融通が利かなくて、上司や周りの人に注意されてしまうという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。融通が利かないとイメージダウンにつながります。反対に言うと、融通が利く人と言うのは周りから頼られ、評価されます。
そのため、どうにかして融通が利く人間になりたいと思うでしょう。今回は融通が利く人の特徴や逆に融通が利かない人の特徴などをご説明します。
この記事の目次
そもそも融通ってどんな意味があるのでしょうか?
融通が利く、融通が利かないと会話のなかでよく出てきますが、そもそも「融通」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか。実際に意味が分かるという人はそんなに多くないでしょう。
融通の意味を調べてみると、以下のようなことを書いてありました。
ゆう‐ずう〔‐ヅウ〕【融通】
[名](スル)
1 とどこおりなく通じること。転じて、必要に応じて自在に処理すること。ゆずう。「融通のきかない石頭」「融通自在」
2 必要な物や金を都合すること。やりくり。ゆずう。「資金を融通する」
3 仏語。別々のものがとけあって一体となること。ゆずう。
ゆ‐ずう〔‐ヅウ〕【▽融通】
「ゆうずう(融通)」に同じ。
「円頓(ゑんどん)―の法(のり)の灯かかげそひて」〈奥の細道〉
byコトバンク
つまり、融通が利く(利かない)の意味としては
- 融通が利く:その場に応じて適切に対応することができること。臨機応変に対応することができること。
- 融通が利かない:考えや態度が偏っていて、改善する気配がないこと。細かいところにまで注意が行き届かないこと
と言うことができるでしょう。
このように意味を比べてみると、融通が利く人のほうが頭の回転が速く、周りに適応する能力に長けていると言えます。
融通が利くとメリットが多い!
融通が利くことでさまざまな物事に臨機応変に対応することが可能なため、さまざまなメリットが期待できます。具体的にどのようなことなのか説明していきます。
①他人の考え方や立場を理解することができる
融通が利くと言うことは柔軟に対応する能力に長けているため、他人と接することがとても得意です。仕事では職場の同僚や上司、取引先の担当者など何人かと一緒に仕事を進める時であってもお互いの立場を理解して、相手の意見や考えを認めてまとめることができるため、交渉などの場面ではうまく進めることができます。
②ストレスをあまりため込まない
融通が利く人は、固定概念に縛られることなく柔軟に物事を考えることができます。たとえうまくいかないことがあったとしても、その時に何ができるのかを考えて動くことができます。
例えば、仕事で何か失敗してしまったときに、落ち込んでストレスになったりせずに、「良い勉強になったな」などとポジティブに考えることができるため、結果的にストレスをため込むことが少ないのです。
③チャンスを自分のものにすることができる
融通が利く人は予想外のトラブルに見舞われても、臨機応変に適切な対応をすることができるため、周りから頼られることが多いでしょう。その結果、上司から重要性の高い仕事を任されることも増えてきます。
また、他人の意見や考えを尊重することもできるため、新しいことをすんなりと抵抗なく受け入れることができます。今までやったことが無い全く新しい仕事をすることになったとしても、期待通りの、もしくはそれ以上の成果を上げることができるでしょう。
融通が利かないことでどんなデメリットがあるのか?
それでは融通が利かないことでどのようなデメリットがあるのでしょうか。こちらもご説明していきます。
①他人の意見を受け入れることができない
融通が利かない人は、自分の考え方にとらわれるあまり、他人の意見を素直に受け入れることができません。「こうでないといけない」という今まで持ってきた偏った考えにとらわれているのです。しかも自分の頭で考えてなんでも解決しようとしてしまいがちです。
仕事上でなにかわからないことや行き詰った時でも他人に意見を聞いたりすることをせず、自分で勝手に進めて結果的に失敗してしまうと言う事も多いです。
②1つの考え方に固執している
時代は移り変わっており、周りもどんどん変わっているのに、過去に成功した方法が一番いい方法だと思い込んで、その方法ばかりやっている人や昔の考え方にとらわれているといったように1つの考え方に偏ってしまいます。
自分の考えを一番に信じるため、他人の助言や忠告を受け入れることがありません。
どんなに有効なアドバイスをもらっても、受け入れることが無く、そのアドバイスを活かすことをしないため、非常にもったいないと言えます。
③新しいやり方を否定する
融通が利かない人は新しいやり方やシステムに対して全力で拒絶します。1つの考え方や方法に偏っているため、新しいことを受け入れることに抵抗があるのです。
新しいやり方がどれくらい優れているのか考えもせずただ否定するだけなので生産性もありません。
融通が利く人の特徴
グループのなかに融通が利く人がいると、仕事もスムーズに遂行できますし、人間関係を円滑に築くことができます。
