男子ホルモンは20代の時に最も多く分泌され、それ以降は加齢とともに減少していきます。男性ホルモンが減少すると意欲や集中力の低下、性欲などの性機能にも影響を及ぼします。
また、コレステロールが蓄積されやすくなり、生活習慣病にかかりやすくなるとも言われています。その為、男性が若々しく生活していく上で重要なホルモンと言えます。
ここでは、男性ホルモンを増やすメリットや増やし方について詳しくご紹介します。
男性ホルモンについて
男性ホルモンの中でも分泌量の多いのが「テストステロン」と呼ばれるホルモンです。このホルモンこそが男らしさの象徴と言えます。
ここでは、テストステロンとは何か、また役割や減少する原因、多く分泌されている人の特徴について詳しくご紹介します。
男性ホルモンとは?
男性ホルモンには様々な種類がありますが、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンが大部分を占める重要なホルモンです。このホルモンが多いほど、骨や筋肉、性欲など、雄としての男らしさを発揮します。男性はこのテストステロン分泌量に支配されており、この値次第で男の価値が決まるといっても過言ではありません。
男性ホルモンは男性が持っている特別なホルモンと思われがちですが、女性も少量は持っています。しかし、男性には女性と比較して10倍~20倍ほどの男性ホルモンが存在し、20代にピークを迎えます。20代以降は年齢と伴に次第に減少していきますが、これには個人差があり80代の人でも20代と同じくらいの量を持っている場合もあります。
テストステロンとは?
テストステロンは男性ホルモンの1つで男性に多く分泌されています。テストステロンは男性の場合は、精巣の部分で多くが作られ、女性の場合は卵巣や副腎で作られます。男性が思春期になると、ヒゲが生えたり骨格が変わって男性らしくなってくるのは、このホルモンの影響によるものです。
また、テストステロンは社会の中で自己主張する時に必要であると言われ、社会に出ることで増えます。また、逆に家に帰ったり、赤ちゃんを抱いたりと安心できるような場所にいる時には分泌量が下がます。
このテストステロンは生成に必要な成分さえ摂取すれば体の中で生成されるというわけではなく、栄養素の他にも精神的な安定や環境、休養や運動など様々な事が関係しています。
テストステロンの役割
テストステロンの主な役割は下記のようなものが挙げられます。
■テストステロンの役割
- 性欲の亢進
- 生殖器の発育
- 自律神経のバランスを保つ
- 筋肉や骨格の形成
- 皮脂の分泌を促進してにきびができる
- 体毛の発育を施す働きがある
テストステロン量が多ければ多いほど、男性としての魅力が勝り、女性にモテるようにもなります。逆にテストステロンの分泌量が減ると筋肉が減り、精力もなくなり、男性としての魅力が減ってしまいます。他にも意欲や集中力が低下など様々な事に影響を与えます。
■テストステロンが減少すると・・・
- 意欲や集中力がなくなる
- 睡眠障害
- 心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる
- 痛みに敏感になる
- 性欲がなくなる
- 早朝勃起しなくなる
- 内蔵脂肪が増加
- 骨密度が低下
- 頭痛、めまい、頻尿、ほてり、発汗
テストステロンが減少する原因
テストステロンの分泌量に影響を与えるのは「ストレス」と「不規則な生活」です。 テストステロンの分泌は日々変動がありますが、早朝の高い時に採血して値を調べることが出来ます。
健常な日本人男性の遊離テストステロン値は11.8pg/mLと言われ、8.5pg/mLを下回ると低いと見なされます。
ストレス
まず、ストレスがかかると血圧や血糖値が上昇して、脳下垂体という場所からホルモンを出すなという命令が出され、精巣からテストステロンの量が減少します。
現代社会は年齢問わず精神的にも肉体的にもストレスを受けやすい年代です。特に30代後半になると、体力の衰えもみられ、若い時と同じような働き方をするのは限界がでてくるようになります。
都心で働いている人は満員の通勤電車に乗るだけでもストレスがかかってしまいます。特に楽観的に物事を捉えることが出来ない几帳面な人ほど、ストレスがかかりやすく男性ホルモンの量が減少していきます。
不規則な生活
睡眠不足や大量のアルコール、喫煙、不規則な食事生活などはテストステロンを減少させます。他にも、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、うつ病、人工透析などもテストステロンは影響を受けて減少します。
どんな病気にも言えることですが、生活習慣を見直して適度な運動や規則正しい食事、十分な睡眠を心がけることが重要です。
テストステロンの分泌量チェック
テストステロンの分泌量が多いかどうか、セルフチェックできる方法があります。下記の特徴に当てはまっている人は、テストステロンの量が多いと言えます。
■テストステロンの分泌量が多い人の特徴
- 顔が長い人
