男と女の友情が成立するか否かというのは、思春期を迎えれば誰でも一度は考えたことのある人類における永遠のテーマかもしれません。
人類における永遠のテーマと言うと、さすがに大袈裟すぎますが、誰もが気になる話題であることは確かでしょう。このような異性間の友情について、男性と女性の双方から様々な意見が出ています。異性間の友情が成立するというアリ派もいれば、ナシ派もいます。
そこで今回は、男女の友情について総合的に考察してみたいと思いますので、参考にしていただければ幸いです。
男女の友情をめぐる議論について
男女の友情の有無について、男性同士や女性同士、あるいは異性の友達同士で会話の話題にのぼった経験のある方は、少なくないでしょう。また、ネットで検索をしてみれば、男女の友情の有無についてのアンケート結果なども多数公表されています。
しかしながら、いずれも明確な結論が出ていませんよね?それは、どうしてなのでしょうか?
友情の定義が、人それぞれ
男女の友情に関する話題で明確な結論が出ない理由の一つとして、そもそも友情の定義が人によって異なることが挙げられるのではないでしょうか。
友情の定義が人それぞれであれば、議論の前提がバラバラになるわけですから、明確な結論が出るはずもありませんよね。
恋愛や友情に関する価値観の相違
恋愛や友情に関して、どれだけの重みを感じるかという価値観の相違も、男女の友情の有無について明確な結論が出ない要因の一つかもしれません。
価値観の相違と言ってしまうと、元も子もなくなってしまいますが、男女によっても考え方の傾向は異なりますし、時代によっても考え方は変化してくるでしょう。
母集団が異なるアンケート
ネットで公表されるアンケートについても、アンケートの対象者である母集団の設定によっては、異なる結論が出てしまうこともあるでしょう。
例えば、恋愛に関するサイトがアンケートを行えば、恋愛に興味のある人たちや恋愛に積極的な人たちしかアンケートに回答しませんから、恋愛に興味の無い人たちにとっては全く共感できない調査結果が出てきてしまう可能性がありまよね。
友情と恋愛
このように男女の友情について語る前提がバラバラです。
だからと言って、人の価値観について取りまとめることはできませんので、少なくとも友情と恋愛の定義だけは確認しておきたいと思います。
友情の定義
友情は、友達同士の間でお互いに生まれる共感・信頼・尊敬などの感情、もしくは共感・信頼・尊敬などで結ばれた人間関係と一般的に定義されます。そして友情は、単なる友達付き合いを超えた特に親しい人間関係の中に存在すると考えるのが一般的です。
この特に親しい人間関係をどのように判断するかというのは難しい問題ではありますが、具体的には、相手のために自己犠牲をできるかということであったり、長期間離れていても繋がりが切断されないことなどが判断基準になるかと思います。
恋愛の定義
恋愛は、特定の異性同士がお互いに愛情を感じて恋い慕う感情、もしくはそのような感情で結ばれた男女の関係性のことと一般的に定義されます。
そして一般的に恋愛は、相手と心理的にも身体的にも繋がっていたい、相手のために自分を犠牲にしても構わない、相手を独占したいという気持ちを伴うもの考えられています。
友情と恋愛の違い
友情と恋愛のいずれも、特別な感情で結ばれた関係性であるという点では共通しています。
しかしながら、異性の友達関係の場合に、片方がもう一方に対して異性であることを意識し、心理的にも身体的にも繋がっていたいと思った時点で、片方にとっては友情ではなく恋愛感情に変わっています。もう一方が未だ友情と考えていても、もはや友情は成立しないと言えるでしょう。
ですから、男子と女子の間に友達関係は容易に成立するかもしれませんが、男女の間に友達関係を超えた友情が成立するためには、男女双方に恋愛感情が存在しないことが必要と言えます。
男女の友情が成立しない理由
このような友情や恋愛の定義等を踏まえて、男女の友情が成立しない理由には、どのようなものがあるのでしょうか?
