妊娠中は、赤ちゃんへの影響も考えて病気に対して敏感になると思います。安静にしていて治る程度の病気なら良いのですが、ウィルスの感染等の場合の赤ちゃんへの影響は、大丈夫なのか不安になりますよね。
そこで、近年増え続けている風疹の感染について、妊娠中の風疹感染の赤ちゃんへの影響等、まとめてみました。
風疹とはどんな病気?
風疹とは、ウィルス性の感染症で感染力は非常に高く、インフルエンザの感染力よりも高いといわれています。症状としては、発熱、リンパ説腫脹、首や顔等に赤く小さな発心等の特徴的な症状が出ます。症状の出方には個人差があり、軽い場合は、3日程で症状が落ち着いてくる場合もあれば、全く症状が出ない事もあります。潜伏期間は2~3週間程あり、飛沫感染により感染します。
一般的な流行の時期は、春から夏にかけて多くなりますが、他の時期に流行する事もあり、周囲で風疹が流行し始めた時は注意が必要です。子どもに多い病気のイメージがありますが、近年、大人が感染する確率が増加しています。平成24年から風疹が大流行し始め、年々増加しているのが現状です。以下のような場合にも風疹に感染する可能性がある為、注意が必要です。
風疹の既往歴がある
以前は、一度風疹に感染すると抗体が出来るので、再び風疹に感染する事はないといわれていました。しかし、近年では一度風疹に感染していても、再感染の可能性もあるといわれています。よって、風疹の既往歴があっても、念の為に風疹の抗体が体内にあるかどうかを確認した方が良いでしょう。
生まれ年が1987年以降の方
以前は、学校での風疹の集団予防接種が行われていました。しかし、その後1987年以降から集団での予防接種は無くなり、医療機関での個別の予防接種になりました。その後、予防接種を受けた人の確率が激減しました。
風疹患者の割合は、男性が女性の4倍だともいわれています。妊活を始める前に、ご夫婦で風疹の抗体の検査を受けて、抗体が無い時は予防接種を受けるようにしましょう。
予防接種を受けた事がある
予防接種を受けていたとしても、体内に十分な抗体が出来ていなかったり、予防接種を受けてから年月が経ち、抗体が少なくなっている事もあります。
予防接種を受けていても、体内に十分に抗体が出来ていない場合は、風疹に感染する事もあります。体内に抗体が十分に残っているかどうか確認するようにしましょう。
風疹を予防する為には?
風疹に感染しないようにする為には、予防接種を受ける事が一番確実で、重要です。体内に十分に風疹の抗体を作っておく事で、風疹の感染を予防する事が出来ます。風疹のワクチンは、生ワクチンなので、妊娠中は予防接種を受ける事が出来ません。
妊活を始める時には、ご主人から感染する可能性も考えて、ご夫婦で風疹の抗体があるかどうかを調べ、必要に応じて予防接種を受けて風疹の抗体を作っておきましょう。
妊娠中に風疹感染した場合の影響は?
