何気なく首を触ったとき、鏡をみたとき、喉(のど)にしこりが・・・。今までなかったもの、それも【しこり】ができていたら、とても不安になりますよね。触ってみると痛かったり痛くなかったり、硬かったり柔らかかったりと、その症状は様々です。
しこりは体のどこにでも発生する可能性がありますが、今回は特に【喉にできるしこり】について、どういった原因が考えられるのか、どのように対処すればいいのかなどを中心にご紹介したいと思います。
喉にしこりが!もしかして病気!?
喉にしこりができる原因、考えられる病気についてご説明します。
風邪や疲労による免疫力低下
風邪により扁桃腺などのリンパ腺が炎症を起こすことによって、痛みを感じたり腫れたりといったことは、皆さんも経験があるのではないでしょうか?実は、風邪によるリンパ腺の炎症が原因で、喉にしこりができる場合もあります。
また、疲労やストレスで体力や免疫力が低下していたり、喫煙や乾燥で喉が渇いて抵抗力が落ちてしまっていると、普段ならすぐにやっつけてしまう菌にも負けて炎症し、腫れたりしこりの様になることがあります。
虫歯・歯周病
一見関係なさそうに思えますが、口の中も喉とつながっていますから、虫歯や歯周病の菌によって喉が腫れるということはよくあります。
歯周病菌に至っては、心筋梗塞の原因になったりその他の病気の発症率にかかわっていると言われるほどやっかいなものです。そんなことを知ると、喉が腫れるくらいで済んで良かったほうなのかもしれません・・・。
心当たりがあれば、歯科医院できちんと治療をしてもらいましょう!
良性の腫瘍
顎の下のしこりの原因を紹介!痛みがある場合は病気?の記事にも書きましたが、喉の場合にも【ガングリオン】【粉瘤】【脂肪腫】など、良性の腫瘍が原因でしこりを感じることがあります。
癌-がん-
【がん】が原因で、喉のしこりとなって現れることがあります。体のどこにでもできる可能性のある【がん】ですが、喉にしこりを感じることのある【がん】にも、様々な種類があります。
・舌がん ・下咽頭がん ・上咽頭がん
・声門上部がん ・悪性甲状腺腫瘍 ・リンパ節癌
一部でも、これだけのものがあります。また、肺がんにおける初期症状で喉にしこりができることがあります。
全身のしこりに関連があるもの
喉だけではなく、全身のしこりについて言える可能性ですが、皮膚の同じ場所を刺激し続けたり、ニキビ(吹き出物)をつぶし続けた為にしこり状になってしまうことがあります。このような自覚のある場合には、皮膚科の先生に相談をしてみましょう。
喉のしこりの予防と対処法
喉のしこりには様々な原因があることが分かりました。では一体どう対処すればいいのでしょうか。
風邪やストレス
風邪の場合には、とにかく風邪を治すことが先決です。
喉以外にも発熱をして、体に入ってきたウィルスと戦っています。それに負けない体力をつける為にも、十分な睡眠をとり、消化吸収の良い食べ物で栄養を摂りましょう。喉の調子が悪くあまり物が食べられない時は、ゼリー状の栄養食などを一時的に取り入れるのもいいでしょう。
発熱が治まり体力的にも余裕が出てきたら、適度な運動や入浴で心身ともにリラックスを心がけ、ちょっとのウィルスには負けない体づくりを心がけてくださいね。通常の風邪であれば、ほとんどが1~2週間で治まります。長引いたり症状が悪化する場合には、病院を受診してください。
疲労やストレス
疲労やストレスは、喉の不調だけでは無く色々な病気や体調不良に繋がりやすいものです。免疫力の低下にも陥りやすいですから、普段から規則正しい食事と適度な運動を心がけ、日々の中にリフレッシュする時間をもうけましょう。
忙しい日々で食事時間もろくに取れないという方は、果汁100%のジュースや野菜ジュースを取り入れてみたり、15分のシャワーで済ませるところを30分の入浴にしてみてください。一日のどこかで自分にとってホッとできる贅沢な時間を少し作るだけでも、ストレスや疲労解消には効果があります。
虫歯・歯周病
虫歯や歯周病になってしまったら、自分で治すことは困難なので、専門の歯科医院を受診して治療を受けましょう。歯茎から血がでるのは歯周病かもしれません。
