舌がピリピリ痛い。でも、病院にはちょっと・・・という経験をされた方も多いのではないでしょうか?
でも、我慢は禁物。数日ならまだしも、数カ月にわたって舌が痛いのであれば、病気になっている可能性があります。病院に行ってお医者さんに相談してみましょう。
この記事の目次
舌痛症による舌の痛み
舌の痛みが、舌痛症により引き起こされている可能性があります。
舌痛症はどんな病気?
心配や不安など慢性的なストレスが積み重なって起こる精神疾患が原因となって舌が痛くなる病気とされています。ですが、現代医学ではきちんとした原因も解明されていないので、治療法も確立されていません。
舌痛症の症状
舌の周辺部にピリピリと痛みを感じ、やけるような、またはしびれを感じることもありますが、そのような症状を引き起こす腫れや炎症が見当たらないのが顕著な症状です。
神経麻痺はなく、血液検査でも血液に異常は見当たらないのも特徴です。
舌痛症の治療法
うつなどの精神疾患が原因と考えられているので、抗鬱剤や睡眠導入剤、抗不安薬などの薬剤投与が、現在の治療法です。対症療法で、原因となっている精神疾患を抑えるしか方法がないようです。
原因である精神疾患を解決する必要があるでしょう。早めの治療が何よりです。
口腔カンジダ症による舌の痛み
口腔カンジダ症により、舌の痛みを感じている場合があります。
口腔カンジダ症はどんな病気?
体調が良いときは発症しない日和見感染症なのですが、疲労や病気などで身体の免疫力が低下して病原体に対する抵抗力が落ちたり、ステロイド系の抗生剤の長期服用などによって引き起こされる感染症です。
口腔カンジダ症の症状
痛みがひどいと、食事や会話の最中に痛みを感じて悪化します。痛みがひどいと、熱い食べ物や味の濃い食べ物は摂取できなくなります。
口腔カンジダ症の治療法
口腔内を清潔な状態に保ちます。歯科医に相談して、毎日の歯磨きはもちろんのこと、うがいなども心がけましょう。
また、症状がひどい場合は、内服薬や抗真菌薬などの塗り薬の処方も相談してみましょう。
口腔灼熱症候群による舌の痛み
口腔灼熱症候群により舌がピリピリしていることが考えられます。
口腔灼熱症候群の症状
一見すると異常が見受けられず、血液検査や細菌検査でも異常は見られないのですが、口腔内の粘膜に痛みや灼けるような感覚を長期間にわたって覚えます。
口腔灼熱症候群の原因
はっきりとした原因が解明されていない病気ですが、口腔内全体にわたって自律神経系などの中枢神経や心因的なストレスによるものと考えられています。
口腔灼熱症候群の治療
大きく分けて2通りの治療方法があります。
1. 薬物療法
抗鬱剤の投与や向精神薬の服用により症状が改善されるときがあります。治療は、主に歯科や口腔外科、心療内科や精神科でおこなわれています。
2. カウンセリング療法
カウンセリングを通じて、喫煙を控えて刺激のある食事を避ける方法をにより、症状が改善されることもあります。
ドライマウスによる舌の痛み
ドライマウスにより舌がピリピリしている場合もあります。
ドライマウスはどんな病気?
口腔乾燥症とも呼ばれ、口が渇いて食事を取りづらい、あるいは口の中が粘つく病気です。目が乾くドライアイが有名ですが、実は口にもドライマウスという病気があります。
ドライマウスの症状
日中、唾液が減ることによる粘膜の不足のために口腔が乾く症状が出ます。口の中が乾くので、水分を多く摂りがちです。自覚症状がない場合もあるので患者さん自身も気づいていないこともあります。
ドライマウスの原因①薬の副作用
薬を服用している方も多いと思いますが、その薬の副作用のためにドライマウスとなった可能性があります。精神疾患系の薬剤や花粉症の薬などが、その原因と考えられています。
ドライマウスの原因②唾液の減少
最近、固い食べ物を食べる機会が減ってはいませんか?
