朝起きたら腰が痛い。仕事終わりは首や肩こりがひどい。そんな時あなたはどうしますか?
多くの方が帰ってから湿布薬を貼るというのではないでしょうか?または以前に医療機関から大量にもらった湿布薬を貼るなど。湿布薬はその手軽さからとても重宝されていますね。
でも朝起きたら湿布を張っていたところがかゆい、痛みがあるなどまたは日中外に出たときに急に赤みが出て痛かゆくなったなど。こんな経験もあるのではないでしょうか?
実はそのかゆみや痛みの原因は湿布薬です。湿布によって皮膚がかぶれてしまい痒みや痛みなどの皮膚症状を引き起こしているのです。湿布にはテープタイプのプラスター剤のもの昔からよく使用されているすーっとするパップ剤の湿布や冷感湿布や温感湿布など様々な種類があります。どの湿布がかぶれやすく、問題に繋がるのでしょうか?
また正しい湿布の使用方法や湿布をしてかぶれてしまった場合の対処方法について紹介していきます。
正しい湿布薬の貼り方とかぶれた時の対処法をまとめてみました。もし湿布により皮膚がかぶれてしまうなどの問題を発生させてしまった人は是非参考にしてみてください。
湿布の種類と効果
湿布とは、薬剤や水分などをシート状のものにしみこませ、患部に貼ることで痛みやコリなどの身体的不調を緩和する働きがあります。
また湿布にも種類や入っている成分によって色々な効能があります。自分の症状にあった湿布薬を選びましょう。まずは基本的な湿布の効果について紹介していきます。
温湿布
薬剤成分によって温める効果を持つ湿布は、患部の血管を拡張させ血流を良くして筋肉をほぐしコリや痛みを取り除く効果を持ちます。
温かく感じる訳は、湿布に唐辛子成分が含まれていることで、皮膚に貼った直後から皮膚に適度な刺激を与えて血行を良くすることで皮膚が温まります。特に肩こりや腰痛などの筋肉の凝りによる問題を解決する場合に効果があります。
薄くしっかり肌に張り付くタイプの物もあり、関節などの部分に貼って曲げ伸ばししてもはげれにくい構造になっています。このような薄いタイプのものはプラスター剤タイプの湿布と言われます。
冷湿布
腫れて熱をもった患部などを冷やすことで、腫れや痛みを抑える効果を持ちます。基本的には白い色のもので厚手で水分を多く含んでいると言う特徴があります。
最も一般的なパップ剤タイプと呼ばれる湿布で、一番想像しやすい湿布なのではないでしょうか。冷湿布は炎症が起きている打撲や捻挫や筋肉痛などの関節の炎症や痛みの発生している問題に適しています。
特に熱を発している症状に対して最も有効に働きます。しかし関節などに使用すると剥がれやすく、睡眠中に布団の中に落ちていることなどが多くあります。粘着剤を多く使用していないので粘着力がそこまで高くなく、水分を多く含んでいるため何かで保護しないとすぐに剥がれてしまいます。
経皮鎮痛消炎テープ
薄型のテープタイプの湿布になります。フェイタスなどの商品に代表されるものになります。薄い茶色のもので、痛みや炎症などの症状を和らげてくれる効果があります。
フェイタスの他にも一般的なもので、モーラステープやロキソニンテープなどの商品もおなじみでしょ。痛み止めとしての機能が強いので、筋肉や関節などに痛みが強く発生している場合に有効な外用薬になります。
湿布に含まれている非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される成分が痛みや発熱、炎症などの症状を和らげてくれるので効果が期待できます。それぞれ商品ごとに使われている成分は違いますが、そこまで差はありません。
昔は市販では購入ができずに医師や専門家からの処方飲みになっていましたが、最近ではロキソニンテープなどの商品も市販で購入できるようになりました。
湿布に寄るかぶれの原因
日常生活で起こる身体的不具合にとても便利な湿布ですが、以下の原因から湿布によってかぶれることがあります。
湿布を使用する際はこれらの原因によってかぶれが起きてしまわないように注意しましょう。基本的には原因を理解すれば問題を回避することができます。
湿布を貼ったあとに日光(紫外線)を浴びたことによるもの
湿布が貼られている時には遮断されていた紫外線の刺激を受けることでかぶれてしまうことがあります。紫外線の刺激の急激な差が問題につながっていると考えられます。
