便秘に悩まされてるという方が多くいると思われます。社会に出ると、食生活などが乱れたりして便秘にということも少なくありません。
実際、私も一時便秘に悩まされてきました。便秘になるととてもしんどくなるので、食生活などを改めようと思うようになりました。便秘が数日続いてもどうということはと思ってる方も中にはいると思われます。だが、ちょっと待ってください!!その便秘は一体いつまで続くのでしょうか?その便秘、ひょっとしたらとんでもない事態を招くことになってもおかしくないかもしれません。
今回は便秘に関する病気、大腸憩室炎について紹介させて頂きます。この記事を読んで、少しでも便秘に関する意識を変えて頂けたらなと思います。
この記事の目次
大腸の役割について
大腸憩室炎について説明する前に大腸のことについて触れていきたいと思います。そうすることで正常と異常を知り、より深めていくことが目的です。
大腸ってどういうもの?
大腸は小腸に続く管のことです。盲腸、結腸、直腸に分けられます。結腸はさらに上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられます。
直腸は肛門に繋がっており、肛門の周囲には内肛門括約筋と外肛門括約筋が存在しています。
大腸の役割って一体何なの?
大腸の役割として、粘液の分泌を行って細菌や刺激物から身を守ることがまず第一です。そのため、大腸菌などの細菌がいても問題なく過ごせるのです。
次に大腸の運動や水分吸収を行うことで適度な硬さの便となり排出されるのです。
つまり
大腸があることで体にとって不要なものを便として排出し、健康状態を維持しているということです。大腸が上手く機能しないと人体に大きな影響を及ぼすというのは想像できると思われます。このことを踏まえて、大腸憩室炎に関する説明を行っていきたいと思います。
大腸憩室炎について
大腸憩室炎は大腸の憩室に便が詰まり、炎症を起こし、腹痛や発熱、下血といったものを引き起こす病気です。普通は無症状で大腸検査で発見されることも多いです。
原則として、無症状の場合は治療を行っていくことはないです。高齢者に多い病気としても知られています。
憩室とはいったい何なのか
憩室は大腸の壁の一部が外へ袋状に飛び出しているもののことを指します。
どこに起きることが多いのか
憩室は大腸の上行結腸とS状結腸によく起きます。ちなみに欧米ではS状結腸が多いと言われているのに対し、日本だと右側結腸が多いと言われていました。しかし、食の欧米化が進んでいるため、S状結腸での発症も増えてきています。
大腸憩室炎の原因とはいったい何なのか
大腸憩室炎には先天性のものと後天性のものとに分かれています。ほとんどの場合は後天性のものです。食事の欧米化により、食物繊維が不足しているが大きいです。食物繊維が不足すると、便秘になります。そうすると、腸の筋肉が厚くなって内圧が上昇するのですが、筋肉のない弱い所は粘膜が反転脱出し、憩室を引き起こすのです。他にも、加齢により腸管壁が脆弱化することにより起きるとも言われています。この辺りが高齢者に多いと言われている所以です。
つまり、体質や人種、遺伝、生活環境などが複雑に絡み合い、発症する病気とも言えるでしょう。生活習慣が乱れがちな私たちにとって他人事とは言えない病気ではないかと思われます。
大腸憩室炎の症状にはどのようなものがあるのか
大腸憩室炎にはどのような症状があるのかを紹介していきます。
腹痛
腹痛は代表的な症状として挙げられます。上行結腸の場合は右腹部、S状結腸の場合は左下腹部に痛みが見られます。
便秘異常
下痢、軟便、便秘といった症状が見られます。
排尿障害
膀胱への刺激により起きます。
腹部膨満感
腹部膨満感というお腹が張って苦しい状態になったりします。
炎症が進むと
発熱や血便といった症状が見られます。ひどい時は憩室内の動脈が破れて大出血を引き起こす場合もあります。結果、血圧低下といった症状が出てきます。
何度も大腸憩室炎を繰り返すと
大腸が細くなったり、癒着が起きたりします。その結果、便やガスの通過が悪くなり、便秘や腹部膨満感といった症状を助長させてしまいます。
合併症としてどのようなものがあるのか
大腸憩室炎の合併症として、穿孔性腹膜炎、腸閉塞、周囲臓器との瘻孔を発症したりします。そうなると腸が壊死するなどの恐れもあります。
大腸憩室炎の検査と診断について
大腸憩室炎の検査と診断について移ります。
注腸造影X線検査
腸全体の形を見ることができ、憩室のリアルな形を把握することができます。バリウムを用いて、大腸の憩室を確認したりします。
大腸内視鏡検査
粘膜に円形もしくは楕円形のくぼみを確認することができます。出血などを確認する際は有効な検査になります。
血管造影
大漁出血の確認を行っていくために行います。
腹部超音波(エコー)
痛みのある部位に当てて、憩室炎の有無や炎症の広がりを確認していきます。
CT
憩室周囲の腸の肥厚の具合や周囲の臓器への影響といったことを見ていくことが主になります。その他の病気と鑑別する意味合いも含まれているので重要な検査とも言えます。MRIでも見ることが可能ですが、CTの方がより分かりやすいという面があります。
鑑別する病気として、虫垂炎や盲腸といった病気が挙げられます。
血液検査
血液検査では白血球の増大が見られます。
つまり
大腸憩室炎の検査では、注腸造影X線検査やCTといった画像所見で憩室の有無や合併症の有無を把握することが重要ということになります。そこから、保存的な治療を取るのか、手術を行っていくのかを選択することになると思われます。
大腸憩室炎の治療について
大腸憩室炎の治療について移ります。
大腸憩室炎を発症した際、どこに受診したらいいの?
