コルサコフ症候群とは?症状や治療方法、原因を理解しよう!アルコールの過剰摂取に要注意!

趣味やストレス発散、人付き合い……など、飲酒はほぼ毎日という方も少なくありません。週に1~2回、たしなむ程度にアルコールと付き合えるなら問題ありませんが、節度を守らずに浴びるように飲み続けている方は、注意が必要です。

一度なってしまうと完治が難しく、記憶障害などを伴う「コルサコフ症候群」という病気をご存知でしょうか? 病状、原因、治療法などコルサコフ症候群を学んで、現在のアルコール摂取量を今一度見直してみてはいかがですか?

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コルサコフ症候群とは?

1 酒

聞き慣れない病名ですが、意外と私たちの生活に密接した病でもあります。コルサコフ症候群とは、長年に渡り多量のアルコールを摂取し続けたことが原因で、健忘症が発症している状態のことです。つい先ほどのことが思い出せないなどの重度の物忘れ、時間の感覚が無くなる、忘れたことと覚えていることを繋げようとするために起こる作話などの症状があります。

コルサコフ症候群は、発症する前段階として「ウェルニッケ脳症」という急性期の病を患った後に、慢性期のコルサコフ症候群へと変わると言われてます。しかし例外もあり、前段階でウェルニッケ脳症にかからずにコルサコフ症候群になる場合もあります。

コルサコフ症候群は、主な症状が記憶障害であるため、アルコールが引き起こしている疾患とはいえ、認知症の一種として分類されています。

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コルサコフ症候群の症状

2健忘

コルサコフ症候群がもたらす症状には、4つの兆候があると言われています。順番に見ていきましょう。

見当識障害

まずひとつは、自分が今現在どこにいるのか、今日は何月何日なのか、季節、時間感覚など、日常生活を送るために必要な情報や感覚がなくなってしまいます。

しかし、アルツハイマー型認知症とは違い、食事を摂ったり歯磨きをするなどの潜在的な記憶は保たれているため、長年やってきて習慣となっていることに関しては問題なく行うことができます。

また、思考力も保たれているため、計算したり、話を理解したり、他人と会話をするといった行動は問題なく行えることが多いでしょう。

記銘力障害

二つ目は、記銘力障害。これは、見たことや感じたこと、学んだことや知ったことなど、新しく得た情報を記憶しておけない症状に陥ることです。

しかし、数分程度であれば情報を記憶できる患者もいると言われていますが、5分程度で忘れてしまうことが多いでしょう。

健忘

3つ目は、コルサコフ症候群の中で、最も完治が困難と言われている健忘です。健忘は、新しい情報を記憶できない記銘力障害と同様、記憶できない症状です。しかし、健忘の場合は最新の情報ではなく、過去の記憶です。

患者によってそれぞれですが、一番新しい記憶から無くなっていき、何十年も前に起こった記憶などは残っているケースが多いです。例えば、幼少期の頃のことは明確に思い出せるけれど、1週間前に出会った人のことは覚えていない……。このような現象が脳内で起こるのです。

錯話症(さくわしょう)

最後は、錯話証です。この症状が発症するまでに、患者には記銘力障害と健忘の症状が現われており、様々な記憶が失われている状態です。この状態の時に、昨日昼に患者の治療を行い、患者は病院にいたことを知った上で、医師から患者へ次のような質問をしてみます。

医師「昨日の昼、Aさんは何をしていましたか?」

患者A「昨日の昼は、自宅で畑仕事をしていましたよ。今、キャベツが大きく育っていてね。昨日みたいに雨降っている日は大変だけど、やっぱり農作は楽しいね」

このように、思考力は保たれているため、相手の話を理解したり会話も問題なく行えるのですが、そもそも病院で治療を受けていたため畑仕事は行っておらず、この話自体が作り話なのです。一見、本当のように思ってしまいますが、昨日は雨は降っておらず晴天だったのに……といった間違い点や話の矛盾、不可解な点が多く、家族など身近な人は混乱してしまうケースも少なくありません。

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コルサコフ症候群の原因

3アルコール依存

病気の中には何十万人に1人といった稀に起こる病気もありますが、病名は聞き馴染みはないものの、アルコールの摂取が主な原因のコルサコフ症候群は、見て見ぬふりはできないくらい意外と身近な病気であることが分かります。原因を探っていきましょう。

アルコールの多飲

原因の第一位は、やはりアルコールの多飲です。

若い頃から習慣のように、毎晩同じ時間に、同じ量のアルコールを飲んでいるから今更病気になることはない……、と安心している人もいるでしょう。また、仕事の付き合いや友人との会食の際、ストレス発散のため、自宅での晩酌など、たまに浴びるように飲むこともあるけれど毎日飲んでいるわけではないから……、と考えている人もいるでしょう。

その認識は、大きな間違いです。二日酔いで翌日に支障が出たり、記憶が無くなったり、まっすぐ歩けないほど飲むことがあったとしたら、それはアルコールの多飲であり、乱用となります。飲み過ぎであるという自覚症状が無いことが、一番恐ろしいことです。飲む量をコントロールできるうちに、対策を考えましょう。

