魚の骨が喉に刺さった!正しい対処方法と予防法について!

魚のタンパク質は肉よりも脂質が少なくカルシウムやDHCなどの栄養も豊富です。島国の日本では魚を食べて生きてきました。消化に良く、体内の不要な塩分を排泄する魚のタンパク質は育ちざかりのお子さんに食べてほしい食品です。なのに多くのお子さんたちは魚が嫌いです。

原因は骨があるからです。うっかり骨を喉に刺さらせてしまうと痛みと恐怖で魚が大嫌いになります。そうならないために、どうするか。また、刺さってしまったらどうするか。様々なテクニックで魚の骨を恐れない育児を目指しましょう。

魚嫌いを作る骨

臭い倍増

チマチマ手間がかかるわりにガッツリ食べた感じがなくて、下手すると痛い・・・これで子ども達は肉が好きになりがちです。ここで魚の骨について知ってください。

骨が刺さりやすい魚

よく食卓に上がる魚の中にも骨に気をつけなくてはならない魚がいます。日常、食べる機会の多い、サンマ・アジ・サバ・タイ・ホッケ・ウナギなどです。青背で脳の働きを良くするDHCが含まれているのに、骨がネックになって食べられないのは残念です。

ここで某病院で魚の骨を抜いたケースのベスト8をご紹介しましょう。トップはタイです。骨が大きいし硬いのでまるで釣り針のように刺さると深く刺さります。次はアジ、ついでサバです。大小さまざまな骨の大きさがある魚です。そして意外な第4位はウナギです。日常よく食べるかどうかは分かりませんが骨が薄くて短いのに刺さりやすい魚です。病院でもファイバースコープを使って慎重に取り除きます。家庭では対応しきれないかも知れません、無理は禁物です。次にサケ、サンマ、イワシと続きます。このあたりは刺さりやすい魚というよりも食べる頻度が高いから刺さったと考えていいと思います。第8位はカレイでした。小骨が多いので食べにくいことこの上なくて平べったいから満足感が薄いのかもしれません、小さなお子さんにはハードルが高いので大人の手助けが必要です。

刺さった時の心得

膿栓 取り方

刺さった喉の部位や骨の大きさ、刺さった深さにもよりますが、お子さんだとうまく説明できません。痛い、痛いと泣いて口の中を調べるのも苦労します。こんな時よくご飯を丸のみにしなさいという方がいますが、それは危険です。

骨が落ちればいいのですが、深く刺さっているとタイのように硬い骨なら傷を大きくして更に深く突き刺さりますし、ウナギのように軟らかくて細ければしなるだけで抜けません。

何より危ないのは窒息することです。痛みで泣いているお子さんの気道は緊張で細くなっています。そこに無理やりご飯を丸のみさせると命取りになりかねません。一つ確実に言えることは、魚の骨が刺さったからと言って決して死にません。見ていられないくらいに泣き叫んだとしても命に別状はないのです。命がけで挑むことではないのです。

親はどうしても慌てて口の中を調べようとして大きく口を開けさせ、喉の奥を見ようとして指で口を固定しようとするでしょう。それをしては危険です!痛みで容赦なく噛みつかれる恐れがあります。箸にハンカチか何かを巻いて固定用に使ってください。

まずは親が落ち着きましょう。お子さんの前でうろたえると、お子さんの恐怖心は一気に高まります。感じやすいお子さんであればショック症状を起こしかねません。大丈夫、取れるから怖くないよ、と努めて平静を装ってください。それが一番大事な心得といえるでしょう。

侮れない魚の骨

イワシ

例え痛みで大泣きしなくても、そのうち何とかなるだろうと軽視するのは考えものです。小さな骨が喉の粘膜に入り込み、化膿することは充分に考えられます。大きな骨や強い訴えがあれば即時対応しますが、グズグズすっきりしない場合、特にお子さんが高学年であれば要注意です。

下手に魚の骨が刺さったと騒げば、病院に行かされて痛い思いをすると想像すれば黙っている恐れもあります。

数日もあれば感染して化膿するので苦痛から黙っていられなくなるでしょう。問題はそこからです。そこそこ大きな病院でなければファイバースコープで取るということはできません。鼻からファイバースコープで骨を確認しながら、口からピンセットで取り除く処置になります。

もちろん、麻酔液で何回かうがいするようですが取る作業は大きな刺激です。刺さってすぐならまだ良かったのですが炎症部をいじられるから激痛です。あまりに刺さった場所が悪いと手術になります。たかが魚の骨と軽く考えず、いつまでも痛みが続いたり発熱があれば思い切って耳鼻科に受診しましょう。

魚の骨が喉に刺さらない予防

咳が止まらない病気

刺さった骨をどうするか、という事後処理よりも刺さらない方法を考える方がお子さんのためです。

急いで食べさせない

これが一番大事です。魚料理に慣れている方でも喉に刺さってしまうのは、急いで食べてしまった時です。

魚から骨を取る作業は、まず箸で身をほぐすことから始まります。そして口の中で骨の存在を確認し、感知したら口から出します。本当に小さな骨は奥歯でしっかりと磨り潰して飲み込むのです。この3過程でほぼ骨が喉に刺さることはないのですが、急ぐと骨ごとご飯と食べてしまって刺さってしまうのです。忙しい時に食べるものではないといえます。

