妊娠初期に気をつけることは?食事や感染症予防法を紹介!

妊娠初期と分かった妊婦さんたちは、これからの生活で何に気をつければよいのでしょう。とくに重要なものとして、食事や趣向品があります。栄養バランスが偏っていたり、喫煙・飲酒をすると赤ちゃんの成長を妨げることが明らかになっています。

また、麻疹や風疹、その他のウイルスにお母さんが感染して胎児に感染すると、赤ちゃんが障害を持って生まれたり、時には流産してしまうこともあります。感染の経路や、予防する方法をお伝えします。

妊娠初期は、葉酸不足に注意

妊娠初期

妊婦には葉酸を多く摂る必要があります。

二分脊椎症を発症しやすくなるから

よく葉酸を摂った方が良いと言われますが、理由をご存知でしょうか。葉酸が欠乏すると、「二分脊椎症」になりやすいからです。

人の中枢神経は、胎児のころにつくられる神経管が元になっています。葉酸が不足していると、妊娠3週ころに神経管がうまくつくられず、損傷してしまいます。

すると、体が麻痺して動かない(運動麻痺)や、触覚などの感覚の障害が起こります。また、排泄をコントロールできないために、摘便が必要になる場合もあります。

葉酸をどれくらい摂ればよいの?

厚生労働省は、妊娠を予定している女性に一日400μgの葉酸サプリメントを内服するよう勧めています。つまり、食事から400μg取れればよいわけですが、実際にどのくらいなのか分かりませんよね。

生の牛レバーは、60g(よく食べる量)で600μg含まれていますが、加熱すると葉酸は破壊されてしまいます。他に多い食材は、小松菜、ほうれんそう、ブロッコリーなどですが、これらを通常の量食べても一日400μgには及びません。

葉酸は食事だけでは不足しやすいので、確実に摂るにはサプリメントが有用でしょう。

妊娠すると貧血になりやすい

妊婦

妊娠すると貧血になりやすいことについて紹介します。

なぜ貧血になりやすいの?

人が一日に作る赤血球の数は決まっています。妊婦さんは、血液を介して赤ちゃんに栄養を送るため、妊婦さん自身に使える赤血球の量は減ってしまいます。よって、妊娠すると貧血になりやすいのです。

妊婦に貧血については、妊婦が貧血になった時の症状は?対策方法も知っておこう!の記事を参考にしてください。

貧血を予防するには、食事が重要

鉄分が不足すると、赤血球が運べる酸素の量が減るので、貧血になってしまいます。レバーやほうれんそう、あさりなど、鉄を多く含む食材を摂ることが大切です。

そのほか、赤血球を作るビタミンB群、鉄分を吸収しやすくするビタミンCやたんぱく質も同時に摂りましょう。

喫煙は厳禁

喫煙

妊娠中の喫煙は、胎児の発育が遅れる原因となることが分かっています。妊娠中の喫煙量が多いほど、早産となりやすいと言われています。

ヘビースモーカーだったという方も、妊娠が判明したら禁煙に努めましょう。妊婦さん自身が吸っていなくても、家族がたばこを吸っている場合は受動喫煙となり、胎児に影響を及ぼします。妊婦さんの前で吸わなくても、服や家の壁に有害物質が染み込み、結果的に妊婦さんが取り込んでしまうので、ご家族もできる限り禁煙するようにしましょう。

飲酒も控えること

飲酒

妊娠中にアルコールを摂取すると、赤ちゃんが奇形で生まれやすいことが明らかになっています。奇形とは、赤ちゃんの器官が正常に発達しないことで、体の形が異常であったり、機能が低下することをいいます。

妊娠初期にアルコールを摂取した場合、特異顔貌(ダウン症の子どもに多い顔つき)といって、鼻が扁平で、目が吊り上がってみえるなどの特徴があります。そのほか、心臓の心室を隔てる壁に穴が開いてしまうなど、さまざまな奇形が起こります。

飲酒回数が多いほど奇形のリスクが高まるという報告もあります。少なければ大丈夫というわけではなく、飲酒が習慣づいている人ほど危険です。妊娠が分かったら、飲酒は控えるようにしましょう。

