気温が上がってきて日中になると汗をかく季節になってきました。夏になると、照りつける日差しが顔の汗をより噴出させ、朝化粧したばっかりなのに会社についたらもう化粧が取れているなんて事もあります。
他にも、若い時は化粧のノリがよかったにも関わらず、年齢を重ねていくうちに化粧のノリが悪いなと感じることはありませんか?このように化粧が取れてしまうこと、落ちてしまうことを「化粧崩れ」と呼び、この時期になるとこのようなメイクや肌悩みも増えてきます。
今回、ここでは化粧崩れの原因から対策まで詳しくご紹介します。
化粧崩れについて
働くようになると、化粧は身だしなみの1つになってきます。化粧を毎朝しっかりするようになっても、昼頃になると化粧のノリが悪くなったり、老けて見えたり、テカっていることはありませんか?
このような状態を化粧崩れといい、化粧崩れやしやすい人としにくい人がいます。ここでは、化粧崩れの概要と化粧崩れしやすい人の特徴についてご紹介します。
化粧崩れとは?
化粧崩れとは、汗や顔の皮膚から出てくる油分でファンデーションが浮いたり、一部に寄ってしまったり、分離したり、汗と一緒に流れてしまうなどの状態を指します。
特に定義は決まっていませんが、具体的な状態は下記のような状態です。
化粧崩れの状態
- 額や鼻がテカる
- ファンデーションが浮く、まだら
- 毛穴落ち、毛穴浮きしている
- ほうれい線にファンデーションが寄ってしわになる
- まつげのカールが弱まる
- アイライン、マスカラがにじんでいる
- まゆげが薄くなっている
- 化粧品の密着力が弱まる
化粧崩れしやすい人
肌の肌質は「普通肌」「乾燥肌」「脂性肌(オイリー肌)」「混合肌」の4つに分けることができます。この中でも脂性肌(オイリー肌)の人が肌トラブルを引き起こしやすく、化粧崩れをしやすい傾向にあります。
脂性肌とは、何かしらが原因となって皮脂の分泌が過剰になっている肌のことです。また、肌の水分量が30%以下の人は乾燥肌に分類され、水分か油分もしくはどちらともが不足している状態にあります。
この乾燥肌の中にも脂性肌のケースもあり、そのような人たちは脂性乾燥肌(オイリードライ肌)と呼ばれています。乾燥とオイリー肌は一見、間逆な肌質のように思えますが、乾燥肌とオイリー肌は共存します。
脂性肌のメカニズム
脂性肌は皮脂の分泌が過剰になっている肌のことで、この皮脂の分泌は男性ホルモンの一種によって行われます。男性ホルモンが多くなると皮脂腺を増やしたり、皮脂を作ったり、皮脂腺の活性化が行われます。
ホルモンバランスはストレスや生活習慣、遺伝的要因などで左右されやすいため、男性ホルモンが多くなると皮脂分泌が過剰になり、脂性肌を引き起こす原因になります。
男性ホルモンが最も多く分泌される時期は思春期と30代~40代にかけてで、これらの時期は脂性肌へと肌質が変わりやすい時期であるとも言えます。
化粧崩れの原因について
気温が高くなるこれからの時期、汗をかくことも多くなり化粧崩れの心配も多くなってきます。
しかし、メイクが崩れる原因は汗だけではなく「汗」「乾燥」「皮脂」の3つが大きな原因として挙げられます。ここではこの3つの原因について詳しくご紹介します。
汗による化粧崩れ
夏に化粧崩れが起こる大きな原因と言えば汗です。汗は私たちの体の重要な生理現象の1つで、体温調整機能の役割があります。外の気温が上がると体では体温を調節をしようと汗を出して熱を外に発散させます。
汗の成分の99%は水分で出来ており、気温が高くなればなるほど、汗が吹き出るようにでてきくるので、汗でメイクを洗している状態になります。
乾燥による化粧崩れ
空気の乾燥は肌荒れやメイクのノリに大きな影響を与えます。夏場は乾燥しないと思っている人もいますが、夏でも乾燥する場所は多くあります。夏場でも快適に過ごせるようにと、クーラーを強めにかけている企業や公共施設、電車の中など、これらの場所は冬の外気以上に空気が乾燥している事が多いです。
他にも、海やプールなどアウトドアにでかけた際に紫外線を浴びて肌を乾燥させてしまったり、フェイスパウダー、パウダーファンデーションなどのパウダータイプ商品は肌の乾燥を進ませる原因となります。
