承認欲求とは「誰かに認めてもらいたいと思っている感情」のことで、誰しもが必ず持っている欲求のことです。この承認欲求と言うものは度を越すと手を焼かされてしまいます。
しかし、誰かに認めてもらうために自己アピールをすることは生きていく上で絶対に必要なことです。でも自分を出し過ぎる人は近寄り難く、承認欲求が強い人に対してしんどさを感じてしまいます。承認欲求が強い人は自分の都合しか考えずに平気で相手の領域に入っていくからです。
ではどんな時に承認欲求を感じるのでしょうか。今回は承認欲求が強い人の特徴をご紹介します。
承認欲求が強い人の特徴
承認欲求が強い人には特徴があります。
承認欲求が強い人が身近にいて悩んでいる人や、自分が承認欲求が強い人間かもと思っている人はぜひチェックしてみてください。
①寂しがり屋
InstagramやTwitterなどのSNSで特に多いのが、人から注目を集めたり、反応があることで、寂しさを紛らわせるとともに、他人から認められていると感じるのです。
寂しがり屋さんは自分の近くに仕事ができる人や目立つ人がいたり、自分は面白みのない普通の人間だと思っているため、SNSを通して、自分ができることや他の人が憧れるようなものを必死にアピールして注目されたい、評価されたいと感じる人です。
他人から認められることで、日ごろ感じている他人との優劣や無力感を紛らわせているのです。
他人から必要とされない、いなくて良いという気持ちをSNSを使って回避しているのです。
②目立ちたがり
他人よりもすごいと思われたり、目立つことをしたがる人が多いのも承認欲求が強い人の特徴です。
例えば、関西の大学生が某テーマパークで迷惑行為を行い、事実と異なる写真をSNSにアップして問題になったという事件や、コンビニのアイスの入ったケースに入る「バカッター」が以前問題視されました。
自分が他の人とは違うことをアピールしたり、他人から注目されることで、自分は特別な人間だ、すごい人間だとさ隠して、行動がエスカレートします。
自分が他人から認められたり注目されることで、快感や安心感を得るいわゆる自己顕示欲の強いタイプで、次々と人とは違うことをやってみたり、嘘や誇張表現で他人から注目を得ようとしています。
③ストレス解消として
例えば、学校ではいじめられたり、1人でいることが多いけど、SNSやYoutubeなどで少し有名で明るい表情を見せている学生さんや、仕事とプライベートで全然違う表情を見せる同僚はいませんか?
ひとつのコミュニティーで孤独感や疎外感などを感じているが、そのほかのコミュニティーにおいて明るくふるまい注目されることで、そのバランスを取っているのです。
1つのコミュニティーで自分の存在意義や優位性を見いだせないというストレスを、もう1つのコミュニティーで解消させているのです。
しかし、普段の自分では満足することができないため、普段のコミュニティから目をそらして、もう1人の自分を作り出して認められようとしているのです。
④人の話は聞かないけど同意は求める
承認欲求が強い人はとにかく話しまくります。相手が話してることを中断してまで自分が話したいと思っています。それなのに、自分の話を中断させられると不機嫌になります。
さらに、常に同意を求めてくるのでめんどくさいと感じられることも少なくありません。
これは全部自分の都合を優先しているため、起こってしまいます。常に話して同意を得ることで満足感を得ることができます。
つまり、満たされていないと感じていると言えるのです。
⑤勝手に自分語りを始める
よくインスタなどのSNSで自分がいかに充実しているか、自分が頑張っていることとか、自分の過去についてなど、他の人が別に得をしないようなことを平気で長々と発信している人がいます。実際、このようなことを発信されて嫌がる人がたくさんいます。
また、ニュースなどをシェアして、自分の主張を述べ、挙句の果てに「みんなもこうしたほうがいい」と押し付けるようになります。このような意見も自分語りになっていると鼻についてイラっとしてしまったりする人がいます。
発信している人は相手のことをまるで考えていないため、ブロックしたり読まなくても何ら問題はありません。
⑥相手のせいにする
承認欲求が強い人は自分を守るために一方的に相手に責任を押し付けます。そのため、承認欲求の強い人と一緒にいると、責任を押し付けられてしまう可能性があります。
そのため、そのような人とは離れたほうが安全です。相手がどんなに噂を流しても最終的にはあなたを支持するでしょう。
⑦家族や身内がとにかく大切
承認欲求の対象は自分や家族、友人などといった身内が基本です。そのため、承認欲求の強い人は仲間想いだと言えます。ただし、明らかに自分の身内が原因であるトラブルが発生したときに、真実を無視して、身内をかばってしまうところがあります。
そのため、深刻な悩み事を相談することができる相手とは言い難いと言えます。
⑧仕事は頑張る
承認欲求が強い人は褒められることが大好きで目立ちたがり屋なので、スタートダッシュが早いです。何か新しい企画が立ち上がったら、素早い行動力と段取りで仕事をサクサク進めていきます。しかしある程度仕事ぶりがみとめられて落ち着いたり、逆に上司から全く評価されない状態が続くと気持ちが萎えてしまい、仕事のペースが遅くなります。
承認欲求の強い人は仕事に関して持久力が無いと言えるでしょう。
