体に傷が出来た事は一度は経験した事があると思います。浅い傷でも深い傷でもまだ跡が残っていて、見た目が良くないと思っている部分はありませんか?
完璧に消す事は出来なくても徐々に薄くしていったり、普段は隠しておくという事もできます。
目立つ部分の傷や、あまり見られたくない傷はなるべくなくしてしまいたいですよね。傷跡を消す方法を幾つか紹介しますので、試してみて効果がある方法を行ってみましょう。
有効と考えられるいくつかの方法を紹介します。
傷跡の種類
傷跡と言っても色々な種類の傷跡があります。色によって分けられ3種類に分類されています。出来ればどのような経緯でついた傷なのかも知っていればより詳しく傷の種類を分けることが出来ます。
赤い傷跡
赤い傷跡は傷が出来てからあまり時間が経っていないものや、傷の治療が長引いた時に出来ます。主に手術によって傷が出来たものに多く見られ、炎症し続けているので赤い色になります。この赤い傷跡は「ケロイド」「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」とも呼ばれており、最初は痛みを伴い回復していくうちに痒みが出てきます。
手術以外でも体質的な問題や、関節などよく動かす部分にもできやすく、よく見かける傷跡です。皆さんが小さい頃に行ったBCGの注射跡が腕に残っているという人がいると思いますが、あれも赤い傷跡の部類に入ります。
白い傷跡
白い傷跡は深い傷に多くみられ、表皮よりも更に深い部分まで傷が付いてしまったものが原因です。深い部分にはメラニン色素が少なく傷跡部分だけが白くなってしまいます。
真皮の主成分はコラーゲンになっていて、そのコラーゲンの新陳代謝サイクルが2~6年ゆっくり行われ肌が再生していきます。深くまで傷が達してしまった場合、新陳代謝による細胞の入れ替わりを待っているととても長い時間待たなくてはいけません。
傷口を塞ぐ為に肉芽組織細胞が増殖を始めるのですが、その肉芽組織はタンパク質でできていてメラニン細胞が存在しないので他の皮膚よりも白くなります。これが白い傷の正体です。
この白い傷跡は一度ついてしまうと消える事がなく、何年たっても白いままの状態です。赤い傷や黒い傷と違って肌色に馴染みやすい色なので、遠くから見るとあまり目立つ事は無いのですが近くで見ると傷跡だとわかります。
この傷は切り傷のような細い傷よりかは、擦り傷で広範囲に怪我をした場合に残りやすい傷です。触ってみると表面はなだらかで毛穴が無いのが特徴です。
茶色い(黒色)傷跡
深い傷の時に皮膚が再生せずに黒く痣のように出来てしまう場合があります。また、浅い部分でも治るまでに長時間かかった場合や、傷の部分が紫外線に当たってしまうと色素沈着を起こし黒く残ってしまいます。炎症が長く続くと傷のメラニン色素を作っている細胞が激しく活動して、メラニン色素が多くなる事で起こります。
紫外線に当たりやすい顔の部分で、ニキビの傷に紫外線が当たり黒くなってしまう事が多く、経験ある人が多いのではないでしょうか。
消える傷と消えない傷
傷には全く目立たなくなる傷と跡が残るものがありますが、それは単純に深い浅いの問題なんでしょうか?
真皮まで達した傷が残る
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層でできていて、傷が2層目の真皮まで達した時に傷跡が残りやすくなります。擦り傷でも表皮だけ傷付くものと真皮までえぐれてしまう擦り傷があり、傷の種類の中でも深さによって傷が残るか残らないかが決まってきます。
真皮でも毛穴が残っている半分までの傷であれば再生する確率が高くなりますが、半分以上傷付いてしまうと再生が難しくなります。毛穴は真皮の半分辺りまであり、その部分までは表皮の細胞が存在するのでそこまでの傷であれば表皮細胞が増殖して再生出来ますが、毛穴の奥まで傷付くと再してくれる部分が無くなってしまうので、再生出来ず傷が残ってしまうのです。
やはり傷の深さによって消える消えないが決まってくるんですね。
傷を消す(隠す)方法
では傷跡を消す方法を紹介します。
赤い傷跡に対して
赤い傷跡は基本的に半年ほどで回復するので、経過を見る事が大事になります。シリコンシートを使って圧力を加える事で傷跡のデコボコを改善したり、赤みを抑える効果が期待されます。傷痕が目立つ場所にあり恥ずかしいという場合は、ファンデーションなどで隠す方法もあります。化粧品などでも良いですし、テープの物もあるのでそれを活用してみてください。
注意してほしいのが、赤い傷は痛みと痒みがある場合がほとんどなのでその状態の時は上に何か貼ったり薬以外を塗ると悪化してしまうので、収まった頃から隠すようにしましょう。痛みと痒みが出てきた場合は傷を弄らず、患部を冷やして下さい。症状が激しい場合は病院に行き、副腎皮質ホルモン剤を貰うと軽減しますし傷が残りにくくなります。
