偽善者とは?意味や行動の心理、性格の特徴について紹介!

偽善者とは、本心では思っていないのにも関わらず、人に良く思われようと善い行いをする人のことです。人に流されてしまうタイプの人は知らず知らずのうちに偽善者になっているかもしれません。周りに偽善者だと思われてしまったら信頼を取り戻すのは難しいです。

ここでは、どのような行為が偽善と思われるのか、また偽善者の心理的特徴について詳しくご紹介します。

偽善者について

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偽善者は自分の損得勘定で動くという腹黒い思考を持っているので、嫌われる傾向にあります。

しかし、心の中の声は本人にしかわらかない事なので、実際に偽善者であったとしても周りからは偽善者だと思われていない可能性もあります。

偽善者と聞くと悪のイメージが強いですが、見方を変えるとそうではない事もあるのです。偽善者とは一体何かについてここでは詳しくご紹介します。

偽善者とは?

偽善者とは偽善を行う人のことを指します。「偽善」を辞書で調べてみると下記のような意味を持っています。

■偽善とは?
偽善(ぎぜん)とは、偽りの善のこと。善では無いことを善と騙すこと。上辺だけ良いことだと見せかけること。善人だと思われようとすることなどを意味する単語である。
参照:ニコニコ大百科

本心では思っていないのに人によく思われようとして「いつも心配しているからね」や「いつでも力になるからね」などと発言をする人のことです。人の本心は読むことが出来ない為、あなた自身が本当に善いと思ってした行動でも、周りに偽善者と思われてしまう場合もあります。

周りから偽善者だからと思われたからといって、自分が本当に善いと思った行動を止める必要はありません。しかし、一度周りから「偽善者だ」と言われてしまうとその言葉は深く心を傷つける事になり、今後どのようにしたらいいのか分からなくなってしまうでしょう。どのような事が周りに偽善者と思わせるのか、また偽善者の心理状況について知っておくと自分の言動にも自信が持てるようになります。

偽善者は善か悪か?

偽善者という言葉を聞くと、悪のイメージが強いかもしれません。しかし、相手の感情を見抜くことが出来なければ、それが本当に偽善なのかということは誰にも分かりません。偽善者の中には、ただ弱い自分を見せたくなくて強く見せようとしている人と、人を騙そうと思って行っている人もいます。これら2つの思考には差がありすぎ、前者であれば悪とは呼べないでしょう。

また、たとえ偽善者であったとしてもされた側が喜んでくれれば、その行為は善い行為である事には間違いありません。「やらない善よりやる偽善」という言葉が、2チャンネルから発祥されたのを知っていますか。これは、たとえそれが偽善でも、自己満足の行為であったとしても、何もしないで見ている人よりはマシだという考え方です。

周りから偽善者と言われたとしても、自分が少しでもやってみたいと行動することで、救われる人もいるのです。たとえ偽善者であったとしても、行動しない人に何を言われる筋合いもありません。また、自分が本当に善い事をしていると思ってやっているのであれば、周りから「偽善者だ」と勘違いされても、自分を信じてその行為を続けていきましょう。

善い行いをすると責める人がいる

善い行いをすると責める人が必ずいます。それは、偽善者でなかったとしても、責められてしまう事があるのです。日本人は  自己犠牲や世の人の為と奉仕する精神を兼ね備えています。その為、社会の為にと自分を犠牲にしてまでも行動に移すことが出来るのです。

このような気持ちを持っている民族はあまりいない為に、価値観が理解できないと、何か裏の心があるのではないかと疑ってしまうのです。善い行いをしても責める人がいるという話は、ケント・M・キース「逆説の10カ条」でも記されています。

この言葉はマザーテレサを深く感動させ、彼女の言葉として世に広まりました。本心に従って善い行いをしたとしても、賛同してくれない人も中にはいるのです。それを理解した上で、人の為に善行を続けていく事が大切です。

3.何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。それでもなお、良いことをしなさい。

9.人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。それでもなお、人を助けなさい。

10.世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。

参照:ケント・M・キースの「逆説の10か条

偽善者が嫌われる理由

偽善者が嫌われる最大の理由は、周りに道徳を説いているのにも関わらず善を不当に示している事です。周りに道徳を説くことなく、自分が善行だと思う事をやっている分には誰にも迷惑がかからず、嫌われる要素もありません。

例えば、あなたの友達が環境保護について語り「エアコンは全く使う必要はない」などと発言していたにも関わらず、実際に家ではエアコンを付けっぱなしにしているところを見かけたら、この友人の事を偽善者だと思ってしまうでしょう。

このように善い行為である事を周りに堂々と発言しているにも関わらず、自分は全く出来ていないという状態を作ると人から嫌われてしまいます。要は嘘つきと同じなのです。これが嘘だとわかってしまうと「自分の評判を上げようとしているだけだ」と捉えられてしまい、裏表のある人だと思われてしまいます。