このようにして肌が乾燥してくると、肌の表面は粉を吹いた状態になり化粧品の吸着力が低下してメイク崩れを起こします。
皮脂による化粧崩れ
肌が乾燥してくると、自分で潤いを与えようとして皮脂を分泌するようになります。この皮脂が化粧崩れの一番の原因と言われています。油性のメイクを浮かすことができるのは油で、油分はクレンジング剤にも使われています。
皮脂は油分である為、これが顔に大量に分泌されると、化粧が簡単に落ちてしまいます。特に鼻の頭や額部分は皮脂の分泌が多い場所なので、この部分がテカテカしているなと感じた場合は、皮脂が大量に分泌されて化粧崩れが起こっている証拠です。また皮脂が余分に出るとニキビや毛穴の目だちなどの肌トラブルを引き起こす可能性もでてきます。
ベースメイク法について
化粧崩れが起こる原因となる汗、乾燥、皮脂を起させない為には、メイク前のスキンケアや下地など、土台つくりがとても重要になってきます。
このベースメイクをしっかりと行うことで、化粧品と肌との密着感高まり、ツヤ肌をつくり化粧崩れを起しにくくします。ここでは化粧崩れを起さない為のベースメイクのポイントについてご紹介します。
スキンケア1:化粧水
朝起きたら、まず顔を洗う人もいるかもしれませんが、洗顔を多く行う事は余分な皮脂をながしてしまい、乾燥肌を引き起こしたり肌荒れを起す原因になります。メイクを落とす必要のある夜だけに洗顔はとどめましょう。
朝、顔は汚れていないので、コットンに化粧水をたっぷりと含ませて顔を拭き取る程度にするのがオススメです。化粧水をつけた後はしっかりとハンドプレスをします。
朝は時間がないといって化粧水をつけて、すぐに乳液をつけてしまうと肌にきちんとなじみません。こうなると、スキンケアアイテムと化粧品が混じってしまいヨレやすくなる原因をつくります。余裕を持って化粧が行えるように、朝早く起きてスキンケアの時間を確保しましょう。
スキンケア2:乳液
額や鼻にかけてTゾーンと呼ばれる部分は皮脂分泌が多い場所です。この部分にテカリがでている人は、乳液を塗り過ぎないように注意しましょう。Tゾーン部分に乳液を薄めにつけたり、塗った後からテッシュで抑えて少し拭き取るようにします。
頬の部分は乾燥しやすいので多めにつけましょう。乳液は少なめにとり手のひらいっぱいにひろげてから両手で顔を包み込むようにして塗ります。乳液をつけたあとはハンドプレスをしてしっかりとお肌に浸透させることが重要です。化粧水と乳液を塗ったら2分程度休憩タイムをとり、しっかりと浸透させましょう。
下地をつける
化粧下地は、肌の土台を整えてファンデーションが肌に密着する力を高めてくれます。化粧下地にはUVカットがついているものがほとんどなので、紫外線予防にも役立ちます。また、下地には様々なタイプのものがあります。
額や鼻がテカリやすい人は油分バランスを整える下地を利用したり、頬やあごの部分には保湿機能のある下地を利用するなどしてパーツごとに使い分けるのもオススメです。
化粧下地を使っているけれど、化粧崩れしやすいという方は、下地が化粧品とあっていない可能性が高いです。下地は普段使用しているファンデーションと同じブランドのもの、また自分の肌にあったものを探しましょう。
下地は大量につけると化粧崩れの原因になります。パール粒大ほどの下地を手の平に出して左右頬、眉間の間より少し上の部分、鼻の頭、あごにつけて全体に伸ばしていきます。カバー力のあるプチプラのベースクリームは下記のようなアイテムがあります。
■オススメの下地
- ソフィーナ プリマヴィスタ 皮脂くずれ防止化粧下地(25ml、2,800円)
- キス、マットシフォンUVモイストベース(37g、1,600円)
- チャコット フォー プロフェッショナルズ、HDエンリッチングO2ベース(42g、1,600円)
- ヴィセ、リシェ ラスティングUVベース(30g、1,300円)
パウダーをつける
パウダーファンデーションを使用する場合は、下地の後にルースパウダーを乗せてからパウダーファンデーションをのせると密着度が高まります。
