鼠径ヘルニアの症状とは?手術で起こる合併症について知ろう!

気付いたら太ももの付け根にしこりのような変な膨らみがあった!なんてことありませんか?それは鼠径ヘルニアと呼ばれるものかもしれません。

押したら戻るからと放置してしまうと大変なことになりかねません。鼠径ヘルニアとはどんな症状なのか、原因は何か書いていきたいと思います。

鼠径ヘルニアとは

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鼠径(そけい)ヘルニアって何?と思うかもしれませんが一般的に言われている「脱腸」のことです。日本では盲腸よりも鼠径ヘルニアになる人が多いと言われているんです。女性よりも男性に多く発病します。

「鼠径(そけい)」は太ももの付け根部分、「ヘルニア」はカラダの組織が正しい位置からはみ出してしまうことを指します。通常お腹の中にあるはずの腸の一部が、太ももの付け根辺りの皮膚の下に出てしまう病気です。ことから鼠径ヘルニアと呼ばれています。

原因

鼠径ヘルニアは子供から大人まで関係なく発病しますが、子供と大人では原因が異なります。大人の場合、成人鼠径ヘルニアといい、運動不足や加齢に伴い内臓などを支えている筋肉や筋膜が弱くなることが主な原因としてあります。

筋力や筋膜が弱くなってくると、鼠径管やその周りの筋肉層に隙間ができてしまいます。隙間ができている状態でお腹に力が加わると、その隙間から腹膜や腸の一部が出てしまい鼠径ヘルニアになってしまうのです。また立ち仕事や便秘、肥満気味の人が発症しやすいと言われているようです。女性の場合、妊娠、出産を機にヘルニアになってしまう人もいるようです。

子供の場合は、小児鼠径ヘルニアといい、先天的な原因がほとんどです。

「鼠径管(そけいかん)」とは股関節の前方部分にあり長さは4~5cmほどです。男性は精管、血管、神経、リンパ管などを覆っている精索、女性は子宮と外陰部を繋いでいる子宮円索が通っている管です。

症状

鼠径ヘルニアは初期の段階では太ももの付け根辺りに膨らみが現れます。その膨らみは柔らかく手で押すと引っ込みます。痛みもないため気付かない人もいます。徐々に痛みが出るようになり、お腹が引っ張られるような感じがしたりと症状が出始めます。

鼠径ヘルニアを放置していると、はみ出た腸が押しても戻らなくなります。この状態の事をかんとんと言います。かんとんが起こるとはみ出た腸が締め付けられて血液の流れが悪くなり、腸や内臓が壊死し最悪の場合命に関わることもあります。膨らみが固くなり痛みを伴っている場合は早急に手術で元に戻す必要があります。

治療法

鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく薬での治療もないため手術が必要です。手術方法は主に2種類に分けられます。

「バッシーニ法」

これは昔から行われている手術方法でメッシュと呼ばれる人工補強材を使用しないやり方です。鼠径管の口を縫い、お腹の筋肉や筋膜を縫い合わせて補強します。ただし、縫い合わせた部分につっぱり感が出てしまうので痛みや不快感を感じてしまう場合があります。筋肉や筋膜が弱くなってしまうと再発に繋がる可能性があります。

「人工補強材を使用する」

メッシュと呼ばれる人工補強材を使用して穴を塞ぐ方法です。この手術の特徴は入院が必要なく、術後から歩くことができて日帰りができることです。腸が出てしまう部分にメッシュを使用します。術後の痛みやつっぱり感が少なく再発の可能性も低いため、ほとんどがこの手術方法です。

鼠径ヘルニアは3種類ある

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鼠径ヘルニアは大きく3種類に分けられています。

外鼠径ヘルニア

腹壁の外側に出てくるもので子供から大人が発症するほとんどがこの外鼠径ヘルニアです。カラダの右側に多くみられることが多いです。

内鼠径ヘルニア

鼠径部の後ろ側の腹壁を腸が直接突き破って出てくるもので中年以上の男性に多くみられます。

大腿ヘルニア

大腿(だいたい)ヘルニアは鼠径部の下あたり、足の方にある血管の脇にはみ出すもので、かんとんを起こしやすいです。出産後の女性に多くみられ早めの治療が必要です。

鼠径ヘルニア手術による合併症

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鼠径ヘルニアの手術をした際に合併症が起こる場合があります。発症してしまうと怖い合併症についてきちんと理解しておくことが大切です。鼠径ヘルニア手術中、術後による合併症はいくつかあるので紹介したいと思います。

鼠径ヘルニア手術中に起こる合併症

「出血」

手術中の血管損傷によることで出血が起きたりします。また電気メスなどによる焼却や圧迫、縫合をした場合は、同時に止血することができるので特に問題になるような出血が起こることは少ないと言われています。

「神経の損傷」

知覚神経の損傷が起こる場合があります。これは手術中ではなく、縫合する際に神経が巻き込まれてしまい損傷してしまうことで起こります。術後の不快感を感じる原因となることもあり問題視されています。知覚神経の損傷は約3%の人にみられます。手術を行った部分の下あたりが痺れるような感じがしますが、半年ほどで症状が治まることが多いです。