- 薬指が人差し指より長い人
- 声がハッキリと大きい人
- 自己主張が強い人
- 冒険心が強い
- 印象的な言葉で人の心を掴む
- リーダー気質
- 空間認知能力が高く、地図が読める
- 縄張り意識が強い
- 激辛の食べ物を好む
中でも、声が大きく自己主張をする人は分泌量が多い傾向にあります。男性はもともと、動物のオスと同様に自分の縄張りを作ってその縄張りが侵されるような事があると、怒りを感じる生き物です。
動物の場合は、マーキングしたり自分の縄張りだと自己主張をしますが、男性ホルモンが下がるとマーキングをしなくなると言われています。これと同様のことで、自己主張が強く大きな声を出したりする人は男性ホルモンが強いと言えます。
男性ホルモンを増やすメリット
男性ホルモンが減るということは、男性としての魅力がなくなると言えます。人それぞれ好みは違いますが、女性は男性ホルモンが強い人に無意識のうちに惹かれていきます。
ここでは、男性ホルモンを増やすと、具体的にどんなメリットがあるのかこちらでご紹介します。
男性らしい体つきになる
テストステロンは筋肉や骨格の形成に働きかけます。その為、筋肉がつきやすい体へと変わり、定期的に筋トレをすれば男性らしいたくましい体つきに変わります。また、プロテインを併用することで相乗効果を発揮します。
男性ホルモンが分泌することで、筋肉も増えやすくなりますが、筋肉が増えることで更に男性ホルモンが増えるという嬉しいサイクルが生まれます。
女性にモテる
テストステロンは女性を引き寄せることの出来るモテフェロモンです。メスにモテなかった1匹のオスネズミにテストステロンを注射したところ、メスが群がりだしたという研究結果もあります。
女性の本能には、より強い子孫を残そうとする働きがある為、無意識のうちに健康体で生殖能力が高い男性に惹かれていきます。
決断力を高める
テストステロンは決断力や判断力を高める効果もあります。その為、男性ホルモンが強い人は集団の中でリーダーシップを取って皆を引っ張る事ができる存在になれます。
男性ホルモンが低くなると、決めることができずに優柔不断になったり、論理的に考えることもしなくなります。
やる気が出る
ドーパミンという物質はやる気や幸福感の源となるものですが、テストステロンはドーパミンの分泌を促す働きもあります。
その為、男性ホルモンが多く分泌されると同時にやる気が出るようになります。
メタボ予防
テストステロンはメタボリックスンドロールを始めとする生活習慣の予防をすることができます。テストステロンは血管の状態を正常に保つ一酸化炭素を生成する役割もあります。一酸化炭素は、血管や臓器に有害な物質が蓄積されるのを防ぐ働きがあり、血管の状態を正常に保ちます。
実際にテストステロンが高い男性は、生活習慣病にかかりにくいという調査結果も報告されています。メタボリックシンドロームの改善だけでなく、健康的な体を維持するのに必要です。
精力増強
男性ホルモンが減少すると、精子の形成や性欲にも影響が及び性欲が衰えてしまったり、勃起しなくなります。ED(勃起機能の低下)や膣内に挿入しているにも関わらず、オーガニズムに達せずに射精することができない膣内射精障害などの病気へと発展する事もあります。
男性が勃起不全であると、女性は自分に魅力がないのではないかと不安になり悩みの原因にもなります。そして、お互い不満な状況が重なると、パートナーとの関係が上手くいかなり別れの原因にもなります。テストステロンが増加することで性欲が増し、パートナーとのセックスを楽しめるようにもなります。
若くいられる
テストステロンには老化や精神活動を司る小器官のミトコンドリアを健康に保つ役割があります。ミトコンドリアは細胞の中でアンチエイジングの中心的な働きをしています。
このミトコンドリアがエネルギーを作り出し、元気に活動する事ができるのです。
記憶力・集中力向上
テストステロンは記憶力や集中力の向上にも働きかけます。テストステロンが分泌されるほど、脳の働きが活性化されます。テストステロンが多く分泌されれば、歳を重ねても記憶力や集中力を高く保つことができます。
男性ホルモンを増やす方法
「もっと男らしくなりたい」「ビジネスに活かしたい」「性欲をアップしたい」など人によって男性ホルモンを増やしたい目的は異なりますが、男性ホルモンが増強されることで得られるメリットはたくさんあります。
ここでは、男性ホルモンの増やし方についてご紹介します。
筋肉トレをする
筋肉量と男性ホルモンの関係性はとても深く、テストステロンを分泌するのに、最も効果的なのは筋トレです。テストステロンを分泌するポイントは、筋肉に負荷をかけることです。
筋トレ方法は、軽いウェイトで何十回と繰り返すのではなく、ギリギリまで高負荷をかけて、少ない回数行いましょう。中でも足、腹筋、胸と大きな筋肉の集まる場所を中心に刺激を与えましょう。
初めはジムに通わなくても自宅で自分の体重を使って行う自重トレーニングで十分です。自重トレーニングで負荷を感じなくなったら、ゆっくり行ったり、ジムでダンベルを使って負荷をかけるなどして、筋トレメニューを見直しましょう。
