「デスクワークで毎日パソコンと向き合いっぱなし。」
「家でもスマートフォンをいじりだしたら止まらなくて、そのままの体勢で数時間経過している。」
・・・気づいたら肩や首が重くなっていた!なんて経験はありませんか?
放っておいてしまうと、更なる体の不調を招きやすくなってしまいます。
是非、今から改善できるようにストレッチ方法や日常生活の見直し方法を覚えていきましょう!
現代人が抱えやすい、肩の不調
冒頭でお話した様に、パソコンやスマートフォンを長時間使用する生活が当たり前になっている私たちは、体を積極的に動かす事が減ってしまいました。それに比例して、重い物を運ぶ仕事をする人たちとはまた違う、筋肉を使わないことによる肩こりや、体がだるくなる等の症状を訴える人が増えてきました。
これらの肩の不調は、平成の現代病と言っても良いでしょう。
体を動かさないと、筋肉は固まってしまう
人間の体の中でも重たい部分である頭。これを日常生活で無意識に支えているのが、肩や首の筋肉です。座っているだけでも、肩の筋肉は常に頭を支える為に働いています。
そして動いている筋肉より支える筋肉の方が、常に硬く緊張している状態になっています。
筋肉は動かすことによって血行不良を防いでいますが、硬く緊張したままでいる事による血行不良で、疲労物質が溜まってしまい、肩こりにつながってしまうのです。
長時間のデスクワーク、スマートフォンの操作で体を動かすタイミングがなくなってしまうのは、肩にとってとても負担がかかる事なのです。
筋肉に溜まる疲労物質について
筋肉疲労を和らげる為には、疲労物質である乳酸を貯めない。という事を、スポーツ選手の健康管理の話等から聞いた事がある人が多いと思います。その乳酸について少しお話します。
体を動かすエネルギーを生産する時に副産物として生産されるものが乳酸です。筋肉や血液中に乳酸が溜まると疲れや緊張が取れません。そのため、この乳酸こそが「疲労の原因になる物質」だと言われていました。
それから研究が進み、乳酸自体が疲労の原因ではないことが明らかにされました。はっきりとした疲労の仕組みは解明されていません。しかし、乳酸が作られる過程で、筋肉のpHバランスが酸性に傾くことが、疲労の原因の一つだと分かりました。
直接の原因ではないのですが、「疲労の目安」という意味で今も乳酸=疲労物質と呼ばれています。
姿勢が悪くなっていることに気づいて
姿勢が悪い=猫背の人は、自然と頭が前方に傾いてしまっている状態です。
この状態は、頭を支える首、肩、背中の筋肉が更に働きます。バランスを取る為に、支える力にプラスして頭の傾きを戻そうとする力が必要となるのです。正しい姿勢の人と比べて、猫背の人は肩に負担がかかっています。
パソコン、スマートフォンの操作に集中していると、つい画面に顔を近づけるような姿勢になってしまいます。猫背の癖がついてしまう事につながりやすいのです。
眼精疲労も肩に悪影響を及ぼす
デスクワーク、スマートフォンの操作で共通するのが「目の酷使による眼精疲労」です。
長時間絶え間なく、文章、画像を目で追っていると、目が疲れてしまいますよね。
目の疲れは、無意識に行っているようにみえている光や情報を取り込む作業でも蓄積されます。そして何より、仕事の操作や大事な情報を見る時に自然と目に力が入ってしまっていることが疲労の原因です。
目を使う筋肉、神経は首から肩にかけてつながっています。眼精疲労を起こすとその疲労が伝染してしまうのです。
肩の重みを放っておいてはいけない理由
肩が重い、と感じた時点で肩こりの解消をするべきですが、なかなかケアの時間を取れないのが現状だと思います。しかし、放っておいてしまうと、頭痛、吐き気、めまい等辛い症状を引き起こしてしまいます。
肩こりからくる頭痛、吐き気の仕組み
肩が重いとき、肩や首の筋肉は緊張した状態のまま固まっています。そして血行不良により疲労物質、老廃物も溜まったままです。
そして血行不良が引き起こすのは、血管内の酸素不足です。肩、首まわりの血管からつながる脳血管の血流にも影響を及ぼします。
先に挙げた眼精疲労から肩こりにつながるお話と共通していて、肩の不調から脳血管の血行不良が起こり、慢性的な酸欠による頭痛、吐き気が起こってしまうのです。
肩こりから起こるめまい=自律神経失調症の可能性
大事な仕事、責任を負わなければいけない仕事をするのにパソコンに向かっている時、無意識に目や肩に力が入ってしまっていませんか?この状態が続くと、周辺の筋肉が常に緊張した状態になり、先にお話した脳血管の血行不良にもつながります。
そしてこの継続する緊張状態は、感情や行動のバランスを取るためにある、自律神経の働きが乱れてしまっているサインになっている可能性があります。
自律神経には交感神経(=活動的にするための神経)と副交感神経(=リラックスするための神経)の2つの機能があります。これらの機能がバランスよく働いていることで、私たちは健康的に生活できています。