いわゆるナシ派の側に立った上で、男女の友人関係が成り立つとしても、それを超えた男女の友情が成立しない理由をご紹介したいと思います。
ふとした時に、異性を意識してしまう
男女の友情が成立しない理由として、ふとした瞬間に異性を意識してしまうことが挙げられます。
それまでは恋愛感情の無い友人関係の状態であったのにもかかわらず、ふとした瞬間に今までとは違った一面を見せられたことによって、異性であることを意識してしまうことは良くあります。
このような瞬間は、予期せずにやってきます。例えば、女性が彼は友達以上恋人未満だからと男性に恋愛相談を持ち掛けると、その瞬間に男性が女性のことを異性として意識してしまい気まずい雰囲気になるのは、良くある恋愛男性心理のパターンです。
そして、一度でも異性として認識してしまうと、それまでの単なる男友達あるいは女友達ではなくなってしまいます。相手のことが気になるということは、既に片思いの恋愛感情になっているのです。
したがって、異性を意識した瞬間に、友情は成立しなくなると言えるでしょう。
身近な異性に恋心を持ちやすい
ふとした瞬間に異性を意識してしまうように、人は身近な異性に対して恋心を持ちやすいと言われています。これは、ザイオンス効果と呼ばれています。
ザイオンス効果とは、同じ人や物に接する機会・回数が増えるほど、その対象に対して魅力を感じたり好印象を持つようになるという現象のことで、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスによって提唱されました。
例えば、会社の仕事で苦楽を共にした男女が、仕事に一区切りがついた際の打ち上げ会などの後に一線を越えてしまう状態は、ザイオンス効果が恋愛心理として現れたものと言えるでしょう。
もちろん同性の友人関係であれば、ザイオンス効果が友情に発展しやすいと言えます。しかしながら、異性同士では恋愛感情に発展しやすいことは否定できません。
動物としての本能と下心
ザイオンス効果が、男女の間では恋愛感情に発展しやすい理由は、人間が動物であることに起因する本能と言うしかありません。つまり、男性はより多くの子孫を残し、女性はより優秀な子孫を残したいという動物・生物としての本能が、そうさせるのです。
生き物として人間を捉えれば、男女が恋愛関係に発展することが自然であって、むしろ男女の間に友情が成立することは不自然であると言えます。
ですから、男性が女友だちと会う際に、友だちとして振る舞いつつも、本音ではデートやキスをしたいといった下心を隠している男性心理は、動物・生物としての本能なのです。また、女性が恋活や婚活において恋愛対象・結婚対象としてより良い条件の男性を選ぼうと躍起になることも、女性の本能なのです。
このように人間を動物・生物として捉えれば、男女の本能が存在する以上、男女の間に友情が成立することは無いと言わざるを得ないでしょう。
いずれかに彼氏・彼女ができると遠慮が生じる
男女の友情が成立しない理由として、異性の友人関係のいずれかに恋人ができると、お互いがその恋人に対して遠慮が生じて、疎遠になってしまうことも挙げられます。
例えば、男女の友人関係で男性に彼女ができると、男性は彼女に遠慮して女性の友人と会う機会が減少する可能性があります。また、女性の友人も男性の彼女に対して遠慮の気持ちが生じたり、三角関係と誤解されることを避けるために会う機会を減らすかもしれません。
独占欲が生じる
たまに女性同士の友人関係で見られるのが、一方の友人がもう一方の相手の行動を束縛するような友人関係です。これは、束縛する側の女性がお互いを親友であると思い込み、相手の女性のことを無意識に独占したいと思っていることが原因です。
しかし、このように友人関係で一方の独占欲が発現する際に、そこに通常の友達関係を超える共感・信頼・尊敬があるのかは疑問であり、真の友情が成立しているとは考えにくいところです。
同じように男女の友人関係でも、一方が親友であると思いこむが故に、もう一方の相手に付きまとったり、束縛したりという行動が現れることがあります。
しかし、同じ理由で、その男女の友人関係の中に真の友情は成立していないと言えるでしょう。また、男女の友人関係では、束縛する側が自覚していないだけで、無意識的に異性に恋愛感情を抱いている可能性も否定できず、恋愛感情による独占欲が発現しているのかもしれません。
いずれにしても、男女の友人関係の間で独占欲が現れる場合には、友情は成立しないと考えざるを得ません。
男女の友情が成立する理由
前述のように、男女の友情が成立しない理由をご紹介しました。それでは、逆に男女の友情が成立する理由には、どのようなものがあるのでしょうか?
いわゆるアリ派の側に立った上で、男女の友情が成立する理由をご紹介したいと思います。
人間には理性がある
人間が他の動物と異なるのは、脳が発達したことで高度な知能の他に理性を持っていて、感情をコントロールすることができる点です。男女の友情が成立するアリ派の最大の根拠が、この人間を特徴づける理性の存在です。
たしかに、男女の双方が理性的に節度をもっていれば、男女の間に通常の友達関係を超えた友情が成立するかもしれませんね。
幼馴染など異性を意識しない関係がある
男女の友情が成立するアリ派は、ナシ派の理由である異性を意識することに対して、幼馴染など異性を意識しない特別な関係が存在することをもって反論します。
たしかに、兄弟姉妹のように小さい時から常に一緒に育ったような男女の幼馴染の場合、お互いが兄弟姉妹のように感じられて異性であることを意識しないという話は、良く聞かれますよね。
年齢を重ねると異性を意識しなくなる
男女の友情が成立する理由として、男女双方ともに年齢を重ねれば異性を意識しなくなる時がやってくることが挙げられます。
たしかに、長年連れ添った夫婦には、男女の関係を超越した戦友のような側面が見えることがあります。
一線を越えた仲なら友情が成立し得る
逆説的ではありますが、一度一線を越えて男女の仲になってしまえば、男女の友情は成立し得るという考え方もあるようです。これは、主に男性側から主張される理由付けと言えますね。
つまり、一度男女の仲になってしまえば、その女性に対する性欲への葛藤が無くなり、ざっくばらんで率直な関係を築くことができるということです。
たしかに、モテる男性の自分勝手な理由付けですが、女性側が割り切っていれば、その男女の間に友情が成立するかもしれませんね。
大勢で会うならば友情が成立し得る
男女の友情が成立すると考えるアリ派から良く聞かれる理由が、男女二人ではなく大勢で会うならば友情が成立し得るということです。
つまり、男女二人で会えば異性を意識してしまうけれども、大勢の仲間で会っていれば異性を意識しないということです。二人で会うか、それ以上の複数で会うかが友情と恋愛の境界線であるというわけです。
結局、男女の友情は成立するのか?
