誰もが陥る確証バイアスとは?具体例や脱却する方法を紹介!

人生の中で、当たり前、これは絶対に正しいと思っていたことが、実はそうではなかったということはよくあります。信じていた人に裏切られたり、絶対に安全だと思っていたことがそうではなかったりと、わたしたちの日常には、そうしたことがたくさん潜んでいますよね。

たとえば、大きな地震が起きた時、津波が起きた時、「ここだけは安全だと思っていた」というような言葉を耳にすることがあります。絶対安全とは言い切れないはずなのに、なぜわたしたちはそう思い込んでしまうのでしょうか?そこには、心にそう信じ込ませる、確証バイアスという心理効果が働いているのです。

では、確証バイアスとは一体どのようなものなのでしょうか?思い込みに捕らわれないためにも、確証バイアスについてきちんと知り、対策を取ることが必要です。

誰もが陥る確証バイアス

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よく、「バイアス(偏見)かかってる」という言い方をすることがあるので、バイアスという言葉自体は耳にした覚えのある人が多いかも知れません。「確証バイアス」というのは、あまりピンとこないかも知れませんね。

しかし、確証バイアスは誰しも影響を受けている、非常に身近なものです。では、確証バイアスについて説明しましょう。

確証バイアスとは

確証バイアスとは、社会心理学における用語で、自分の先入観で対象物を見て、都合のよい情報だけを信じることを言います。自分の考えが合っているという証拠だけを集めて信じ、都合の悪いこと(反証情報)には目を向けないのが特徴です。

誰しも、世界的、世間的に広く受け入れられている考えが正しく、少数派の考えは間違っていると考えてしまいがちです。こうした社会肯定や自己肯定の根幹をなしているのが、確証バイアスだと言うことですね。

無意識下の傾向ですから、あまり意識することはないでしょうが、日常生活のあらゆる場面で、確証バイアスは潜んでいるのです。信念を持つのはよいことですが、そればかりに捕らわれてしまうと、自分にとって都合のよい情報だけに触れ、偏った情報だけがどんどん蓄積されていき、正しい、客観的な判断が難しくなっていきます。

陥りやすい確証バイアスの例

では、具体的に確証バイアスがどんな形で現れるのか、ご紹介しましょう。あなたにも、思い当たる節がいくつかあるのではないでしょうか?

大企業に入れば一生安泰

昔は、大手企業に入社すれば、年功序列で給料が上がっていき、昇級などもできて、ほぼ自動的に待遇がよくなっていくものでした。今は時代が変わって、大企業でもいつ倒産するか分かりませんし、実力がなければいつまで経っても給料が上がらない会社も増えてきましたよね。しかし、かつての時代のなごりからか、どこかに「大企業に入れば安心」という思い込みが残っているようです。就職する時、中小企業が人材確保に苦労しているのもこのためではないでしょうか。

このように、「大企業に入れば安心」という確証バイアスに囚われている人は、大企業に対するよい情報ばかりを収集し、それを否定するような情報には触れようとしません。仮に触れても、疑ってかかり、信じようとしないでしょう。

さらに恐ろしいのは、確証バイアスがより強固なものになると、自分と違う生き方をしている人を批判するようになる点です。世の中には、大企業にこだわらず、自由なキャリア選択で、自分の好きな仕事をしている人もたくさんいますよね。そうした人を受け入れられなくなるという、少し怖い一面もあるのです。つまり、そうでない人に対する偏見を持ってしまう、ということですね。

大企業は安心だと妄信的に信じると、いざ倒産した時に路頭に迷うことになりますから、広い視野で物事を見ることが大切です。

恋愛における確証バイアス

ダメ男を好きになってしまい、なかなかその人と別れられない女性は、割と多いのではないでしょうか?周りから見れば、どう見てもダメな彼氏で、別れた方がその人のためになるのですが、本人は「この人じゃないと幸せになれない」という確証バイアスに支配されているため、別れを決断できないのです。

たとえば、浮気をされても、よかった頃のことを思い出し、「また元通りになる」と信じてしまったり、DV彼氏であっても、普段はとても優しく、暴力を振るった後は泣きながら謝罪することも多いため、「この人にはわたしがいなくちゃ」と思い込んでしまうのですね。どんなに彼がダメな人であっても、よい面だけ見てしまうため、正常な判断ができないのです。

しかし、DV彼氏の場合、過度な暴力によって命の危険にさらされることもありますから、よい面だけを見て、いつまでも関係を続けていては危険です。こうした傾向は、ストーカー化しやすいヤンデレ男などにも共通しますので、注意が必要ですよ。

