視線恐怖症についてご存知でしょうか？日本人に結構多いそうです。私もその一人かも知れません。大勢の人前で話すときは、とても苦手です。一対一ならとても話やすいですが、大勢の前で演説をしたり、大勢の前で質問するのは大の苦手です。
皆様は如何ですか？そんなことないよ。別に気にならないねと言う人ばかりでしょうか？でもこれが視線恐怖症と言う、病気だとは知りませんでした。結構私は知らない人でも普通に話ができますが、大勢の前だとどうしてもスムーズに話が纏められません。
視線恐怖症は対人恐怖症の一種です。
その辺のところの視線恐怖症について詳しく調べて見ましたので、一緒に見ていきましょう！
恐怖症とは
恐怖症とは頭では何もないと解っているのですが、身体がその事に反応してしまい、身体が硬直したり、汗をかいたり、震えたりの症状が出てきます。人それぞれその恐怖に成る事柄については違いがある物の、それを見ただけ、近くに来ただけで恐怖を感じます。
恐怖心を発症する時期はやはり、10歳未満の小児期に自然現象などの、恐怖に対しては恐怖体験があり、エレベーターなどの空間や広場などに対する恐怖は、20代頃に発症するそうです。
恐怖症を一旦感じてしまうと、本人はその事から避ける様になります。症状が悪化するとその場面に出会わない様に、一人で外出する事も出来なくなります。
恐怖症の原因は幼年期に何かの事件があったり、何らかの恐怖体験があった場合に、恐怖を感じる事が多いですが、全く原因もない物もあります。原因がないと思っても、何らかの心の葛藤を反映している可能性があり、全く何もないと言う事は少ない様に思われます。
恐怖にならない為には、恐怖に成る物を避けると良いですが、避けられない場合はそれに慣れるしかありません。
視線恐怖症とは
他人の眼を気にする不安心理
視線恐怖症とは対人恐怖症の一種で、視線に関して発生する不安ですが、正式な診断名ではありません。視線恐怖症というのは不安要素や不安要因、不安症状の事を言っているのです。
視線恐怖症と言うのは人の視線を気にするあまり、誰かに見られている様な錯覚をしてしまいます。思い込みがつよく他人の視線を気にして、恐怖を感じてしまいます。
視線恐怖症は他人を意識する気持ちが強くて、誰かに見られている様で緊張したり、人の視線が気になってぎこちなくなったり、また周りの眼が気になって緊張して赤くなったり、話がうまくまとめられなくて、自分でも何を言っているのか解らなくなったり、症状は個人一人一人違いますが、恐怖を感じるまで身体が硬直して、自由が効かなくなる事です。
視線恐怖症と言う病気になると、他人の視線を気にして恐怖を感じてしまって、自分の生活に支障をきたしてしまう症状です。視線に恐怖を感じる事は、裏を返せば自分がどの様に人に思われているのかと言う、人の心を気にする為に起こる、恐怖心の様にも思われます。
視線恐怖症に対峙するには
人は人、自分は自分と思い、自分の考えをきちんと持っている人は、視線恐怖症にもならないで、済む様にも思われます。
視線恐怖症は他人が、自分の事を良く思ってないのでは？とかマイナス志向に考える為、人の眼が気になってしまいます。ですから少し考えを変えて、プラス志向に考える様にしたらどうでしょうか？他人が自分を見ていると感じたら、私のどこに魅力があるのだろうか？とか考えていると楽しくなります。
また自分を良く見せたいと思うあまり、余計に人の視線が気になって、自分の事を相手はどの様に、思っているのかとても気になり、恐怖を感じる様になりますので、ありのままの自分を見せる努力をすることが大切に思います。
視線恐怖症の種類
自己視線恐怖症
自己視線恐怖症とは、自分の視線が第三者に悪い印象を、与えているのではないかと言う、恐怖症なのですが、これは自分の体臭や、ファッション、印象などについて自信が持てない人に起こる恐怖症です。清潔にしておけば悪い印象はないので、できるだけ自分と人を比較しない方が良い様に思います。
他者視線恐怖症
他者視線恐怖症とは何時も自分が、他人から見られているのではないかと、人の視線を極度に恐れるのですが、他者から見られていると言う、思い込みをなくすことが、恐怖症に繋がらない事になります。
向かい合う視線を恐れる視線恐怖症
向かい合う視線を恐れる視線恐怖症には、正視恐怖症と脇見恐怖症があります。会議などで向かいあう場合や、電車の中で空いている場合、前の座席の人と向かい合う事がありますが、これは向かい合う視線を恐れる、正視恐怖症と言うのですね。また隣の人の眼が気になって、覗きこんでしまうのは脇見恐怖症なのです。
正視恐怖症
人と近い距離で眼を合わせる事に恐怖を抱く症状です。他人は何も思っていないのに、人と眼があって、話す事に恐怖を感じる症状です。相手の眼をみて話をすることは、余り嘘を付けないと思いますが、何か隠したいときに、眼を合わせない様になるのは、自然の様に思います。