ではどのような人が融通が利く人だと言えるのでしょうか。特徴を挙げていきますので、当てはまる人は融通が利く人だと言えます。
①些細な事でもよく気づく
融通が利く人は、物事に対して臨機応変に対応することができます。融通の利く人は人や周りの様子をよく観察しています。そのため、相手の表情から何かを察知したり、周辺環境がちょっと変わった時などもすぐに気づくことができます。
例えば、会社の給仕室が汚れていれば自ら掃除して清潔感を保ちますし、入力ミスがあればすぐに気づくことができます。この辺は「気が利く」という言葉と通じる部分があります。
このように常に周りにも神経を張り巡らせ些細な事でも気づくことができるのです。
②問題に対して落ち着いて解決法を考えることができる
仕事やプライベート関わらず、何か問題が起こった時にあたふたと焦ったり、慌てたり、誰かに責任を押し付けるなどということが全くなく、落ち着いてその時の状況を分析して、解決方法を考え試してみます。
③新しいアイディアを生み出すことができる
融通が利く人は色々な経験をしてきているため、その経験を生かして状況に応じて応用することができ、そこからさらに新しいアイディアを生み出すことができます。
融通が利く人は柔軟な考え方をすることができ、観察力に優れているから出来ることだと言えます。
融通が利かない人の特徴
融通が利かない人は偏った考えを持ち、他人の意見を受けられないなどというデメリットがあると言いましたが、性格的にはどのような特徴があるのでしょうか。
①真面目すぎる
ルールや規則が第一で、何に対しても守り続けるような真面目過ぎる人は融通が利きません。数字にこだわりすぎたり、誰も守っていないようなルールまでもかたくなに守り続けたり、他人がズルいことをするに対して非常に怒りを感じます。
例えば、会社の定時が17時までだとしたらどんなに仕事が残っていたとしても残業をせずに定時の時間を守って帰ってしまったり、会社の定時時間外の飲み会などに参加せず、会社の人と関わる時間は定時までと考えているような人です。
自分ひとりであれば問題はありませんが、チームで仕事に取り組んでいる場合など、周りを巻き込むと人間関係が悪くなってしまいかねません。
②マニュアル第一
融通が利かない人は考え方やルールに固執してまう性格のため、仕事に対してマニュアルがあれば、そのマニュアル第一になってしまいます。
起こりうることすべてのことについてすべてマニュアルに書いてあればいいのですが、現実ではマニュアルに書いていない問題も起こりうる可能性が大いにあります。
そのため、マニュアルに書いていない想定外の問題が発生した場合、焦ったり、慌てたり、責任を部下に押し付けるなど、決められたこと以外受け付けないなどめんどくさいことになりかねません。
③コミュニケーション能力に乏しい
融通が利かない人は自分の考えに固執しているがあまり、他人と話し合うことがとても苦手です。他人の意見や立場を認めることができないため、人の話を素直に聞くことができなかったり、自分の意見を伝えようとしたりしません。自分の意思を貫くことが第一で、相手の考え方を受け入れる余裕が無いのです。
融通が利く人と利かない人の違い
融通が利く人と融通が利かない人それぞれの特徴を挙げてきましたが、それぞれにはいくつか違いがありそうです。
特に思考的なところで大きな違いがみられます。ここでは違いについてご説明していきます。
①相手のことを知るという意思があるか
融通が利く人は相手の考えや意見を知りたい、相手がどんな思考をもっているのか知りたいと思う気持ち強いため、相手が意見や考えを言ってきたときに素直に認めることができます。
逆に融通が利かない人は自分が考えていることが第一で、相手のことを知ろうとう意思が無いため、他人に何か言われたりアドバイスを受けたときに素直に従ったり認めることができません。一方的に話をして、相手の話は聞かないといういわゆる自己中心的なところがあります。
②臨機応変に対応することができるか
融通が利く人は他人や周りの環境をしっかりと観察して、状況把握をすることができるため、急なアクシデントが起こっても柔軟な考えで臨機応変に対応することができます。
反対に、融通が利かない人はルールや自分の考え第一で、他のことなんか考える余裕が無いため、急なアクシデントが起こった時に焦ったり慌ててばかりで臨機応変に対応することができません。
③軸がどこにあるのか
融通が利く人は他人を軸にして物事を考えています。常に他人をよく観察し、その人が何を求めているのかを察知することができるため、なにか要求されたときにその要求に応えることができるのです。別に言葉で求められていなくても、観察して相手が求めていることを察知して実行します。
反対に融通が利かない人は、自分を軸にして物事を考えています。他の人の話を聞かないし、意見を聞き入れることがないため、他人が何を要求しているのかがわかりません。相手の要求を聞き入れず、自分のルールを押し付けるところがあります。
融通が利く人間になるにはどうしたらいい?
