昔から「短気は損気」と言われます。短気で怒りっぽいと、結局は自分が損することになります。現代社会ではイライラ・ムカムカ、切れてしまうことが多くなります。しかし、短気を起こすメリットは何一つありません。デメリットばかりです。
年齢を重ねても短気は治りません。加齢とともにさらに短気になる人もいます。
短気になるのは性格的・心理的な問題ばかりではありません。脳の疾患や糖尿病、ホルモンバランスの乱れによっても怒りっぽくなります。
短気の人の特徴や原因、短気の治し方、短気な人への接し方についてお伝えしますね。
短気な人とは?
「短気」の意味は、国語辞典によると「辛抱できず、すぐ怒ったりイライラしたりすること」「終わりが待てず、催促したり怒ったりする性分」です。
「短気は損気」と言われる通り、短気で怒りっぽいと家庭や会社など職場の人間関係に支障をきたし、仕事もうまくいかないようになります。いつでも機嫌悪くイライラしていると、印象も悪くなります。
[易刺激性・易怒性]
現代に生きる人間はいろいろなストレスを絶え間なく受けています。物事が思い通りに運ばずストレス解消がなかなかできないと、たいていの人がイライラして怒りやすい状態になります。「なぜストレスを受けなければならないか?」が納得できない時もイライラします。
精神医学では、些細な事柄で周囲の人たちに不機嫌な反応をしやすいことを「易刺激性」、些細な事柄をきっかけに怒りだすことを「易怒性」といいます。短気な人は、易刺激性・易怒性であると言えます。
[短気な人の性格的特徴]
短気な人は学校・職場・家の近隣などどこにでもいます。短気な人の周囲の人たちや家族は対応に困っていますが、短気な人自身も自分の怒りっぽさに悩むことが少なくありません。
短気な人の最も大きな特徴は、自分自身の感情をコントロールできないことです。短気な人の特徴をチェックすると、自分が短気かどうかわかります。
①プライドが高く面子にこだわる
短気な人は自分の利益・不利益に敏感です。視野が狭く、面子にこだわりプライドを護ることに必死になります。
自分のミスや欠点を指摘されると、プライドが傷ついて猛烈に怒ります。ちょっとした冗談を真に受けて、「馬鹿にされた」と腹を立てます。ほんの少しの不快感や不利益もガマンできず、すぐに反応します。
コミュニケーションがとりにくい
自分が少しでも不愉快・不利益と感じたら、直ちに相手の話を遮って反論します。相手の話が終わるのを待てません。一方的に自分の主張をまくしたて、時には声を荒げたりどなったりしますから、会話になりません。
車の渋滞などで不愉快になると、理由もなく怒り出します。同乗する人たちがなだめても、聞く耳を持ちません。
やられたらやり返す
短気でプライドが高い人は「やられたらやり返す」が基本的な考え方・態度です。満員電車の中で足を踏まれたら、蹴とばし返したり怒鳴ったりします。
②自分に自信がない小心者
短気な人怒りっぽい人は自分に自信がない小心者です。自分に自信がないので、自分を大きく見せようと見栄を張ったり、面子にこだわったりします。プライドが高いのも自信がないためです。
他人の評価を気にします。高い評価を得ようとして頑張りますが、思うように運ばないとイライラしてキレます。会社で嫌なことがあると家族に当たったり、仕事や上司に対するフラストレーションを部下など自分より弱い立場の人に向けたりします。
キレると、自分より弱い人たち(妻あるいは夫や子ども・後輩や部下)に罵声を浴びせたり、暴力を振るったりします。時には、ネチネチと理屈っぽく説教します。
自尊心のない人ほどキレる
自尊心とは、自分という人間の存在する価値を認めることです。自分の価値を認めない人は他人の価値も認めません。
「自尊心の低い子供ほど非行や暴力に走りやすい」という統計結果もあります。
③完璧主義で自己中心的
完璧主義なので小さなミスや失敗を許しません。妥協することを嫌がります。頑固で厳格な人が多いようです。しかも自己中心的ですから、他人の感情や気持ちを思いやりません。
些細なミスでも見逃さず、すぐにカッカッと怒ります。感情的なコミュニケーションは数字や理論で割り切れるものではなく、「白か黒か」をはつきりさせられないこともあります。完璧主義で自己中心的な人は、それがガマンできません。その場でイライラを爆発させて、ストレスを瞬時に解消しようとします。
他人の価値観を認めない