若者に対する確証バイアス

よく、年配の人たちが「今時の若いやつは」とか、「昔はもっとよかった」などと愚痴をこぼすことがあるでしょう。これも、確証バイアスの1つです。誰しも、自分より年下の人に対して、よい感情は持ちにくいものです。

「自分たちの若い頃はもっと頑張った」「最近のやつは甘えている」などと、自分たちの時代と比較して悪口を言うものです。やはり、自分が当たり前にやっていたことをやっていなかったり、見た目も発言も未熟だったりすると、文句を言いたくなるのは当然でしょう。しかし、時代が違いますし、物事の考え方も刻一刻と変わってきているのです。

そうした違いに気づかず、気づいても受け入れられない姿勢こそが、確証バイアスなのです。昔と今など、単純比較して評価できるものではないのに、「自分は正しい」と思い込み、現実を受け入れられずにいるのです。

「男というものは~」とか、「女ってこうだよね」などという決めつけも、確証バイアスの代表的な例です。自分にとっての常識が、社会的な常識とは限りません。常識は時間と共に変わるものです。いつまでも固執していると、時代とズレてしまいます。

誤った情報を信じる確証バイアス

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上記の理由で、実は間違った情報、偏った情報なのに、それを盲信してしまうことがあります。自分にとって都合のよい情報ばかり集めるということは、すなわち誤った情報を集めることでもあるからですね。

物事を正しく判断するためには、あらゆる方面から情報を集め、多角的に見つめなければなりません。しかし、自分にとって好ましい情報だけを集めて答えを導きだそうとするために、結果的に間違った判断を下してしまうのです。

たとえば、友達同士でケンカになった場合を想像してください。自分の意見を通したいがために、あなたの肩を持ってくれる友達や言い分の同じ友達ばかりを求めていませんか?人間誰しも、孤立するのは辛いですし、味方がほしいものです。同じ意見を持った仲間は、非常に心地よいですよね。

しかし、偏った判断で、自分の味方を集めても、問題の解決にはなりません。本質を見るためには、第三者の目が必要なのです。時には、自分の過ちを認めることも必要です。

ビジネスシーンでは危険な確証バイアス

このように、確証バイアスに沿って物事を判断してしまうと、仕事面でも大きな弊害があります。

ビジネスシーンでは、常に新しい視点やアイディアが求められますよね。しかし、確証バイアスはこれまでの経験を元に導き出された思い込みであり、それは往々にして正しくないものです。

そんなものに頼っていては、いつまで経ってもよいアイディアなど浮かんできません。だから、確証バイアスはビジネスシーンにおいて致命的なダメージを与えることすらあるのです。

確証バイアスに陥りやすい要素

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では、なぜ確証バイアスに陥ってしまうのでしょうか?確証バイアスは、本人にとっての、「都合のよい思い込み」です。

人間は不確かなものごとを判断するのが苦手ですから、マイナスの要素が確証バイアスを引き起こす原因と言えそうですね。

悩み

まずは「悩み」です。人間誰でも悩みを抱えているものですが、悩みや不安にとって、これまでの経験から導き出された確証バイアスは、非常に頼もしい存在に思えます。

しかし、「これまで○○だったから、きっとこうだ」「今まで大丈夫だったから、今度も大丈夫だよね」といううような思い込みによって、やがては重大なミスにもつながってしまうのです。

悩むことは辛いことですから、少しでも早く解決しようと、知らず知らずの内に確証バイアスに陥ってしまうのですね。人間誰しも迷うものですから、迷ったり悩んだりした時ほど、頭を冷やし、冷静な判断を心がけましょう。

また、確証バイアスに囚われてしまうと、思った通りの人間になってしまうことも分かっています。たとえば、自分はモテないと思い込んだり、仕事ができないと思い込んだりすると、本当にそんな人間になってしまう、ということですね。

なぜかと言うと、確証バイアスは思い込みですから、「どうせ自分は・・・」とダメな部分にばかり目を向けていると、よい面を見落としてしまい、結果的に思っている通りの(ダメな)自分になってしまうのです。マイナスな思い込みはマイナスの現実を引き寄せるということですね。

自己認識

確証バイアスは日常生活のあらゆるところに潜んでいます。人間が持っている傾向なのですから、避けて通ることは非常に困難だと言えるでしょう。中でも、確証バイアスが自分自身に向いてしまうことを【自己認識】と呼びます。つまり、「自分は優柔不断な人間だ」「自分はマイナス思考だから何をやっても上手くいかない」など、自分に対するマイナスの思い込みです。

