赤ちゃんを育てるとき、なるべく母乳育児をしたいと思っているママも多いと思います。母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源となるだけでなく、愛情や落ち着きを得ることができる大事な手段ですが、もし、ママが風邪を引いた時などのことを考えると、完全母乳とはなかなかいかないです。
ではもし授乳中のママが風邪を引いたらどうしたらいいのでしょうか。今回は授乳中のママが風邪を引いた時の対処法をご紹介していきます。
母乳で赤ちゃんに風邪はうつる?
母乳育児で赤ちゃんを育てているママが風邪を引くと、「母乳から風邪のウィルスが赤ちゃんにもうつってしまうのでは」ということが気がかりです。
乳はママの身体で作られ、食べ物などの栄養が影響するので、風邪を引いた時に風邪のウィルスが母乳に入ってしまうのではないかと心配になるかたも多いです。
結論を一言でいうと、うつりません。
母乳に風邪ウィルスが入り込むということはないので、風邪を引いてしまっても赤ちゃんに母乳を与えることができます。
赤ちゃんの感染では飛沫感染が多い!
ママが風邪を引いて、赤ちゃんにうつってしまうので飛沫感染が一番多いです。くしゃみや鼻水にはたくさんの菌やウィルスが含まれています。
そのため、赤ちゃんを抱っこしながら何度もくしゃみをしたり、鼻水のついた手で触ると、赤ちゃんにも映ってしまうので、室内でもマスクをつけて赤ちゃんにうつさないようにしましょう。
赤ちゃんは母乳で風邪予防ができる!
授乳中のママが風邪を引くと赤ちゃんにうつさないように気を使い、マスクはもちろんのこと、風邪が治るまではミルクというママも多いです。
しかし実は風邪予防にはたくさんの母乳を与えることが大切です。
母乳には赤ちゃんにとって必要なさまざまな栄養がたっぷり含まれているので、ママが風邪を引いているときだからこそ、たくさん母乳をあげることで、赤ちゃんが風邪を予防することができます。
風邪薬を服用することはできる?
授乳中に風邪を引くと、赤ちゃんにうつらないかそれだけが気がかりになります。母乳から感染することはないので、授乳は通常通り行うことができますが、風邪薬を飲んでもいいのか気になります。
風邪薬は飲んじゃダメ?
風邪が長引いたり、重症化してしまって風邪薬を飲むと、風邪薬の成分が母乳に混ざって赤ちゃんが飲んでしまわう可能性があるからです。
母乳に風邪薬の成分が含まれるのは、ほんのわずかな量ですが、赤ちゃんの身体に影響がないとは言い切れません。
そのため、市販の風邪薬を飲むのは避けて、必ず内科か産婦人科の先生に相談してから服用しましょう。病院で処方される風邪薬であれば、赤ちゃんに母乳をあげても問題ないこともあるので、手軽だからと市販薬に頼らずに必ず病院にいくようにしましょう。
風邪薬以外にも頭痛薬や便秘薬でも同じことが言えるので、風邪以外でも薬を飲まないといけない状況になりそうなときは病院に行って処方してもらうようにしましょう。
栄養ドリンクは飲める?
「風邪気味かな?」と思う程度であれば、栄養ドリンクを1本治れば大丈夫と思っているママも多いです。確かに赤ちゃんのお世話で疲れ切ったママにとって、滋養強壮や疲労回復に効果がある栄養ドリンクはとても魅力的です。
しかも栄養ドリンクの中には「子育てで疲れ気ママに」というように謳われているものもあるので、飲んでも大丈夫そうと思いますね。
ただ、栄養ドリンクにはカフェインやアルコールが含まれており、カフェインの量が多いものは母乳を通して赤ちゃんの口にも渡るため、赤ちゃんが興奮状態でなかなか眠れなくなってしまうことがあります。
栄養ドリンクを飲むときは授乳時間を空けたり、1回分搾乳してから与えるなど、カフェインが入った栄養ドリンクを飲んだ時は注意しましょう。
説明書きに「授乳時の栄養補給」などと書いてあるものやカフェインレスの栄養ドリンクは飲んでも問題ないので、説明書きや成分表を確認してから選びましょう。
心配な方は医師に確認してから飲みましょう。
漢方薬は飲める?