以上のように、男女の友情が成立しないとするナシ派、男女の友情が成立するというアリ派の両方の理由をご紹介してきました。
その上で、結局のところ、男女の友情は成立するのでしょうか?それとも、成立しないのでしょうか?
一般的には、男女の友情は成立しない
結論から言うと、一般的には男女の友情は成立しないと言えます。
そこで、男女の友情が成立するという理由に対する再反論をご紹介します。
理性は、本能に勝てない
男女の友情が成立すると考える最大の根拠は人間には理性が存在することなのですが、生き物としての本能と理性では、結局のところ理性は本能に勝てないのです。
本能に沿った行動は容易に苦労なく行うことができますが、本能に反した行動を理性的に行うには並外れた精神力が必要とされます。なにも性欲に限ったことではなく、食欲でも睡眠欲でも同様です。
ですから、男女の間に友達関係は成立しても、生物としての本能とザイオンス効果によって異性を意識し恋愛感情が片方もしくは双方に生まれるので、友達関係を超えた男女の友情は成立しないと言えるでしょう。
幼馴染でも、異性を意識しないとは言えない
たしかに、幼馴染が兄弟姉妹のように感じられて異性であることを意識しないこともあるでしょう。
しかしながら、幼馴染の男女が永遠に異性であることを意識しないとは言えません。また、幼馴染の男女が結婚することだってあるわけですから、その際には少なくともパートナーが異性であることを意識し、パートナーに対して恋愛感情も芽生えていたはずです。
男女の友情が困難であることを前提にしている
年齢を重ねると異性を意識しなくなるという理由付けは、そもそも男女の友情が成立しにくいことを前提としています。つまり、年齢を重ねる以前の段階では異性を意識すると認めているわけです。
同じように、一線を越えた仲なら友情が成立し得るという理由付けも、男女の友情が一線を越える前には成立しないと認めているわけですね。
そもそも友情が生まれていない
大勢で会うならば友情が成立し得るという理由付けは、そもそも論理が破綻しています。というのも、友情は、友達同士の間でお互いに生まれる共感・信頼・尊敬の感情のことで、単なる友達付き合いを超えた関係の中に生じるものだからです。
大勢で会うことしかできないならば、その関係は単なる友達関係・知人関係でしかなく、友情が生じる関係ではないのです。
特殊な事情があれば、男女の友情は成立し得る
このように人間が動物・生物であることを考えれば、男女の間に友情は成立しないというのが自然なことだと言えるでしょう。
ただし、絶対に男女の友情は成立しないと言うこともできません。男女の友情が成立する理由に挙げられたような特殊な事情や関係がある際には、男女の友情も成立する可能性があることを否定できません。
お互いに別の異性と結婚している幼馴染の男女で年齢を重ねていれば、お互いに異性を意識することもなく友情が成立するかもしれません。
また、一度男女の仲になることで、その女性に対する性欲への葛藤が無くなり、ざっくばらんで率直な関係を築くことができるという男性が存在することも事実で、女性側が割り切っていれば、その男女の間に友情が成立するかもしれません。
いずれにしても、男女の友情が成立し得る状況は相当に狭く限定された範囲です。したがって、男女の間に友情が成立しないことが原則であり、例外的に男女の友情が成立することがあると考えるのが良いのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?男女の友情について、それぞれの考え方をご理解いただけたでしょうか?
今回の記事は、あくまで筆者の個人的な考察に過ぎません。最初に述べたように、男女の友情が成立するか否かというテーマは、誰もが気になるテーマです。ですから、人それぞれ様々な意見や価値観が存在しますし、それに伴って本記事に対して賛否もいろいろあるでしょう。
本記事が、改めて友情や男女関係について考えるきっかけになれば幸いです。
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