冬になると悩まされる方が多い、指のひびやあかぎれ。特に水仕事の多い職業の方や、主婦の方は毎年、悩みの種になっているかと思います。せっかく治りかけてもまたぱっくり・・・なんてことも多いですよね。
クリームを塗ってもなかなか治らない、毎年ぱっくりを繰り返している、あの辛さをなんとかしたい!という方へ、上手なひび割れとの付き合い方、ケアの方法をご紹介いたします。
指のひび割れ・あかぎれの原因
そもそも、なぜひび割れになるのでしょうか?まず思いつくのは、肌の乾燥ですよね。だからクリームをたっぷり塗っておけば大丈夫、と思っていませんか?
実は、しっかりと保湿をしていてもひび割れになることはあります。つまり、肌の乾燥だけが原因ではないということですね。
主に考えられるびび原因割れのは、以下の3つです。
- ・乾燥(一番に思いつく原因ですね)
- ・血行不良
- ・免疫力の低下
肌の乾燥はまだしも、それ以外に原因があるなんて、予想されていなかった方も多いのではないでしょうか?
ではなぜ「血行不良」と「免疫力の低下」がひび割れに関係するのか、ご説明しましょう。
手荒れの原因は「乾燥」だけじゃない?
手荒れは肌の乾燥以外にも起こるんです。
・例えば、「血行不良」
血行が悪くなると、必要な栄養が行き届かなくなり、新陳代謝がしっかりと行われなくなります。これにより、老廃物がきちんと排出されず、肌荒れを引き起こし、ひびわれにつながるのです。肌の調子が整えられていない状態で保湿クリームを塗っても、症状は改善しません。
・例えば、「免疫力の低下」
睡眠不足やストレス過多など、心身のバランスが崩れると、やはり栄養が隅々まで行き渡らなくなり、肌荒れにつながります。
「ひび割れ」と「あかぎれ」の違い
肌が乾燥したり、免疫力が低下したりすると、肌が荒れて「ひび割れ」の状態になります。要するに、肌の表面が割れている状態を「ひび割れ」というのです。
この状態を放っておくと、さらに肌のダメージが広がり、「あかぎれ」になります。肌がダメージを受ける箇所の違いは、
- ひび割れ:皮膚の表面にひびができた状態
- あかぎれ:真皮にまでひびが到達した状態
つまり、「ひび割れ」が悪化したものを「あかぎれ」と呼んでいます。あかぎれになると、皮膚には強いかゆみが出て、場合によっては出血も伴います。水仕事だけではなく、手を使った作業全般に支障が出てしまう状態です。
ひび割れ・あかぎれになりやすい習慣
ひび割れやあかぎれを防ぐために、日々の生活の中で気をつけられることから始めましょう。
食器洗い
①水で洗う
血行不良につながり、ひび割れの原因になります。特に冬場は、ただてさえ寒さによって血行不良になっているところに、水仕事によって追い打ちをかける形になり、血行不良が進んでしまうのです。場合に寄っては、ひび割れと合わせてしもやけができてしまうこともあります。
②お湯で洗う
血行不良改善、作業の効率化(乾きやすい)などの理由から、お湯で食器洗いをされる方も多いかと思います。しかし、お湯はセラミドなどの細胞間脂質も一緒に洗い流してしまうため、皮膚のバリア機能を壊し、油分が失われて、肌の乾燥につながります。
食器洗いの回数が多い:洗剤に含まれる界面活性剤などにより、「洗剤かぶれ」を引き起こします
手洗い
頻繁に手洗いを繰り返すと、ハンドソープなどによりバリア機能が壊され、肌の乾燥を招きます。少し手が汚れただけで頻繁に手洗いをしている方は、要注意です。手洗いを必要最低限に抑えることで、肌を乾燥から守りましょう。
手作業
水またはお湯を使う作業ではないので、意外に思われる方も多いかと思いますが、紙などを触ることで油分が奪われ、肌の乾燥につながります。
このように、日常的に行っている作業の中でも、肌は常に乾燥の危機にさらされているのです。
あかぎれの意外な原因
ひび割れの主な原因は血行不良や乾燥だとお伝えしてきましたが、あかぎれに関しては、それだけではありません。
栄養不足やストレスも原因に
寒い季節にはあかぎれやしもやけになりやすいですよね。しかしその原因は、ビタミンの不足も関係していたんです。
①ビタミンAの不足
野菜などが不足しがちな方は要注意!肌トラブルの原因になります。
②ビタミンEの不足
ビタミンEは血管を広げる拡張作用があるため、血行促進や抗酸化作用に非常に重要なビタミンです。不足すると体の血流が滞り、栄養が体にいきわたらなくなる事で、手足の冷えにつながります。
③ビタミンCの不足
ストレスが多いと感じている方や喫煙者の方は大量のビタミンCを消費するため、知らず知らずの内に不足しがちです。適度な摂取を心がけましょう。
子供のあかぎれ