授乳中に薬を服用するときに身体に負担がかからない漢方薬を選ぶというママが多いです。しかし漢方薬の中には授乳中に飲まない漢方薬もあるので、普通の薬と同じく、選ぶときには注意が必要です。
風邪の引き始めに飲む漢方薬として代表的なものは葛根湯が挙げられますが、妊娠中や授乳中の服用を控えるように書いてあるものがあるため、飲めないものがあります。
病院から処方された葛根湯であれば、授乳中に飲んでも問題ないので、葛根湯で風邪を治すときは処方してもらったものを飲みましょう。
また、すでに飲んでいる薬がある場合は、他の漢方薬や西洋薬と併用を自己判断だけで行うと副作用が出ることがあり、とても危険なので、必ず病院の先生に相談しましょう。
薬を飲んだ時のミルクの与え方について
母乳育児で赤ちゃんを育てているママが風邪を引いて、それが長引いているなど、風邪薬を飲まないといけない状況になることがあります。
処方薬であれば、赤ちゃんへの影響を最小限に抑えられることができますが、できるだけ薬が影響しないように、母乳の代わりに薬を与えるというママも多いと思います。
もし完全母乳ではなく、哺乳瓶でミルクを与えていたことがあれば、風邪薬を飲んでいる間のみミルクをあげるのも有効です。
しかし、今まで哺乳瓶でミルクを飲んだことが無い場合、いきなり哺乳瓶であげても受け付けてくれない可能性が高いです。もし受け付けてくれなかったら、風邪薬を飲んだ後、母乳をあげることが出来ないので、風邪薬を飲む前に哺乳瓶であげてみるようにしましょう。
母乳とミルクはどっちがいい?
授乳中に風邪を引いて、薬を飲んだ時、ミルクに切り替えて、治ってからもそのままミルク育児に移行するというママもいますが、風邪が治ったら母乳に戻すのがおすすめです。
理由としては、母乳とミルクを比較すると、母乳の方が圧倒的に優れているからです。ミルクも最近のものはとても母乳に近く、栄養面は抜群ですが、免疫や抗体は母乳でないとつけることができません。
母乳を飲むことで、赤ちゃんは栄養だけでなく風邪などの病気を予防することができます。また、母乳を飲むときは舌や歯茎を使わないと飲めないので、より離乳食に移行しやすいです。
母乳には良い面もたくさんあるため、風邪薬で中断してもできるだけ母乳に戻しましょう。
長期間母乳はストップしない
授乳中に風邪を引いて、風邪薬を飲んだことで母乳をストップした場合、長期間母乳をストップするほど、母乳は再開しづらくなります。
搾乳をしないでそのままにしていると、母乳を作らなくなります。母乳は赤ちゃんが吸うことでホルモンが分泌されて作られます。そのため、授乳しないと、刺激が無くなりホルモンが分泌されなくなって母乳も出づらくなります。そのため、風邪薬で母乳を飲ませないと判断するのは良いと思いますが、できるだけ早く母乳をあげるのを再開しましょう。
また、ずっと哺乳瓶で与えられていると、哺乳瓶に慣れてしまい、おっぱいを吸うのを拒否してしまうことがあります。哺乳瓶は少し吸えば簡単に飲めますが、母乳は噛んだり強く吸わないと出てこないので、哺乳瓶になれてしまうと、飲んでくれなくなることがあります。風邪などで飲めなくなったことのことを考えて時々哺乳瓶で飲ませるのも有効であると言えます。
完母でももちろん良いと思いますが、その時は風邪予防もきちんと行いましょう。
乳腺炎になる恐れが……
毎日のように母乳をあげていたのを風邪薬を飲んだことによりストップするとさまざまなトラブルの原因となることがあります。
最も恐ろしいのは乳腺炎です。