仕事を受ける際に、つらい、嫌い、不快など、の感情の情報が脳に伝わった時、自立神経の交感神経が活発になります。そしてその状態が続くと、副交感神経の機能が落ちてしまい、バランスを崩します。バランスが乱れた時、自律神経失調症という症状になってしまいます。
自律神経の乱れで変に目や肩に力が入り、血管不良を起こし、頭痛、吐き気に悩まされてしまいます。そして自律神経失調症は体全体に影響を及ぼすので、感情のコントロールが上手くいかなくなった時、体の不調としてめまい等も発症してしまいます。
早めのケアで対策を
肩こりから起こる体全体の不調は、出来るだけ防ぎたいものです。
ここでは、少し肩が重いなぁ、と思った時に手軽にできるマッサージ、ストレッチの方法をお話します。
思い立った時に出来るマッサージ
こりを解したくて、ついゴリゴリと強くマッサージしてしまうかもしれません。
しかし、固くなった筋肉を過度に刺激し続けてしまうと筋肉を傷つけてしまいます。そして修復する為にまたエネルギーを使わなければいけないので、疲労物質がたまってしまう原因になってしまいます。
優しく、血行をよくしていくイメージで行っていきます。始めは一時的な効果になりますが、思い立った時に繰り返していけば徐々に改善していきます。
仕事中のちょっとした休憩時にも出来るので、是非リフレッシュも兼ねて取り入れてみてください。
1.左右の首筋に指を当てる
首と肩の筋肉はつながっています。首からケアしていくことで、肩の筋肉の緊張がほぐれやすくなります。
2.ゆっくりと円を描く様にさする
首筋がコリコリと固く感じても、決して押しつぶす様な事はせず優しくさすりましょう。
3.さする指を少しずつ両肩までおろしていく
指先で患部を温めるようなイメージで丁寧にさすります。
4.コリコリと固い感触が消えていく様に感じるまで1〜3を繰り返す
固い症状がひどい人は、繰り返していくうちに強くさすってしまいそうになるかもしれませんが、変わらない強さで行う事を意識しましょう。そして長くても10分を目安に切り上げましょう。
家で簡単に出来るストレッチ
人目を気にせず、椅子にちゃんと座る以外は特に道具も必要なく行えます。
寝起きの目覚ましに、仕事が終わって自宅でまったり休めるときに、習慣付けできるようにしましょう。
1.息を吸いながら、両肩を耳下あたりまで持ち上げて3秒間キープする。
ゆっくり大きく息を吸います。肩がちょっと痛いなと思ったら、無理のない高さでキープしましょう。
2.息を吐きながら、肩の力を抜く。
ガクンと肩を落とすと、筋肉が引きつって痛くなってしまうことがありますので、こちらもゆっくり行います。
3.1、2の動作を3度繰り返したら、肩を5回後ろにまわす。
両肩をまわすのが辛い状況の場合は、片方ずつまわしても良いです。
4.腕を上げ、曲げた肘が耳の横にくる様にして5秒間キープする。
肘を曲げたとき、耳から離れていたり肩より下がった位置になってしまう人は、無理のない様に、少しずつ出来る様にしましょう。
5.4を5回繰り返す。
深呼吸を忘れずに行います。このストレッチは一日2〜3回を継続して行えると効果的です。
湿布を使用する。
マッサージ、ストレッチと併用して、湿布を使用する事も改善に効果があります。筋肉の炎症に効くとされているインドメタシン、フェルビナクを配合したものが良いです。
体を冷やしたくない、血行不良を治したい人は、温感湿布を選ぶと良いでしょう。
予防できること
肩が重い、と気づいた時に簡単にケア出来ることをいくつか挙げましたが、生活習慣の見直し次第では予防も出来ます。
仕事でも日常生活でも、パソコン、スマートフォンとはなかなか離れられない今の時代ですが、健康に生活できる為に、一つでも出来ることを取り入れてみてください。
パソコン、スマートフォンの画面を1時間以上連続して見ない。
肩の不調の原因になる、同じ姿勢で居る事と眼精疲労につながります。
どうしても席を立てない状況の場合は、その場で30秒目を瞑るだけでも疲れ具合が違ってきますので、定期的に画面から目を反らすようにしましょう。
猫背に気をつける
同じ体勢でも、正しい姿勢で居る事が大事です。座っている時は腰から上体を持ち上げて支えるイメージでいましょう。
慣れるまでは腰や腹筋が変な感じがしますが、肩や首の負担が格段に減っていきます。
適度な運動で自律神経を整える
現代社会において、ストレスを溜めない、というのは難しいのが事実です。
なんだか疲れたな、だるいな、と思ったら、少し散歩をしてみましょう。自律神経の乱れが改善されます。特になにも考えずふらふら歩くだけでも気分転換になるので、運動しよう、と気負わず続けられます。
まとめ
私たち現代人が抱えやすい、肩の不調のお話でした。
ちょっとした目の疲れ、肩こりからストレス、頭痛など起こってしまうと、気持ちの問題でも、体調の問題でも改善までの道が長くなってしまいます。
機械と共に過ごす毎日で、自分の為に出来るケア、予防は今のうちに習慣付け出来る様にしておきましょう!