湿布を貼った後は薬用成分などの影響で肌が敏感になっていることも考えられますので、何かしらで肌を守るなどして紫外線の影響を受けないようにしていきましょう。
もとから皮膚が過敏肌であことが影響しているもの
もともと肌が敏感肌の人は湿布を貼ることで成分の影響や汗や蒸れによってかぶれやすくなります。また水分を多く含んでいるパップタイプのものは特に汗だけでなく、湿布自体の水分でも肌が荒れてしまうこともあるでしょう。
アレルギーなどを持っていたり、何かしらの皮膚症状を持っている人は特に注意しましょう。敏感肌で肌が荒れやすい人はなるべく湿布の面積を小さくするなどの方法で対処すればいいでしょう。
湿布薬に含まれる粘着成分によるもの
湿布にはしっかり患部に貼り付けられるように、薬用成分の他に粘着成分が含まれています。基本的に完全に密閉してしまうものではないんで、若干の通気性は確保されていますが、この粘着成分が肌と湿布の密着度を挙げてしまうことで蒸れや通気性の確保ができないなどの問題が起きやすくなります。
また、この粘着成分自体に負けてしまうことで肌が荒れてしまったり、痒みや痛みを感じることもあります。ひりひりとしてきた場合はなるべく湿布を使用しないようにしましょう。
長時間使用することによるもの
長時間湿布を使用することで、更に上記の問題が強く発生してしまったり、発生しやすくなります。一般的には使用時間は8時間という風に言われていますが、これはあくまで基準であり、中には使用時間は2時間で十分だとする意見もあります。
しかし、血中の成分濃度を調べると12時間の使用時に最も成分濃度が高まったという結果も出ています。確かに関節や筋肉などの問題を解決することも重要ですが、皮膚に痒みやかぶれなどの問題が発生してしまうことも望ましくありません。
なるべく問題に繋がらないように効果的な貼り方をして短時間で効果を得られるようにしていきましょう。
湿布の副作用
湿布に含まれる炎症を起こす薬剤成分によるもので肌が荒れてしまい、かぶれてしまうことがあります。肌に合う合わないなどの個人差がありますので、他の湿布では問題にならないのに、一部の湿布ではかぶれてしまうなどの場合はその湿布に含まれている成分で肌が荒れてしまうことがあります。
成分についてもその副作用から注意が必要なものをいくつか紹介します。肌への影響だけでなく呼吸器官へ影響を発してしまうものもありますので注意しましょう。
①ジクロフェナクナトリウム
喘息持ちの人、胃潰瘍などの病歴を持つ人にはかかり付け医や薬剤師に使用してよいか聞いたほうが良いでしょう。
②フェルビナク
15歳未満や妊娠している方、喘息持ちの方には不向きな成分です。市販薬を購入する際には成分や注意書きを良く見て薬剤師さんに相談してみてください。
③インドメタシン
鎮静作用効果がある成分のインドメタシンは患部の腫れや痛みを緩和するのによいといわれますが、同時に呼吸器や消化器などへの副作用もあるといわれています。喘息の方には特に注意が必要です。かかりつけのお医者さんに相談するのが良いでしょう。
このように湿布薬はその効果・効能だけでなくかぶれやその他の副作用を起こすこともあるので購入や使用には十分注意が必要です。
接触性皮膚炎
いわゆる一般的にかぶれのことを接触性皮膚炎といいますが、接触性皮膚炎には
①原因となる物質に触れることで起こるもの
②原因物質に対してアレルギー反応を起こしてなるもの
の2つのタイプがあります。
その主な原因物質としては、ケトプロフェンやL-メントール、クロタミトンやインドメタシンが多いといわれています。またその他湿布薬の主成分でもあるフェルビナク、フルルビプロフェンやサリチル酸メチル、サリチル酸グリコールなども原因物質となることもあり市販薬などは注意が必要です。皮膚刺激性があるのでかぶれの問題に繋がる場合があります。
さらに湿布を長時間貼り続けたり、貼ったところに汗をかいてそれが蒸れて原因物質と反応する刺激性接触皮膚炎を起こすこともあります。
治療法としては原因となる物質を取り除くのが一番の方法ですが、原因となるものの特定ができないときは治療が難しくなります。
光線過敏症
湿布薬をはがした後に外出して日光を浴びたら真っ赤になって腫れたことありませんか?