心理学的にも人はどんな人間なのか分からない時には、不気味や嫌いという感情が生まれてきます。その為、偽善者は周りから嫌われてしまうのです。

偽善者と言われてしまう行動

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偽善者と言われてしまう行動は、善行を利用して自分にメリットがあるような行動をしていると思われた時です。

どんな部分をみて周りが偽善者というのか、ここでは偽善者と言われてしまう行為についてご紹介します。

善人ぶって自分の好感度を上げる

本心では善行などする気がないのにも関わらず、良い人だと思われたい為にそのような素振りをします。例えば、ボランティア活動に全く興味がないにも関わらず、自分の身の回りの人がいる時だけ参加したり、フェイスブックやツイッターなどに活動内容をあげて周りから褒めて貰おうといった行動を取る人は偽善者と思われてしまいます。

周りから見えない場所でも善い事だと思ってボランティア活動を続けている人であれば、偽善者と思われる事はありません。しかし、自分の周りに良い顔をしたいという行為を見られてしまうと偽善者と思われてしまいます。

善行をしたと報酬を求める

報酬の為に善行為をして、報酬が発生しない場合に行わない人は偽善者と思われてしまいます。

16世紀にカトリック教会が発行した「贖宥状(しょくようじょう)」がこれにあたります。この贖宥状は、罪の償いを軽減することができる証明書であり、献金さえすれば罪が許されるように説く説教家が現れました。

その後、聖堂建築などを目的とした贖宥状を発行をした偽善行為は、ルターが批判し宗教革命の発端になりました。

収入・生活のための行為

慈善活動がその人の収入や生活に繋がっている場合や、寄付金から収入を得ている場合は偽善行為だと思われてしまいます。慈善活動とは情けや哀れみをかけ、中でも恵まれない人や被害にあった人に経済的な援助をする活動のことです。

慈善活動をする代わりに、金銭的利益を得ている場合や必要以上にお金を稼いでいる人は偽善行為だと捉えられてしまいます。

善行を宣伝する

善行を周りに宣伝したり、強調しようとする行為は、自分の行った善行を周りに認めて欲しいという深層心理によるものだと解釈されてしまいます。例えば、フェイスブックやツイッターなどのSNSを通じて必要以上に善行をみせている人は偽善だと思われてしまうのです。

しかし、慈善団体の多くの場合は活動を広めて多くの援助を集める事を目的に宣伝をする場合もあるので、単純に宣伝したという事が偽善行為に繋がるわけではありません。例えば、24時間テレビのようなチャリティー番組は大々的に宣伝しているものの、出演者にギャラが発生している事から非難の対象となっています。

ありがた迷惑

本人が善行をしていると思った事でも、相手にとって実質的な価値がない場合も偽善行為と思われてしまいます。例えば、大地震が起こった後に被災者に千羽鶴を送ろうとする活動が度々起こりますが、折り紙などは被災者にとっては意味がないので偽善だと批判されてしまいます。

また、善かれと思って個人的に物資支援を行った場合もありがた迷惑になってしまう可能性もあります。TV情報とのタイムラグが発生して不良在庫を生み出していたり、細々したものが送られると仕分けするほうも配布するほうも余計な労力がかかる場合があるのです。

このように相手に全く意味がない行為は、善行の方法が間違っていると言えます。このような場合はただの自己満足と捉われてしまいます。

強迫・強制的な行為

強制的にやらされた善行も偽善行為と批判されます。例えば、資産家など多額の収入を得ているにも関わらずに、寄付をしていない場合は慈善団体から非難されたり、報道されて世間からの印象が悪くなります。

これを回避するために、募金活動を行っている人達もいるのです。好感度を下げたくない為に強制的にさせられた善行は偽善行為と思われてしまいます。

偽善者の性格的特徴と深層心理

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偽善者は、善行をすることで自分自身に得があると思って行動をしています。相手から褒められたりすることで自分の気分を良くする為であったり、金銭を稼ぐなど別の目的があって行動しているのです。

ここでは、偽善者の性格的特徴と深層心理についてご紹介します。

社交的でいい印象を与える

偽善者の特徴として挙げられるのが社交的で人に良い印象を与えるという事です。たとえ、それが偽りの姿であったとしても、周囲からは善い人に見えるのが特徴です。偽善者は好感度を高めたい思っているので、常に笑顔で人と接しています。

また、笑顔だけでなく聞き上手であったり、話上手でもあります。人の話を上手に聞くことで相手に好印象を与える事が出来るのです。人とのコミュニケーションを通じて印象がよくなると人間関係も円滑に進めることができ、信頼されやすくなります。善い人にしか見えないというのが偽善者の最大の特徴と言えます。