完璧主義な人は自分の価値観や道徳に凝り固まり、他人の価値観や主義主張を受け入れる余裕がありません。自己中心的ですから、自分の価値観や考え方が最善だと思っています。自分が世界の中心にいるように思っています。
自分の世界や価値観に反する言葉や行動を目にすると、すぐにイライラして怒ります。加齢とともに短気が酷くなる人が多いようです。
④ギャンブル好き・移り気
ギャンブル・スリルを好む人や好奇心に駆られて移り気な人は、短気になることが多いようです。ギャンブル好きの人は地道に努力することができず、一攫千金を狙って一発勝負します。
うまくいかないと怒り、冷静さを失います。移り気な人は1つことに長く打ち込めず、すぐに結果が出ないとイライラします。
⑤考え方に癖がある
短気な人は考え方に癖があります。
1, 何でも悪い方に解釈して怒る
他人の言動を全て悪い方向に解釈します。悪意に取るのです。
上司や先輩にミスなどを注意されると、「あいつは私を嫌っている」と考えます。新しい髪型を褒められると、「今までの髪型は似合っていなかったと言いたいのね」と思い込みます。
2, 悪い情報ばかり集めて怒り癖をつける
TVや新聞・雑誌などの情報は80%がネガティブです。犯罪・事故・政治不信・世情不安などの情報は刺激的で、人を不愉快にさせ怒らせます。ネガティブな情報ばかり集めると、怒り癖がついてしまいます。
3, 上方比較が多い
自分より上の人と比較することを「上方比較」といいます。「あいつは俺と同期入社なのに、俺より早く昇進した」「友達の御主人の方がうちの亭主より年収が高い」などと比較して、イライラします。自分に自信がないので、余計腹が立ちます。
4, 自己主張せずストレスを溜め込む
自分に自信がないと、言いたいことも言えず引っ込み思案になる人もいます。自己主張をきちんとしないでガマンしていると、ストレスが溜まりキレやすくなります。
5, することがないと短気になる
人はだれでも退屈するとイライラします。することがないとキレやすくなります。「引き籠りの人」が短気なのは、何もすることがなく「無力感」というストレスを強く感じるためです。
[なぜ、短気になるのか?]
短気になる原因には心理的なものと脳や体の疾患、精神的疾患があります。
①心理的な原因
心理的な原因は性格・考え方と言えます。心理学では、怒りは強い悲しみや寂しさや不安などの本当の感情を隠す蓋(ふた)のようなものと考えます。
育った環境により幼少期に親と健全な愛着を築けなかったために、トラウマ(心の傷)を抱えたまま大人になります。自分に自信が持てず、「自分には何の価値もない」と思い込みます。心の底に強い悲しみや寂しさが常に存在し、それらが何かの刺激に反応して不安や恐れが生ずると、「怒り」という形で表現します。
②大脳前頭前野の損傷
大脳前頭前野はヒトの脳の中でも最も高次な働きをする部分です。「前頭前野はヒトを人たらしめる脳の部位」で「脳の司令塔」と言われます。前頭前野は最も遅く成熟し、老化によって最も早く機能が低下します。やる気・挑戦・学習能力・集中力など知的働きに関係します。
前頭前野は下位の脳をコントロールする
怒りや不安や恐怖などの感情は大脳辺縁系という部位で生じます。大脳辺縁系は下位の脳で前頭前野にコントロールされています。怒りや不安などの情動が起きようとすると、前頭前野が働いて「客観的評価」や「論理的評価」に持ち込み、怒りや恐怖を抑制します。
生命の危機には下位の脳が前頭前野に優先する
大脳辺縁系など下位の脳は、「生命の大原則」に基づいて個体保存や種の保存を行います。生命的危機を感じると、下位の脳は自律神経や内分泌系や神経伝達物質などを総動員して生命を護ろうとします。アドレナリン・ノルアドレナリン・セロトニンの3大神経伝達物質が大量に分泌され、前頭前野の思考の流れを妨害してコントロールを混乱させます。大脳辺縁系の情動が優位に立ちます。
前頭前野が事故や疾患で損傷すると、怒りをコントロールできなくなる
前頭前野が脳腫瘍に侵されたり、慢性硬膜下血腫ができて圧迫されたり、事故などで損傷されたりすると、機能が低下します。知的能力が衰えて無気力になり、下位の大脳辺縁系のコントロールが十分できなくなります。怒りを抑えられなくなります。
③認知症
穏やかな人が急に短気になったために認知症に気づくことが少なくありません。
