妊娠すると身体がどんどん変化していきますが、その中でも乳房や乳首に関する事はデリケートな部分でもあり、あまり人に相談できないことでもありますね。戸惑うことも多い上に特に乳首のかゆみや痛み、色味の事は恥ずかしいものでもあります。
それでも赤ちゃんが産まれた後に一番に必要となるのも乳首ですね。そんな恥ずかしいけれど大切なことでもある場所についてご紹介しましょう。
妊娠すると起きる乳首の変化って?
妊娠すると胸が大きくなるのは、ご存知の方も多いのですが、同時に乳首も大きくなったり、色が黒くなっていきます。
変化を自覚する時期は妊娠初期~中期・後期と人それぞれですが、皆さんいろんな症状が起こっています。その種類と対策・予防をご紹介しましょう。
乳首にかゆみが起こる
かゆみが起こるのは、乳首に乳汁(母乳)のカスがたまったことが原因だったり、妊娠線ができる前の反応だったりします。
妊娠線のことは皆さん、ご存知ですね?急激に大きくなったお腹に皮膚がついていけずに伸びてしまって裂けてできた跡のことを言いますが、これは胸にも当てはまります。
妊娠すると出産後の授乳の為に乳腺が発達し胸が急激に大きくなり、皮膚が伸ばされますが、その際に裂けてしまって妊娠線ができる方もおられます。乾燥した皮膚が伸ばされるその時にかゆみが発生します。
予防としてはお腹の時と同じで保湿が大切です。皮膚が乾燥していると伸縮しにくいので、保湿クリームや植物性オイル、妊娠線予防クリームなどで保湿剤をなじませ、なでるような感じでバストマッサージを行うと皮膚の収縮性を維持できるでしょう。
乳汁が原因の場合は例えるなら、角栓のような感じでしょうか?これは母乳が分泌されて乳首ににじみ出てこびり付くことがあるようです。これがかゆみの元になっているので、お風呂でふやけているような状態の時やオイルなどを塗って柔らかくして、このカスを取り除き、清潔に保ちましょう。
かゆみが酷いと、寝ている間に掻きむしったりする事もありますので、我慢できないような時はお医者に相談しましょう。
乳首が敏感になり、痛みがある
妊娠するとホルモンバランスが大きく変化します。そして乳腺が発達して乳房が大きくなり張りができてきます。同じ様に乳首も敏感になり痛みが起きる方が多いでしょう。生理前に胸が張り乳首が痛いと感じる方も多くおられると思いますが、それよりも痛みが強かったり、ずっと続くような感じでしょう。
予防・対策としては、妊娠の上での自然な変化なので特別何かをしないといけないことはありません。ただ締め付けるような下着は避けて肌への刺激を少ないものに変えましょう。下着の素材も天然素材のような優しいものを選びましょう。
そして気にしずぎて乳首を触りすぎてばい菌が発生し、炎症を引き起こす事もあるのであまり刺激しないよう注意しましょう。痛みがひどい時は冷やすと効果がありますので、湿らせたタオルなどを当ててみましょう。
ただ冷やし過ぎはよくないので、痛みが和らぐくらいでやめておくようにしましょう。
乳首・乳輪が大きくなり、黒ずんでくる
乳首に痛みが起こるのと同じ理由で、女性ホルモンである黄体ホルモンの分泌が多くなります。このホルモンが色素細胞を刺激し沈着が起こり、メラニン色素が増えることによって乳首・乳輪などが大きくなり黒くなります。妊娠後に肌が荒れやすくなるのはそういう理由です。
妊娠後の黒ずみや乳輪の大きさは産後に少しづつですが元に戻っていくので、心配はありません。ただ一説では赤ちゃんがママのお乳を探して見つける為の目印だとも言われていますので、赤ちゃんの為の印だと理解して少しの間ですが、我慢しましょうね。
乳輪に白いプツプツが出てくる
脂肪が溜まり乳首や乳輪を守るために分泌される皮脂をモントメゴリー腺(乳輪腺)と言います。妊娠によりこのモントゴメリー腺が目立ってきます。
モントゴメリー腺は個人差はありますが、誰にでも出てきますので、心配はありません。ただ気になって触ってばい菌が発生することで、炎症を起こさない様に気をつけましょう。
・乳房に青筋が浮き出る
妊娠すると胸が大きくなりますね。それは乳腺が発達して血液量が増える為ですが、そのため、血管が目立って見えてしまうためです。異常なことではありませんので、心配することはありません。
胸のマッサージの目的は?
マッサージの目的のひとつに授乳の際のトラブル防止でもあります。
赤ちゃんは1日に何度もおっぱいを吸いますが、赤ちゃんの吸引力は意外と強く、乳頭が裂けたりすることもあります。その上授乳の時期は乳首が常に濡れた状態なので、下着と皮膚の接触でただれたり、かぶれたりすることも多くあります。
せっかく赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらうのですから、痛みがあったりしたら、ついつい避けたりしてしまうかもしれません。そうならない様にあらかじめケアをしておくことでトラブルを回避し、授乳期に備えておきましょう。
母乳が赤ちゃんの免疫を高めることはよく知られていますが、母乳をあげることでママの体重が元に戻りやすいとも言われています。やはり赤ちゃんにたくさんの栄養を与えているので、ママのほうにまわりにくいのでしょう。ママの体型が戻るためというのは二次的な目的だとしても授乳が上手く出来るよう、出産前からケアしておくといいですね。
マッサージで乳頭の伸びを良くして、刺激や摩擦に強くなるようにします。乳頭が固いと母乳が出にくく赤ちゃんが上手におっぱいを吸えなくなるようです。
乳首や乳輪部のケアはどういう風にするの?
乳頭の先には数個~数十個の乳口があります。妊娠する前は授乳とは関係ないので、その乳口は栓をしたような状態です。その状態をマッサージで栓を除いて乳口を開けるようにします。
ただ自己流はやめてマッサージは所産師さんに指導していただきましょう。マッサージの開始時期は妊娠24週以降から始めることが多いですが、産院によっては遅い時期もありますので、相談しながら行いましょう。切迫早産などで薬を飲んでいる方は臨月にはいってからにしましょう。
マッサージの方法ですが、乳房を片方の手で乳房が正面に向くように軽く持ち上げます。もう片方の手で乳輪の外側から乳頭に向かって優しくしぼるような感じで、軽く力をいれて指を滑らせ揉みほぐします。少しづつ指をずらしながら一周します。
指の腹をつかって優しくゆっくりとするのがコツです。決して力をいれないように気をつけましょう。
マッサージの時に使用するものは?
マッサージは必ず低刺激の植物性オイルで行いましょう。
赤ちゃんのおむつかぶれやあせもなどにも効果的で、乳頭に裂傷ができた時のケアにも使用できますので1本あると便利です。
まとめ
妊娠によって身体が大きく変化しますが、お腹と同じくらい変化があるのが胸です。いい風に考えると女性しか体験できない身体の変化ですね。ただ個人差もありますし、気にしすぎて触りすぎて炎症をおこすようなことにはならない様に気をつけましょう。
助産師さんと相談しながらマッサージを行い、授乳期にも備えておきましょう。たいした事では無いと思わず、赤ちゃんが授乳する際の大事な箇所でもあります。かゆみなど、トラブルで我慢できないような時は、恥ずかしがらずにお医者さまに相談しましょうね。
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