授乳がストップしても母乳は生成しつづけるため、乳腺が詰まって炎症をを起こしてしまうことがあります。乳腺炎になると発熱を伴うことがあるので、ストップしている間でもそのままにせずに搾乳をするようにしましょう。
また、乳腺が詰まらないようにマッサージを行うのも効果的です。
授乳中の風邪予防
授乳中に風邪を引くといろいろと大変なので、なるべく風邪を引かないように予防することが大切です。風邪を引かないようにするには乾燥しやすい季節であれば、しっかりと加湿をして乾燥をしないようにしましょう。
また、身体が冷えると風邪を引きやすくなるため、身体を温かくしましょう。
風邪の引き始めに治すようにしましょう
風邪は本格的に引いてしまうと長引くことが多いので風邪の引き始めにしっかりとケアすることで、回復を早めるkとができます。
例えば、喉がイガイガしたり、くしゃみが出始めたらこまめにうがいをしたり、喉に良い大根エキスやはちみつ、かりんなどを飲んだりするのが有効です。
はちみつは殺菌効果や粘膜を保護する働きがあり、大根やかりんも喉にいい成分が豊富に含まれています。味の好みもあるので、飲みやすいものを選んで身体の不調を感じたときに気軽に飲めるように用意しておきましょう。
風邪を引かないための3つのポイント
母乳育児中のママが風邪を引くと、飛沫感染により赤ちゃんにうつることがあります。
母乳では感染しないため、たくさんあげることも大切ですが、1日も早く風邪を治すことが先決です。まず、身体をきちんと温めて、体内の風邪菌を追い出しましょう。風邪の引き始めであれば湯船にしっかりと浸かったり、温かい飲み物を飲んで身体を温めるのも有効です。
身体を温める飲み物として有名なのは生姜です。生姜は使い方次第で風邪の引き始めにより効果的に早く風邪を治すことができます。
生姜の効果的な使い方
授乳中に「風邪を引いたかな?」と感じたらできるだけ早く風邪を治すことが大事です。授乳中のママにおすすめなのが、生姜を使うことです。
生姜は生の生姜と加熱した生姜で作用が全く違います。
- 生の生姜…熱を発散させる
- 加熱生姜…体を温める
生の生姜は上がった熱を下げたいときには有効ですが、風邪の引き始めには体温を下げてしまうと風邪をさらに悪化させてしまう恐れがあるため、風邪の引き始めは加熱した生姜を飲むようにしましょう。
紅茶に生姜を入れて飲むという人が多いですが、身体を温める場合はお鍋で紅茶を煮出して、すりおろした生姜を入れて加熱してから飲むようにしましょう。加熱生姜は身体を温める効果がとても優れているため、手足の先まで温めることができます。
また、水分もきちんととることができるため、風邪の引き始めの乾燥対策にもぴったりです。
ただし、食べ過ぎると、腹痛や下痢を起こしたり、乾燥肌の人は皮膚の炎症を起こすことがあるので気を付けてください。
ちなみに1日の目安はすりおろしで大さじ1杯弱程度です。
風邪を治すために紅茶を飲むたびに生姜を入れる方もいますが、逆に体調が悪くなることがあるので、大さじ1杯分のすりおろし生姜を摂取したらもう飲まないようにしましょう。
風邪を引いた時におすすめの生姜レシピ
風邪を引き始めや引いた時におすすめなのはスープです。スープに栄養が溶け込むので、食欲がないときでも飲みやすいです。
◎ニンニク生姜ネギスープ
材料:2人分
ニンニク2かけ
生姜1かけ
長ネギ1/2本
鶏ガラスープ大匙1~2
水 500~600㏄
1)ニンニク、生姜、ネギを粗みじん切りにする
