ムコスタ錠の効能や副作用について!使用する時の注意点は?

胃薬は、大きく分けると、胃の粘膜を保護するものと、胃酸を正常な量に調整するものの2種類があります。ムコスタは、これらの2種類のうち、胃の粘膜を保護する方の胃薬です。穏やかな効き目で、副作用も非常に少ないことで知られています。

様々な胃の不調を改善するだけではなく、ボルタレンなどの鎮痛剤と一緒に処方され、ほかの薬の副作用として引き起こされる、胃のトラブルを防いでくれる効果もあります。

また、錠剤タイプが処方されるケースが圧倒的に多いですが、顆粒タイプのものもあり、嚥下機能の低下した高齢者など、錠剤が飲み込みにくい人でも服用することができます。安全性の高い薬ですが、服用する際には、用法・用量を守り、医師の指示に従って服用することが大切です。

ここでは、ムコスタの効果・効能や、服用上の注意点、副作用について、ご紹介いたします。

ムコスタについて

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ムコスタには、胃粘液の分泌を増やし、胃の粘膜を保護するほかにも、胃壁細胞を増殖させ、ダメージを受けた胃壁の修復を促進させる効果があります。

私たちが病院で処方される胃薬の中でも、比較的身近な薬であると言えるでしょう。さて、早速、ムコスタがどのような薬なのか、錠剤タイプ・顆粒タイプともに、その概要を見ていきましょう。

成分

<ムコスタ錠100mg>

  • 【有効成分】:レバミピド100mg
  • 【添加物】:結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン

<ムコスタ顆粒20%>

  • 【有効成分】:レバミピド100mg
  • 【添加物】:乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、デキストリン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、ポリソルベート80、香料、D-マンニトール、ステアリン酸マグネシウム、その他4成分

薬理

  • 有効成分レバミピドが胃酸(攻撃因子)を中和させる胃粘液(防御因子)の分泌を促進し、攻撃因子と防衛因子のバランスを保つことで、胃壁をコーティングし、保護します。
  • 有効成分レバミピドが、胃の粘膜を保護する「プロスタグランジンE2」という物質を増やし、胃酸から胃壁を守る防御因子を増強します。また、細胞増殖と損傷修復促進作用によって、粘膜保護と治癒を促します。
  • 炎症性サイトカインの刺激によって生産される、白血球遊走因子であるIL-8という物質の生産を抑制し、炎症を鎮めます。
  • 体内に侵入した細菌などを細胞内に取り込み、殺菌・分解する好中球から、エラスターゼやスーパーオキシド、活性酸素が放出・生産されるのを抑制し、炎症を鎮めます。

効能

以下のような症状に改善効果が得られます。

胃潰瘍

急性胃炎、慢性胃炎の急性憎悪期における、びらん、出血、発赤、浮腫などの胃粘膜病変

用法・用量

上記項目の「効能①、②」に沿った用法・用量例は以下のとおりです。ムコスタは、低出生体重児や新生児、乳幼児あるいは小児に対する投与の安全性は確立されていないので、誤飲には十分に注意し、大人が処方された薬を、小さな子供に服用させないようにしてください。

また、錠剤タイプ・顆粒タイプともに、1錠あるいは1包中の有効成分含有量は変わらないため、用法に違いはありません。

<効能①>

ムコスタ錠100mg:1錠、ムコスタ顆粒20%:0.5gを、1日3回(朝・夕・就寝前)経口投与

<効能②>

ムコスタ錠100mg:1錠、ムコスタ顆粒20%:0.5gを、1日3回に分けて経口投与

保管方法

  • 小さな子供の手の届かないところで保管してください。
  • 直射日光や、高温多湿な環境は避けて保管してください。とくに顆粒タイプのものは、湿気を吸う可能性が高いため、湿度には気をつけてください。
  • 症状が当初の見込みよりも早く改善するなどして、処方された量の薬が残った場合には、薬局や医療機関に伝えて破棄しましょう。そのまま保存して、自己判断でほかの症状が出たときに服用するのはやめましょう。

ムコスタの服用においての注意点

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ムコスタは、安全な薬ですが、どのような薬においても、服用する際に気をつけておくべきことがあります。医師から薬が処方された際には、なぜその薬が処方されたのか、どのように効果があり、どういった副作用が考えられるのかなどの説明を十分に受けましょう。

