ヘパリン類似物質とは?成分や働き、正しい使い方を知ろう!

ヘパリン類似物質という成分をご存知でしょうか?スキンケアにかなり詳しい人ならば、この成分を知っているという人もいるかもしれません。ヘパリン類似物質とは、皮膚科で処方される「ヒルドイド」という薬の主成分となる物質で、乾燥肌が引き起こす様々な症状を緩和してくれる働きを持っています。

この成分が配合されている薬には、クリームタイプのほかに、ローションタイプやスプレータイプのものもあり、肌の状態や好みの使用感によって使い分けることができます。また、市販薬としてドラッグストアなどでも購入可能です。

ここでは、ヘパリン類似物質の働きや効果、使用上の注意点などについてご紹介いたします。

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ヘパリン類似物質について

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ヘパリン類似物質は、肌の乾燥が引き起こすトラブルを緩和させる成分として、50年以上も前から日本で使われてきました。アトピー性皮膚炎などにも、ステロイド剤の代わりに、あるいはステロイド剤と併用して処方されることもあり、私たちの肌本来の働きを取り戻すために、非常に効果的な働きをしてくれます。

さて、それでは、ヘパリン類似物質とは具体的にどのような成分なのか、さらに詳しく見ていきましょう。

ヘパリン類似物質の成分は?

ヘパリンとは、もともと私たちの体内にある物質で、ヒアルロン酸やグルコサミン、フコイダンなどと同様に「ムコ多糖類」と呼ばれる粘度の高い物質の一種です。肝臓で生成され、細胞と細胞の間の水分を保ったり、血行促進や血液凝固を防ぐ役割をしています。

しかし、ヒアルロン酸をそのまま肌に塗ると、肌に浸透しづらいという経験がある人ならばわかるかもしれませんが、ヘパリンの場合においても分子量が大きいため、肌に塗っても浸透されません。

そこで、より肌に浸透し、効果の得られるものをと1949年にドイツで開発されたのが、ヘパリンの作用に似た働きをする「ヘパリン類似物質」だったのです。

現在使用されているヘパリン類似物質は、ブタの気管軟骨や肺などの臓器から抽出された成分を原料として製造されています。

ヘパリン類似物質の働き

私たちの皮膚には、もともと備わっている保湿力があります。しかし、何らかの原因によって本来の保湿力が低下し、肌が乾燥状態になると角質層がダメージを受け、肌のバリア機能が低下してしまいます。

すなわち、「乾燥肌」と呼ばれる状態になることで、ほこりや紫外線、摩擦などの外的刺激に敏感になり、様々な肌トラブルを招くというわけです。

ヘパリン類似物質は、以下のような3つの働きで、このような乾燥肌の根本原因を改善します。

<保湿・保水作用>

乾燥によって隙間だらけになってしまった肌密度を高め、潤いを取り戻し、肌本体のバリア機能を回復させることで、外的刺激から肌を守るよう作用します。

<抗炎症作用>

乾燥肌が招いた炎症を抑え、健康な肌に戻るよう作用します。

<血行促進>

血流量を増やしたり、血液凝固を抑制する働きがあるため、肌の新陳代謝が活性化され、新しい細胞の誕生を促進させるよう作用します。

このように、乾燥肌の改善でよく求められる「保湿・保水作用」に加えて、抗炎症作用や血行促進作用もあるため、乾燥肌を根本的に改善する有効な成分だと考えられています。

また、血行促進作用があることから、乾燥によるトラブルだけではなく、怪我による青あざやむくみ、傷跡の治癒促進のために処方されることもあります。

ほかの保湿成分との違い

保湿成分には、ヘパリン類似物質のほかにも、ヒアルロン酸やセラミド、ワセリンなどいろいろな保湿成分があげられます。どちらかというと、ヘパリン類似物質以外の保湿成分の方が、私たちの日常のスキンケアにおいては、馴染みが深いかもしれません。

しかし、同じ保湿作用を持つこれらの成分は、詳しく見ていくとそれぞれ異なる性質を持っています。代表的な保湿成分の特徴は以下のようになります。

<ワセリン>

角質層の上部に作用し、皮膚の表面に油膜を作ることで、角質層の水分が蒸発するのを防ぎます。水分補給というよりも、どちらかというと、肌にある水分を逃さないようにする「蓋」のような役割を果たします。

<セラミド>

天然保湿因子として角質層内部まで作用し、一時的に保湿能力を回復させます。本来、上皮部分の角質層に備わっている、細胞間脂質を構成する成分の一つでもあります。

<コラーゲン>

角質層内部まで浸透し、保湿力に優れ、水分を持続的に保持する働きを持っています。もともと体内にあるタンパク質のうちの3分の1をコラーゲンが占めており、表皮下の真皮部分では約7割を占めている成分です。

<ヒアルロン酸>

コラーゲン同様に保湿力に優れ、水分を持続的に保持する働きを持っています。コラーゲンよりも肌の奥深く(基底層)まで浸透し、乾燥肌などを緩和する効果がありますが、分子量によっては、基底層まで浸透しないものもあります。