大脳前頭前野は加齢による機能低下が早く起こります。イライラや怒りなどの感情を抑えにくくなります。また、記憶があいまいになったり日常行動ができなくなったりすると、不安のためにイライラします。短気・易怒性は認知症の中核症状ではなく周辺症状の1つです。
短気はアルツハイマー型認知症の症状
アルツハイマー型認知症は脳が委縮して発症します。前頭側頭部が委縮すると怒りがコントロールできなくなり、短気ですぐ怒るようになります。
④糖尿病・肝硬変
低血糖になると意識障害・昏睡状態が起き、最悪の場合死亡する可能性があります。低血糖になると自律神経系が乱れ、初期症状として急に不安になったり無性にイライラしたりします。
糖尿病治療で低血糖になる
糖尿病患者さんは、治療で血糖値が必要以上に低下することがあります。血糖値が必要以上に低くなると、怒りっぽくなります。
肝硬変で怒りっぽくなる
肝硬変でアンモニアが脳の神経に作用すると、急に短気で怒りっぽくなることがあります。
⑤ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れると、イライラして短気になります。
月経前症候群の1つ
生理前には女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)のバランスが崩れます。自律神経系が乱れて、イライラが募り怒りっぽくなる傾向があります。
更年期
閉経前後の10年間(45~55歳)は「更年期」と呼ばれ、女性ホルモンのバランスが最大に崩れる時期です。自律神経系が乱れて、様々な障害が起こります。「更年期障害」「更年期症状」といいます。強い不安感・イライラ・短気・怒りっぽさは更年期障害の症状です。
男性にも更年期障害はある
40歳を過ぎると男性ホルモン(テストステロン)が減少します。テストステロンの減少で自律神経失調症になります。男性にも更年期症状が生じます。不安感やイライラは症状の1つです。
⑥精神疾患
老人性うつ病や躁うつ病(双極性障害)の躁の状態では、イライラして怒りやすくなります。
短気を治す方法
心理的性格的な短気は自分で改善できます。完全に短気が治らなくても、ある程度怒りを抑えられるようになります。あまりにも短気で自分自身に手を焼いている時は、心理カウンセリングを受けるなど専門家に相談するのも良い方法です。
急に人格が変わって短気になった時は、認知症や脳疾患の可能性があります。かかりつけのお医者さんや神経科・精神科・神経内科・脳神経外科などに相談することをオススメします。
[短気な性格を治す]
短気な性格を治すのは容易ではありません。なぜなら、家庭にも職場にもストレスの原因となることが満ち溢れているからです。かなり穏やかなめったに怒らない人でも、カッカッとしやすい社会です。10回のうち3回怒らなくなったら上出来と、気楽に考えるようにします。
短気を改善する対策は10あります。
①ありのままの自分を受け入れる
短気な人は自分に自信がないため、変にプライドが高くなったり完璧主義になったりします。子供時代に親に無視されたり、逆に親が厳しすぎて何から何まで指示通りにしないと叱ったりすると、子供はありのままの自分を受け入れられず、自信が持てなくなります。
相手の事情や気持ちを考えるようになる
ありのままの自分を受け入れて自分の存在価値を認めると、他人の存在価値も認めるようになります。他人の事情や気持ちを考えるようになります。自己中心的でなくなります。
冷静に自己主張する
言いたいことも言わないでいると、ストレス過多になります。自信を持って冷静に自分の考えや意見を主張します。
②他人の価値観を認めると寛大になれる
自分の価値観・道徳観にこだわるのをやめます。「こういう考え方もある」「こういう人もいる」と、他人の価値観や道徳観を受け入れると寛大になります。イライラすることが少なくなります。
③「人間は完璧ではない」と考える
完璧主義をやめます。「人間はミスや失敗をする生き物だ」と考えます。「ミスや失敗をして成長できる」と考えます。自分の些細なミスにこだわってイライラする前に、「どうしたらミスをカバーできるか?」「同じ失敗をしないためには、どうすれば良いか?」を考えます。
同僚や部下がミスや失敗をした時も、「これからどうするか?」と前向きに考えるとイライラする暇などなくなります。
自分のミスや失敗を他人のせいにしない
自分は完璧でないと認めれば、自分のミスや失敗を他人のせいにすることがなくなります。「あの人のおかげでこうなった」などと考えて人を恨んだり、怒ったりしなくなります。