睡眠の質を高める
睡眠の質が高い男性はテストステロンの数値も高いという研究報告もあるほど、男性ホルモンと睡眠には深い関係があります。睡眠時間の目安は7時間といわれており、22時から2時まではホルモンの分泌が活発な時間帯です。この時間帯に寝ている事も重要なポイントの1つです。
また、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類あり、この2つの睡眠が交互に行われている事が、質の高い眠りと言えます。レム睡眠は体は深く眠っているのに脳が起きている状態の眠りの事で、ノンレム睡眠は脳が眠っている眠りです。
この2つの睡眠は一定のリズムで変わり1晩に4回~5回ほど繰り替えします。この睡眠が交互に行われていないと、寝ても疲労が残った状態になります。質の高い睡眠がとれるように、寝具や寝る環境にもこだわる事も重要です。
ダイエットをする
体重が基準値よりも増えている人、肥満気味な人はダイエットをすることで、男性ホルモンを増加させることができます。太りすぎの男性はテストステロンの値が低くなる傾向にあるのです。
体重を落とす場合は、有酸素運動が効果的です。ウォーキング、ジョギング、水泳など酸素を取り入れて脂肪を燃焼する運動を選んで、40分程度行いましょう。有酸素運動は始めてから20分以降に脂肪が燃焼されます。その為、できるだけ長い間できるスポーツを選ぶのがオススメです。
亜鉛を取る
テストステロンを生産する上で、亜鉛は必須です。不規則な食生活をしていると亜鉛は不足しやすくなります。その為、6週間ほど亜鉛を積極的に摂取し続けると、テストステロン値に改善が見られるようになると言われています。
亜鉛は食事から取るのをオススメします。たんぱく質が豊富な肉や魚、他にも生乳やチーズ、豆などにも含まれています。ベジタリアンの方の場合は十分な亜鉛を食事から取るのは難しい状況にあります。野菜は化学肥料や殺虫剤が使われている事がほとんどの為、土壌内の栄養が少なくなり亜鉛の栄養素も少なくなっています。
また、調理をする段階で亜鉛の量が減少する為、ベジタリアンの方はサプリメントを摂取して補うのがオススメです。サプリメントで補う場合は成人の1日の上限40mg以下にするように摂取量に気をつけましょう。亜鉛は過剰摂取すると他のミネラルの吸収を妨害したり、副作用で吐き気などもでる場合があります。
ビタミンDを取る
ビタミンDは健康な精巣細胞を作ったり、精液の質を上げたりや精子を作るのに必要です。ビタミンDを得るには、食べ物から摂取する方法と日光を浴びて紫外線にビタミンDを作ってもらう方法の2つあります。
食べ物から摂取する場合は、魚肉、肝臓、鶏卵などの動物性食品や天日干しシイタケ、きのこ、海藻類などの植物性食品などの食材含まれています。また、健康な量のビタミンDを摂取するには、自然の太陽光を浴びるのが一番いいと言われています。
肌の色がほんのりピンク色くらいになるまで太陽光を浴びることビタミンDが作られます。出来るだけ広範囲に日光をあてましょう。しかし、日焼けのしすぎは皮膚がんを招く可能性がでてくるので、注意が必要です。
健康的な脂肪分を摂取
コレステロールは健康に悪いという概念を持っている人は多いですが、本来は生きていくのに必要な栄養素の1つです。そして、脂質はテストステロンを生産するのに重要な要素でもあります。
健康的な脂肪分を取るにはアボガドやナッツ類に含まれているような単不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪、飽和脂肪などを摂取しましょう。オリーブ、オリーブオイル、ココナッツ、ココナッツオイル、無塩バター、アーモンド、ナッツ類、オーガニックの黄身、アボガド、肉、ヤシ油、オーガニック油などが健康的に摂取できる脂肪と言えます。これらを積極的に取るようにしましょう。
ストレッチをする
男性ホルモンを支配している視床下部という部分は、ストレッチを行うことで刺激することができます。ストレッチを行うと関節や筋肉が動く為、それにより視床下部が動き始めテストステロンが多く分泌されるようになります。
ストレッチをするタイミングは就寝前や朝起きて1時間以内がベストな時間帯です。ストレッチすることで血流も良くなるので、健康にもオススメです。
アルコールの量を控える
アルコールを大量に飲むと、身心的にストレスを感じてしまいます。その結果、視床下部の機能が低下してしまいテストステロン数値が下がります。
適度のアルコールであれば精神的なストレスの解消に繋がるので、少量であれば問題ありません。
おわりに
男性としての魅力を持つには、テストステロンの分泌は欠かせません。テストステロンが分泌されると、女性にモテるだけでなく、やる気や集中力が上がりビジネスにも役立ちます。
加齢とともに減少していくテストステロンですが、日々の生活習慣を見直すことで80代になっても若々しく生きていけるかもしれません。
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