相手が眼をみて話してないと、本当の事を言ってないと、思われても仕方がない様に思います。正視恐怖症の人は、話している事柄に自信を持てないから、人の眼を意識してしまい、恐怖を感じるのではないでしょうか？
脇見恐怖症
脇見恐怖症とは見なくても良い所を見てしまったり、視界に入って来るもの、すべてを見てしまって、不快な感じを与えてるのではないかと、恐怖を感じる症状です。
別に見たくもないのですが、自然と見てしまうのが脇見恐怖症で、脇見恐怖症を治すには自分の思い込みをなくすことです。人を見ても相手はそれほど気にしてないので、恐怖に感じる必要はありません。また見たければ上を見る様にすると、良いのではないでしょうか？空を見れば美しい。眼には青空が映って、心が晴やかになります。
視線恐怖症の原因
視線恐怖症の原因について紹介します。
他人に良く見られたい
視線恐怖症の原因は他人から良く見られたいと、思うところから始まる様に思います。ありのままの自分を見せる事で、気持ちが楽に成りますが、日本人は大陸の人と違って、とても細やかな事を気にします。
細やかな事に気を付ける事は良い事でもあり、また視線恐怖症の原因にもなるのではないでしょうか？自分の能力以上に自分を他人に見せたい余り、人の眼が気になる様になってしまいます。自分の能力以上に他人に見せたいので、人の視線が気になり、視線恐怖症になる様にも思います。
ですから他人の眼を気にし過ぎて、自分に劣等感を抱いたり、みすぼらしく見えたりして、自分に、自信がないので自分が変に思われている、嫌われていると感じてしまいます。
ありのままの自分をさらけ出す
視線恐怖症の人は人の視線が気になります。人の視線が気になる事は裏を返せば、自分は人に良く見られたい、良く思われたいと思うから、他人の眼が気になります。
他人に良く思われたいと思う心の底には、飾らない自分に自信が持てないと、言う事があります。ありのままの飾らない自分をさらけ出す事で、周りの眼を気にしないで、のびのびと生きる事ができます。まずはありのまま飾らない自分を、受け入れる事が大事です。
ありのままの自分を、受け入れてくれない他人の眼は、余り気にしない方が良いと思います。
視線恐怖症の考えられる原因
感受性の高い幼年期に何かを経験して、人の視線が気になったことが原因になる事もあります。また原因が全くない事もあり、これは何かの経験から心の葛藤が、あったものと考えられます。
不安恐怖症を感じるのは、脳の偏桃体と言う部位の、セロトニンと言う物質が大きく関係しています。セロトニンが弱いと恐怖を感じる様になるのですね。
偏桃体が不安や恐怖の感情と密接に関係があります。偏桃体のセロトニン神経の活動が、低下すると不安心理が起こるそうです。強い不安を解消させるには、セロトニンを活性化させると良いそうです。セロトニンは心のバランスを、整える作用がありますので、セロトニンと言う物質が、弱いと恐怖を感じる様になるのです。
視線恐怖症のタイプ
視線恐怖症の発症する時期は、やはり幼年期時代の事が、原因となっている事が多い様です。
そしてその後は、思春期の頃から20歳前後ごろの事が原因で、視線恐怖症の症状を抱えています。視線恐怖症のタイプには、次のような物があります。
単一の社会不安障害
ある特定の状況の中での視線に、不安を感じるタイプで、大勢の人前で話すのが苦手なタイプです。私もそうですが結構日本人は多い様にも思います。特に女性などで大勢の前で話した事のない人は、馴れてない事もあって、不安に感じる人は多いと思います。
ですから公衆の面前で、不特定多数の人の視線にさらされると、恐怖を感じるのですが、私には解る様な気がします。例えば人が大勢いる前で倒れたり、何かミスを犯すと恐怖心が先に立つように思います。
全般性社会不安障害
全般性社会不安とは漠然とした不安で、自分ではコントロールできないほどの、過剰な不安が起こり、身体的にあらゆる箇所に色々な症状が出てきます。
妄想症があり人と接する事が苦痛になり、色々なストレスの為、症状の悪化が繰り返されます。身体のあらゆる場面に症状が出てくるので、視線恐怖症とは解らない事が多いようです。
女性は男性の2倍発症し、どの年代でも発症するそうです。性格的には神経質な人が多くなるようです。
視線が気になる人の心理
心理
視線が気になる人の心理とは、劣等感を常に持っている人で、自分に自信が持てない人です。視線が気になると言う事は、自分のファッションや話方行動などが、周りの人から良く思われてないと過小評価し、周りの人に嫌われていると思い込みます。それは自分も人の事を否定的にとらえているため、その様に感じてしまうのではないでしょうか？
コンプレックス