「自分ではどうにもならないことがある」と諦める
人間の能力には限界があります。努力や根性ではどうにもならないことが沢山あります。自分にできるベストを尽くしたら、それで満足するようにします。諦めることも大事です。
④何事も善意に解釈する
考え方を変えて、上司・先輩・同僚・友人・家族など周囲の人たちの言動をできるだけ善意に解釈します。人に感謝の気持ちを持つようにします。
上司や先輩が叱るのは「自分を認めてくれているからだ。自分をもっと良くしようとしている」と考えます。
何もかも善意に考えるとポジィティブ思考になり、イライラが減ります。
⑤怒りたくなったら深呼吸する
短気な人はすぐカッとなります。カッとなったら深呼吸します。酸素をたっぷり脳に送り、前頭前野を活性化させて怒りを抑えます。
深呼吸できなければ、心の中でゆっくり10数えます。間を置くと、自身や物事が客観的に見られるようになります。
できれば怒りの原因から離れる
できれば怒りの原因となった人や状況から離れ、頭を冷やします。トイレに行くだけでも効果的です。外に出て深呼吸したり、会社の建物を歩いて1周したりします。冷静に客観的に状況判断ができるようになります。
怒っている自分をイメージする
怒りたくなったら、深呼吸しながら怒っている自分の姿をイメージします。自身の態度に呆れて、冷静で客観的な態度を取り戻そうとします。
⑥チョコレートを食べて怒りを鎮める
脳の栄養は糖分です。チョコレートは糖分の他にポリフェノールが豊富で抗酸化作用があります。脳の前頭前野を活性化させて、怒りを抑制します。
⑦セロトニンやオキシトシンの分泌を促す
セロトニンとオキシトシンは「幸福ホルモン」と呼ばれ、人間を快適な気分にする働きがあります。
セロトニンで感情コントロール
神経伝達物質のセロトニンは、ドーパミンとノルアドレナリンのバランスを調整して心の落ち着きと安心感をもたらします。セロトニンがきちんと分泌されて働いていれば感情がコントロールされ、わずかのストレスでキレることがなくなります。
朝陽を浴びて軽い運動をすると、セロトニンの分泌が増えます。
オキシトシンで優しい気持ちに
オキシトシンは「愛情ホルモン」「幸福ホルモン」と呼ばれ、人を愛情に満ちた優しい気持ちにします。恋人や妻・夫や子供と抱き合ったり触れ合ったりすると、オキシトシンの分泌量が増えます。ペットの犬や猫を撫でたり抱いたりしても、オキシトシンが分泌されます。
⑧短気な人に同調しない
短気で常に怒りまくっている人と一緒に居ると、つい同調して怒ることが多くなります。怒り癖がつかないように、短気な人とは距離を置くようにします。親しい友達にならないように気をつけます。
⑨生活習慣を改善する
生活習慣を改善して、過労や睡眠不足にならないようにします。過労や睡眠不足は自律神経の働きを乱すので、イライラすることが多くなります。
食生活も栄養バランスに注意します。ジャンクフードや油っぽいスナック菓子ばかり食べていると怒りっぽくなります。カフェインの摂りすぎも興奮しやすくなるので要注意です。栄養バランスの良い食事を規則正しく腹八分目に摂るように心がけます。
退屈するとイライラするので、仕事や趣味で忙しくします。趣味など楽しいことをするのはストレス発散にも役立ちます。
⑩カウンセリングを受ける
自分自身の短気に手を焼き深く悩んでいる場合は、心理カウンセラーなど専門家の助けを借りるのも良い方法です。イライラや怒りの原因、怒りの蓋の下に隠れている本当の感情に気づかせてくれます。
個人カウンセリングの他にグループセラピーもあります。同じように短気で悩む人たちとキレ話を話し合うと、怒りの原因が見えてきます。怒りを抑える参考にもなります。
[急に短気になるのは要注意]
急に人格が変わって怒りっぽくなった時は、要注意です。
認知症・脳疾患の可能性
高齢者であれば認知症の可能性があります。若年層・中高年層ならば脳腫瘍や脳血管障害を発症している可能性が大きくなります。すぐに神経科・神経内科・脳神経外科を受診します。ことに頭に外傷を負った後で怒りっぽくなっていたら、できるだけ早く脳外科を受診します。
精神疾患
認知症でもなく脳疾患でもないのに急に短気になってイライラしているならば、精神疾患の可能性を考えます。
更年期障害