このルースパウダーとは、ファンデーションと肌の密着度を高め、肌を均等に整えて美しい肌をキープします。見た目は白色ですが、白浮きすることなくお肌になじみます。この時に、ベビーパウダーをルースパウダーとして使っても、化粧崩れ防止効果があります。
リキッドファンデーション、BBクリーム、CCクリームなどを使用する場合は、これらの上からルースパウダーを重ねます。使用するファンデーションにより順番が異なるので、普段使用しているファンデーションをしっかり確認しておきましょう。
ファンデーション
自分の肌にあうファンデーションを選びます。鎖骨の色とファンデーションの色を確認して合わせるのが、肌になじむ色になります。
敏感肌の方は、美容成分が配合されている、ミネラルファンデーションを使用するのがオススメです。
パウダーファンデーション
パウダーファンデーションの場合は、スポンジの半分にファンデーションをつけて、下から上に向かってスポンジを滑らせて塗ります。その後に、柔らかい大きめのフェイスブラシを使って余分な粉を落とします。
リキッドファンデーション
手の甲にリキッドファンデーションをのせて、手の甲で馴染ませていきます。両頬、おでこ、鼻筋、あごの順番に顔の中心から外側に向かって塗っていきます。目の周りは皮膚が薄くよく動く部分の為、しっかり塗りすぎると化粧崩れしやすくなります。スポンジにとって少量馴染ませる程度にしておきましょう。
次に顔が白浮きするのを防ぐのに、スポンジを使ってフェイスラインから首筋に向かって動かして馴染ませます。ファンデーションを塗った後に、ルースパウダーを使い仕上げます。
化粧崩れ対策方法について
化粧崩れの原因となる「汗」「乾燥」「皮脂」を起さないためには、日ごろの生活の中でも、気をつけるべき注意点はたくさんあります。
ここでは、普段の生活で取り入れるべき化粧崩れ対策方法についてご紹介します。これを行うことで、化粧崩れだけでなくニキビケアなどの肌トラブル防止にも繋がります。
体温調節をする
汗による化粧崩れの対策は、汗をかかないように工夫することが重要です。
例えば、服の脱ぎ着で体温調整できるように、冷房が効いているところではカーディガンを1枚羽織り、気温の高い場所では1枚脱いで体温調節をするように心がけましょう。当たり前のことですが、出来ていない人も多いです。
汗をこまめに拭う
汗をかいた際には、汗で化粧がながれないようにタオルで小まめに拭いましょう。タオルでごしごしと顔をふいてしまうと、化粧が崩れてしまうだけでなくタオルの摩擦により肌を痛める原因にもなります。
タオルで汗を拭う際には、優しく肌にあてて摩擦を起こさないように注意しましょう。
乾燥している場所では保湿対策をする
会社などで空調がききすぎている場所では肌が乾燥しやすくなります。
その為、デスクの周りに加湿器を置いたり、水を入れたカップを近くに置いたりして、身の回りの乾燥状態を改善しましょう。
ミストタイプの保湿を使う
室内のエアコンなどの影響で日中に肌の乾燥を感じた場合は、ミストタイプの保湿を行いましょう。まずは最初に余分な皮脂を取り除く為に、テッシュを使って顔を抑えます。乾燥肌の方の場合は、油とりがみを使って皮脂を取り除こうとすると必要な油分まで取り除いてしまう可能性がある為、使わないようにしましょう。
余分な皮脂を取り除いたら、ミストタイプの化粧水を吹きかけます。ミスト状で粒子が細かいため、この化粧水を振り掛けることで化粧崩れを起す心配はありません。しかし、かけすぎはメイク崩れの原因になるので、ひと吹きするだけにしましょう。
ミストタイプの化粧水であれば、ファンデーションの上から行ってもメイク崩れの心配もなく、乾燥肌も防止することができます。
ターンオーバーの周期を整える
人の肌細胞は古くなり、新しいものを生み出すサイクルがあります。表皮の生まれ変わる新陳代謝のことをターンオーバーと呼んでいます。夏は汗をかくことで新陳代謝が活発になる為、紫外線などのダメージを受けた肌を修復する為に、このターンオーバーは早くなる可能性があります。