大人なら自覚して慎重になりますがお子さんはそうはいきません。お腹がすいている時、早く遊びにいきたい時などはご飯やおかずをかき込みます。急いでいるなと判断したら、骨をちゃんと出しなさい、とか骨が刺さるからゆっくり食べなさい、など声掛けをしてあげてください。

一緒に食べていればこそ注意できますが傍にいないと注意できません。一人で食べさせる時はいっそのこと魚料理を出さないのも立派な予防です。

刺さらない魚料理

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焼き魚であれ煮魚であれ鮮度が高ければ、身をほぐした時に骨と身がバラッと分かれます。古くなると骨と身が一体化して取れにくいので刺さるリスクが高くなります。食材を購入する時に新しい魚を選ぶだけでも予防になります。

最近では「骨を抜いた魚の切り身」を売っています。刺さらないように躾けることは必要ですが、もしお子さんが魚の骨で痛い思いをしてしまって怖くて食べられないようでしたら当分、こういう骨抜き加工食材を利用するのも良い方法だといえましょう。フィレ、と書いてあれば骨抜き加工してあります。鯖フィレ、鯵フィレというように魚の名前にフィレと書いてます。お子さんに安心して使える食材です。

圧力鍋で骨が溶けるくらい煮込んだり、オーブンで骨がカリカリになるまで焼いて煎餅のように仕上げると刺さりません。小骨の魚ですと骨ごと揚げる方法もあります。

大きな骨だけ抜いて小骨ごとミキサーにかけて団子にすると、揚げても団子汁にしても抵抗なく骨が刺さる心配もありません。ただ、残らないようにしっかりミキサーにかけるのがコツです。骨ごと食べれるようにすればカルシウムも摂取できて一石二鳥です。

魚の骨が刺さった時の注意点

doctor

しっかり予防していても刺さる時は刺さるものです。後々念のために受診するかしないか別として急場の対応策を知っておくと安心です。

お子さんの場合

ないてる男の子

小さなお子さんで症状をうまく説明できない場合は必ず受診しましょう。世間でよく言われるご飯丸呑み、パンを噛まずに飲み込ませる、うがいさせる等は痛みで泣いてしまうと理解ができないし危険です。誤嚥して気道を防いでしまっては魚の骨どころではなくなってしまいます。

取れやすいように吐かせるという方法もあるそうです。逆流させる発想ですが、これも刺さった方向や位置によっては粘膜の深部に押し込んでしまいかねません。飲み込ませることであれ吐かせることであれ、口の中に何か入れるという考えは捨てましょう。

もし、大きく口を開けて泣いていればライトで口の中を観察します。少し見えているな、と思ってもピンセットなどの器具を使って取ろうとしないでください。学齢期のお子さんなら説得して喉の手前の骨なら取れます。

取った後は消毒のために塩をお湯に溶かして、体温と同じ温度に冷ましてからうがいをさせてください。うがいして吐いたものに血が混じっていないかどうかも観察しましょう。もし、出血が見られたら翌日お子さんに、唾をのみ込んで痛いかどうか、うがいして血が混じるかどうか確認してみてください。

もし痛みや出血がまだある場合は、骨やピンセットが傷ついた粘膜に接触して細菌に感染しているかもしれないと判断して、食事は軟らかいものや水分の多いものにして受診しましょう。耳鼻科へ行きます。念のため体温も計っておいてください、感染して発熱があるかどうか医師にとって大きな診断材料になるからです。

もし目視できないところに刺さっていて、受診してファイバースコープでも確認できないのに痛みがひどくて患部が炎症しており、明らかに魚を食べている時に発症したとなるとCT検査を指示される可能性があります。その時、放射能被ばくについての説明を受けてください。大人よりもお子さんの被ばく量は高いものです。後々心配しなくて済むように医師から納得のいく説明を受けましょう。

大人の場合

哲学

大人は忙しいので自分のことは後回しになりがちです。痛みも多少は我慢してしまい食べることはおろか、唾を飲むのも激痛で眠れなくなってからの受診がほとんどです。鼻からファイバースコープを入れても長期間放置した骨は、粘膜深部に達していたり炎症が悪化して見えなくなっていたりします。

そこでCT検査になりますが個人の耳鼻科では設備がなくて総合病院に紹介され、そこで発見できなけれが大学病院に回されます。この間もずっと衰弱するので社会生活を続けるのは困難です。

魚骨異物症という立派な診断名がつき、入院して手術になります。喉に限らず、舌の奥に刺さり込んでしまう舌迷入魚骨異物ではCTに写りにくく、手術しながらCTで確認するという大手術になった例も報告されています。このケースでは13日間の入院になりました。長時間の術後経過観察が必要だったからです。侮らず早めに受診していればここまでの時間は要らなかったでしょう。

まとめ

私たちの健康に欠かせない魚のタンパク質ですが、昔も今も骨をどう避けるかが大きなテーマです。小さいお子さんで魚の骨で痛い思いをした記憶を持ってしまうと生涯、魚恐怖症になる可能性があります。

魚のタンパク質というメリットが持てないのは、もったいないだけでなくお子さんが大人になった時、自分の子供に魚の食べ方を教えたり魚料理ができません。根気よく、注意しながら魚の骨と付き合う価値は充分にあります。

魚大好き!と言えるお子さんであれば将来、健康な成人として生きていけます。そのためにこの話がお役に立てば幸いです。

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