みなさんは尾てい骨に痛みを感じたことありますか?
尾てい骨とは、せき髄の一番下の位置にあるとがった骨のことをいい、人間だと、3~5コの尾椎がくっついて合わさったもの。お尻の割れ目の上の方にある尖っている部分です。
尾てい骨は人間の進化の過程で失われてしまった機能の名残で、特別な機能を持っている骨ではありません。
尾てい骨の痛みってなかなか引かずに長続きする気がしますよね。
特に女性で出産や妊娠を経験したことで痛みが出てくるという人。元から頸椎に痛みを発しやすい方、が特に多い傾向があります。
その痛みが出てくる原因や解消法はあるのかどうかをこれから紹介していきたいと思いますので、参考にしてみてください。
尾てい骨の痛みの原因とは?
尾てい骨に痛みが出てくる原因は何なのでしょうか?幾つかの症状が発生していることが考えられます。
それぞれの症状や原因について確認してみて、自分に発生している症状を特定してみましょう。
尾てい骨打撲について
みなさんは人生の中でしりもちをついたことはありますか?
子どもの頃に遊びながらしりもちをついたりとか、大人になってからでも階段から落ちたりとか、何かしらでしりもちをついたことがあるという人は少なからずいることでしょう。
このような行為からおしりを強く打ってしまったり、何度もくり返し尾てい骨を打撲してしまうと、尾てい骨は曲がってしまい、痛くなってくるのですが、これを一般的に尾てい骨打撲といっております。
この痛みは、押したりすると出てきますが、治っても後遺症が出てくることがあります。
打撲をしたことにより、尾てい骨はゆがんでしまい、肛門に圧力をかけてしまいますので、便秘になってしまうこともあるのです。
ひどいときは肩こりや腰痛の症状も合わせて出てくることもあります。
長期的に痛みが継続しやすく自然治癒を待つことが基本的な治療法になりますので、出来るだけ尾てい骨に負荷をかけないようにして安静にすることが重要です。
尾てい骨痛について
この尾てい骨の痛みは、イスに座っているときや歩いているときなどに尾てい骨のあたりが焼けるように出てくる症状です。
中年の方やお年寄りの方の女性に多くみられるものになります。原因としては、分娩や腰痛がきっかけになって発生することがわかっています。
しりもちやぶつけたりしていないのに、尾てい骨に痛みが出たら、痔の症状も合わせて発症することもあります。痔はそのうち良くなりますが、腫瘍などの病気になってしまうこともあります。
肛門や腰との合併症状で辛さを増す症状になります。
座り姿勢や歩く姿勢が悪いことが原因で痛みに繋がりますので、椅子などに長時間座るときはしっかり骨盤をたてて座ったり、たまに立ち上がって長時間尾てい骨に圧力がかからないようにしましょう。
尾骨神経痛について
この痛みは神経痛の1つで、会陰部やおしり、足腰に痛みが出てくるのです。
ヘルニアや骨盤の痛みでも、周囲の神経を圧迫して痛みが発生す場合もあります。腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛、腰部脊柱管狭窄痛などの症状の可能性があります。
良性の症状の場合、神経ブロックという方法の治療を行います。もし悪性だとリウマチになったりガンになったりとその疑いもあります。
神経痛の場合は、尾てい骨だけでなく腰痛や足や下半身全体の痛みやシビれや痛みなどが何日も継続する症状が発生します。
押している状態以外でも痛みやしびれが発生する場合はこの病気の可能性が非常に高いので、出来るだけ早く病院での検査を受けるようにしましょう。
尾骨骨折
激しい痛みが発生している場合は、尾骨骨折が発生しているかもしれません。
立つ座る歩くというすべての動作に関連して痛みが発生する症状が特徴です。特に発生しやすいシーンとしてはウィンタースポーツをしているタイミング。
スノーボード、スキー、アイススケートなど、尻もちを頻繁に付いたり強い衝撃を繰り返している内に骨折してしまっていることが良くあります。
日常生活でも尻もちの角度や衝撃が強烈であった場合には骨折してしまうことがあります。
腕や足の骨折と違って尾てい骨は骨折しても固定することができません。特に固定する必要も無いのですが、安静にして痛みが引いて自然治癒するのを待つしか無い症状になります。
あまりにも痛みがひどい場合には痛み止めを飲むしかありません。
尾てい骨の痛みが出てくる症状とは?
尾てい骨が痛くなる原因については分かりましたか?それではどんな症状がでてくるのでしょうか?
