日焼けが痛い時の対処方法は?影響や注意点も紹介!

夏の一歩手前の春先から、すでに紫外線は容赦なく降り注いでいます。まだ春だからと油断して海沿いの道を歩いていたら、びっくりするほど日焼けしてしまうこともあります。運動会で帽子と日焼け止めを忘れて、気付けばくっきりTシャツの跡が・・・というパターンもよく見られます。

痛いほどの日焼けはやけどの一種です。女性だけでなく、男性や子供さんも日焼け後のケアが大切です。日焼けを放置してしまって、シミやそばかすになってしまえば後の祭りです。日焼けについて、今すぐ役立つ正しい知識とケアの仕方を学びましょう。

日焼け後の「痛い!」には、とにかく応急処置

日焼け

大変!うっかり日焼けをしてしまった!そんなとき、正しい対処をするかしないかで、その後のお肌の状態は大きく変わります。

特に、痛いほどの日焼けをしたあと何もしないでいると、痛みが長続きするだけではありません。皮がめくれてきてしまい、そのまま肌の色むらが残ってしまうこともあります。ここでは、日焼けをしてしまったあとの対処法をご紹介します。

ステップ1.やけどと同じように冷やす

日焼けをした当日の夜、肌がピリピリするときは要注意です。

軽度やけどと同様の炎症を起こしています。灼熱(しゃくねつ)感やヒリヒリする痛みは表皮熱傷という、やけどの分類1と同じ症状です。やけどの処置と同じように、日焼けした患部をすみやかに冷やす必要があります。冷やすことで日焼け(やけど)の進行をストップさせるので、痛みが和らぎます。また、日焼けによるダメージを少なくすることができます。

日焼けしたときの冷やし方についてです。最も効果的なのは、水シャワーを浴びることです。しかし、全身水シャワーを浴びると低体温症になる恐れがありますし、長時間は浴びることができません。腕など日焼けがひどい箇所だけでも冷水シャワーを5分程度かけ続けることで、日焼けによる炎症の進行を鎮めることができます。

冷水シャワーが難しい場合は、冷たいタオルで冷やします。氷を直接肌に当てることは、冷えすぎて凍傷になる恐れがあるので避けましょう。氷水を入れた洗面器でタオルをこまめに冷やします。それが面倒であれば、氷を直接タオルで包んで患部に当てるとよいでしょう。

ステップ2.保湿をする

ヒリヒリして痛いから、早く寝てしまいたい、朝起きたら治っているかも・・・と思いたくなるかもしれませんが、それは幻想です。日焼けした箇所を乾燥させてしまうと、痛みは増し、皮膚がめくれる大きな原因になってしまいます。充分に冷却したあとは、きれいに日焼けが完治するように、保湿をします。傷の手当でも、最近では患部を保湿する湿潤治療がもっともポピュラーです。保湿することで、早くきれいに治すことができるといわれています。

市販の保湿剤でもいいのですが、日焼け時はワセリンがおすすめです。ワセリンは、病院でも頼めば保険適用で処方してもらえます。赤ちゃんから使えますし、冬場の乾燥時期に体だけでなく、顔にも使えるので重宝します。テクスチャーが固いので、少し化粧水で溶いて顔の乾燥対策に使われることも多いです。

日焼けの処置のときは、ワセリン単体で塗るようにします。皮膚につけることで肌を保護する膜を作って、水分の蒸発を防いでくれます。肌の新陳代謝を促進して、日焼けした箇所を早くきれいに治してくれます。

ステップ3.空気にさらさない

せっかく保湿をしても、外気にさらすと乾燥していきます。日焼けでダメージを受けた肌は、とても敏感になっています。乾燥すると痛みもぶり返してしまうので、なるべく空気に触れないように患部を覆った方がよいのです。ワセリンで塗った箇所はべたべたするので、そのまま寝具に入るのも気になることでしょう。