事実を客観的に受け入れ、改善策を探すならよいのですが、こうなるとマイナス要素ばかりを集めてしまい、「自分=ダメな人間」と決めつけてしまうのですね。必要以上に悩んだり、自分が持っているよい面に気づくことができず、悪い面にばかり目が向いて、さらに悪い状態に入ってしまうという悪循環に陥ります。

振り込め詐欺にハマってしまう理由

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いまや、詐欺の代表例とも言える振り込め詐欺。ニュースでも度々取り沙汰されていますが、一向になくなりません。もちろん、相手も頭を使いますから、手口を変えてくることは分かります。しかしそれ以上に、人には詐欺にハマりやすい性質があることも分かっているのです。

では、なぜあれだけ話題にされ、繰り返し警告されいるのに、被害は減らないのでしょうか?

自分だけは大丈夫だという思い込み

それは、振り込め詐欺が、確証バイアスによって成り立っているからです。人は、まさか自分が詐欺の被害に遭うとは思っていません。そして、自分の判断を信じ、少しくらいおかしな点があっても、つじつまの合うように修正してしまう性質を持っているのです。

また、1度にお金をだまし取られるのではなく、複数回にわたって大金をだまし取られるケースが多いのも、この確証バイアスが働いているためです。もしも1度支払ってしまうと、自分は騙されていない、と信じたいがために、詐欺ではない証拠ばかりを集め、「ほらやっぱり騙されていない」と信じようとするのです。テレビを通して第三者が見るように、状況を冷静に判断することができないのです。

そうした人を減らす目的で、銀行では「振り込め詐欺じゃないですか?」と声かけする運動をしていましたが、最近ではそれを禁止している銀行も現れたようです。というのも、声かけを行うことで相手を怒らせてしまい、より一層冷静さを欠き、確証バイアスから抜け出せないということにつながるからです。

アンカリングの落とし穴

確証バイアスではありませんが、心理効果として、アンカリングというものもあります。これは非常に身近なもので、通販などでも使われている心理効果ですよ。では、アンカリングによる認知心理的プロセスを説明しましょう。

まずはアンカーセットです。これは、たとえばTVなどの通販CMで「製品Aが通常価格50,000円のところ、特別に20,000円引きの30,000円で提供」というような売り文句があったとしましょう。この時、頭の中では50,000円がアンカーとなり、無意識の内に50,000円モードになってしまっています。

そして、50,000円と告げられることで、頭の中では様々な想像が働きます。まず、50,000円に相当する製品の使い心地と、紹介された製品に対するプラスのイメージです。製品Aが掃除機だと仮定すると想像がつきやすいかも知れませんね。

日頃安い掃除機を使っている人が50,000円の掃除機と聞いたら、高級な、最新のものを想像することでしょう。また、それだけ高いのですから、当然、性能もよいと思い込み、頭の中には製品Aに対するプラスのイメージばかりが膨らんでいきます。だから、50,000円という価格にも納得してしまい、そこから値引きされると「安い」「お買い得」だと瞬時に感じてしまうのですね。

そして、50,000円の製品Aとしてのイメージから、TVCMの視聴者は、自分なりの評価額を出します。たとえば35,000円や25,000円ですね。自分の評価額が25,000円ならば特別価格の30,000円でも高いですが、もともと50,000円というアンカーを提示されているため、無意識のうちに評価額は高くなりがちです。

すると、「30,000円ならお買い得だから買っておこう」という思考につながりやすいのですね。通販だとついつい要らないものも買ってしまうのは、こうした心理効果も働いているのです。

確証バイアスから脱却するには

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このように、確証バイアスから逃げ出すことは非常に難しいと言えます。しかし、まったく不可能というわけではありません。

では、無意識下に潜む確証バイアスから脱却するためには、一体どうしたらよいのでしょうか?