⑨他人のことを褒める
承認欲求の強い人は自分が褒められることを快感に覚えるため、他人に対してもよく褒めるようにしています。性格もフレンドリーなため友人が多い傾向にあります。
ただし、人をランク付けしたり、自分の居場所や性格のこだわりが強い傾向にあります。
承認欲求が強い原因
ではなぜ承認欲求が強くなってしまうのでしょうか。ここでは承認欲求が強くなる原因をみてみましょう。
①他人の目が気になる
承認欲求が強い人は他人の目が気になってしまう傾向があります。他人から自分がどのように思われているのか、常に気になります。
そのため、自分が良いと思ったことに対して他人が良い評価をすると、とても安心感を覚えます。
さらに、自分はどうしたいか、なぜそうするのかなどと言った芯が弱いため、周囲の人の価値観に振り回されやすいです。価値観は十人十色で、自分の価値観を大事にする必要がありますが、承認欲求が強い人は他の人の考えを重視し、自分の信念が無いため、承認欲求がより強くなるという悪循環に陥ることになると言えます。
②両親から十分に愛情を受けなかった
幼いときに両親から褒められられることが無く、否定的な言葉で育ってきた人は承認欲求が強い傾向があります。自分はこんなに頑張っているのに、両親から褒められなかったという経験が多ければ多いほど、愛情を感じられず、欲求不満がたまってしまいます。
一番近くにいて、愛情をもらいたい両親から、自分が満足できるような言葉をあまりもらうようなことができず、愛情を感じないで育ったということが承認欲求が強い人間になってしまった原因だと言えるでしょう。
愛情不足でその寂しさは大人になっても癒されることがないため、自分を認めてもらいたい、褒めてもらいたいと強く思い、他人に対して求めてしまうのです。
③大きな挫折を経験したことがある
子供のころから夢や目標のために努力をしてきたのに、怪我や環境の変化などにより、達成することができず挫折をしたということも原因として挙げられます
自分がずっと頑張ってきたのに、その夢や目標を叶えることができなくなってしまったことで、心に大きな傷ができて、癒せないのです。
プライドが高い人に特に多いです。
本当は自分はもっとレベルが高いのに、そうでない平凡なレベルにいるというように自意識過剰な考えを持ち続けているのです。そのため、その心の傷を癒やすために、もっと他の人から認められたいと思い、納得のいくような結果が得られないと、また不満に思ってしまうのです。
④過去の栄光にしがみついている
人生の中で、一度でも周囲の人から賞賛されたり、表彰された経験があり、その過去の栄光にしがみきつづけることで、承認欲求が強くなってしまっている人がいます。
自分はこんなにもすごい人間であるという自己顕示欲の塊で、心が満たされないでいると、本当の自分はこんなもんじゃない、もっとできる人間なんだといううぬぼれが出てきます。
そのため、自分をもっと褒めてほしい、本当はすごい人間なんだということを認めさせたい、という欲求が強くなるのです。
特に良い結果を出すために努力や行動をそこまでしていないのに、過去にたまたま得た栄光に関する事柄において、これだけは周囲の人間よりも優れているんだという、想いを募らせてどんどん承認欲求が強まっていくのです。
承認欲求が強い人にはどう対処したらいい?
では承認欲求が強い人にはどのように対処したらいいのでしょうか。
承認欲求が強い人はめんどくさい一面があるため、うまく対処することができればそのめんどくささを軽減することができるでしょう。
頑張ったことに対して素直に褒めてあげる
承認欲求が強い人は認めてもらった経験が少なかったり、幼いころに褒められずに否定されて育った人が多いです。
また、どんなに頑張っても報われないという経験から、人から褒められたい、認められたいという考えが非常に強くなるのです。
もしあなたが、承認欲求の強い人と、仕事をするようになった場合にはまずは、その人を認めて褒めてあげましょう。
あなたや他の人にとっては難なくこなせるようなことであっても、その人にとっては苦手なことで、とても頑張って行った業務かもしれません。もしくは自分の気持ちも正常な状態にするために、できて当たり前なことと認識していながら、人に認めてもらいたくてしょうもないことを言ってくるかもしれません。
しかし、そのやったことを褒めてあげることで、その人の心が満たされ、納得し、成長していくチャンスとなるのです。まずはその人が行ったことを褒めてあげることを意識しましょう。
⑥あまり深入りしない
承認欲求が強い人のなかに、「自分が一番じゃないと気が済まない」と思っている人がまれにいます。そのように思う人は以前誰かに負けてとても悔しい思いをしたという経験があり承認欲求が強くなっていることが多いです。
このような人に深入りしてしまうと、あなた自身がとても苦労することになってしまいます。
「評価してほしい」「認めてくれたらそれで満足だ」という人であれば良いのですが、「自分が一番じゃないと嫌だ」と思っている人は周囲の人の共感を欲しがります。
このタイプと深くかかわってしまうと、常に共感をしてあげながら、承認欲求が強い人を追い越さないように2番手を意識して、キープしないと機嫌が悪くなったり怒りだしてしまうなどとてもめんどくさいことになります。
このようなタイプの人間には深入りせずに関わりをあまり持たないほうがいいでしょう。