掻いてしまうと傷が治りづらかったり、逆に傷を広げてしまったりする可能性もありますので、かゆみに対する対処は正しく行いましょう。
白い傷に対して
患部を保湿してあげる事が大事になります。保湿するシリコンシートやローションなど毎日塗ってあげましょう。白い傷は肌と対して色が変わらないのでそこまで神経質になる事はありませんが、隠す時はファンデーションを使うと良いでしょう。
茶色い(黒色)傷に対して
茶色い傷は紫外線予防が必要になります。肌に日焼け止めを塗るなどをして紫外線対策をしっかりする事で、メラニン色素の色素沈着を避ける事が出来ます。また、既に茶色くなっている傷に対してはビタミンCを摂る事が一番大事になります。
体の中から効かせるのも良いですがそれですと効くのに時間が掛かってしまいますし、効果が薄くなります。ですので肌に直接塗る物ですと効果が効きやすいので、ビタミンC誘導体APPSが配合されている美容液を肌に塗るのがベストです。
ピーリングを行うのも効果的です。ピーリングとは古い角質を取り除く方法で、早く治したいという人にオススメです。しかし肌への刺激が強いので行う時は適度な間隔を空ける事が大切になります。
全ての傷に対して
●食材を使う
「レモン」は古い角質を取り除いてくれるアルファハイドロキシ酸という物質が含まれていて漂白剤のような役割を担ってくれます。傷跡とその周辺を綺麗にし、コットンなどにレモン汁を小さじ1ほど染み込ませます。染み込ませたコットンを傷跡に10分ほど当て洗います。
「ハチミツ」は傷跡の色素を薄くしてくれる役割が期待されます。ハチミツを小さじ2ほどを同じ量の重層と混ぜて、傷痕に塗ります。暫くしちてから温めたタオルを置きそ、それが冷めてきた事に洗います。
「アロエ」は抗炎症作用があるので皮膚の炎症を抑えてくれる効果が期待されます。アロエはジェル・軟膏・ローションになって販売されているので、それを使用すると良いでしょう。
「きゅうり」は肌を潤してくれる効果があり、肌にも刺激が少ないのでオススメです。きゅうりのペーストは自宅でも作れます。緑の部分の皮を剥きミキサーに掛けて卵の白身部分を掻き混ぜ、傷痕に塗ります。30分ほど塗り洗います。
「バージンオリーブオイル」にはビタミンEとビタミンKが含んでおり、傷痕を早く回復する効果が期待されます。また、色素を薄くしてくれるので茶色い傷跡などに有効です。オイルを傷跡に塗り10分ほどマッサージをして拭き取りましょう。洗う必要はありません。
●市販薬
- 「アットノン」はヘパリン類似物質で血行促進作用があるので、皮膚の新陳代謝を高めてくれます。
- 「ヘパリン」はヘパリンナトリウムの作用で血行促進と炎症を抑えてくれる効果が期待されます。
- 「トリポロン」はシリコンジェルシートになっているので、保湿が行えます。
「バイオイル」は抗酸化成分のビタミンA・ビタミンEの他にラベンダーなどの植物エキスが入っているので皮膚に優しく皮膚再生を促進させる効果があります。
●レーザー治療
白い傷跡や凹凸のある傷跡はレーザー治療が有効です。レーザー治療は傷跡の具合にもよりますが10回程で治ります。レーザーにも種類があり「色素レーザー」「ヤグレーザー」「炭酸ガスレーザー」の3つになります。
色素レーザー
皮膚の表面から1.5mmの深さまで貫通する単一波長のレーザーを患部に照射して皮膚表面の血管を焼きます。このレーザーは赤い傷跡に有効で色を薄くしてくれる効果があります。麻痺クリームを塗る事が出来るので治療中に痛みを感じる事はありません。麻痺になりにくい人もいるようで、治療中に痛みを感じるようであれば局所麻酔も行えます。
ヤグレーザー
メラニン色素が原因になっているシミ・アザの治療が出来ます。色素レーザーでは消せなかったシミにも対応しているのがとても良いところです。皮膚の真皮部分まで届く波長にプラスしてメラニン色素を効率よく破壊してくれる波長も出せるので皮膚の浅い部分と深い部分どちらも対応できるのです。施術後は肌がとても敏感になっているので刺激を避けなければいけません。2週間ほどはカサブタになり赤みが出ますがこれが治ると新しい皮膚になっているので焦る事はありません。
炭酸ガスレーザー
二酸化炭素を媒質にした赤外線の高出力パルス派を当てる治療です。このレーザーは黒い傷跡に有効で他にもほくろ除去などにも利用されます。水に吸収される性質のレーザーなので、患部の内部まで入り込み組織を分解してくれます。局所麻酔を使用するので治療中の痛みは感じません。皮膚が焼ける臭いがするのでそれを耐えるのが苦痛な人もいるようです。このレーザーは施術後のダウンタイムが長いので、治療するタイミングを考えなければいけません。
薬品を使用した治療