カフェインの影響

コーヒー

妊娠中のカフェインの摂取は、流産の可能性を高めるといわれています。一日に200㎎以上のカフェイン摂取で、流産は2倍になります。

カップ2杯分のコーヒーで200㎎を超過してしまいます。コーヒー好きという方も、妊娠中はできるだけ控えるようにしましょう。また、カフェインは紅茶や緑茶にも含まれているので注意しましょう。妊娠のカフェインの影響については、妊娠中のカフェインの影響を紹介!摂取していい量は?の記事を参考にしてください。

ウイルス感染を予防する

女医

感染すると、たとえ発症しなくても胎児に影響を及ぼすウイルスがあります。妊娠前にワクチン接種を済ませておくことが一番良い予防法ですが、そうとはいかない妊婦さんも少なくないでしょう。どのように予防すればよいのでしょうか。

妊婦さんがとくに注意すべき感染症を述べていきます。

風疹ウイルス

風疹ウイルスが胎児に感染すると、先天性風疹症候群といい、赤ちゃんが様々な症状を持って生まれます。妊娠初期の感染では、先天性心疾患や白内障になる場合が多く、難聴は妊娠の時期に関わらず起こりやすいといわれています。

風疹の予防は、人混みを避けること、帰宅したら手洗いうがいを徹底することです。妊娠中のワクチン接種は、胎児に感染する可能性が否定できないので、避けるべきです。妊婦さんの夫や家族はワクチン摂取した方が良いでしょう。詳しくは、風疹に妊婦が発症した時の影響は?抗体がなくなることも!の記事を読んでおきましょう。

麻疹(はしか)ウイルス

妊婦さんが麻疹に感染すると、流産や早産する確率が30%上がります。よって、出産予定日の直前に感染した場合は、薬を使って分娩を遅らせることもあります。なお、赤ちゃんが奇形を持って生まれたという報告はありません。

麻疹ワクチンは、妊娠中は受けることができません。麻疹は感染力が非常に強いので、妊婦さん自身で予防することは難しいです。必ずご家族がワクチンを接種し、感染しないようにしましょう。

先天性サイトメガロウイルス

サイトメガロウイルスはありふれたウイルスです。日本の若者の60%ほどがすでに感染し、抗体を持っています。健康な成人であれば、感染しても問題ありません。

危険なのは、妊娠中に初めてサイトメガロウイルスに感染した場合です。抗体を持っていないので、ウイルが体内で増えてしまい、臍帯を通して胎児にうつってしまいます。感染した赤ちゃんは難聴などの障害を持って生まれます。

感染は体液を介して起こります。幼い子どもの尿や唾液に触れ、顔を触るなどして体内に入ったり、パートナーとの性交渉で感染します。

子どもが口に入れたおもちゃや、尿が付いた場所は、石鹸やアルコールで拭き取りましょう。パートナーと性交渉する場合、オーラルセックスは避け、必ずコンドームを使いましょう。

食中毒にも注意

ハム

食中毒にも気をつける必要があります。

リステリア菌

成人がリステリア菌に感染することはまれですが、重症化すると致死率が高く危険です。感染した妊婦さんが流産するケースも報告されています。

リステリア菌は、冷蔵されていても、塩分濃度が高いところでも繁殖できます。食品に記された保存方法と賞味期限を守っていればほとんど心配ありません。また、加熱すれば死滅し、予防することができます。チーズやハム、スモークサーモンなど、加熱の必要がなく長期間置いてしまうような食品は注意が必要です。

まとめ

妊娠初期に気をつけることは多いです。食事やアルコール・カフェインなど、妊婦さんご自身で注意できることもあれば、感染症の予防や喫煙などは家族の協力が不可欠です。麻疹や風疹については、妊婦さんとは関わりがないと思っている方も、一人ひとりが予防することで妊婦さんに感染する確率は下がるかもしれません。

赤ちゃんが健康に生まれるように、妊婦さんの周囲の方は気を使ってあげてくださいね。

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