「精巣動静脈の損傷」

精巣を養っている内精動脈が精巣の近くで切離が起きた場合に、精巣の血行障害が起こってしまうものです。通常は鼠径輪の周辺で切離が起きても、精巣が壊死したり萎縮したりすることは少ないですが注意が必要になります。

「腸管の損傷」

ヘルニア再発の際の手術やヘルニアになっている期間が長い場合に、腹膜に腸管が癒着している場合があるため注意が必要です。

「膀胱の損傷」

内鼠径ヘルニアの手術では、膀胱が正しい位置に留まることができずにヘルニア嚢に出てしまうことがあり、気を付けなければなりません。膀胱の壁は厚く万が一損傷してしまっても、手術中に縫合し修復できれば、特に問題になるようなことはないそうです。

鼠径ヘルニア手術後に起こる合併症

「ヘルニアの再発」

手術をした後にヘルニアが再発することがあります。再発には様々な原因が考えられます。年齢を重ねることによって筋肉や腹膜が弱くなったり体力の低下によるもの、生活習慣によるものなどが挙げられます。鼠径ヘルニアを発症した反対側にヘルニアが起こることもあります。

「感染」

細菌感染によって炎症が起きてしまうことがあります。傷の浅い部分から膿がでているだけの軽症であれば、洗うことで良くなっていきますが、細菌が深くまで侵入し人工補強材(メッシュ)に感染してしまうと、一旦取り出し再び人工補強材を入れるため再手術を行わないといけません。そのためカラダへの負担も大きくなります。個人差はありますが、手術後すぐに発症する場合もあれば、数年経ってから発症することもあるようです。

「漿液腫」

漿液腫(しょうえきしゅ)とは体液が太ももの付け根辺りに溜まることによって、しこりやコブのように腫れる状態のことをいいます。ヘルニアの原因となっていた穴(筋肉の隙間)に体液が溜まります。体液が多く溜まってしまった場合は針で刺し体液を抜いたりしますが、少なかったり軽度のものであれば自然に治ります。これは、手術当日~2週間の間に起こることが多いです。

「血腫」

傷の内側で再出血が起こってしまう状態をいいます。手術の際は止血されているか確認はしていますが少ない確率で再出血が起こってしまうようです。再出血により腫れが出ますが、症状が軽ければ自然に治ります。腫れが大きく症状が酷い場合には、傷を開き止血する必要があります。手術当日~2週間の間に起こることが多いです。

「疼痛」

疼痛(とうつう)は手術から何週間も経過しているのに、痛みや違和感が消えず日常生活に支障をきたしてしまう状態のことをいいます。昔に比べると鎮痛剤などの普及により、耐えられない程の痛みで苦しんでいるという人は少なくなりました。原因としてはハッキリとわかっていないこともありますが、鼠径部を動かしている神経の障害や人工補強材の異物感によるものではないかと考えられています。

予防方法

鼠径ヘルニアは普段の生活の中で予防していくことができます。少しだけ意識すればできる簡単な方法を紹介します。

お腹に力を入れすぎない

荷物

重いものを持ち上げたりするときに息を止めがちですが、一呼吸おいてからゆっくりと持ち上げましょう。くしゃみもお腹に力が入るので、できれば座ってするのが望ましいです。

運動不足の解消

女性 ストレッチ

ランニングなど激しい運動はできない、続けられないという人は多いと思います。そんな人はいつもより歩く距離を少しのばすだけでも効果があります。ストレッチでカラダを伸ばしたり動かすことも良いです。無理な運動はかえって逆効果になるので注意してください。

肥満や便秘の解消

肥満

適度な運動をしたり、食生活の改善をして肥満や便秘を解消しましょう。食事はできるだけ3食バランスの良いものを食べるようにします。食べ過ぎは肥満に繋がるので食事の量には注意してください。便秘の人はトイレにこもっていきむことでお腹に負荷がかかるので、水分や食物繊維を摂り便秘を解消しましょう。

まとめ

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鼠径ヘルニアとは

・一般的に言われている「脱腸」のことである

・鼠径部に腸がはみ出してしまう病気

原因

・運動不足や加齢に伴う筋肉や腹膜の衰え

・妊娠、出産によって起こる場合もある

症状

・太もも辺りに膨らみが現れ押すと戻る

・重症化すると膨らみが戻らず痛みが出る

治療法

・バッシーニ法

・人工補強材を使用する

鼠径ヘルニアの種類

・外鼠径ヘルニア

・内鼠径ヘルニア

・大腿ヘルニア

鼠径ヘルニア手術中による合併症

・出血

・神経の損傷

・精巣動静脈の損傷

・腸管の損傷

・膀胱の損傷

鼠径ヘルニア手術後に起こる合併症

・ヘルニアの再発

・感染

・漿液腫

・血腫

・疼痛

予防法

・お腹に力を入れすぎない

・運動不足の解消

・肥満や便秘の解消

鼠径ヘルニアは誰にでも起こる病気です。鼠径ヘルニアは手術で治るので、放置せずすぐに病院を受診してください。そして適度な運動など、普段からできることをして予防していくことも大切です。

  
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