それは湿布薬に含まれるケトプロフェンという成分が日光(紫外線)を浴びて薬剤性光線過敏症という症状を引き起こしたからです。
この薬剤性光線過敏症は、ケトプロフェンを含んだ湿布薬に多く、はがした後もその成分が残っていれば引き続き症状を引き起こすというもので、注意しなければいけないものです。さらに湿布タイプのものだけでなく、液体タイプの湿布薬というのも市販されています。こちらについても同じようなかぶれの原因がありますので、液体だからと安心せずによく注意してみてください。
またこのケトプロフェンという成分を含んだ湿布薬は妊娠している人には害になるので使うことが出来ません。
購入の際には効果・効能だけでなく、成分についてもよく注意書きを見ることをオススメします。
かぶれたときの治療法
かぶれてしまったら早く治したいですよね。もし湿布によって皮膚がかぶれてしまった場合の対処法を紹介していきます。かぶれを早く治療するための治療法を見ていきましょう。
原因物質を取り除く
まずは原因となる物質を取り除くのが一番の方法です。湿布薬でかぶれたのであれば、すぐにはがしてしまいましょう。その後に患部を清潔に保つことが先決です。
かぶれた場所に更に湿布を使用してしまうと、かぶれの症状を悪化させてしまいかねません。かぶれの症状がひどくなると非常に強いかゆみが発生してきてしまいますので、早めに湿布を貼らないようにしてしていきましょう。
掻きむしらない
かぶれている所にはヒスタミンという物質が刺激によって活発に発生していて、このヒスタミンが皮膚表面の受容体と結びつくことで痒みが発生しています。
さらに掻いて刺激を与えてしまうと更に、ヒスタミンを増やしてしまい痒みが広がってしまう事に繋がります。抗ヒスタミン薬などの薬を使用して痒みを沈めたり、患部に通気性の良い包帯を巻くなどの処置をして刺激を与えないようにしましょう。
湿疹があり痒いところは、掻けば掻くほど痒みが広がってしまいます。終いには睡眠障害につながるほどのかゆみに発展することもありますので注意しましょう。
薬物療法
かぶれるということは、皮膚に炎症が起きているということです。まずはその炎症を抑えるために一般的にはステロイド薬が処方されます。赤みや腫れ、かゆみも抑える効果が期待できます。
一般的にステロイド剤は敬遠されがちですが、ひどいかぶれなどの時は一時使用で良くなる効果があります。長期間使用を避けるなどすれば、効果的に治せるといいます。治療方法などは皮膚科に行き専門家であるお医者さんとよく相談してみましょう。
市販薬の軟膏薬などを使用してもいいでしょう。また、軟膏タイプの消炎症効果のある薬剤もあるので、湿布で問題になってしまう場合はそちらを利用してもいいでしょう。
かぶれを起こさない・悪化させないために
湿布によって痒みの問題を引き起こさないために普段から出来る対策方法を紹介していきます。また、発生してしまったかぶれが悪化しないために普段から注意するべき問題についても紹介していきます。
日常生活で気をつけること
出来てしまったかぶれについては、清潔に保ち、必要以上に触ったり、引っかかないことが大切です。気になるようなら患部をガーゼなどで覆ってしまうと良いでしょう。通気性のよいものがいいでしょう。また入浴も必要以上の長湯を避けましょう。患部が温まりすぎると炎症が悪化したり、かゆくなったりします。
①アレルギー原因物質を避ける
自分がどのようなものに過剰反応するのか知っておくと重症化を未然に防げます。
②化粧品や原因物質になりそうな薬剤などは同じものを使い続けない
今まで害の無かったものでも長期間使い続けることで原因物質が体内に微量でも蓄積することがあります。それが体調が良くないときや免疫が弱くなっているときにアレルギーとして発症することもあります。シャンプーや化粧品、その他日常で使う薬品などに関しては適度な期間をあけるかある程度の期間で変更するほうがよいでしょう。
③普段から肌を保護する
風呂上がりや水仕事などで荒れたときは保湿クリームなどで皮膚を保護しましょう。肌のバリア機能を保つことでかぶれを防ぐことができます。
また皮膚がかぶれるときは、皮膚以外の日常生活の様々な原因によって皮膚が弱っていたりすることがあります。
・ストレス
・刺激物の取りすぎ
・アルコールの過剰摂取
・睡眠不足
・ハウスダスト
・洋服などの締め付けによる圧迫など
このようなことがかぶれの悪化の原因になることもあるで注意しましょう。
湿布を張るときに気をつけること
最後に湿布をはってもかぶれないようにするために気をつけておくことはあるのでしょうか?
正しい湿布の貼り方としていくつかの効果的な湿布の利用方法や注意点について紹介していきます。
いくつかの注意点
・湿布を貼る患部は清潔にしておくこと。
・患部に傷がある場合は張らない。
・患部に汗をかいている場合はふき取って清潔にしてから貼る。
・入浴後すぐには貼らない。
・自分にあった成分のものを貼る。(アレルギーを前もって調べることも大切)
そして貼ったあとに注意することは、
・長時間貼り続けない
・貼ったあとに日光(紫外線)をあてない。
・汗をかいたら貼りかえる
・繰り返し同じ場所に長期間張らない。
このようなことに注意して湿布薬を貼れば、かぶれなどのつらい経験をしなくて済むかもしれません。
湿布を貼る効果的なタイミング
湿布を貼る時間帯でも効果が得られる振れ幅に変化があります。最も効果の高い時間帯は入浴を行って、身体をキレイ清潔にして、身体の血行が良くなり温まっているときが最も有効なタイミングとされています。
睡眠中ずっと6時間以上湿布を付けていると肌がかぶれてしまうと言う人は、体がしっかり温まっているタイミングに湿布を貼って、4時間ほどで剥がしてしまいましょう。
血行がよく温まっているタイミングであれば、成分がしっかり体をめぐり、効果が早く現れます。短時間でもしっかり効果が得られるので長時間湿布を付けておかなくても良いのでかぶれる事はなくなるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
普段の生活でとても便利な湿布薬ですが、日頃の生活習慣で皮膚が弱っていたり、知らないうちにアレルギー反応が出たりしてかぶれてしまったらとてもつらいですよね。そうならないためにも正しい湿布薬の選択と貼り方を理解しましょう。
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