早い女性は40歳前後から更年期に入ることがあります。イライラと怒りっぽくなる他に、動悸やめまいやほてりなどの症状を発します。更年期には卵巣や子宮など婦人科系疾患も発症しやすく、そのためにイライラ怒りっぽくなることが少なくありません。
ガマンしないで婦人科医に相談することをオススメします。
男性の場合も40歳過ぎて急に怒りっぽくなったら、内科か内分泌科の医師に相談することをオススメします。
短気な人への対処法
「知恵コレクション」や「心理カウンセリングサービス」などのサイトには、「短気の治し方」の質問と同じくらい「短気な人との付き合い方」「短気な人への対処方法」の質問があります。どちらの回答も多種多様ですから、参考にすることをオススメします。
[短気な人のタイプを見極める]
会社など職場には短気で困った人が沢山います。すぐにカッカッして怒鳴る上司やちょっと注意しただけで不機嫌に黙り込む後輩や部下、敵意剥き出しで攻撃的な同僚や顧客など、対応に困ります。学生時代のように困った人とは付き合わないというわけにはいきません。上手に対応する方法を見つけることが大事です。
短気な困った人には3タイプあります。①自分の非を絶対に認めない「攻撃的タイプ」 ②人の欠点や弱点をあげつらう「不平不満タイプ」 ③自分の意見や考えを言わない「不機嫌沈黙タイプ」です。
[タイプ別の対応方法]
短気な人への対応方法はタイプによって異なります。
①攻撃的タイプ
人の言葉・行動や人格を攻撃して支配しようとします。自分のミスや欠点などは決して認めません。八つ当たりしたり、ネチネチ説教したりするタイプです。このタイプの対策は、
- 相手のミスや失敗を指摘したり、責任を追及したりしない。
- 相手の話を最後まで聞いて同意できるところは同意し、冷静になるのを待つ
- 相手との合意点を見つけて、攻撃をかわす。
- 相手に弱点を見せないようにする。攻撃する隙を作らない。
②不平不満タイプ
人生から得られるものは不運だけとばかりに、常に不平不満を言います。しかし、本当の自己主張はできません。気をつけないと、不平不満が伝染します。
- とにかく話を聞いてやる。話を聞いてくれる人がいないのでイライラしている。話を聞いてやると少し落ち着く。
- 相手の話を聞いて理解しても、決して同意・同調しない。同調すると、不平不満の仲間にひきずりこまれる。
③不機嫌な沈黙タイプ
優柔不断で自分の意見や考えや気持ちを言いません。自己開示しないので、どうしていいのか対応方法がわからず困惑します。
- 辛抱強く接して、相手を理解しようとする意志や気持ちを伝える。
- 相手を追い込むような質問はしない。優柔不断なので、何と応えて良いのか迷っている。ガマン強く口を開くのを待つ。
- 相手の機嫌の悪さを気にしない。にこやかに質問や話を続ける。
[認知症で短気になっている人への対応]
認知症の人は自分自身の能力が失われていくことに強い不安と恐怖を感じ、イライラして怒りやすくなります。お金に細かくなり、すぐに「お金を盗られた」と怒りだします。
認知症の人の失敗やできないことを責めたり叱ったりしないようにします。こちらが怒ったり責めたりすると、ますます不安が強くなり、認知症が悪化します。今できることを褒めるようにして安心させます。穏やかな言葉や口調、温かい態度で接するようにします。
まとめ
物事が思うように運ばずストレスが過剰になると、だれでも怒りっぽくなります。短気な人は自分に自信がないため、ちょっと思うようにならないとイライラ・ムカムカします。「短気は損気」と言うように、怒ってばかりいると職場でも家庭でも人間関係に支障が生じます。
短気を治す方法の基本は、ありのままの自分を受け入れて自分の存在価値を認めることです。自分の価値を認めれば、他人の価値も認めるようになります。他人の価値観を受け入れて寛大になれます。自分が完璧な人間でないことを素直に認め、自分のミスや失敗を他人のせいにしなくなるのでイライラすることもありません。諦めることもできるようになります。
脳内神経伝達物質のセロトニンなどの分泌を促し、脳の前頭前野を活性化して感情をコントロールするようにします。怒りたくなったら、深呼吸をしたり数を数えたりして冷静さを取り戻します。
穏やかな人が急に短気になったら、要注意です。認知症や脳腫瘍や精神疾患などの可能性があります。病院などで専門家の適切な治療を受ける必要があります。
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