⑦相手が部下の場合は目標を一緒に考える
自分が上司の立場で、直属の部下の承認欲求が強くて悩んでいる人もいるのではないでしょうか。このような場合はまず部下と一緒に目標を考えて見ましょう。
上司であるあなたにとって、ごくごく普通の仕事の仕方であっても、それをしっかりと部下に伝えて上げないと、相手はその仕事に対して過剰に評価をしてほしいと思います。
それを受け入れ評価してあげるのもいいのですが、あまりにもできて当然のような仕事に対して褒め続けるということをしてしまうと、あなたもストレスが溜まり、部下もステップアップをすることができません。
まず「成長過程がこのような感じで、この時期までにここまでできるようになろう」などと具体的な目標設定をしましょう。これを行うことで、途中の工程ができるようになっただけで、「評価して!」と言われてしまうなどの不都合を防ぐことができます。
⑧自分に自信を持たせる
承認欲求が強い人の中には、自己評価が低く自信がなくてそのようになっている人もいます。「私は本当にだめなやつだ」と思っていながらも誰かに認めてもらいたいと思っていることがあります。
この場合の原因は、自分に自信がないことなため、自信を持つことができるように、日ごろから認めて上げたり、話しかけてみることが大切です。
例えば、些細なことでも「ありがとう。気が利くね」や、「すごく得意なんだね」と褒めてあげることで自信がつき、承認欲求から解放されて、イキイキとすることがあります。
ただし、人によっては褒められることで図にのってしまうことがあるため、適度に行いましょう。
承認欲求をなくすにはどうしたらいい?
では逆に自分が承認欲求が強いタイプの場合、承認欲求をなくすにはどうしたらいいのでしょうか。
①人から嫌われることにたいして恐怖を感じない
承認欲求の強い人は人から嫌われることにたいして強い恐怖を持っており、嫌われたくないという気持ちで本音を言うことができません。
嫌われたくないからといって、相手の気持ちを考えた発言がとても多いです。もちろん相手の気持ちを考えて発言することは悪いことではありません。しかし、誰かから相談を受けた場合は、相手はあなたの本音が知りたいのです。でもあなたは本音を言うことができずにいて、相手はあなたから本音を聞き出すことができずにモヤモヤしてしまいます。
時と場合によっては本音をはっきり伝えるのはとても大切なことです。はっきり言ったからといってあなたのことを嫌いにはなりません。もしそれで嫌われてしまった場合はもう仕方がないことです。
人間の考え方や性格は十人十色なため、合わない人間がいて当たり前です。あなたの本音を聞いて嫌いになってしまうようなら、そこまでの関係だったのです。人はこのようにぶつかって人間関係をつくっていくものです。
このようにすることで、承認欲求をなくすことに繋がります。
②嫌なことを断る勇気をもつ
承認欲求の強い人は人目を気にするあまり、誰にでも好かれるような良い人になろうとします。自分が嫌なことも断ることができません。しかし時には自分が嫌なことやできないことは断る勇気が必要です。
承認欲求が強い人は人の頼みを断ることで、自分がわがままに感じられたり、人に嫌な人だと思われるのがとても嫌いなのです。
良い人でい続けるのは大変疲れます。時には自分の気持ちを表に出して、断っても良いのです。
③自分で自分を褒める
承認欲求が強い人は褒められたいという気持ちが強いですが、自分で自分を褒めることができません。そのため、承認欲求をなくすために小さなことでも自分で自分を褒めると言う事がとても大切です。そのようにすることで、承認欲求を失くしていくことができます。
どんなに小さなことでも良いので、自分を褒めたり、たまにご褒美を挙げたりしましょう。
④自分の自信になるようなものを見つける
承認欲求が強い人はすべてに対して自信がありません。周囲からの評価で自分を保たせています。承認欲求をなくすには自分に自信をつけることが大切です。趣味でも仕事でもなんでもいいので、自分に自信が持てる得意なことを見つけるのです。そして上手にできたら自分を褒めるのです。
そのように自分に自信を持てるようななにかを見つけて、自分に自信をつけることで、承認欲求をなくしていくことができるでしょう。
⑤1人で行動してみる
承認欲求が強い人は寂しがり屋で、いつも誰かと一緒にいないと落ち着きません。誰かいないと自分の価値を見出すことができないのです。時には1人でいることもとても大切です。1人でどこかへ行ってみて、楽しいことを見つけてみましょう。1人で行動してみると新たな発見や得意なことが見つかり、承認欲求をなくすことができるでしょう。
まとめ
承認欲求はモチベーションを挙げて行動するためには無くてはならないものです。しかし、他人に対して認めてもらいたいという想いが強ければ強いほどそれは邪魔になってしまいます。
承認欲求の強い人と関わる時はうまく関わって、自分のストレスにならないようにすることが大切です。もし、自分が承認欲求の強い人である場合は自分のことを褒めたり、自分が自信になるようなことを見つけることが大切です。
承認欲求は改善することができるためもし悩んでいる方なくす方法を試してみると良いでしょう。
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