妊娠中に風疹に感染してしまった場合は、妊婦さん自体に症状が重く出るという事ではありませんが、妊娠20週までに感染した場合は、胎盤を通じて胎児も風疹に感染する事になります。
胎児への影響の出方は、妊娠週数や風疹の既往歴、過去に予防接種を受けていたか等によって様々なので、医師の診察を受けて適切な処置を受けるようにしましょう。
先天性風疹症候群
胎盤を通じて風疹に感染した胎児は、目や耳、心臓等の障害や、発達の遅れの影響を受ける可能性が高くなり、そういったことを「先天性症候群」といいます。妊娠初期は、赤ちゃんの内臓や目、耳などの器官が形成される時期です。
妊娠週数が早ければ早い程、赤ちゃんに及ぶ影響も大きくなり、赤ちゃんの器官形成に関わる影響も大きくなります。
先天性風疹症候群になる可能性
妊娠1ヶ月頃に風疹に感染した場合は約60%、2ヶ月頃に感染した場合は約30~40%、3ヶ月頃に感染した場合は約10~20%、という確率で先天性風疹症候群になる可能性があるといわれています。
しかし個人差もあり、風疹に感染した妊婦さん自体に症状が出ない場合や、症状が軽い場合は、赤ちゃんへの影響も少ないといわれています。また、妊娠週数が20週以降で遅ければ遅い程、赤ちゃんへの影響も少ないといわれています。
先天性症候群の症状
先天性症候群の主な症状としては、以下のようなものがあります。
- 白内障、緑内障、網膜症等の視覚障害
- 難聴等の聴覚障害
- 心臓の構造異常や動脈管開存症などの先天性心疾患
- 血小板減少性紫斑病
- 心身の発達の遅れ
他にも様々な症状が考えられますが、風疹に感染した場合に、必ずしも先天性症候群の症状が出るという事ではありません。しかし、全く可能性がないとも言い切れないのも事実なので、風疹に感染した時は、医師の診断の元で適切な指示を受けることが大切です。
妊婦さん自体の症状も強く赤ちゃんへの影響も不安が強い場合は、胎盤絨毛の検査を行う事で、風疹ウィルスの胎児への影響を調べる方法もあります。赤ちゃんへの影響を思うと不安一杯になってしまうと思います。出来るだけ一人で不安を抱え込まないように、病院で医師や看護師に相談するようにしましょう。
妊娠中は風疹対策を徹底する!
妊娠中は体の抵抗力も落ちているので、風疹だけではなく、いろいろな病気の感染に気をつけなければいけません。予防接種を受ける事以外の、日常生活で出来る対策をまとめました。
外出時はマスクを着用して、人混みを避ける
飛沫感染を防ぐ為にも、外出する時には必ずマスクを着用するようにしましょう。抵抗力が落ちている妊娠中は、いろいろな病気の感染のリスクも高くなるので、出来るだけ人混みは避けるようにしましょう。
手洗い、うがいを徹底する
外出先から帰宅した時には、必ず手洗い、うがいをするようにしましょう。基本的な事ですが、徹底して行う事で、風邪を含めた他の病気の予防にも繋がります。
家族も風疹の予防接種を受ける
家族が風疹に感染すると、二次感染が起きる可能性も考えられます。まずは、風疹の抗体の検査を受けてもらい、抗体が無い場合には、予防接種を受けてもらうようにしましょう。
ウィルス感染予防グッズ
自己管理しながら、更に予防を強化出来るウィルス感染予防グッズを紹介します。
手ピカジェル
アルコールタイプの消毒用ジェルです。手軽に消毒が出来るので便利です。携帯用のタイプもあるので、外出時に手洗いが出来ない状況でも、手軽にウィルス除去が出来て安心です。
サージカルマスク
サージカルマスクとは、医療用のマスクで、抗菌フィルターの処理が行われているマスクです。沢山の種類のマスクが市販されていますが、pm2.5等も予防出来る程、高性能な様々なマスクが市販されています。着用時の隙間が出ないように、ご自分の顔のサイズに合った物を選び、鼻や口元に隙間が出ないように着用するようにしましょう。
ウィルスブロッカー
首からぶら下げるタイプのカードタイプのウィルス除去剤です。空気中の感染の予防に効果的なので、マスク着用だけでは不安な人混みの中では、マスク着用とウィルスブロッカーで、より安心出来ます。
薬用石鹸
普通の石鹸の手洗いよりも殺菌効果が強い石鹸を使うと、より効果的です。様々な殺菌効果の強い石鹸が市販されています。手洗いの時には、指先、指の間、爪の間等隅々までしっかり洗うようにしましょう。
まとめ
妊娠中に病気にかかると、どんな病気でも赤ちゃんへの影響が心配になりますよね。病気の影響には個人差がある事なので、不安な事は医師に相談するようにしましょう。信頼出来る医師の元で、妊娠中の不安を少しでも減らす為にも、適切な指示を受けて対応していくようにしましょう。
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