唾液は、実は噛むことによって唾液腺が刺激されて唾液が出てきます。固い食べ物を避けていると、噛む回数が減りますので、そのことによって引き起こされている可能性があります。
ドライマウスの原因③心的要因
人は緊張すると、喉が乾くようになります。仕事や学校などで、長時間極度の緊張感を強いられていると、そのために心理的にストレスが蓄積してドライマウスになってしまうことがあります。
ドライマウスの原因④口呼吸
鼻呼吸ではなく、口呼吸をしていると口の中が乾燥します。特に、アルコールを摂取した後の睡眠時に多く見受けられます。鼻呼吸であれば、副鼻腔によって乾燥を避けられますが、口呼吸では口腔内が乾燥してしまいます。
ドライマウスの治療法
ドライマウスの治療法は、その原因によって異なります。長期間薬剤を服用している方は一度担当医師に相談しましょう。
また、食事の際にはよく噛むことを心がけるのと、リラックスできる時間を作るようにすることが大切です。
お酒やタバコを好まれる方は少し控えましょう。
扁平苔癬(へんぺいたいせん)による舌の痛み
扁平苔癬による舌の痛みの可能性もあります。
扁平苔癬はどんな病気?
扁平苔癬は、舌がただれてしまう病気ですが、現代医学では明確な病因を突き止められていません。
扁平苔癬の症状
白色の線が口腔内に現れるのがこの病気の顕著な症状ですが、他の病気との判別が難しい症例でもあります。病変組織を切除して、組織検査する方法などで診断しています。
扁平苔癬の治療法
うがい薬やステロイド薬、抗生物質などの薬剤投与による対症療法が主な治療法ですが、治療が難しく、治療期間が長引くことも珍しくありません。また、病変のレーザー切除や経過観察の場合もあります。
一度治癒しても再発しやすい病気でもあるので、定期的に歯科を受診して早期発見・早期治療を心がけましょう。
亜鉛・鉄分・ビタミンなどの栄養不足による舌の痛み
亜鉛や鉄分、ビタミンなどの栄養が不足すると、舌が痛む場合があります。
舌の痛みは栄養不足が原因⁉︎
亜鉛や鉄分、ビタミンなどが不足すると舌が痛むことがあります。これは、身体が必要とする栄養をきちんと摂取できていない食生活に原因があると考えられています。
栄養不足を治すには
まずは、食生活を見直しましょう。美味しい食べ物を食べるのは悪いことではありませんが、健康を保つためにも身体に良い食べ物も食べるように心がけましょう。
例えば、ほうれん草や人参などの野菜をふんだんに摂り、牡蠣やレバーなどを食べると不足している栄養素を摂取できます。
また、栄養サプリメントで補う方法もあります。
金属アレルギー舌の痛み
歯科治療時の詰め物などの金属に反応して、金属アレルギーの原因となることがあります。
金属アレルギーの症状
口腔内にある金属によってアレルギー反応が引き起こされ、舌がピリピリ痛む場合があります。
金属アレルギーの原因
歯科治療で詰めた銀歯や義歯などの金属に対して、口腔内の皮膚がアレルギー反応を起こして舌がピリピリと痛むことがあります。
金属アレルギーの治療
口腔内アレルギーの原因となっている金属をセラミックなどに取り替えます。歯科治療になりますが、費用もそれなりに高いので歯科医に相談してみましょう。
まとめ
舌が痛いだけでも、こんなにさまざまな原因や病気があるのがお分かりいただけましたでしょうか?2、3日で痛みが治まれば、さほど問題がないかもしれませんが、長期間にわたって痛みが取れないようであれば、医師に相談することが大切です。
まずは、病院に行ってお医者さんに聞いてみましょう。きっとあなたの症状にあった適切なアドバイスをしてくれます。
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