融通が利かない人は強い意思を持っているため、悪いことばかりと言うわけではありません。しかし社会においては性別も年齢も違ういろいろな立場・考えを持った人たちと仕事をしていかなければいけません。社会人になった時に自分1人で仕事を行うことは不可能です。必ず誰かが関わってきます。
そのため、融通が利かないと困難なことにぶち当たったときに大変な思いをします。特に組織に属している場合は多く感じられるでしょう。仕事をステップアップさせるためにも融通が利く人間になったほうが良いでしょう。
融通が利く人間になるためにはいくつかポイントがあります。そのポイントを押さえることで融通が利く人間になることができるでしょう。
①人の話をよく聞く
融通が利かない人が融通が利く人間になるためにはまず人の話を良く聞くことが大切です。融通が利かない人は基本的に自分のことで精いっぱいで他人に対して興味もなければ意見を聞き入れる気もありません。興味が無ければ人から話をされても聞き流している感じでしっかりと聞くことができないため、他人に興味を持って、人の話を良く聞きましょう。
いきなり他人の意思を尊重するのは難しいという場合はまずはたわいない話から始めてみましょう。友人とどこか出かける計画を立てるときに友人の行きたいところを優先してみるなど相手の気持ちを尊重してみると、仕事においてもすんなりと相手の考えを認めることができるようになります。
②人間観察をしてみる
融通が利くということは「気が利く」ということです。気を利かせるには周囲の人や状況をよく観察しないとその状況を察知することができません。
人間観察や周囲をよく観察することで、いつもと違うなど状況の変化に気づくことができます。ただし、じーっと凝視しても不審がられるだけなので、見渡す感じで観察をするといいでしょう。
③いろいろな体験をしてみる
融通が利かない人は今までいろいろな体験をしてきていないことが多いです。さまざまな経験をすることで、いろんな発見をすることができたり、新たな考えをすることができます。
今までやったことないことをやってみたり、行ったことが無いところへ旅行をしてみるなど新しいことを始めてみましょう。
④融通が利く人をよく観察して真似してみる
もし自分の同僚や知人に融通が利く人がいたらその人のことを真似してみましょう。融通が利く人が何をしているか観察し、自分も実際にやってみるのです。ただしその時に全く同じことをするのではなく、後日融通が利く人はこんな感じでやっていたなと同じようにやってみるのです。
例えば、融通が利く人が給仕室を綺麗にしていたら、別の日に自分も掃除をしてみるのです。このように融通が利く人の行動を観察して、真似すれば、自然とすることができるでしょう。
⑤年齢や環境が違う人とコミュニケーションをとる
融通が利かない人はなるべく年齢や環境が違う人とコミュニケーションを取ることが大切です。年齢や環境が違えば、考え方ややっていたことなどが違います。
融通の利かない人は人と接する機会がとても少ないです。接していたとしても自分と同じような考え方をした人たちで固まってしまいます。
しかし、自分とは違う考えや価値観を持った人たちと接することで、さまざまな考えや意見に触れることができます。
会社でもできるだけたくさんの人と関わり、社外でもいろんな人と関わっていくことが大切です。価値観が異なるもの同士であつまる機会を多く持つことで、少しずつ自分の考え方に偏ることも少なくなっていくでしょう。
交友関係が少なく、いろんな人とコミュニケーションを取ることが無いという方はイベントに参加したり街コンなどに参加するといいでしょう。
最近では同じ趣味を持つ人が集まるイベントをSNSなどで募集していることも多いので、まずはそういったイベントに参加してみると良いでしょう。同じ趣味を持っていても年齢がバラバラだったり、趣向が違うことも多いため、新しいことを発見するいい機会になると思います。
まとめ
融通が利かないというのも個性の1つですが、働いていく中では融通が利いた方が頼られたりステップアップすることができるため良いでしょう。
すぐに他人の考えや意見を受け入れるのは難しいと思いますが、話しを聞くくらいであればすんなり聞くことができるでしょう。
自分とは全く違う環境にいる人や違う年代の人に話を聞くことで、驚きや発見が生まれることも多いです。「意見を認めなきゃ」と難しく考えるのではなく、まずは話を聞いてみましょう。
関連記事として、
これらの記事も読んでおきましょう。