2)ごま油で切った材料を痛める
3)水と鶏がらスープを入れて煮立てる
少ない材料でできるのと、喉にいい生姜とネギを摂ることができるのでとてもお手軽です。とても身体が温まるので、寒い季節にぴったりです。具材を加えて具沢山にすれば、毎日のご飯の一品としても便利です。
スープで栄養を摂って、風邪知らずに身体にしてきましょう。
◎お腹に来た時の風邪にぴったり!りんごのくず練り
風邪はお腹に来るときもあります。そんな時におすすめなのがりんごのくず練りです。りんごが栄養価が高く、お腹の調子を調えます。また、くずもお腹の調子を整えてくれます。
りんご(またはストレートリンゴジュース)1個(1.5カップ)
水1/2カップ~
本くず粉大さじ1~2
生姜すりおろし少々
塩ひとつまみ
お好みでシナモンやクローブ、アニスなど 少々
お好みではちみつ
1)すりおろしたりんごを小鍋にいれて、水を入れる。リンゴジュースの場合は水はいりません。
2)材料をすべて入れて、ダマが無くなるまで混ぜてから火にかける。
3)弱火で混ぜながらあたためる。とろみがついて透明感がでたら完成。お好みでハチミツを入れる。
胃腸が疲れたときや離乳食にも使うことができます。胃腸が荒れてスープも飲めないという方はまずこのくず練りをお試しください。
室内環境を整えて風邪を撃退しよう
風邪の引き始めや風邪予防に室内環境を風邪の菌やウィルスを増やさない環境にすることが大切です。
加湿器をつけたり、洗濯物を部屋干しして室内が乾燥しないようにしましょう。
また、風邪の引き始めなどのときはマスクをつけることで、鼻やのどを加湿するのに効果的です。
風邪を引いて粘膜が荒れて、さらに乾燥すると、くしゃみや咳がたくさん出るようになるので、マスクで喉や鼻を乾燥しないようにして、さらにくしゃみや鼻水による飛沫感染を予防しましょう。
充分な睡眠を取ろう
授乳中に風邪を引いたら、充分に睡眠をとることが有効です。赤ちゃんとの生活は授乳や夜泣きで何度も起こされるため、睡眠時間が短くなりがちです。
ママの身体は授乳中は短時間の睡眠でも大丈夫な状態ですが、風邪をなるべく早く治したい場合には睡眠はとても大切です。睡眠時間をあまり長く取れない場合は、質の良い睡眠を取れるようにしていきましょう。
例えば、赤ちゃんが眠ったらそのまま寝れるように毛布やお布団を用意しておくと、短時間でもぐっすりと眠ることができます。また、家族の協力が得られるようであれば、授乳以外は家族にお世話を頼み、ゆっくりと睡眠をとると、回復が早いです。
風邪を引いても、赤ちゃんのお世話をしっかりとするママも多いですが、できるだけ早く治すために、赤ちゃんのお世話は周りの家族に任せて、風邪を治して元気になることに集中しましょう。
もし両親と同居していないという場合は一時保育などを利用して、少しでも睡眠時間を取るようにしましょう。
まとめ
授乳中のママが風邪を引いた時の対処法を詳しくご紹介しました。本来は風邪を引かないことが第一なので、日ごろから風邪予防対策しましょう。
万が一風邪を引いた時は、マスクや加湿をしっかりと行い、赤ちゃんに風邪がうつらないようにし、少しでも早く風邪が治すことに専念しましょう。風邪を引いてしまったら1人で抱え込むのではなく家族や周囲の人の助けを借りて、風邪を治せる環境を作りましょう。
母乳は赤ちゃんにとってなくてはなりません。風邪を引かないように気を付けて、栄養満点の母乳をたくさんあたえられるようにしましょう。
関連記事として、
これらの記事も読んでおきましょう。