そこで、きつくならないように気を付けてラップを当て、上から包帯で固定します。そこまでするのは面倒という人には、日焼け箇所を保湿したあと薄手の長そでなど、衣類で覆って寝ることをおすすめします。

翌朝には日焼けのほてりもなくなり、痛みも消えているでしょう。昨日は真っ赤だった日焼け後の肌も落ち着いています。日焼け後に皮がむけてきてしまうというのは、悲劇のパターンです。このパターンをもっとも効率的に防ぐことができる、自分で簡単にできる方法です。

それでも痛いとき

水ぶくれができるほどひどい日焼けをしてしまったときは、上記の方法でも痛みが引かないことがあります。これもやけど同様に、冷やすという自分でできる応急処置をしたあとは病院に行った方がよいでしょう。

病院では、痛みどめや炎症を抑える飲み薬、症状に応じた塗り薬を処方してもらえます。救急病院でも対応してもらえますが、遠方の場合などは頭痛などに効く痛み止めの市販薬を飲み、少しでも体を休めるようにしましょう。

日焼けをしたとき注意すべきこと

beach

日焼けしたあと正しい応急処置をして、翌日に肌が落ち着いていたとしても、同じことを繰り返してはいけません。せっかく海に来ているのに・・・泳ぎたい・・・太陽の下で楽しみたい!その気持ちはよくわかります。

せめて最低限の注意点を頭に入れて、賢くエンジョイしましょう。

さらなる日焼けはNG!

痛みが出るほどの日焼けをしたあとの肌は、大変デリケートになっています。翌日さらに多量の紫外線を浴びてしまうと、肌へのダメージは相当なものです。日焼け止めをつけることも、肌には刺激になります。

日焼け止めを落とすときにも、弱っている肌には避けたいメーク落としや石けんを使用しなければならなくなります。紫外線が強い時間の外出を避けることがベストですが、仲間と楽しみたいときや、先輩と来ているときなど、室内にいることができない事情もあるでしょう。

そんなときは、帽子や薄手の長そで、スカーフなど、衣類で肌をなるべく覆って直射日光を浴びないようにします。日傘がなければ雨傘でもいいので活用しましょう。背に腹はかえられません。そしてパラソルの中など、なるべく日陰にいるようにしましょう。

皮がむけてきたときは肌をいじらない

日焼けしたあと、残念ながら皮がむけてきてしまった場合もあきらめてはいけません。この後の対処法によって、肌の運命が決まります。

皮がむけてしまった肌は、自力で新しい皮膚に生まれ変わろうとしています。肌が再生する準備が整ったとき、古い皮は落ちて自然ときれいな新しい皮になります。まだ新しい皮膚の準備ができていないのに、中途半端で気になるからと肌をこすって日焼けした皮を取ろうとしてはいけません。そうすると、きれいになるまでに逆に時間がかかってしまうのです。

皮がむけてきているときは、保湿をして、新しい日焼けをしないようにします。中途半端に皮が向けた状態が気になる人は、少しの間、長そでを着るなどして見えないようにすれば大丈夫です。鼻の頭など、顔の皮膚再生は早いです。充分な保湿をすることで早くきれいになるだけでなく、再生中の肌も目立たなくさせることができます。

日焼けがもたらす影響とは?

サングラス

日焼をしてしまった直後や、これまでに深く考えず紫外線をたくさん浴びている人ほど、「もうどうせ無駄だから」と日焼けによる影響を考えなくなります。

または気にはなるけれど、考えないようにしようとしていませんか?今からでも遅くはないのです。日焼けした肌が好き、という人も、情報として目を通してみてください。

光老化は肌の弾力を奪いシワの元に

紫外線を浴びると肌が老化する、という話はよく耳にしますが、老化は年を重ねれば誰でも起こるものでは?という疑問が生じます。年配の方でも、たくさんシミがある人もいれば、多少のシワやたるみはあるけれど白くてきれいな肌の人もいます。