尾てい骨はおしりの中央にあるのですが、守ってくれる筋肉がないのでしりもちをついたりしたときは、最もダメージを受けやすいところになります。
単なる軽い打撲の痛みであれば、大きい問題はないですが、何もしない状態で痛くなったり、動けなくなるくらい痛いというときはすぐにその現状を確かめて処置をしてもらうことが良いです。
そして、歩いているときやイスに座っているときには痛みが出てこないこともありますので、骨折していてもヒビが入ったりしても自分で気付かないこともよくあります。
しかし、尾てい骨を強く打ってしまっているので、内出血をおこしたり腫れてしまったりといった症状が出てきます。
これについては具合によりますが、内服してもらう痛みどめや塗り薬などで痛みが和らぐのを待ちます。
尾てい骨の痛みについて
尾てい骨の痛みというのはどれくらいの痛みでどのような痛みになるのかというと、歩くことも立つことも座ることも困難になるほどの痛みが発生します。
この状態が続くようであれば、生活をしていく上で支障が出てきてしまうのでどうにかしたいものですよね。
尾てい骨はせき髄の下の部分でもありますので、強く打ってしまうと痛みの刺激は神経を通って脳にまで達してしまいます。
その結果、吐き気を起こしてしまったり、目がくらんでしまったりすることがります。他にも自覚のないところもあるのです。
また、打撲していないのに痛みが続いてしまうことがあります。それを尾てい骨痛といいます。原因としては、分娩や腫瘍がありますが、分娩の場合は特に問題はありません。
痛みのなかにも尾骨神経痛があるというのは先ほど言いましたが、それは骨盤のあたりから会陰部のほうまで痛くなるのです。原因はガンや糖尿病、リウマチなどがあります。それぞれ原因は違いますがそれに沿った治療法をしなくてはなりません。
妊娠や産後の痛みについて
妊娠中に尾てい骨が痛くなるという人もまれにいらっしゃるでしょう。痛みの原因は女性ホルモンの影響と坐骨神経痛からくるものがあるのです。
まず女性ホルモンの影響としては、妊娠3ヶ月ころになってくるとリラキシンというホルモンが分泌されます。これは、お産のときに赤ちゃんが骨盤を通りやすくなるようにと分泌されるものです。これは骨盤のじん帯を緩くさせるので、骨盤や尾てい骨に痛みが出てくるのです。
そして、胎児が成長してくると、子宮が大きくなって骨盤や腰へ圧迫させてくるのですが、それで筋肉は固まって硬くなってしまい、坐骨神経痛になりやすくなっていきます。
妊娠初期の場合は、骨盤ベルトなどで骨盤を固定させてあげると良いです。
妊娠中はもちろんのこと、産後に尾てい骨の痛みが出てくるということもあります。また、四つん這いになり背中を反らしたり丸めたりしてみると、痛みは和らいでくるでしょう。
しかし、我慢できないくらい痛みがでてくるのであれば、かかりつけの産婦人科で相談してみたください。
妊娠中でも産後でも早く治療しておかなくてはならないですし、産後うつなどの精神症状に発展しまうこともなくはないので、なるべく防がなくてはなりません。
尾てい骨の痛みを和らげる4つの方法
尾てい骨の痛みにはいろいろなものがあるのです。
尾てい骨の打撲は子どもからお年寄りまで誰にでも起こりえるケガになります。尾てい骨の打撲は軽いものから重いものがありますが、そこで自己判断だけで終わらせずにしっかりと診察を受けることが大切です。
その治療法としては4つの方法があります。
冷す治療法
尾てい骨を強く打って打撲してしまったときは、打った部分を冷すことで痛みを抑えることができることが多いでしょう。
ただ、尾てい骨が折れていたりヒビが入っていたりしていたら、他の対処法が必要となります。
打撲や打ち身をしたところというのは、必ず炎症していますので、その炎症を抑えるために、冷すことによって炎症を抑えることが出来るのです。
冷し方としては、氷をビニールなどに入れて、低温やけどをしないようにタオルをかぶせて痛いなというところに当てると良いです。また、冷たい水をかけたりシャワーを水にしてかけるというのも良いでしょう。
打撲にもよりますが、5分から15分くらい冷やして熱をもたなくると、かなり炎症が治まってくることでしょう。
しかし、炎症した部分の組織ごと回復させるためには、冷やしながら血流を良くしなくてはなりませんので、冷やしたあとに優しくマッサージをしてあげたり、湿布を貼って冷やすと良いです。
温める治療について
先ほどは冷やす方法について紹介しましたが、他には温めるという方法もあります。
内出血をしていたら、血がたまっているということになりますので、その血を抑えなくてはなりません。内出血については、内出血の治し方5選!正しい処置で早く治すようにしよう!の記事を参考にしてください!