このターンオーバーが早まったからといっても必ずしもいい結果を生み出すとは限らず、かえって状況が悪化する場合があります。肌に刺激が加わると体はバリア機能を強化しようと新しい細胞を作ろうとします。しかし、早く作られた細胞は未熟なものが多く、大きさもバラバラでスカスカな状態の角質層を作り出します。
これにより、肌のキメが揃わずに水分を保つ力が弱まり乾燥に弱い肌が作られていきます。こうなってしまうと、毎朝どんなに丁寧にお手入れしても水分がすぐになくなってしまい、乾燥して化粧崩れを起す原因となります。
その為、ターンオーバーの周期を正常にする事はとても重要です。当たり前のことではありますが、私生活の乱れは肌の乱れに繋がります。
ターンオーバー周期を維持するのに必要な事
ターンオーバー周期を維持するのには、私生活がとても重要です。規則正しい生活がキレイな肌をつくり、守ってくれます。ターンオーバー周期を維持するのには下記のような点に気をつけましょう。
■ターンオーバー周期を維持するのに必要な事
- 質の高い睡眠をとる
- ストレスを溜めない
- 栄養バランスの取れた食事をする
- 適度な運動をする
- 紫外線対策をしっかりと行う
中でも、食生活は重要です。オイリー肌の方の場合は、特に気をつけるべき点は脂質の過剰摂取です。飽和脂肪酸を多く含む、バター、牛脂、ラード、肉類、ショートニングはできるだけ避けましょう。
皮脂を分泌する皮脂腺は、体内の余分な油を排出する働きがありますが、飽和脂肪酸は過剰に摂取すると毛穴詰まりの原因にもなります。脂っこいものが食べたいという方は魚を食べるように習慣づけると、ベタベタした油はでにくくなり、毛穴詰まりも起きなくなります。
夜のスキンケア
洗顔後には化粧水をつける前に精製水やミネラルウォーターを使って顔に水分を叩き込みます。その後、化粧水を3回くらいにわけてたっぷりと使ってパッティングをしてお肌に浸透させます。更にヒアルロン酸入りの美容液などを取り入れると効果的です。
その後、乳液をTゾーン以外に塗り、Tゾーンには薄く塗り、パッティングをして浸透させます。朝同様、夜のスキンケアもしっかりとしましょう。
化粧の直し方について
朝しっかりとメイクをしたとしても、午後になると皮脂が浮かびあがることもあります。化粧崩れを感じやすい、午後3時頃を目安にメイク直しを行いましょう。
ここでは、メイク直しの方法についてご紹介します。
余分な汗皮脂を拭き取る
メイク直しをする前に、まずは余分な汗や皮脂をテッシュで拭き取ります。あぶらとり紙の使用は肌質によって使うべきかどうか判断が異なります。
オイリー肌の人はあぶらとり紙を使っても問題ありませんが、乾燥肌の人は余計に油分を吸い取ってしまい更に乾燥を引き起こす原因になります。乾燥肌の人はあぶらとり紙は使用せずに、ティッシュで抑える程度に留めましょう。
ミスト化粧水をつかって保湿する
ミスト化粧水を顔に半円描くようにかけて、手でしっかりと押さえてしっかりと浸透させます。
乾燥肌の人で、化粧水だけでは乾燥するという方は乳液を使って保湿をしっかりと行いましょう。この時、余分な水分がある場合は、軽くティッシュで拭き取ります。
麺棒を使う
麺棒に乳液をしみ込ませて、部分的に崩れている部分を拭き取ります。目の下はマスカラやアイライナーが汗でにじんでいる場合が多いので、麺棒をつかってキレイに取り除きましょう。
また、マスカラがにじむ事が多いようであれば、ウォータープルーフタイプのマスカラを使うことで汗のにじみを抑える事ができます。他にも、口紅のはみ出しやしわに入った余分なファンデーションなども麺棒で取り除きましょう。
ベースメイク直し
保湿がしっかりとできたら、ベースメイク直しをしていきます。まずは、Tゾーン以外の分を重点的に下地を塗りなおします。下地は厚塗りにならないように気をつけましょう。
次に、ブラシにファンデーションを含ませて仕上げます。ブラシを使うことでナチュラルな仕上がりになります。
おわりに
化粧崩れが心配になる時期がきました。朝のお化粧を簡単に済ませてしまっている人は、いつもよりも少しだけ早起きして、ベースメイクに時間をかけましょう。時間をかけて土台をしっかりと作ることで、メイクも崩れにくくなります。
また、今回ご紹介した対策を取り入れて、午後にはメイク直しをするように心がけましょう。