黄体機能不全とは?治療法や症状、原因を知って改善しよう!

人間の身体は、内蔵や骨、筋肉、神経など、様々な器官によって構成されており、それぞれが機能できるよう、実に上手くつくられています。

なかでも、女性は、妊娠・出産をする身体のつくりになっているため、男性には見られない、女性特有の不調が見られることが多々あります。

そして、そのような女性特有の不調に大きく影響しているのが、いわゆる「女性ホルモン」と呼ばれているホルモンの働きです。皆さんは、『黄体機能不全』という言葉をご存知でしょうか?これは、文字通り、ホルモンを分泌する「黄体」が正常に機能しなくなる病気です。

今後、妊娠を望む人にとっては、非常に大きな問題になってくるのは言うまでもありません。そこで、ここでは、黄体機能不全についての症状や原因、改善方法などをご紹介いたします。

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黄体について

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では、黄体機能不全の「黄体」とは、どのような組織なのでしょうか?妊娠を望む女性には、欠かせない組織であることは、イメージできるかもしれませんが、具体的な働きや、役割については、あまり知らないという人も少なくありません。

そこで、まずは、黄体について、簡単にご説明いたします。

黄体とは?

女性には排卵周期があり、その周期の中で排卵された「卵胞」が変化したものを、黄体と言います。この黄体からは、プロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモンが分泌されており、その機能が続くのは、約2週間と言われています。

この間に、妊娠しなかった場合、必要ではなくなった子宮内膜とともに、月経が起こり、体外へ排出されます。

黄体ホルモンの役割は?

それでは、不足すると様々な問題を引き起こす、黄体ホルモンとは、どのような役割をするのでしょうか?簡単に述べると、妊娠しやすい環境に身体を整え、妊娠後も、妊娠継続できるようなサポートをしているのです。

具体的に説明すると、まず、排卵期に黄体ホルモンが分泌されることで、子宮内膜に厚みが出て、柔軟性が増すため、受精卵を着床させやすい環境にする働きがあります。子宮が「赤ちゃんのベッド」と呼ばれるような環境にできるのは、黄体ホルモンの働きがあってこそ、というわけです。

また、黄体ホルモンには体温を上昇させる作用もあります。女性に、低温期・高温期があるのはこのためです。

さらには、妊娠成立後も、重要な役割を果たします。妊娠すると、「妊娠黄体」が形成され、そこから分泌される黄体ホルモンによって、子宮が収縮するのを防ぎ、妊娠が継続できるように作用します。

このように、黄体ホルモンは、妊娠・出産までの間に、とても大切な役割を果たしているのです。

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黄体機能不全が引き起こす、深刻な問題

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黄体機能不全になると、黄体から分泌される黄体ホルモンの量が不足してしまいます。黄体ホルモンの量が不足すると、女性にとって深刻な問題を引き起こす可能性があるのです。

不妊症

黄体ホルモンが、妊娠するための重要な役割を担っていることは、先に述べたとおりです。黄体ホルモンが不足すると、子宮内膜が肥厚しない状態になるということになります。これは、受精卵が着床しにくい環境になるということにつながります。

現在、不妊症で悩んでいる約10%もの人が、黄体機能不全だと考えられています。

流産しやすくなる

妊娠22週未満の妊婦が、妊娠を継続できなくなることを「流産」と呼びます。流産の原因には、いろいろなことが考えられますが、黄体機能不全によって、黄体ホルモンの分泌が不足した状態になると、子宮が収縮するのを防ぐよう作用するホルモンが少なくなるため、妊娠を継続できず、流産の危険性が高くなるのです。

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黄体機能不全の症状は?

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このように深刻な問題を引き起こす黄体機能不全には、「○○が痛くなる」というような、わかりやすい自覚症状がほとんどありません。月経周期や小さな体調の変化に気づくことができるよう、“健康なときの身体の状態やリズム”を、普段からしっかりと把握しておくことが大切です。

黄体機能不全の可能性がある場合、以下のような症状が見られます。

月経周期が短くなる

月経周期には個人差があるものの、正常な月経周期は25日~38日程度、そして、排卵後の黄体期と呼ばれる高温期は11日~14日程度だと言われています。

しかし、黄体機能不全になると、まず、黄体期の周期が短くなるため、結果的に月経周期も短くなってしまうのです。

高温期が短くなる

これは、上項目で述べた月経周期にもつながることですが、基礎体温をつけている場合に、目安になる症状です。妊娠を望む人であれば、基礎体温を測っている人も多いのではないでしょうか。

基礎体温の計測結果をグラフにすると、正常な場合、排卵日を境に、高温期と低温期に分かれたグラフになります。しかし、黄体機能不全の場合、高温期に異常が見られます。

  • 高温期の期間が10日間以下である
  • 低温期と高温期の温度差が、0.3℃以下である

このような症状が見られた場合、黄体機能不全の可能性が高いと言えます。

月経前出血がある

これは、唯一目に見えるわかりやすい症状の一つかもしれません。黄体機能不全になると、ホルモンバランスが崩れます。そのため、月経予定日の前に、「機能性出血」と呼ばれる月経前出血が起こることがあります。

このような小さな身体のサインを、見落とさないことが大切です。

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黄体機能不全の原因は?