大腸憩室炎を発症した際は合併症の兼ね合いもあるので、消化器内科を受診してください。放っておくと腸閉塞などを発症している可能性もあります。
食事療法
消化の良い食事を取ることが重要です。症状によっては腸を安静させるために絶食させるケースもあります。入院している場合、退院後に食物繊維を多めに取るようにします。いきなり食物繊維が多い食事だと負担も大きいからです。
投薬治療
丁運動異常に基づく症状が見られる場合、投薬治療が必要となります。抗生物質を内服したり、点滴をしたりします。
吐き気や胃痛などがある際は医師と相談して、適切な処方を受けなければなりません。自己判断が逆に命取りになる恐れもあります。
手術
腹膜炎や膿などが見られる際は手術が必要となります。膿や穿孔している所は切除したりします。出血している所はクリップで止血します。憩室炎を繰り返す部分も切除します。切除するのが根本的な治療とも言えます。ひどい場合は人工肛門を作るケースも存在しています。小さいものは腹腔鏡で行ったりします。
予防として
大腸憩室炎の原因として便秘。便秘の原因として食物繊維の不足が大きい所もあります。つまり、普段からの食生活を見直し、食物繊維を取ることを心掛けることが重要とも言えるのではないでしょうか。もちろん、術後など再発防止で食物繊維を取ることを心掛けるのも重要です。
ちなみに妊婦の場合、胎児の圧迫やつわりなどによる食事量の減少、運動量の減少といった面で便秘になる恐れがあります。下剤を飲む際は医師との相談を行うことが重要となります。何かあった後では時すでに遅しということも十分あり得ます。
食物繊維の多い食べ物として何があるのか
便秘の予防のために食物繊維を取ることは前述でも挙げた通りです。ここではどのような食べ物に多く含まれているか紹介していきます。
穀物
特に押麦や玄米に多く含まれています。
豆類
特におからや大豆に多く含まれています。
海藻類
特にひじきやわかめ、もずくに多く含まれています。
いも類
特にさつま芋、里芋、こんにゃくに多く含まれています。
野菜類
特に切干大根、ブロッコリー、キャベツに多く含まれています。
果物類
特に干し柿、キウイ、りんごに多く含まれています。
食物繊維を摂取する際の注意点として考えなくてはいけない所
食物繊維が多く含まれているからといって、ただ単に何の工夫もなく取ってはいけないです。場合によっては逆効果ということもあり得ます。術後の際は食物繊維を多く取り過ぎて、逆に体に負担を大きくしてしまったとなると元も子もありません。
食物繊維を摂取する際の注意点として、野菜を茹でたり煮たりして消化を良くしていくことが重要です。生野菜で取る方がいいものも存在しますが、消化不良を起こすものも中には存在します。次に食べ合わせです。これは食物繊維に関わらず、どの食品に対しても言えるのですが、栄養を効率よく摂れなかったり、薬の効果を無効にしたり、症状を悪化させるといったケースもあるからです。
そこは医師や栄養士と相談しながら食事メニューを決めていくことが重要となります。主食は玄米やライ麦を使ったパンにすると日頃から食物繊維を摂取することができます。
最後はきんぴらごぼうやひじきなど食物繊維の多い和食の惣菜を摂るようにしていくことが重要です。大腸憩室炎の原因として、食の欧米化というものも大きいため、必然的に食物繊維の多い和食を取る頻度も減少していると思われます。なので、今一度ご自身の食生活を見直してバランスのいい食生活を取っていくことが重要となります。
まとめ
今回、大腸憩室炎について紹介させて頂きました。便秘から色々な病気に発展するということが伝わればなと思います。
一度発症すると、無症状のものもありますが、重篤になる場合もあります。なので普段からの生活習慣を見直して予防することが重要となってきます。そのポイントして、普段の食生活で食物繊維を摂っているかというのを一度確認してみるといいかもしれません。
できる事から少しずつ行うことで自分の健康を守ることができるのではないでしょうか?この記事を読んで、少しでも健康について目を向けて頂けたらなと思います。