視線恐怖症を感じる人には、自分のスタイル、ファッション、容姿等色々なコンプレックスがあります。容姿やスタイル、ファッション等に自信が持てない時は、できるだけ清潔にしてすっきりとした印象を与える事で、自分にも自信が持てる様になります。
思い込み
視線恐怖症は思い込みから始まります。他人の視線が気になってどうにもならない人は、一種の思い込みがあると思います。
自惚れの強い人は視線恐怖症の人とは反対に、自分に注目していると思い、周りの人は自分をすごいと、思っていると思い込みが激しいですが、視線恐怖症の人は皆から笑われている、変だと思われている、馬鹿にされているとマイナスイメージばかりに、思い込みが激しくなるのです。ですから思い込み自意識過剰を、なくすことが大切です。
自分の事を愛する
視線恐怖症を治すには自分という者を、一度見つめ直す事が大切です。自分の事を愛せない人は、他人から愛される素質にかけます。自分と言うユニークな存在を受け入れるには、自分を認めるところから、始まるのではないでしょうか？自分を誰よりも好きになる事が大切です。
自分の中にきちんとした考えを持っていない人は、周りの人の眼を気にします。ですからいつも周りに合わせてしまうので、他人の眼が気になります。
「空気を読む」といわれ視線恐怖症に
以前「空気を読め」と言う言葉が流行りましたが、視線恐怖症の人が増えるのは、この様な社会の雰囲気の様な物も、あるのかもしれません。日本人は空気を読んで、人と合わせる習慣が身についています。しかしそれは決して良い事ではありません。
何故なら空気を読む事によって、それが悪い危険な方向に繋がったら、どうなのでしょうか？また空気を読む事で、素晴らしいアイディアが出る事はありません。ある程度場の雰囲気は必要ですが、何かにつけて「空気を読め」と言う言葉がはやり、この様な視線恐怖症になった人もおられるのでは無いでしょうか？
自分の中の価値観
視線恐怖症にならない為に、他人の視線にプレッシャーを感じないで、自分はどの様にしたいのか、どの様な人間でいたいのか、明確な価値観を持つようにすると、他人の視線が気にならなくなります。
自分を磨く
何時も自分を磨き、向上心を持っていつも新しい事に挑戦し、努力していく向上心のない人は、周りから見ても魅力的には見えません。歳を重ねても向上心のある人は、余り他人の視線には意識を持ちません。
視線恐怖症の症状
視線恐怖症の症状は、他の人にみられていると思う事で、他人の視線が気になって、極度に緊張して前を向いて歩けないほど、身体が硬直してしまいます。
視線恐怖症の正視恐怖症の人は、相手の眼を直視できず、下を向いたまま話したり、横を向いたりして、眼を合わせたまま話す事ができません。
また視線恐怖症の脇見恐怖症の人は、隣に人がいるとその人を意識してしまい、その場を離れたり拒絶反応を起こし、他人が自分の視界に入る事に恐怖を感じてしまいます。
電車やバス、車、エレベーターなどの、狭い空間で他人がいると恐怖を感じて、自分がどこを見て、何をしらた良いか解らなくなり、苦痛を感じる様になります。
他人と係わる事自体に、恐怖を感じて外出が怖くなり、引きこもり状態になって自分は、孤立していると考え、益々視線恐怖症が悪化してきます。
視線恐怖症の治療
他人からの視線に対して、思い込みや異常な認知を、修正する必要があります。また現実的に実際の、視線に慣れる事が大切に成ります。
薬物療法
薬物療法では抗うつ薬や抗不安薬等を使って、身体に現れる症状を抑えます。抗うつ薬はSSRIと言う種類のもので、偏桃体に働きかけて、過剰に反応する症状を抑えます。
抗不安薬は抗うつ薬の補助として使われますが、緊張や不安を一時的に緩和する働きがあります。動悸や発汗、震えなどの身体の症状を抑える薬で、一時的に使用するβ遮断薬と言う薬があります。
認知行動療法
認知行動療法は物事を理解したり、解釈したりする仕方を修正する方法で、行動療法の一つです。気持ちを楽にする心理療法の一種です。
認知行動療法はストレスを、感じた時に瞬時に浮かぶ考えを、現実と照らし合わせ現実に沿った、バランスの良い柔軟な考え方に、改めていく方法です。これによりもっと自分らしく、生きられる方法を見つける事ができます。
まとめ
如何でしたでしょうか？視線恐怖症について、少しはお解り頂けたでしょうか？私もどちらかと言うと、大勢の前でのスピーチは苦手なので、視線恐怖症の方の気持ちが、解る様にも思いますが、言うは易く中々修正しようと思っても難しい物があります。
今はその様な場面が無くなりましたから、視線恐怖症にならずに済みましたが、中々精神的な事は、他人が幾らこの様にしたらよいと言っても、本人に自覚がないと難しいですね。
でも人は人です。人の事ばかり気にしていたら、この暮らしにくい世の中で、生きる事は難しいですので、一日も早く自分を愛して、人の視線が気にならなくなって下さい。