子供も、冬になるとよくあかぎれになっている子が多いかと思います。水やお湯が染みますし、痛みもあるのでかわいそうですよね。
・原因は乾燥+α
大きな原因は大人と同様、肌の乾燥です。しかし、うがい手洗いの習慣により、石鹸を使う機会が増え、結果的に肌のバリア機能が損なわれていることも原因の一つです。
特に、学校などの集団生活をしていますから、インフルエンザの予防もかねて、手洗いには力を入れてしまいがちですよね。それが手洗いを頻繁にし、手の乾燥を進行させる原因にもなってしまうのです。
・アルコール消毒は適切に
今は除菌スプレーやウエットティッシュ、ジェルなどでアルコール消毒をすることも珍しくありません。むしろ推奨されているくらいですが、こちらもやりすぎると子供の肌を乾燥の危険にさらしてしまいます。
アルコールは肌に触れると気化しますが、その時に肌の表面にある水分も一緒に奪われてしまうのです。過度な除菌はかえって子供肌荒れを進めますから、注意が必要です。
また、手洗いや除菌のあとには、ハンドクリームなどで油分を補い。失われた水分を補給することが大切です。
ひびわれ・あかぎれの対策
上手な対策をするためには、ひび割れ・あかぎれについて詳しく知る必要があります。まずは、手荒れにはどんな種類があるのか、簡単にご説明しましょう。
肌荒れの種類
①手湿疹
手に起こるあらゆる手荒れの総称ですが、その原因は主にアトピーや乾燥だと言われています。皮膚に炎症が起こっている状態を指してこう呼びます。
②進行性脂掌角皮症
指や手のひらの角質が固くなり、肌がうろこのような状態になります。乾燥し、肌に亀裂が入るというのがその特徴です。直さなければ進行してゆき、ひび割れの主な原因にもなっています。
ひび割れの上手なケアの仕方
これまでひび割れの原因を説明してきましたが、では、具体的にどうしたらよいのでしょうか。ひび割れになってしまった、これ以上繰り返したくない。そんな方のために、ひび割れのケアについて、詳しくご紹介します。
ひび割れ、ぱっくり傷口のケア
①まず、幹部をお湯でよく温めましょう。それから、軟膏などで傷口の補修します
②手のマッサージをして、血行を促進します。指一本一本まで、丁寧にマッサージしましょう
③これが最も大切なことですが、手はあまり使わないようにしましょう。せっかく軟膏などで治療しても、手を使うことで傷口が開いてしまっては長引くだけです。
日頃のケアでひび割れ、あかぎれ知らず
大前提として、肌を乾燥から守る、寒さから守ることが何より大切です。とはいえ、家事を休むわけにはいきませんから、以下のケアをしっかりと行いましょう。
乾燥から守る
- 水仕事は必要最低限に抑え、乾燥にさらされる回数を減らす
- 洗剤を使う場合は直接触ることを避け、ゴム手袋などをする。(洗剤を使わない場合も有効)
- 洗剤を使う場合は、薄めて刺激を少なくする
- 洗いものをする時は、冷水やお湯ではなく、ぬるま湯を使う(血行不良、油分の洗い流しを防ぐ)
- 冬などは寒さ対策として、外出時には手袋をして、外的刺激から手を守る
- 水仕事などのあとには必ず保湿クリームで油分を保湿し、手を乾燥から守る
できてしまったひび割れ、あかぎれ対策
予防対策をとっていてもなってしまった場合は、追加で保湿対策が必要です。
・ハンドクリームによる保湿+ビタミンEの補給
ビタミンEを含む軟膏を塗ることで、保湿だけでなく栄養補給もでき、肌トラブルの改善に役立ちます。さらに、使用するハンドクリームはグリセリンや尿素を含むものにすると、より効果的です。
ワセリンも傷のケアとしては有効ですが、水分補給の働きはないため、保湿クリームと合わせて使用するとよいでしょう。
大切なのは、肌を乾燥させたまま放っておかないことです。面倒でも、水仕事などのあとにはこまめに水分をふき取り、保湿クリームをたっぷりと塗りましょう。このケアをしっかりと続ければ、徐々にひび割れも改善します。
ただし、それでも改善しないような場合には、医療機関を受診し、ステロイドなどを処方してもらいましょう。無理をせず、自分の症状に合ったケアをすることが解決への近道です。
まとめ
誰もが悩まされる手荒れ。毎年繰り返すひび割れやあかぎれを、「冬だから仕方ない」「家事は休めないから仕方ない」とあきらめていませんか?ぱっくり割れは何度経験しても辛いものですし、ちょっとした手作業もおっくうになってしまいますよね。
日々の生活を少し見直すことで、家事のやり方をほんの少し変えるだけで、ひび割れは防げます。毎日のつらい痛みが少しでもやわらぐよう、しっかりと手指のケアをしてあげましょう。
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