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黄体機能不全の直接的な原因は、卵子の質を良くして、成熟させる「卵胞刺激ホルモン」や、排卵前に分泌される「黄体形成ホルモン」の分泌低下、あるいは子宮内膜がホルモンの刺激に反応できないという感受性の悪さにあると言われています。

しかし、なぜ、そのような状態を招くのかといった間接的な原因には、様々なものがあり、一つに断定することはできませんが、以下のようなことが考えられています。

ストレス

あまりにも強いストレスを受けたとき、あるいは、仕事でハードスケジュールが続いたときなどに、予定より、随分早く月経が起きたり、あるいは予定日よりも遅く月経が起こった、という経験がある人もいるのではないでしょうか。

このように、女性ホルモンはストレスに非常に敏感です。精神的・肉体的なストレスは、卵巣にも大きく関係する、脳の「視床下部」というところに影響を与えるため、女性ホルモンと呼ばれる「エストロゲン」や「プロゲステロン」の分泌にも異常が現れるのです。

冷え

冷えは万病のもとと言われていますが、まさにそのとおりです。冷えは、自律神経の乱れや、血流の低下が原因と考えられていますが、ホルモンバランスの影響もあるため、男性よりも女性に「冷え」の症状が多く見られます。

また、女性は下半身に脂肪が多く、元々冷えやすい傾向があるのですが、下半身の冷えは、子宮や卵巣の機能低下にもつながります。

消化器などの機能低下

東洋医学で黄体機能不全を捉えた場合、生殖や成長に大きく関係する「腎」の機能低下によるものが原因だと考えます。腎の機能が低下すると、卵胞が育ちにくくなるため、黄体機能も低下するというわけです。

また、そのほかにも、自律神経と密接なつながりのある「肝」の機能低下、暴飲暴食による「脾」の虚弱化なども原因としてあげられます。

甲状腺ホルモンの乱れ

甲状腺は、人間の成長や発育、新陳代謝などの循環器を、正常に働かせるための大切なホルモンを分泌しています。これらのホルモンバランスが崩れると、黄体機能不全だけではなく、月経異常や排卵障害など、そのほかにも様々な不調を引き起こします。

高プロラクチン血症

本来、「プロラクチン」というホルモンは、出産時に母乳をつくるために分泌されます。しかし、高プロラクチン血症になると、妊娠していないのにも関わらず、このホルモンが多量に分泌された状態になります。すると、プロラクチンには月経や排卵を抑制する機能があるため、黄体機能不全を引き起こすのです。

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黄体機能不全の改善方法は?

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黄体機能不全の治療において大切なのは、不足している黄体ホルモンを、正常な分泌量に戻すことです。具体的な治療法には、以下のような方法があげられます。

排卵誘発剤を投与する

原因の項目でも、冒頭に述べたように、黄体機能不全の直接的な原因として、卵胞が成熟していないため、排卵が正常に行われていないことがあげられます。これを改善するため、排卵誘発剤を投与し、黄体機能不全を改善に導きます。

排卵誘発剤は月経が起こって数日間服用しますが、服用開始する時期や、服用期間などは排卵誘発剤の種類によって異なるので、医師に確認しましょう。

また、子宮内膜が肥厚しないなどの副作用もありますので、事前に副作用についても確認しておくことが必要です。

hCGを投与する

hCGとは、ヒト絨毛性ゴナドトロピンという、受精卵着床後に分泌されるホルモンです。このホルモンは、排卵前に分泌される黄体形成ホルモン(LH)と似た働きを持ち、排卵を誘発したり、黄体を長持ちさせる働きを持っています。

そのため、hCG注射を行うことで、黄体ホルモンの分泌を促進し、黄体機能不全を改善に導くというわけです。

しかし、hCG投与の場合においても副作用があり、吐き気や下腹部痛、お腹の張りといった症状が見られることもありますので、事前に医師に確認しておきましょう。

黄体ホルモン(プロゲステロン)を投与する

黄体ホルモンが不足すると、子宮内膜がはがれやすくなるのが大きな特徴としてあげられます。このような症状は、hCG投与によっても防ぐことができますが、黄体ホルモン投与による治療法もあります。

黄体ホルモンを投与する場合には、内服薬と注射の2種類の投与方法があり、どちらかを選択することが可能です。しかし、頭痛や吐き気、胸の張りなど、上記2つの治療法と同様に副作用が出る場合もありますので、いずれの場合においても、医師の説明をしっかりと受けておくことが大切です。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。将来、妊娠を望む人は、ぜひ改善しておきたい黄体機能不全にも、様々な治療法があります。一つの治療法で経過を見るよりも、いくつかの治療法を並行しながら改善へ導くというのが、一般的な治療法だと言われています。

また、このような医療による改善方法のほかにも、ストレスを除去する、身体を冷やさない、質の良い睡眠をとるなどの、内側からのケアも大切になります。

とくに、冷えは身体にいろいろな不調をもたらしますので、冬場に限らず、気温の上がる夏場においても、室内での冷え対策や、冷たい物の食べ過ぎ・飲みすぎ、には気をつけましょう。

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