先にも紹介したように、市販薬や病院での処方によって行われる薬品による傷を消す治療を詳しく紹介していきます。
アットノン
小林製薬から販売されている商品で切り傷や擦り傷ややけどの後や虫刺されのあとや手のひび割れ、あかぎれ、しもやけなどの傷跡を消すことが出来ると謳っている商品です。
出来てから1〜2年経ったあとの傷にも効果があり、傷跡を目立たなくしてくれます。傷が治っている段階での使用はできません。完全に治ってしまった状態で残っている傷跡に対し使うことが出来ます。
有効成分である、ヘパリン類似物質の効果で水分保持作用、抗炎症作用、血行促進作用という3つの効果で傷口に働きかけ、やけどや切り傷などの傷跡をなくしていきます。傷跡が残ってしまうような傷の部分には毛穴が無いこともあり、乾燥を引き起こしてしまいがちです。その乾燥を防ぐために有効な保湿成分が配合されており、同時に角質の柔軟性と保湿性を取り戻していきます。
肌の新陳代謝を促し、28日間で行われるターンオーバーで傷口をなくしていきます。効果を実感するためには、この肌の新陳代謝期間である28日間の使用を行いましょう。
ヘパリンZクリーム
この市販薬も同様に1〜2年ほど経過した後の傷に効果があり、切り傷ややけどなどの皮膚のつっぱりや虫刺され青あざなどにも効果があります。ヘパリンナトリウムという成分の抗凝固作用によって血行を促進させて、細胞の持つ組織液やリンパ液などの循環を活性化させ傷跡の残った皮膚の再生を行っていきます。
血行障害の炎症などの症状も緩和させるので青あざなどの症状にも効果があります。しかし、この商品には保湿を行ってくれる成分が配合されていないため、ワセリンなどと混ぜて使用すると良いでしょう。
患部以外につかないように、薬をワセリンと混ぜて患部に山盛りに付けてガーゼで押さえるなどしてテーピングを行い、過ごしましょう。なるべく長時間患部に塗っておいたほうが効果があるので、寝るときや休みの時間帯はなるべく薬品が付いた状態にしておく事が望ましいでしょう。
ヒルドイドソフト軟膏
皮膚科などで処方される代表的な塗り薬です。基本的な作用としては保湿作用が強く、乾燥性の皮膚炎などの症状に有効です。患部の血行を促進することで、痒みや痛みや腫れなどの症状を緩和します。
皮膚の乾燥による湿疹やケロイド状になった皮膚の乾燥を防いだり、傷跡を消すために処方される薬品です。
美容マニアの間では有名な薬で、医師からも評価の高い、究極のアンチエイジングクリームとも呼ばれています。クリームやゲルやローションタイプのものもあります。
傷後の部分の皮膚に効果があるだけでなく、目元の小じわなどを消してくれる効果もあります。この薬は保険が適用される薬でもありますので、1本50g程の用量で200円程度で購入することが可能です。
医師の処方箋が無くてもネットで購入もできるので手軽に手に入れることが可能です。
APPS配合の美容液
肌から吸収されやすいビタミンCを含んだ化粧水です。ビタミンCを肌から吸収することで肌のハリを作るコラーゲンを生成する事を促進する効果やシミ、くすみ、ニキビ跡などの色の沈殿を改善したり、傷跡を目立たなくする効果もあります。
体調を整える為にはビタミンCは摂取するほうが効果的ですが、傷跡など肌に直接効果を出したい場合は、肌からビタミンCを吸収させたほうが効果的でしょう。
トラニラスト
塗り薬ではなく、飲んで傷をできにくくする内服薬です。肥満細胞より、アレルギー反応を引き起こす物質が排出されることを防いだり、線維芽細胞からコラーゲン成分が生成されるのを防いでくれる効果があり、傷の原因となる成分の生成を抑える働きがあります。
その為、傷を目立たなくする手術などを受けた際にトラニラストを服用しながら、傷口の回復の経過を観察すれば、手術跡が目立たなくなる、薄くする効果があります。
特に肥厚性瘢痕を作ってしまう原因であるTGF- β1という活性酸素の働きを抑えることで傷跡を目立たなくしてくれる効果があります。
先発薬であるリザベンの後発薬ジェネリック医薬品であるため、価格も安価なのも特徴です。
まとめ
いかだでしたでしょうか。傷はちょっとした事でもついてしまいます。気を付けていてもいつの間にか出来てる時ってありますよね。浅いものならそこまで心配する事はないですが、深いものですと暫く消えなくて目立つ場所だと恥ずかしいですよね。そんな時はここで紹介した消す方法とケアを試してみてください。
一番早く治す方法としてはレーザー治療が有効なので、余裕がある人にはそちらがオススメです。しかし傷が出来る度に毎回レーザーというのも大変になるので、小さい範囲で目立ちにくい場所であれば食材を使った消し方で時間を掛けて消していくというのも良いかもしれません。
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