分不足も結石を出来やすくする原因の1つとして知られています。その為、1日2リットルの水分補給を心がけましょう。一気に飲むのではなく、1日のうちに数回に分けてこまめに摂取してください。また、紅茶やコーヒーにはシュウ酸が含まれているため、過剰に摂取しないように注意が必要です。夏の日や運動して汗をかく場合は、より多くの水分補給が必要となります。尿の出が不足していたり、色が濃い尿がでてきた場合は、水分が不足しているサインです。こまめに水分補給をしましょう。

運動

バランスが良く、規則正しい食生活改善と十分な水分補給にあわせて、軽く運動することを、オススメします。運動することで、結石が壊れやすく、外に排出されやすくなると言われています。中でも、縄跳び、ウォーキング、ジョギングなどの体を上下に動かす運動が良いと言われています。

激しい運動をすると、継続できなかったり、足や腰に痛みが生じる可能性があります。全く運動をしてこなかった人は、始めは通勤の際に、出来るだけ階段を利用するようにしたり、1つ手前の駅で降りて、歩く距離をのばしてみるなど、ちょっとした工夫から始めると、継続しやすいです。

薬物投与

再発を予防する為に、クエン酸製剤を用いる場合もあります。これは尿酸結石やシスチン結石、カルシウム含有結石に有効と言われています。このクエン酸製剤は尿をアルカリ性にする作用のある薬で、結石を予防が期待できます。

結石分析

手術後に排出された結石や自然に排出された結石を、分析することで、再発予防を防ぐことが出来ます。どんな成分で結石が出来たのか知ることで、どういった事に気をつけるべきかが分かります。

腎結石の治療方法

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ここでは、病院で行われる治療方法についてご紹介します。

薬物治療

結石が出て、痛みが生じた場合、まずは鎮痛剤を投与します。鎮痛剤には、非ステロイド系解熱鎮痛薬や抗コリン作動薬が使用されます。

結石の大きさが5mm程度であれば、外に排出される可能性があるので、出るまで待ちます。水分を多く取り、ジャンプや縄跳びなどの上下運動をすると、壊れて排出されやすくなると言われています。場合によっては、排石促進剤、利尿薬を用いる場合もあります。

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

結石の大きさが5mm以上の大きさであったり、水腎症を患っている場合は、ESWL(体外衝撃波砕石術)をします。

これは、結石に衝撃波を当てて砂状に細かくして、尿と一緒に出す治療法です。治療が必要な尿路結石の患者のうち、90%がこの方法を行っています。

経尿道的尿管結石砕石術(TUL:内視鏡手術)

尿道から内視鏡カメラを差込み、結石を砂状に細かくする治療方法です。この治療方法は、ESWL同様に、開腹する必要はありません。

経皮的腎砕石術(PNL)

腎臓に向けて背中から穴をあけ、内視鏡で結石を砂状に細かくする治療方法です。

腎切石術、尿管切石術

開腹手術をして、結石を取り出す治療方法です。現在、行われていることは、ほとんどありません。

おわりに

腎結石が出来る主な原因は、食生活が原因だと考えられています。その為、腎結石は生活習慣病の1つとも言えます。尿路で出来た結石は、病院で治療を受けて結石を粉砕することが出来ます。

結石を粉砕したとしても、再発リスクは20年で80%と言われています。二度と激痛を経験しない為にも、再発予防の為に生活習慣の見直しをしましょう。

関連記事として、

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遊走腎とは?症状・原因・治療法・診断方法を紹介!

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これらを読んでおきましょう。

  
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