ビタミンB1の不足

アルコールを多飲することでビタミンB1が破壊され、必要量を摂取できずに不足状態が続くと、コルサコフ症候群を発症する原因となります。

飲酒経験のある方であれば、飲酒が原因で下痢を起こした経験は一度はあると思います。ビタミンB1の栄養は、十二指腸で主に吸収されます。しかし、下痢を引き起こしてしまうと、十二指腸で栄養が吸収されずにそのまま排出されてしまうため、ビタミンB1は不足してしまうのです。

他の病気から併発

コルサコフ症候群は、急性期疾患「ウェルニッケ脳症」から引き起こされる場合が大半です。しかし、ウェルニッケ脳症から併発するケース以外にも、頭部への外傷や脳腫瘍、認知症を発症した予後にも、引き起こす場合があると言われています。

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コルサコフ症候群の予防法

4豚肉

アルコールの多飲、ビタミンB1の欠乏、他病気からの併発と、原因は分かりました。次は、予防の方法を見ていきましょう。大半がアルコールの多飲が原因と分かっている病で、予防法はそう多くはありません。今日から実行できることばかりです。早速、見ていきましょう。

断酒

アルコールの多飲、乱用によってビタミンB1が破壊され、必要な栄養が摂れていない期間が長期に渡ると、コルサコフ症候群を発症するリスクが高くなります。そこで、最も必要なのが断酒です。

少しくらい……と飲み続けて断酒できない患者や、予備軍患者はたくさんいます。依存性の強い嗜好品なので完全に断つのは簡単ではありませんが、家族など身近な人の協力を得て、断酒するよう心がけましょう。会社勤めで付き合いがあり断酒が厳しい人もいると思いますが、理由を話せる間柄であれば、正直に打ち明ける勇気も必要です。そうでない場合は、たしなむ程度に留めましょう。

ビタミンB1の摂取

断酒と同等に大切な予防法です。毎日の食事に積極的に取り入れ、ビタミンB1を必要量摂取する努力をしましょう。

ビタミンB1は、お酒をたくさん飲む人以外にも、甘い食べ物を好む人や激しい運動をする人、インスタントやレトルト食品を多食する人や、清涼飲料水を日常的に飲んでいる人は不足しやすいと言われています。1日に必要な量は、成人男性で1.1mg、成人女性で0.8mgです。ビタミンB1を多く含む食品は、豚のヒレやモモ肉、大豆、昆布、ウナギなどが代表的です。なかでも豚ヒレ肉に関しては、100g中に0.98mgのビタミンB1が含まれており、成人女性が1日に必要な量を摂取出来ます。

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コルサコフ症候群の検査方法

5問診

記憶障害の症状が出始めて病気の疑いがある場合、まずは神経内科を受診するといいでしょう。記憶障害に加えて、アルコールの多飲がある場合は、アルコール依存症を診察する心療内科をあたってください。さらに、健忘などの症状が出ている際は、認知症外来でもいいでしょう。頭部の外傷や脳腫瘍などからの併発の可能性がある場合は、脳神経外科を受診してください。

検査は、まずはじめに飲酒の経歴や普段の量、日常生活を診断する問診が行われるでしょう。その後、疑いがあれば頭部MRIや血液検査等に進む可能性があります。病院によって検査方法は異なるので、医師の指示に従いましょう。

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コルサコフ症候群の治療法

6治療

コルサコフ症候群と診断されたら、治療を行っていきます。まずは、欠乏しているビタミンB1の投与が何よりも優先に行われるでしょう。症状が重く、緊急の状態に陥っている場合、静脈から投与することもあります。

次に、バランスのいい食事を摂取するための食事療法、規則正しい生活、そして断酒が行われます。断酒といっても、簡単ではありません。アルコール依存は再発の可能性が高く、アルコールの多飲が原因で発症した場合は、長期に渡って治療を要するケースも少なくありません。自己意識ではアルコールを断つことは非常に難しいため、治療に踏み込む際は専門家によって行われる可能性が高いでしょう。

頭部の外傷や脳腫瘍などの疾患が原因でコルサコフ症候群を発症した場合は、高い確率で完治が見込めると言われています。一方、ウェルニッケ脳症が慢性化してコルサコフ症候群を発症した場合は、健康のときの病気以前の体に戻すには非常に難しいと言われています。完治する数は、患者の2割程度の割合です。外来での通院に加え、専門の介護スタッフのもと治療を行う必要があるでしょう。

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まとめ

アルコール依存が背景にあるコルサコフ症候群は、放置すると完治することが困難な恐ろしい病です。しかし、アルコールは依存性の強い嗜好品のため完全に断つのはなかなか難しく、社会人にとってお酒は付き合いのツールの1つでもあることから、非常に陥りやすい病でもあります。

患者自身もそうですが、健忘症状が出ている患者を面倒見る近親者も苦労をする病気です。症状が深刻になりアルコールの依存性も強くなる前に、疑いがある場合は一刻も早く医師の診断を受けることをおすすめします。

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