予防法としては柔らかめの歯ブラシを使い、歯や歯茎を傷つけないように軽い力でブラッシングをしていきます。磨き残しは虫歯の原因になりますから、全体をきちんと磨くようにしましょう。歯と歯茎の境目にブラシを当てて軽く磨いていくと、歯周病や歯肉炎の予防になります。歯の間に歯垢が溜まりやすい方は、デンタルフロスなども利用してケアしていくといいでしょう。
歯科医院の先生には、喉にしこりがあることを伝え、虫歯や歯周病との関連が無いか相談してください。
良性の腫瘍
ガングリオン・粉瘤・脂肪腫などは、放置していても問題のない場合がありますし、ガングリオンは勝手に治ってしまうこともあります。ですが、脂肪腫や粉瘤が勝手に治ってしまうことはまずありませんし、ご自身で悪性なのか良性なのか見分けるのは非常に困難です。
痛みを伴って生活に支障が出たり、しばらく様子をみてもよくならない場合は耳鼻咽喉科や総合病院を受診しましょう。
癌(がん)
これも、ご自身で見分けるのは難しいですよね。しばらく様子をみても症状が改善しない場合や、喉のしこりがどんどん大きくなっていく場合には、耳鼻咽喉科や総合病院を受診してください。
煙草は喉にも肺にも悪影響です。粘膜が荒れて起こる乾燥やタール付着などのダメージを与え、その他のがん発生率にも密接に関係していますので、できるだけ喫煙は避けた方が良いでしょう。禁煙外来などもありますので、頑張って禁煙をしましょう!
病院での検査と治療
結局のところ、風邪や体力低下による一時的なものでなければ、自分で判別するのは難しいということが分かりました。では、病院ではどのような検査や治療が行われるのかをご紹介します。
診察・検査
・喉のしこりがいつ頃から発生し、どのような経過を辿っているのかを伝えましょう。
耳鼻咽喉科か総合病院を受診してください。「いつから」「どのように」というのは、お医者様がどのような検査をすればいいかの判断材料にもなりますから、できるだけ詳しくお伝えしましょう。
触診や血液検査の他に、レントゲン・超音波エコー・CTなどは、初診の場合でも比較的簡単に行う検査といえるでしょう。それらの結果を元に、抗生物質などで様子を見たり、喉のしこりの原因が容易に特定できた場合には、そちらの治療へうつることとなります。
はっきりと【がん】やその他の病気だと言えない場合には、様子見をすることもあります。抗生物質が効くのか効かないのかも、判断材料になるからです。よくならない場合には更なる検査を行うという流れが多いようです。このあたりはお医者様の判断になりますので、相談しながら決めていきましょう。
・その他の検査
ご存じの方も多いかと思いますが、撮影に長時間を要するMRIなどがあります。他にも、内視鏡で実際に患部を見たり、一部を採取して検査をすることもあります。
がん細胞が大量に取り込むと言われるブドウ糖に似たお薬を投与し、お薬の反応が集まる場所がないかを調べるPET検査など、診察内容と経過から判断して様々な検査方法の中から患者さんの負担の少ないように選んでくれるお医者様が多いです。
「最初から全部の検査をやってくれればいいじゃないか!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、こういった検査には放射線を扱うものもあり、時間的にも金銭的にも患者さんの負担になりますから、緊急を要する場合でなければ、お医者様の判断通りにされるのが良いでしょう。
治療
風邪をこじらせてご飯も飲み込めないほどに扁桃腺が腫れても、抗生物質や水分などの点滴ですっかり良くなったりしますし、悪性のものでなければ、ほとんどが一時的なものでしょう。
がんと診断された場合には、放射線治療や抗がん剤治療などが行われます。場所や大きさにもよりますが、患部を摘出したほうがいい場合には手術も行われます。
まとめ
喉のしこりの原因、診察や治療についてお力になれたでしょうか?ほとんどが一時的なもので心配はありませんが、こわい病気もありますから、良くならずに長引いたり悪化する場合には耳鼻咽喉科や総合病院を受診してくださいね。
煙草や不規則な生活も喉を荒らし抵抗力を弱めます。うがいなど、できることからで構いません、今の生活に「体にいいことプラス1つ」からはじめましょう♪
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