盲点の解消

人は誰しも、自分は特別だと思ってしまう傾向にあるようです。さきほど紹介した振り込め詐欺でも、「まさか自分が」と思っているから引っかかってしまうのです。また、自分の家族や友人に何かが起きた時も、「まさかうちの子が」「あの人だけはそんなことないと思っていた」というように、どこかで特別視してしまうのです。どこにもそんな保障はないにもかかわらず、です。

全国消費者生活相談協会の話によれば、振り込め詐欺に遭った人ほど、「まさか自分が」「自分は騙されない」と言っており、確証バイアスに対して無防備であることが分かっています。根拠がないのに、なぜか自分は人よりバイアスの影響を受けないと思い込んでいるのです。これが、盲点ですね。

これを解消するためには逆の発想、つまり、「自分は人より確証バイアスにかかりやすい」と認識することが重要なのです。確証バイアスにかかりやすいと認識することを前提に、これからご紹介する解決策を実行してみると、効果が得やすいですよ。

疑ってかかる

確証バイアスから脱却する1つ目の方法は、「本当にそうだろうか?」と疑ってかかることです。どうしてもこれまでの経験などから、先入観や固定観念に囚われて判断しがちですが、1度それらを全て疑いましょう。

改めて、冷静に考えてみることで、今まで気づかなかった落とし穴に気づくチャンスも増えます。都合のよい情報、好ましい事実ばかりに目を向けたくなるのをぐっとこらえ、「本当に?」と疑ってみることで、客観的な目を培いましょう。確証バイアスから抜け出すには、論理的思考力が不可欠なのです。

第三者の考えを取り入れる

一歩引いて「本当にそうかな?」と疑ってかかることの他に、自分以外の第三者の考えを取り入れる方法があります。そもそも自分とは違う人間なのですから、1人で考えるより格段に客観的な答えを得られるのがポイントです。人選は、普段からアドバイスをくれる人や、信頼できる友達などがよいですね。

ただし、いくら客観的な意見だからと言って、そればかりを盲信するのも無意味です。また、他人の意見を聞き入れず、自分の考えを押しつけてしまってもいけません。それでは確証バイアスから抜け出せていませんからね。

こうした状況に陥らないためにも、素直に意見を聞くことのできる、信頼関係を気づけている人を選ぶようにしましょう。反発したくなる人の意見を聞いても、状況は悪くなるばかりです。せっかく客観的な意見をもらっても、信頼していない人の意見では判断を変えるほど印象に残らない可能性があるからです。

ポジティブな確証バイアスの事例

こうしてみると、確証バイアスはすなわち悪いもののように感じられますが、そうではありません。確証バイアスにも、効果的なものもあり、ポジティブな思い込みは時として、思いがけない偉業を達成することにも役立ちますよ。確証バイアスを捨てるのではなく、あえて自分の中にある確証バイアスに身を委ね、自分を信じて貫き通せば、それが結果となって現れることもあるということですね。

たとえば、メジャーリーガーの野茂英雄さんがよい例です。彼は、日本ならば多くの報酬を受け取れるという好条件を捨て、メジャーリーガーに挑戦したため、多くの批判を受けていました。通常ならば自信を喪失したり、失敗に終わって惨めな思いをすることにもなりかねない状況ですが、野茂さんは違いました。

彼は、「自分は必ず成功する」という確証バイアスを持ち、誰になんと言われようとも自分を信じてメジャーリーガーの道を歩んだのです。その結果、彼は大きな成功を得ることができましたね。

このように、周りの意見に囚われることなく、自分の確証バイアスを信じて行動を起こすことで、誰も成し遂げたことの内偉業を達成できることもあります。要するに、自分を信じて行動し続けることが、偉業を達成する上では非常に大切だということです。確証バイアスも、プラスの力として働かせることで、大きな成功につながることもある、ということですね。

普段と逆のことをしてみる

確証バイアスから脱却する方法の1つに、普段とは逆のことをするというものも挙げられます。たとえば、普段シャワーしか浴びない人なら、浴槽にお湯を張って浸かってみたり、自分では絶対に着ないような服を着てみたり、普段なかなか話す機会のない人に話しかけてみたり、ということですね。

この行動のメリットは、普段やらないことを行うことによって、自分のなかで凝り固まっている考えをほぐす点にあります。洋服などの路線を変えるのは自分では難しいので、家族や友達などに選んでもらうのもよいでしょう。ぜひ試してみてください。

まとめ

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いかがでしょうか?わたしたちは、知らず知らずのうちに確証バイアスに支配されています。誰だって、自分が長年信じてきたものを覆すのは難しいですし、右向け右で、みんなが正しいと言うものを信じ込んでしまう傾向はありますよね。そうした傾向から脱却するのは非常に難しいことではあります。

しかし、確証バイアスに捕らわれていては、詐欺はもちろん、地震や津波のような災害に、本当の意味で備えることはできません。「どうせ大丈夫だろう」という安直な思いは、気を抜くといつでも付きまとってきます。

そんな確証バイアスに囚われないためにも、過去の成功やよい情報ばかりに目を向けず、論理的思考を持って物事に向き合っていきましょう。

  
  
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