<ヘパリン類似物質>

肌の表皮部分・真皮間の基底細胞に直接働き掛け、弱った細胞を修復するため、肌の内部構造から、皮膚の乾燥を改善することが可能です。

このように、ほかの保湿成分と異なるのは、ヘパリン類似物質は肌の奥深くまで浸透し、トラブルを起こしている皮膚構造そのものに働きかけることができるという点です。このような働きによって、本来肌に備わっている天然保湿因子の働きをサポートするため、水分保持やバリア機能の回復が期待できるというわけです。

効能

ヘパリン類似物質は、以下のような症状に効果があると考えられています。

進行性指掌角皮症/皮脂欠乏症/凍瘡/肥厚性瘢痕やケロイド/注射後の硬結や疼痛/アトピー性皮膚炎/血栓性静脈炎/打撲や捻挫などによる腫れ・痣・関節炎・筋肉痛/筋性斜頸(※乳児期の場合)

など

処方薬と市販薬

ヘパリン類似物質が含まれる薬には、皮膚科などで処方される「ヒルドイド」のほかにも、市販薬としてドラッグストアなどで購入することも可能です。

価格帯や薬の形状も様々で、用途も、皮膚の乾燥を防ぐためのものや、傷跡を修復するためのものなどがあげられます。

気になるのが、有効成分であるヘパリン類似物質の含有量ですが、0.3%含有のものが多く、これは皮膚科で処方されるヒルドイドと同様です。しかし、症状がひどい場合や、原因が不明の極度の乾燥、かゆみや出血を伴っている場合などは、医師による診察を受けて適切な薬を処方してもらうのが安心でしょう。

しかし、手頃に購入できるといった点では、市販薬も頼りがいのある存在です。また、市販薬にはステロイドが入っていないものがほとんどですが、心配な場合は、購入の際に薬剤師に相談すると良いでしょう。

薬の形状と用途

ヘパリン類似物質を含む薬には、処方薬、市販薬ともに、様々な形状のものがあります。処方薬の場合には、医師によって既に最適な形状のものが処方されていますが、市販薬として自分で購入する際には、症状や薬を付ける場所などによって、形状を使い分けると、より効果的です。

<クリームタイプ>

有効成分に水分と油分を混ぜたものですが、肌への浸透が良いため、クリームタイプによく見らるベタつきは少なく、大変使いやすいクリームです。伸びも良いため、広範囲で使用する際にも、使いやすいでしょう。

<ローションタイプ>

水溶性成分の中に有効成分が含まれており、通常のローションのようにサラサラした使い心地で、ベタつきがありません。そのため、体毛がある場所にも使いやすく、ベタつきによってかゆみを伴う人にもおすすめです。

また、ローションタイプの容器を変えて、スプレータイプになっているものもあります。手を汚さずに使える、広範囲に満遍なく使用できるといたメリットがありますが、場合によっては、通常のローションタイプのものよりも高価な場合がありますので、その点はよく確認し、用途に合わせて使用すると良いでしょう。

<ゲルタイプ>

水溶性成分に有効成分が含まれており、ローションよりもこってりとした、とろみのあるゼリーのようなテクスチャーです。クリームよりもさっぱりとしているため、重いつけ心地を嫌う人には、このゲルタイプがおすすめです。

市販薬で傷跡を修復する薬として販売されているものは、このゲルタイプのものが代表的です。

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ヘパリン類似物質を使用する際の注意点

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市販薬でも購入することができるヘパリン類似物質含有薬ですが、内服薬と同じように、れっきとした薬です。よって、副作用などを引き起こす可能性もゼロではありません。また、あらかじめ使用を避けた方が良い場合もあります。

ここでは、ヘパリン類似物質を使用する際の注意点や副作用について、ご紹介いたします。

ヘパリン類似物質を使用する際の注意点

先にも述べたように、ヘパリン類似物質には、血行促進作用・抗血液凝固作用があります。傷跡などを修復するためにはとても効果的な作用ですが、患部に出血が見られる場合や、じゅくじゅくした傷がある場合には、使用を避けましょう。

血液が凝固するのを防ぐ作用が、傷を治りにくくさせる可能性があります。

ヘパリン類似物質の副作用

ヘパリン類似物質は、とても穏やかに作用する成分ですので、長期間使用しても副作用が見られるケースは非常に少ないと言われています。

しかし、「ヘパリン類似物質含有薬」には、有効成分の他にも様々な添加物が入っています。皮膚が敏感になっている人や、もともと敏感肌の人の場合、添加物として含まれているパラベンやエタノールが刺激となって、赤みやヒリつきなどを感じる場合があります。このような場合は、すぐに流水で洗い流し、使用を中止しましょう。

また、普段、肌の丈夫な人においても、場合によって、発疹・発赤・かゆみといった副作用が出る可能性も希にあります。こういった副作用が見られた場合には、使用を中断し、医師または薬剤師に相談しましょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。健やかな肌は、健康の証とも言われています。ここでご紹介した、ヘパリン類似物質は、肌の乾燥や傷跡に有効な成分ですが、普段からこまめな水分補給を心がけたり、紫外線などのケアをして、肌の乾燥を防ぐ予防策も忘れずに行いましょう。

また、食生活や生活習慣を見直すことも、肌トラブルや傷を修復させる自己治癒力を高めるためには欠かせません。バランスのとれた食事や質の良い睡眠をとり、肌本体のバリア機能や回復力を発揮できるように気をつけたいものですね。

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