内出血をしているところを温めると、血流が良くなって内出血したところが吸収してくれます。ただ、その部分は炎症しているので、冷やして炎症をおさえてから温めて血流を良くするようにすると良いでしょう。
ストレッチをして和らげる
尾てい骨を打って痛みを感じたときは、骨盤がゆがんでしまっていることがあります。
それは、骨が折れたり打撲による痛みではなければ、骨盤や関節がずれているのかもしれないので、ストレッチをして和らげるという方法もあります。
ストレッチ方法
尾てい骨が痛い症状を改善するストレッチ法を紹介します。
- まずうつ伏せにまっすぐ寝ます
- 片足を足の裏に向かって限界まで伸ばして骨盤をずらします
- 伸ばした方の足を上に挙げて内側に向けて足を動かし、左右に5回ほど足を振ります
- これを片足ずつ両足行います
強い力で足を動かすのではなく、ゆっくりとしたペースで行ってください。
足の力だけで足を持ち上げようとすると筋肉がつってしまうことがありますので、腹筋やお尻の力を全体的に使用して持ち上げるようにしてください。
無理に行うと運動不足の場合には肉離れを引き起こしてしまうこともありますので、くれぐれもゆっくり行ってください。
このストレッチ中にどちらかの足で強い痛みが発生した場合は、無理にストレッチをしてしまうと痛みが強くなってしまいますので、無理には行わないようにしてください。
薬の使用
また、尾てい骨の痛みの治療法とは言えないですが、痛みどめのお薬を使うことによって少し痛みを和らぐことが出来ます。
現在、痛み止めの強いお薬はボルタレンというものになりますが、これは病院でしか取り扱っていないのです。
しかし、このボルタレンのように効き目のある市販の痛み止めはロキソニンSとイブA錠になりますね。
ロキソニンは有名ですよね。市販に出てくるようになってからよく使っている人もいることでしょう。ボルタレンに比べてしまったら、ロキソニンのほうが痛みを抑える効果は低いですが、十分な効果があることでしょう。
また、イブA錠も鎮痛剤のなかではお手頃価格でもありますので、ボルタレンはもちろん、ロキソニンよりも効果は低いです。
ただ、胃には優しいお薬になっているので、胃が弱いという人はイブで痛みを和らげても良いでしょう。
他にも市販でも売られている湿布を使用する対策も有効です。打撲の症状の場合に特に有効で患部の状態に合わせて温感湿布と冷感湿布を使い分けてあげると良いでしょう。
おすすめの対策法
痛みが継続して発生しているけど、仕事を休むことが出来ない。長時間座らなくては行けない。という問題を抱えている人は、ドーナツ型のクッションを使用することで尾てい骨への圧力を軽減して、痛みを対策することが出来ます。
出来るだけ、中心が空洞になっているものを使用すると痛みを抑えることが出来るでしょう。
痔専用のクッションなどを使用すれば、対策できますのでそれらを使用することをおすすめします。
尾てい骨が痛い場合は何科に行けばいいの?
痛すぎて病院に行きたい。でも何科に行けば良いのかわからない。
何かしらの症状を抱えているけど専門家がどこにいるのかわからないケースはよくあることです。尾てい骨の痛みを検査、治療出来る専門科を紹介します。痛みの原因によっても変わりますので注意しましょう。
外傷・衝撃が原因の場合
転んで尻もちを付いてから痛い。長時間座っていたことが原因で痛みが発生している。
歩いていたら急に尾てい骨周辺が痛み出した。などの症状が発生している場合は、整形外科を受診しましょう。
整形外科は主に打撲、捻挫、骨折、関節痛などの症状を専門にしている病院になります。
骨や関節の症状をかかえている場合はとりあえず整形外科にかかれば問題ありません。形成外科でも同様に診察できますが、形成外科はあざや患部の変形など、見た目に良くない症状をキレイな状態に戻すことを専門に扱っている分野になります。
この両方を兼ね備えているクリニックや病院もあります。
基本的には痛み止めの処方やレントゲンでの患部の骨の状態の確認などの検査が主になりますので、大きな病院であれば診てもらうことは出来るでしょう。
妊娠している場合
上記でも紹介しましたが、妊娠や出産から尾てい骨の痛みが発生している場合は、産婦人科を受診してください。
妊婦には飲めない薬の処方や妊婦特有の症状の改善には婦人科が最も適している科になります。痛みに応じて、ストレッチ方法や痛みを改善する体操法なども紹介してくれる病院もありますので、病院の指示に従って治療を行っていきましょう。
まとめ
尾てい骨の骨折をしたときは、何年経っても痛みが残ってしまうことがあるので、特に注意をすることが必要になります。
自己判断でちょっとした打撲でしようと決めつけずに、変だなと思ったらなるべく早めに病院で医師の診察や治療を受け、安静をとってください。
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