虚勢を張る

偽善者の多くは人によく思われたいと思っている為、できるだけ自分の弱い部分を隠そうとします。また、自分を褒めたいや人から褒められたいという気持ちを持っている為、好感度を上げるためには手段を選びません。

物事を説明する時には論理的に話して人に納得してもらうのが一般的です。しかし、中には納得できない人もいるでしょう。このような時、偽善者は自分の言っていることは絶対に正しいと思っているので、周りの批判的な意見には耳を傾けません。

そして、自分に不都合なことや不利になる事が起こると分かった時には、すぐに逃げてしまいます。その為、周りからは「あの人は不都合なことがあると逃げてしまい、表向きだけ良い人なんだ」と見抜かれてしまうのです。

自己愛が強い

偽善者は自分が大好きで、人から好かれたいと強く思っています。周りから「あの人は善い人」と思われることで、自己愛を満足させているのです。本人は偽善行為をしているという自覚はなく、人からただよく思われたいという意識しかありません。

人は良い部分も悪い部分も持ち合わせていますが、悪い部分を見せてしまうと人から嫌われてしまう可能性があります。いい面だけを見せ続けて、悪い面をひらすら隠そうとする為、偽りの人格が出来てしまうのです。

他人の不幸話が大好き

善人に見えても、裏の顔を持っている偽善者は他人の不幸話が好きという特徴があります。例えば、不幸話を始めた場合や悩みを打ち明けた時には、真剣に耳を傾けて「それは大変だったね」と同情します。

話を打ち明けた方は「この人は真剣に話を聞いてくれていい人だ」と思いますが、実際は他人の不幸話に興味があるので面白くて詳細を聞きだしているのです。

自己満足の為に善意を行う

偽善者は困っている人に手を差し伸べる自分が素晴らしいと自分に酔っている事がほとんどです。人の為に行動を起している自分を誇らしく思っているので、結果や相手がどう考えるかは重点においていません。

例えば、災害が起こった際には真っ先に自分が出来る事はないかと考えて行動に移します。そして、周りから感謝されたり善い人だと思ってもらうことで満足してしまい、自分がした事により助かった人がいるという事は考えていないことが多いです。偽善者はいい事をして自分の気分がよくなる自己満足を目的としている事が多いのです。

損得勘定で動く

手助けをするかしないかは自分の損得勘定で動きます。その為、身近で困っている人や自分が善い人だと宣伝しやすい内容には興味を示します。

一方で、世界的に問題となっている貧困や恵まれない子供達については何かをしようとする気は起きません。

口が達者で行動しない

偽善者の中には口だけは達者で全く行動に移さない人もいます。環境問題や貧困について「こう変えていくべきだ」と周りを説得しておきながらも、自分自身は行動に移しません。

善い言葉は労力があまりかからず、尚且つ自分の発言を聞いた人たちに対して印象を善くする事ができます。誰かが相談してきたら、何かをしてあげるわけではなく、心配したり優しい言葉をかけるだけで何かをしてあげるつもりはありません。

偽善者を改善する方法

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色んなタイプの偽善者がいますが、彼らが全て悪いわけではありません。嘘をついて自分を大きく見せているような人は周りから嫌われるという事です。

自分の事を「自分は偽善者で周りから嫌われている」と思っている方は、こちらで克服する方法をご紹介します。

言葉よりも行動で示す

口では善い事を言うにも関わらず、行動が伴っていない人は偽善者の中で最も嫌われる行為です。例えば「電車の中でお年寄りに席を譲るのは当たり前だ」と発言していた場合に、実際にその状況になった時に何かと理由をつけて席を譲らないと周りから「この人は口先だけの人だ」と思われてしまいます。

言葉だけで偉そうなことをいう事はいくらでも出来ます。しかし、発言したのにも関わらず出来ていないというパターンが一番格好が悪いのです。本当に善行を心がけたいと思っているのであれば、言葉よりも先に行動で示していくことが重要です。行動で見せることで、善い発言をしなくても周りから信頼されるようになります。

他人への気遣いが出来ているかが重要

偽善者でなかったとしても周りから偽善者と思われる事もあります。ここで考えるべき事は、自分の考えが正しいかどうかではなく、他人への気遣いが出来ているかが重要ポイントです。

偽善者は自分は正しいと思い込み、意見を曲げない性格でもあります。たとえ言い分があったとしても、相手が喜んでいるかに重点を置いて考えるだけでも行動が随分変わってきます。

おわりに

偽善者は人から嫌われます。綺麗ごとを並べて、実際の行動が伴っていないにもかかわらず多くの賛同者を得ているという事が大きな理由です。

そして、中には偽善者でないのに偽善者呼ばわれする事もあります。相手にとって善かれと思う事をする場合は、たとえ周囲から批判されたとしても、迷わずに続けることが大事です。

  
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