それでは早速、ムコスタを服用する際の注意点について見ていきましょう。

服用前の確認事項

  • 持病がある場合、および市販薬を含むほかの薬を服用している場合には、事前に医師または薬剤師に報告してください。双方の薬の効果を打ち消す組み合わせではないか、などの確認をしてもらいましょう。
  • 生理機能の低下している高齢者の服用は、消化器系の副作用を引き起こすケースが稀に見られるため、用量などを事前に医師に確認しておきましょう。
  • 妊婦、または妊娠している可能性のある人の服用における安全性は確立されていません。症状がひどい場合にやむを得ず服用する場合には、医師の指示に従ってください。
  • 授乳中の場合に服用すると、有効成分であるレバミピドが母乳へ移行するという実験結果が報告されています。授乳中の服用はできるだけ控え、やむを得ず服用する際には、服用中の授乳は避けてください。
  • とくに高齢者の場合、錠剤が包装されているPTPシートの誤飲には十分に注意してください。誤飲によって、シートの鋭角部が食道粘膜を傷つける可能性があります。

服用する際の注意点

  • 医師の指示に従い、用法・用量を守り、正しく服用しましょう。
  • 薬を飲み忘れた場合には、できるだけ早めに1回分を服用してください。ただし、次に服用するまでの時間が近くなる場合には、1回分を飛ばし、次回分のみを服用してください。2回分を1回で服用するのはやめましょう。
  • 謝って多く服用した場合には、医師または薬剤師に報告・相談してください。
  • 薬を服用する際は、できるだけ多めの水分と一緒に服用しましょう。
  • 断薬のタイミングは、医師の指示に従い、自己判断で服用を中止するのは避けてください。

ムコスタの副作用について

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ムコスタは、副作用の発生率が0.54%と、1%以下の低い確率と言われていますが、100%副作用がないわけではありません。とくに、高齢者の場合には、副作用の発生率が若干高くなるという報告がありますので、いずれの場合においても注意が必要です。

副作用が出た場合には、速やかに医師に報告し、服用の継続、あるいは中止などについて指示を受けてください。

一般的な副作用

  • 【過敏症】発疹/そう痒感/薬疹様湿疹
  • 【消化器系】便秘/腹部膨満感/下痢/げっぷ/胸焼け/味覚異常/腹痛/嘔吐・悪心
  • 【肝臓】AST、ALT、γ-GTP、Al-P値の上昇
  • 【血液】白血球減少/顆粒球減少
  • 【その他】月経異常/BUN上昇/浮腫/咽頭部異物感 など

重大な副作用

以下のような症状が出た場合には、直ちに服用を中止し、早急に病院で適切な処置を受けてください。アナフィラキシー様症状などは、命に関わる場合もあります。

【アナフィラキシー様症状】

悪心/手足の冷えや痺れ/冷や汗/蕁麻疹/顔面蒼白/顔面浮腫/全身発赤/息苦しい/めまい/血圧低下/意識障害

【血液の異常】

発熱/喉の痛み/倦怠感/口内炎/皮下出血/鼻血/歯肉出血

【肝機能障害】

全身の倦怠感/食欲不振/吐き気/発熱/皮膚のかゆみ/発疹/黄疸/尿の色が茶褐色になる など

まとめ

いかがでしたでしょうか。私たちが病院で薬を処方されるとき、ムコスタが一緒に処方されることが多くあるため、ムコスタに馴染みの深い人もいるかもしれません。ほかの薬の効果を十分に発揮するために、胃を保護、あるいは治癒してくれる縁の下の力持ちといったところでしょうか。

また、副作用は、ここで紹介した以外の症状が出る可能性も稀にありますので、服用後、少しでも異常を感じた際には、自己判断は避け、できるだけ早めに医師または薬剤師に相談しましょう。

薬の力に頼るだけではなく、ムコスタを服用期間中は、いつもより消化の良いものを、よく噛んで食べるなど、胃の負担が少ない生活を心がけるようにすると、なお良いかもしれません。健康を保つためにも、薬を正しく生活に取り入れ、健やかに過ごしたいものですね。

  
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