東北の人は高齢でも肌がきれいな人が多く見られますが、これは紫外線の量と無関係ではないのです。実際、首より上はシミやシワ、イボのような変形もあるという人でも、太ももには深いシワはなく白くてきれいなケースが多いのです。光老化とは、自然な老化現象とは質が異なるのです。

光老化と自然な老化現象の最も大きなちがいは、光老化は肌の表皮を厚く、色を黒くすることです。自然な老化は反対に、皮膚を薄くし、色を白くします。厚くゴワゴワになった皮膚は弾力性がなくなるので、深いシワが刻まれ、たるみができる要因となります。日焼した肌には、時と共にシミができることが多いのです。

でも、若い頃にたくさん日焼けをしてしまったからとあきらめることはありません。光老化は年齢を重ねるほどに受けやすくなるので、今から予防することで将来への影響を減らすことができます。

紫外線でガンになることも

紫外線は、細胞の中にある遺伝子を傷つけます。健康な身体には傷ついた遺伝子を修復する機能があるのですが、何度も繰り返すと修復を間違えることがあります。すると、突然変異がおきます。その突然変異の積み重ねで、がんを発症すると考えられています。

また、通常はがんが発症すると身体の防御システムが作用するのですが、がんを防いでくれるその作用をもたらす細胞は肌の表皮にあるのです。この細胞は、紫外線に当たるとがん細胞を見逃すようになるのです。つまり、過度な紫外線を浴びると、がんの原因を作ると同時にがんを防御する機能も危険にさらすことになるのです。

日本人に最も多い白内障の要因は紫外線

肌の紫外線対策はばっちりしている人でも、目の保護は考えていないことが多いようです。ところが、紫外線は目にも悪影響を及ぼすことがあるのです。

スキー場では皆がゴーグルやサングラスをかけていますが、これは紫外線から目を守るためです。うっかり何もつけずにスキーをしてしまい、翌日目が痛くてたまらない経験をされた方もいるのではないでしょうか。スキー場の紫外線は夏場の海と比べても何倍も多いので、こうした症状が顕著に現れます。

目が極度の紫外線を浴びることで、翼状片や瞼裂斑といった、紫外線が要因となる目の病気を引き起こしやすくなります。翼状片は乱視の症状が出て、手術をしても再発があります。瞼裂斑は白目に黄色のしみのようなものができ、充血やドライアイの原因になります。小学校高学年から発症するので紫外線をよく浴びる人で、言われてみれば昔から白目にシミがあったという人も多いのです。

また、日本人に最も多い皮質白内障の20%が、紫外線を要因とするともいわれています。進行すれば失明しかねない目の病気です。こうした紫外線による目への影響は、日焼けのように一見してわからないことが多いので、正しい知識を持って予防することが大切なのです。紫外線が強い日の外出時は、サングラスやUVカット機能付きメガネを着用するなどして、目を保護してあげましょう。

まとめ

日焼けしたときの応急処置法から、日焼けが私たちの身体に及ぼす影響までいろいろな角度から見てきました。過度な日焼けは痛いだけでなく、肌を老化させたり、病気の要因となるのです。ただ、日に当たることは悪いことばかりではありません。健康な骨や歯をつくるビタミンDは日光や紫外線に当たることでつくられます。また、私たちの心の健康にとっても、太陽の光は欠かせないものです。

日焼けした直後や、春先から夏にかけて最も紫外線の多い時期に対策をすれば、それほど神経質にならなくても大丈夫です。人間は先史から太陽の恵みを受けて太陽に感謝して暮らしてきました。文明が発達して、オゾン層の破壊などで紫外線の量は多くなり負の影響が注目されるようになりましたが、太陽の下で汗をかくことで免疫力が向上することも知られています。賢く太陽と付き合って、健康な心身を保つことで、毎日がより素敵になることでしょう。

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